#3423 スーパー・アンカー英和辞典 Sep. 27, 2016 [47. 語彙力と「読み・書き・そろばん」]
先週土曜日にツタヤで英和辞典を買った。
『スーパー・アンカー英和辞典第5版』ミッキーマウス版
ミッキーマウス版は内容はまったく同じなのだが、100円高い。生徒が喜んで手にしそうなので、こちらを選んだ。
GINIUSの版が変わるたびに購入していたのだが、書店で手にとって見てもなぜか第5版は買う気が起きないので、棚にある辞書を数冊引き比べたのである。活字が変更になったようで、見辛くなった。引きやすさよりも、収載語数を優先した結果だろうから、これはこれ、しかたがない。
(『E-Gate』の説明が図を多用していてとってもよかったのだが、絶版になっている。current のコア・イメージを三本の波線であらわした図はシンプルで、なるほどと感心した次第。)
any と some をどう説明してあるか、語義の見易さ、collocationは載っているか、と確認しながら見たら、これが一番使いやすそうだった。
any を引いてみたら、紛れの小さい説明が載っていた。GINIUS4版よりはずっとわかりやすい。any の用法や用例、解説については辞書よりも『表現のための実践ロイヤル英文法』のほうが詳しいが、高校生が学習用に使う分にはこの辞書の説明で十分。
説明が一番惹かれたのは、諺(ことわざ)が載っているところである。具体例を書いたほうがわかりいいから3つぐらい挙げてみる。
loaf の項
● Half loaf is better than none [ no bread] (at all).
パン半分でもないよりはまし
live の項
● Live and learn.
長生きして学べ
bread の項
● Man does not live by bread alone.
人はパンのみにて生くるにあらず
短いものばかりだが、それぞれの用例には使うシーンを英語で説明してある。こんな遊びがあって「引くのが楽しい辞書」なのである。
「頻出表現メニュー」というのも便利である。break を見よう。
break a bone [hip] 骨折する〔腰の骨を折る〕(→ 3)
break the silence 静寂を破る(→ 5)
break a habit (悪い)癖を断つ(→ 5)
break a promise 約束を破る(→ 6)
break a rule 規則を破る(→ 6)
break a record 記録を破る(→ 7)
break the news (悪い)ニュースを知らせる(→ 8)
break a code 暗号を解読する(→ 10)
break ~'s heart ~をひどく悲しませる(→ 14)
break for lunch (作業を中断して)昼食にする(→ 自3)
解説の項目番号まで示してあるので便利がいい。
「日・英比較」という解説がある。たとえば、brush を引くと、6種類のブラシの絵が載っている。その中に、paint brush があるが、これは日本語では「ブラシ」とは言わない、「筆」という。
「英語文化のキーワード」には宗教の相違による言葉の定義の違いやイメージに言及している。 conscience の項を引いてみたら具体例が載っている。
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conscience とは「(個人における)善悪感」、「善悪の判断力」という意味であり、キリスト教徒として生活する際の言動の判断基準となるものである。悪を避け善を行わなければならないとする気持ち、すなわち「良心」はこれに付随する感覚である。したがって、 conscience は即「良心」ではない。」
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巻末に付録として載っている17ページの「英単語と英文の文化を読む」は大変参考になった。
12ページある「語源で覚える英単語」は量がほどほどで、高校生が知っておいていい知識だ。語源は突っ込んで学習しても高校生や大学生にはあまり役には立たないから、ほどほどでよいのである。
付録に「和英小辞典」がついているのを書き忘れるところでした。高校生の学習用辞典には必須項目ですね。
収載語数は7.2万語で、GINIUSは10万を超えていたはずだから、英字新聞を読むには不足している。だが、高校生の学習辞典としてはなかなかの優れものと判断した。辞書も進化しています。
〈 電子辞書について 〉
カシオとシャープが市場を二分しているが、両方の製品のいいとこ取りをした製品が出たらすぐにも買いたい。どちらも、まだ「帯に短し襷に長し」に思える。技術進歩は速いから、期待してまとう。
高校生は待てないから買うしかないね。
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