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#3467 経営破たんに近い根室市の財政(2):四つの対策 Nov. 25, 2016 [26. 地域医療・経済・財政]





<更新情報>
11/25 朝9時半 北海道新聞から町民懇談会(中標津町)ニュース転載

  #3466で根室市の財政状況を概観しました。借金の額は一般会計と特別会計をあわせて330億円(H26年度)、財政規模は長谷川市長になってから拡大の一途を辿って、直前の藤原市政が145億円まで市の予算規模を圧縮したのに、昨年度の決算ベースでは190億円に膨らんでいます。
 藤原市政に替わってから市の人口減が加速しています、10年間で4300人の減少。人口が1割以上減少したのに、予算は3割増やす。いまでは根室市の住民一人当たりの一般会計の借金額は道内5位です。特別会計も含めると夕張市と芦別市に次いで3位かもしれません。長谷川さんという人はバランス感覚を欠いた極端な人ですね、10年間こうした予算膨張策を採り続けています。こういうのを過激派 radical extremist というのでしょう、ニムオロ過激派というニックネームを差し上げます。(反対語は保守派 conservative ですが、わたしは穏健なニムオロ保守派です)

 さて、そうした事実と分析を踏まえて対策を四つ挙げます。

(1)財政規模の段階的縮小と借金半減計画
  ⇒ 5年間で予算規模を130億円へ、借金は減らせるか?
(2)10年間新規施設はつくらない
(3)監査機能の強化
(4)一般市民の参加が可能な市政の仕組みづくりをする
 
 1番目の財政規模の段階的縮小は、前回適正財政規模の試算をしたので、五年間でその数値を達成する具体的な計画を総合政策部と財政課が協同してつくり、ホームページで市民へ公表するというものです。次いでで結構ですが、330億円の借金の返済計画についても10年間の具体的なスケジュールを作ってください。出来上がったら、市民と協議して実施案としてください。
 中標津町では五年前に自治基本条例を制定して、町の将来構想に市民がオープンに参加できるように変わりました。根室は相変わらず、「オール根室」という閉鎖的なグループだけの意見を「~市民委員会」と冠した名前をつけて聴くだけです。一般市民参加を排除する閉鎖的な市政は中標津町とは対照的です。

 2番目は、新規施設建設を10年間やらないと市議会で決議する。一般会計だけで220億円の地方債、特別会計110億円を合わせると330億円の借金を抱えています。市民一人当たりの地方債残高は120万円を超えています。夕張市、芦別市についで、おそらく道内3番目でしょう。このような状況で、明治公園の再開発40億円超、新市庁舎、総合体育館の建設をして地方債を増やしてはなりません。3割の自己資金が捻出できなくて、国の補助事業すらやれなくなる時が来ます。

 3番目は監査機能の強化です。市立病院で所得税預り金の未納付問題が発覚し、課徴金200万円が生じました。院内有志で弁済しましたが、このことは病院の監査が機能していないことを如実に物語っています。
 根室市の一般会計のほうの監査委員は税理士と元地元信金専務理事です。どちらも監査業務の経験がありません。そして片方は根室市の取引先信用金庫の元専務理事ですから、「独立不羈の第三者」であることを要請される監査人として不適格です。元取引先信用金庫の役員でありながら根室市の監査を引き受けること自体が、監査業務に対する無知をさらけ出しています。こういうことは実質監査機能を危うくするもので断じてあってはならぬことです。
 歴代の特別会計の監査人は監査の専門書を読み、適正な監査手続きに従って監査を行った人が一人でもいるのでしょうか?おそらく皆無だと思います。不適切な人選を繰り返してきたのでしょう。これからも標準監査手続きを実施しないことで問題が発生します。
 専務理事による根室漁船保険組合横領事件、担当職員による落石漁業組合横領事件は監査手続きにしたがってチェックしていたら、年度をまたいで横領が繰り返されることはありませんでした。
 監査人に任命するときに、
①監査の専門書を一冊読むことを義務付ける
②標準監査手続きにしたがって監査業務をやる
標準監査手続きに忠実に監査せずに生じた損害については賠償責任を負う
 これら3項を明記した契約書を取り交わすべきでしょう仕事には責任が伴います。いままでの監査人は、基本監査手続きを知らず、帳簿や証憑類に目を通しただけで監査証明書にメクラ判を押すだけだったのではないですか?
 監査機能がないままでは問題が大きいので、適格な人材が見つからなければお金を支払って外部監査を導入すべきです。一般会計と8特別会計、そして市の関連団体の監査にどれくらいかかるか、監査法人または公認会計士に相談してみたらいい。

 4番目は、市長の諮問委員会方式をやめて、中標津町のように自治基本条例を制定して、一般市民が自由に参加できる体制をつくるべしということ。市議会の役割ですが、ふるさとに戻って13年間観てきましたが、失礼ながらそういう仕事はできないようですから、総合政策部に案を作ってもらったらどうですか?中標津町の条例を参考にすればそうむつかしいことではありません。自分たちの期末手当を上げる条例はつくっても、こういうものに知らん顔では、市議会への市民の風当たりはますますきつくなります。冷たい北風を感じませんか?

(副業市議で忙しくたって、ネットで専用掲示板を立ち上げて議論すればいくらでもやれますよ自分たちの手に余るなら、ネットで市民の協力を仰げばいいのです。
 「釧路の教育を考える会」はネットに専用掲示板を設定して議論を繰り返し、釧路市議会の超党派の研究会と連携して「基礎学力保障基本条例」制定に協力しています。実にスピード感のある仕事運びでした。ちなみに、「釧路の教育を考える会」のメンバーは元釧路教育長で会長の角田さんを除いては、みなさん現職で忙しい方たちです。暇なのは好々爺の角田さんと小さな私塾をやって好々爺になりつつあるわたしだけ。(笑))

  11月25日の北海道新聞根室地域版には次の記事が載っていました。
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教育や防災へ要望続々
 
中標津町で町長と町民懇談会
【中標津】西村穣町長らと町民が話し合う「まつづくりを考える懇談会」が22日、町総合文化会館で開かれ、町への要望や地域の課題について意見を交わした。町民と直接話す機会をつくろうと毎年開かれており、今年は12月7日までの町内7箇所で開かれる。
 この日は町民12人が参加し、「住みやすく、住み続けたいまちづくり」をテーマに西村町長のほか、小谷木透教育長や宮川睦副町長ら5人が町民の質問に答えた。
 8月の町長選で初当選した西村町長が「人口減少や少子高齢化が深刻化すると経済活動に影響が出る。定住人口の維持や交流人口の増加に努めたい」とあいさつ。町民からは幼児教育の充実や防災体制の強化、中標津空港の活性化などを求める声が上がり、「公共交通機関の維持、充実に取り組んでほしい」「町民活動の活性化を促す施設を整備してほしい」「町郷土館の老朽化に対応し、展示品を充実してほしい」と要望した。町側は「町民の町づくりへの協力活動を支援する複合施設の整備を検討している」などと応えた。(古谷育世)
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< 余談 >
 光洋中学校と柏陵中学校が期末テスト中です。来週、啓雲中学校の期末テストがあります。このところ生徒たちは一生懸命です。英語も数学も2学期は急に難しくなります。根室高校も来週から前期中間テストです。
 昨日と一昨日は2時半から9時まで休憩なしでした。まだ、それくらいの体力はなんとかあります。市販のヨーグルトを種にして、小どんぶりで毎日自作して、バナナや季節の果物や、女房殿お手製のジャムを入れて授業のあいまに食べています。新鮮な元気のよい乳酸菌が腸を駆け巡っているような気がして下痢がなくなりました。気持ちの問題は大切ですね。
 「先生、胃がないから、こうして授業中にときどきヨーグルトを食べていないと低血糖で、計算ミスがでるから予防だよ、よろしく」、このごろそんなことをいうのも少なくなりました。みんな知ってますから、あたらしい塾生に一度説明するだけでいい。

<監査後日談> 2017.10.3追記
  監査人となった元信金専務理事は根室高校の同期である。かれはわたしの予想から外れて、ちゃんと仕事をした。根室で学び、根室ですっと仕事をしていたものの中から、ふるさとの未来のためにしがらみを振り切ってやるべきことをやることのできる漢が出現したことを素直に喜びたい。弊ブログ#3606で取り上げたので是非読んでもらいたい。N本、ありがとう。


*#3606 市立根室病院事業会計監査に関する意見書 Sep. 5, 2017
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2017-09-05

  #3466 経営破綻に近い状態の根室市(1) 財源14億円不足見通し Nov. 24, 20
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-11-23-1

*#3260 根室市役所新庁舎に廃校を利用しよう Mar. 17, 2016
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-03-16-1

#2603 平成26年度根室市の予算:21年間の予算推移 Feb.25, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-02-25


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