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#3421 数学:低学力のメカニズム Sep. 24, 2016 [71.データに基づく教育論議]

< 更新情報 9/25朝9時 >
 9/27 午前0時40分 難易度指数を追加

 先週と今週、市内の中学校で学力テスト総合Aと中間テストがありました。C中学校だけは8月に1・2年生対象の学力テストを実施しているので、それも材料に取り上げます。
 学校の先生たち根室市教委のみなさんもデータに基づく議論をしてください。市議会文教厚生常任委員会のメンバーの皆さんは仕事ですからとくによくご覧ください。

 ブログ「情熱空間」が釧路のある中学校の実データを挙げて同じ問題を取り上げています。根室の状況と比較しながらお読みいただけたら、釧路と根室に共通の問題があることがわかります。
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*「0点、1点、2点が10%を占めているって…」
http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/8592030.html

 「算数・数学、壊滅都市。北海道釧路市。」
http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/8592513.html

 「よーいどん!で白旗を揚げる子ども達」
http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/8592603.html
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 誤解のないように念を押しておきますが、取り上げた特定の学校や学年だけの話とは思わないでください。たまたま手元にある数少ない資料から代表例として取り上げているだけで、根室市内の市街化地域の3中学校、各学年に共通した問題が潜んでいます。現実のデータはバラツキが小さくないことも考慮にいれて判断してください。

 C中学校の中3・学力テスト総合A(各科目60点満点、合計300点)と1学期期末テストデータを並べてみます。

   〈学力テスト〉〈期末テスト〉  差 〈相対難易度指数〉
  国語 29点 (48)    60      [12]      0.800
  社会 21    (35)    58      [23]      0.603
  数学 16  (27)    62      [35]      0.435
  理科 19  (32)   60      [28]    0.533
  英語 28  (47)   68      [21]      0.691
  合計 112 (187)  309    [122]        0.605
    (百点満点換算値)

  60点満点のものを百点に換算した数値を( )で、「差」を[ ]に入れておきました。学力テストの難易度を1としたとき、定期テストの相対難易度指数を計算してみます。一番右端の数字です。定期テストの数学の難易度は学力テストを基準「1」としたとき半分以下となりました。数学の問題が簡単すぎます。期末テストで62点取れても、学力テストでは百点満点換算で27点しか取れません。生徒の半数は高校生になったときに高校数学の授業がほとんど理解できません。高校の先生たちは授業内容を落とさざるをえません。高校では赤点でも追試をやらない科目が増えていますから、学力のない生徒でも卒業できます。社会人になってから苦労します。

  ご覧の通り、数学の平均点が一番低いのです。「読み・書き・そろばん(計算)」といいますが、基礎学力に大きな穴が開いている状態だと認識すべきです。
 学力テスト問題は8割の高校が毎年定員割れを起こしている道立高校入試問題に焦点を合わせているので、難しくありません。東京都立高校入試問題に比べるとずいぶんやさしい。道立高校入試問題で90%の得点層は都立高校の入試問題では75%程度の得点になります
 2年前の3年生の4月の学力テストの五科目
平均点は149.9点数学の平均点は27.2点でした。五科目合計点で37点差、数学だけで11.2点の差があります。2010年に北海道新聞が、荒れ放題だったC中学校の取材記事を載せましたが、あの荒れ果てた状況に、校長先生と多くの教員の皆さんが、「文武両道」を繰り返し発信し、補習を繰り返して学校全体で果敢に学力向上に取り組んだ結果が出たのだとebisuは理解しています。そして現状は変えられると確信しています。現在の3年生の学力テスト総合Aの平均点が112点であることは驚きです。1年生のときのデータからこのままだと、五科目合計平均点が百点を切ることを予測していました。生徒も先生もよくやったと褒めたいデータなのです。めったに褒めないebisuですが、学校を挙げて取り組んだ5年間に敬意を表します。

 荒れていた2011年度の学力テストデータが#2870の表にあります、年間の学力テストの五科目平均値は117.3点でした。
 データには年度によってこんなにバラツキがあるのは事実です。これが過去10年間で最良のデータ(2014年の五科目合計点149.9点)だったかもしれません。わたしのところには全データがそろっていませんので、C中学校の先生は過去10年間分のデータを眺めて確認されたらいかがですか?

 中間テストの平均点がまだ出ていませんから、1学期の期末テストの平均点を参照すると、62点です。市内の中学校の定期テストは平均点が60点になるように難易度を調整している先生が多いようです学力テストでは16/60=26.7%しかとれないのに、定期テストでは平均点が60点になっています
 1学期・期末テストの数学は、テスト範囲が計算だけですから、平均点が高くなります。2学期中間テストの問題を見ましたが、大問14題のうち、文章題は1題のみでしたから、難易度が異常に低いといって差し支えないでしょう。
 教科書準拠問題集のA問題レベルです。B問題が標準レベルとすると、C問題は学校の教科書準拠問題集よりも難易度が上のものとなります。

 得点分布を見ましょう。
               %    累計%
  6点以下   6人  12.2%
  7-12点  13人  26.5%    38.7%
  13-18点 11人  22.4%    61.1% ⇒赤点以下の割合
  19-24点  5人   10.2%     71.3%  ⇒基礎計算力に問題あり
  25-30点  9人   18.4%     89.8%
  31-36点  4人    8.2%     98.0%
  37-42点  0人
  43-48点  1人     2.0%     100%
   合計  49人    100%

  最高点が43点か48点か不明であるが、49点以上がゼロ。全国基準では52点以上でないと五段階評価でとても5はつけられませんから、5の成績の生徒が一人もいないと言ってよさそうです。もちろん、何人も5がついています。五段階評価で「マイナス1」下げた評価で全国基準相当です。
 得点1割以下が12.2%もいます。ブログ「情熱空間」が同じ問題を取り上げていますが、釧路のある中学校も10%を超えているそうです。この得点層は九九すら怪しい。逆九九がスムーズに言えません。分数の加減乗除算や少数同士の乗除算も位取りを理解できていないでしょう得点2割以下が38.7%もいます。計算能力に重大な欠陥を抱えていますから、得点2割以下は部活停止して補習すべきです、それが仕事に対する責任というもの
 なんと得点3割以下が61.1%もいます、「赤信号みんなで渡れば怖くない!」という評語を思い出しました、高校生なら得点3割以下は赤点です。10人のうち6人が「赤点」です。計算問題がちゃんとできれば30点取れますから、計算がちゃんとできているのは上位12.2%の生徒のみ
 民間企業の経営にたとえると、普段の学力テストデータは四半期決算データです。決算データを見ないで経営はできません。根室市教委のみなさん、ふだんの学力テストデータをちゃんとモニターしましょう。市教委へ以前問い合わせたら、普段の学力テストデータはモニターしていないと回答がありましたから、もちろん指導主事もデータを見てないでしょう。データも見ないで仕事ができますか?

 1校だけだから例外だろうという議論の余地がありますから、B中学校の昨年度の1年生の数学の平均点をみます。

 ●定期テストの平均点 57.5⇒53.1⇒62.1⇒47.2 平均55.0
 ●学力テストの平均点 56.6⇒29.1⇒36.8        平均40.8

 定期テストと学力テストの平均点は初回は同じくらい、2回目以降は大きな差があります。学年末テストは平均点が15点も下がっていますが、出題の難易度が高かったのか、範囲が広くて平均点が落ちたのかわかりません。学力テストの平均点の推移を見ると、中学校へ入学してから急激に平均点が下がったように見えます。
 学力テストに比べて定期テストの数学の難易度が極端に低いからこういう結果になります。

 C中学校2年生のデータも紹介します。
  4月の学力テスト
 国語 47.8点
 社会 41.8
 数学 30.0  得点3割以下が(33人/58人)56.9%
 理科 49.4
 英語 56.5
 合計 225.5 

  8月26日の学力テスト
 国語 55.4点
 社会 35.7
 数学 37.9 得点3割以下が(23人/57人)40.4%
 理科 43.9
 英語 52.5
 合計 224.5 

 4月学力テストでは数学の得点が71点以上は58人中2人のみ、8月学力テストでは57人中7人90点以上はどちらもたった一人だけ。
 90点以上がたった一人だけです。数学の得点上位層は「絶滅危惧種」です。根室の子どもたちがこんなに数学が苦手になったのですから、10年間で釧路高専への進学者が激減しました。五科目合計点で400点を超えたのは4月も8月もたった一人だけ、データを見ると成績上位層の枯渇化現象がはっきり出ています。10年前は二桁いる学年がありました。

【fact-1:定期テストの難易度が低すぎ!】
 B中学校2年生の中間テスト数学問題をみました。大問13個のうち、文章題が5題でしたが、教科書準拠問題集のA問題のみの出題しかも数字すら変えていません。B問題からはひとつも出題がありませんでした。だから、3人の塾生のうち二人が90点を越えています。「簡単すぎてつまんない」と、生徒がため息ついています。
 C中学校3年生は大問14題のうち文章題は1題のみ。これもA問題ばかりでした。
 今回の中間テストで中学生の塾生の半数が90点を超えています。難易度が極端に低く、問題が簡単すぎるからです。学力テストだって全国最低レベルの難易度の出題ですから、それと比べても10-30ほども平均点に差があるのです生徒が勘違いを起こします得点3割以下でも4がついている生徒がいるでしょう。高校生なら赤点です、その赤点でもほとんどが3の成績ですからご用心。

【出題難易度の分類】
 中学校の教科書準拠問題集の問題はAとBに分類されています。もちろんB問題のほうが難易度が高いいのです。根室高校普通科で全員に受験させている全国レベルの「進研模試」はセンター試験レベルの問題が6割出題されていますが、これはCレベルです。
 難関大学の出題する問題をウルトラC(以下、UCと略記)としましょう。箇条書きに整理してみます。

 ● A問題:教科書準拠問題集の「A問題」・・・基本問題
 ● B問題:教科書準拠問題集の「B問題」・・・標準問題
 ● C問題:都立高校入試レベルあるいは高校生ならセンター試験レベルの問題
 ● UC問題:難関私立進学高校の入試問題、大学入試なら難関大学入試問題

<fact-2:中学校の定期テストの難易度>
 根室の中学生の大半は、定期テストでは難易度Aの問題のみ、学力テストで難易度Bの問題が1/3くらい出題されています。
 高校生になって進研模試(全国模試)を受けると、難易度Bが4割程度、6割は難易度Cですから、平均点が20点台です。難易度Cの問題なんて見たことがないのですから、そんな問題ができるのはとっても頭の回転のよい生徒か、大学受験目指して塾で1年以上の先取り学習をしてきた生徒たちだけです。やっていないことはできないのです。高校生になったら7月にいきなり全国模試の難易度の高さを知り、全国レベルでの自分の学力=偏差値を知るわけです。学力テスト400点で進研模試の全国偏差値は48前後です。ほとんどの生徒が全国模試のC問題に手も足も出ません。中学生のときにちゃんと難易度の高い問題をやっていたら、全国模試で50点くらいはとれます。

 A問題だけの出題は学力低下を促進してしまいますから、そろそろ安易なテスト問題作りはやめていただけませんか?半分以上はB問題から出題するのが当たり前とわたしは考えます

< 学力向上と素直な心根が地域活性化の素 >
 想像力を働かせてください、学力テストで30%以下の生徒たちは、高校を卒業してからどうなるのでしょうね?分数や少数の四則演算もまともにできないまま卒業した生徒は、知的な職業には就けません。非正規雇用の単純労働の担い手になるほかありません。
 それでなくても人工知能やシステムの高度化で知的な職業分野がどんどん侵食されています。人工知能の性能向上は指数関数的です。以前やりましたが、2年で倍の性能向上なら、30年では2^15倍になるので、32768倍の性能になります。3年で倍とすると、2^10、1024倍です。指数関数的な変化は人間の想像力を超えています、何が起きるのか予測がつきません
 1982年にNECがはじめての16ビットマシンのPC9800シリーズを発売しました。16ビットになったので漢字が扱えるようになりました。あのときにだれが現在のスマホを想像しえたでしょう?

 中3の61.1%が分数や少数の四則演算すら怪しい、根室高校では分数や少数の四則演算はいまのところ教えていません
 先生たちはどうやってそういう生徒たちに高校数学を教えるのでしょう?

【結論と対策】
 中学校の定期テストの難易度が低すぎて、生徒が難易度の高い問題に独力でチャレンジすることを阻害しているようです。学力テストで半数を超える生徒が3割り以下の得点でもほとんどの生徒に五段階評価で「3」がついてしまっています。分数や少数の四則演算すらちゃんとできないのに、多数の生徒が成績は3だから「まあまあ」だと勘違いしています。
 標準的な難易度の問題を出題して、学力の低さを知らしめ、子どもたちと保護者に危機感を醸成しましょう。
 こんなに度外れて難易度が低い出題は罪が深い、子供たちを育成するためによしましょう。

 子供たちの学力がこんなに下がってしまっては、彼ら・彼女たち自身の未来が暗くなるだけでなく、雇用する地元企業の未来も危うくなりませんか?

< 慨嘆と希望 >
 ブログを書き始めてから、8年くらいになるのかな、根室市政は教育にまったく関心がないですね。ebisuは「釧路の教育を考える会」のメンバーなので、両方の市政を比較してみています。
 地元経済団体が子供たちの学力向上にまったく関心を示さないのが根室の特徴です。釧路は、商工会議所も中小企業家同友会もロータリークラブもそれぞれ幹部メンバーが「釧路の教育を考える会」に参加しています。市議会は超党派の基礎学力研究議員連盟を結成して、基礎学力保障条例を制定しています。
 各団体の若手のメンバーに教育に関心を寄せる人はいませんか?「根室の教育を考える会」を立ち上げて、ふるさとの子供たちの学力向上に一肌脱ぐ人はいませんか?若い人たちが教育に関心をもって取り組めば、根室の未来はきっと明るいものになります。

< 9/25 午後5時追記 >
 根室管内のある町の中学校も総合Aの数学の平均点が16点だそうです。どうやら数学の学力低下現象は根室管内共通の問題かもしれません。別海町が例外でしょう。
 さて、地域の未来を左右する子供たちの学力問題は、根室管内共通のもの、根室が学力問題でリーダーシップをとる日はいつのことだろう?そうした構想をもって動く若い人が現れてもらいたい。


*#3276 四月学力テストデータ分析: C中学校2年生  Apr. 24, 2016
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-04-24

 #2870 根室の中学生の学力の現状(2):C中学校  Nov. 16, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-16-1


 北海道新聞根室支局の取材記事を取り上げています。
*#1307 教育再考 根室の未来 第2部 低学力④:荒れる中学校 Dec.19, 2010 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-12-19-1


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ZAPPER

あの極めて平易な数学の試験で10点以下得点の子は、実に言いにくいことですが、しかるべき機関で検査をしたならば、「軽度な知的障害あり」との診断がつく子が相当数に上ることと思われます。

嘘誇張・冗談ではなく、事態は極めて深刻、まさしく釧根・学力破壊モード、同白痴化であります。

いくら雇用状況が改善されているといえ、正規雇用してもらえる可能性はほぼ絶望的と考えるべきです。
by ZAPPER (2016-09-25 15:25) 

ebisu

貴ブログへのamandaさんの投稿では、羅臼の中学校も学力テスト総合Aの数学の平均点が16点だそうで、C中学校と同じです。

学力低下は根室市だけの問題ではなくて、根室管内に共通する問題のようです。A校長のいる別海は例外のようですね。

根室管内の1市4町の教育委員会は学力低下を防ぐという共通の問題意識で連絡を取り合って一緒にやってもよさそうなものですが、やりませんね。
生徒よりも自分たちの縄張りのほうが大事なのでしょう。

こんなに低学力化が進行しているのに、根室市議会のみなさんたちはまったく関心がなさそうです。これが本当に不思議です。釧路は市議会が動いた。

by ebisu (2016-09-25 16:26) 

ZAPPER

amandaさんは羅臼ではありません。N町の隣のS町です。N町は以前弊ブログに書いたS先生がいらっしゃるので、その中学校は学力が高いですね。しかし他の中学校は…。

一人の先生によってこれほどまでの差が。おい、中標津町教育委員会、標津町教育委員会よ!どこに目ん玉つけているんだ!しっかりせーや、あんたら。

別海町以外は完全なる学力破壊。ひどいものです。根室教育局もちゃんと仕事をしなさい。
by ZAPPER (2016-09-25 17:54) 

ZAPPER

ここから先は自重しておきます。これ以上書いたら死人が出そうですから(笑)。
by ZAPPER (2016-09-25 17:58) 

ebisu

そうでしたか、では「根室管内のある町」としておきます。
ありがとうございます。
by ebisu (2016-09-25 23:27) 

amanda

羅臼ではありません(^^)
羅臼町は幼小中高までの一貫教育(町の位置のせいでしょうか。)を目指しているので、少し特殊なのかなとも思います。
もちろん、釧路や札幌の高校などを目指している子もいますが・・・
具体的な情報は入ってきませんが、学力に関してはやはりかなり大変な状況らしいです。
別海町は町の教育委員が定期的に学校をまわって授業参観や学校の取り組みなどをヒアリングしているとのこと。教育現場へのいい刺激になっているのでしょうね。

根室釧路と比べるには少数すぎますが、
2年生8月学テの平均点:国49.2、社41.5、数31.3、理43.6、英43.7です。
やはり数学の落ち込みが目立つのは同じです。
小学校5,6年で学級崩壊(おそらく)していた影響が大きいと感じています。
by amanda (2016-09-26 01:08) 

ebisu

おはようございます。

あはは、すっかり勘違いしてました。
五科目合計点が209.3ですか、この点数分布だと、数学に大きな問題がありますが、国語力の低いことが学力全般に影響を及ぼしているようにも見えます。
国語が低いと、とうぜん英語が低くなりますが、そうなっていますね。数学の文章題にチャレンジする子どもも少なくなります。苦手意識が働くと、読むことすらあきらめてしまう生徒が2割以上存在しています。
せっかくの情報提供ですから、平均点数差を書いておきます。

 国語6.2点、数学4.6点、英語8.8点

人数が少ないと、学力上位層が数人いるだけで平均点がぐんと上がるのでしょうね。小規模になればなるほど、先生たちは自分の腕の見せ所です。それだけに小規模校は怖い。(笑)

国語がすべての教科の基礎、「読み・書き・そろばん」の読みが一番大事なスキルです。教科書を速く・精確に読み取れたら全部の教科の成績が上がるのはあたりまえです。
中学生ですから、児童書や漫画の本から大人の本への橋渡しの時期ですが、漁師町はとくにそこらへんが難しい。
本を読む大人が少ないので、自宅に大人の本が少ない。
6段の本箱一つくらいは各家庭に本があればいいのですが・・・

俳優やアナウンサーが子供たちと先生に朗読を見せてくれたらいいのですが・・・
根室管内の1市4町の教育委員会が協議し予算をつけてくれたらすぐにもやれます。

交通費と弁当代くらいを用意したら、釧路の劇団「東風」が協力できるでしょうね。
「キッズロケット」の子供たちも上手ですから、指導している方に依頼すればいい。釧路市議の金安潤子さんが代表をしています。

根室管内1市4町の教育委員会と釧路の劇団とのコラボ事業、釧路と根室管内は学力問題で協力するいいチャンスだと思います。
朗読、朗誦、音読トレーニングの楽しさ、奥深さを味わったら、それをきっかけに本を読み出す児童・生徒が増えるでしょう。読む力が強化されたら、すべての教科に好影響がでます。

各家庭に文庫本が50冊あったらいいですね。3万円くらいですから、子どもたちのためになんとかしてもらいたい。一緒に読むくらいのお母さんやお父さんがいたら本が好きな子どもが増えます。地元に残る子どもたちこそ、たくさんの本からさまざまなことを吸収してもらいたい。

amandaさん、学力テストの結果情報提供ありがとうございます。
by ebisu (2016-09-26 08:13) 

ZAPPER

A道議が道議会で追求してくれることになっているので、近いうちにまた、釧路のどこかの中学校に雷が落ちることになりそうです。

さて、ebisuさんがご指摘なさっているように、まっとうなレベルのまっとうな定期試験問題を作成してそれを解かせるべきです。

平均点は30点を切って20点台になりそうですが、それはしかたないことです。学校としてはなかなかできないでしょう。日頃の授業がしっかりしていなければできないことですから。

ジレンマに陥っているということは理解できます。がしかし、今それをやらない限り、学力低下に歯止めをかけることはできません。どこかの中学校の【英断】をお待ちしております。
by ZAPPER (2016-09-26 14:24) 

ebisu

生徒の学力低下にあわせて、定期試験の問題の難易度を下げるのはとっても簡単ですが、ここまで落としたものを上げるのはとっても難しい仕事です。

でも、仕事にごまかしは禁物、真っ当に、真っ正直にやってもらいたい。

Honesty is the best policy.

教育問題に関心の高いA道議が道議会で取り上げてくれるのですか、心強いですね。
それぞれの立場でできることをする、いいコラボレーションです。

by ebisu (2016-09-26 23:11) 

後志のおじさん

ついに、低学力先進地の後志に追い付いてしまったようですね。三年生の平均は、見掛け上で三桁に達しているようですが、日本では定期テストレベル以下の北海道の英語高校入試問題レベルの英語問題のお陰で英語の平均点が高くなったため辛うじて、であろうと。


問題のレベルが低すぎる。
選択問題をサイコロ転がしで、選択肢を選ぶようなやり方でも300点満点のテストで100点くらいは得点できる。
分教学力テストとはその程度のものだと思います。

zapper さんのいう、軽度の知的障害は、まさにそのとうりです。アスペルガー診断を受けた5歳の娘に、兄ちゃんの4年生のツルッとした紙の、学校のテストをもらってきて「なんでもいいから、好きなこと書いてごらん。」といってやらせて、「北海道基準」で採点したら、40点はいつもとれましたから。北海道のテストの40%以下の得点は、知的障害に等しい!と私は思っておりました。

北海道全体のレベルの低さが北海道内の「地方」に先鋭的に現れているのでしょう。

書きたいことは山ほどありますがこのくらいにします。北海道内では比較的潤っているニセコ地区の企業の管理職以上のほとんどが、日本の人で、北海道出身ではないことも、「当然だよね。」と思うのです。







by 後志のおじさん (2016-09-26 23:55) 

ebisu

後志のおじさん

おはようございます。
道立高校入試の英語問題は4年前からさらにがくんと難易度を下げました。都道府県別に見たら全国一難易度が低いのだろうとわたしも思います。総合ABCで一度も40点を超えたことのなかった生徒が満点の60点でした。10点台の生徒も49点、かれらは最後の1ヶ月間熱心に勉強したので、英語の力ははっきり上がりましたが、入試直後の自己採点で「満点かもしれない」と聞いたときには、「え!」と絶句。生徒が受験票を持参しえ高校窓口で点数を確認したら、本当に満点でした。

英語の問題の難易度の低さは、「常軌を逸して」いるレベルですから、ここで15点ぐらい下駄を履いていると考えないと10年前の生徒たちとは比べられません。
英語の難易度低下を考慮に入れると、現在の五科目合計点112点は10年前の97点くらいですね。

ここからはわたしの個人的な感想です。大雑把な話し、根室は学力上位層を毎年30人ほど首都圏へ供給してきましたが、それが10人以下になっています。
これは根室だけのことではなく、東京への高学力層の人材供給が急激に先細りしはじめているのでしょう。
50年以上にわたって、こういうセンターへの一方的な人材移動が続いたので、ペリフェリ(僻地)にはすっかり人材が枯渇してしまっています。
高学力層が枯渇化現象を起こしているので、タイムラグをおいて、首都圏が惨状を呈することになるのでしょう。スケールが大きいだけに対応が困難です。

足元をしっかり見たら、日本はオリンピックどころではありません。政治は足元を見ないで浮かれています。
by ebisu (2016-09-27 10:25) 

ZAPPER

後志のおじさん
しかるべき調査をしたならば、LD(学習障害)やディスレクシア(読字障害・読み書き障害)との診断がつく子が、そちらやこちら、そして日高・宗谷なんかに続出しそうな予感がしております…。

そして研究の結果。幼少期から学齢期における致命的なまでの練習不足(脳の特定部位の過度な使用不足)があり、その仮性状態がほどなくして真性状態に移行するケースが極めて多いことが学問的に立証される。

そのための予防療法もまた確立する。とにかく手を動かせるようにし、とにかく書かせること。近い将来、そうなる予感がヒシヒシです…。
by ZAPPER (2016-09-28 15:22) 

amanda

ebisuさんの真似をして、相対難易度を出してみました。
平均点があまり変わらないので、結果も同様でしたが…。
数学は1年生~3年生まで0.48~0.41。

学テ難しかったよねーと書いてある学級通信に虚しさを感じます。
子どもたちは定期テスト真っ最中です。今回はどうなるのかな…
またしてもテスト範囲が直前に縮小されています。
先生方はいつテストを作っているのでしょうか?差し替え?
近々学校に行ってこようかと考えているところです。
by amanda (2016-09-30 11:30) 

通りすがり

高校の定員が多過ぎて競争が生じてないのも問題ですが、一番の問題はその学年相当の学力が無くても小中学校の場合は自動的に進級できてしまう事にあるのでは無いでしょうか?国がテストを実施して一定の基準に達してなければ留年や卒業出来ないとなればきちんと勉強するようになると思いますが。まあ、そんなテストが実施されたら一部の小中学校では悲惨な事態が起こるかもしれませんが…(・_・;
by 通りすがり (2016-09-30 11:59) 

ebisu

amadaさん

0.5を切るのはちょっとひどい、定期テスト問題が「超やさしい」ことになりますね。同じ先生が作問していたら、1~3年まで0.5以下でそろってしまうんですね。
これでは生徒が馬鹿になってしまいます。

データに基づいて話し合いをしてみたいですね。現場の先生たちは基準がないのでずるずる難易度を下げてしまうんです。

by ebisu (2016-09-30 15:56) 

ebisu

通りすがりさん

>一番の問題はその学年相当の学力が無くても小中学校の場合は自動的に進級できてしまう事にあるのでは無いでしょうか?

その通りですね。

>国がテストを実施して一定の基準に達してなければ留年や卒業出来ないとなればきちんと勉強するようになると思います

卒業資格テストがあれば、勉強せざるを得なくなりますね、大賛成です。

by ebisu (2016-09-30 16:00) 

麒麟

こんにちは、中学の数学の平均点が2割というのは想像がつかないのですが、具体的にどういった問題が出題されているのですか?
もちろん、著作権の問題もあるでしょうが、計算問題が何点分、平面図形が何点分といった配点や、正答率の低い問題がどのような問題なのか、(公立トップ高に余裕で合格出来るような子でも手こずるレベルなのかどうか)具体的に教えていただけると幸いです。
by 麒麟 (2016-10-01 09:07) 

ebisu

テスト問題は保存していません。生徒の答案を見て、どういう問題ができなかったのか確認した後すぐに返却しています。

東京都立の入試問題で70点台取れるなら、北海道立高校の入試問題なら85%以上の得点が可能です。
普段やっている学力テストの難易度はその程度ですから、全国の都道府県でなされている標準的な学力テスト(?)よりも難易度は低い。

それから、毎回20点台ではありません、30点台のときのほうが多い。
平均点が20点台だったときのテストは、速度の問題だったか食塩水だったか、内分量(割合)にかかわるすこし難しめの出題がひとつだけありました。
その問題以外はとくに難易度の高い問題はありませんでした。計算問題も市販教材にあるような、手間のかかるものは北海道の学力テストでも道立高校入試でも出題されたことがありません。(だから、計算力がつかないのだと思います。)

文章題をちゃんと読める生徒は上位20%程度でしょう。文章読解能力の低下が気になります。アニメのノベライズ以上の本を読んでいる中学生は20%以下でしょうね。1年間で本(漫画や児童書程度のもの、アニメのノベライズ物を除く)を一冊も読まなかったという生徒は、半数を超えるでしょう。
部活で忙しくて本を読む暇がない。(笑)
そんなことはないはずですが、読む気がない、というのが本音でしょう。気力がないと、いま自分が読めるものよりも少し上のレベルの本を読めません。
勉強することの重要さがわかっていません。

中央官庁のエリートもいないし、大企業の本社エリートもいません。生活空間で、勉強することの重要性を見たり知ったりする機会がほとんどないのです。別世界に住んでいますが、高校を卒業するとその牧歌的な別世界から追い出され、7割の生徒が「日本」という競争社会に飛び込むことになるのです。学力という武器なしに。
こういう現実をなんとか変えたい。わたしはわたしにできる範囲のことをするだけ。
by ebisu (2016-10-01 12:26) 

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