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#3380 高1英語教科書読破トレーニング(2) July 30, 2016 [49.3 高校英語教科書を読む]

 第1段落だけで一回目が終わってしまった。2回目は第2~4段落を扱う。Part 2はとくに新たに解説すべき事項がないのでカットした。

  Now, clean types of energy are becoming popular. For our environment, this way of making electricity is kinder than the use of fossil fuels.

 主語と動詞を見つけ出すように指示してある。動詞の訳は、目的語とセットで考えなければならないことは前回書いた。
 主語を「エネルギーのクリーンタイプ」と訳すと日本語がこなれないので、頭から「クリーン・タイプのエネルギーは」と訳すほうがよい。生徒はpopularを「人気」と訳したが、AKB48ではないのだから、「普通になってきた」くらいがいい。進行相であることはイメージに関わるから押さえておこう。「~している最中である」というのが進行相の共通のイメージ。発電設備が新設されるときには、クリーン・タイプのエネルギーが当たり前になってきているという状況を想定すればよい。

 この段落の2番目の文章は後志のおじさんがよく言っていたもの。たくさんの英文を読んできたからこういう一般化ができたのだろう。

  Adv.P+S+Adv.P

 要するに副詞句は前あるいは後ろに来るということ。副詞句には場所を表すものPlace、時をあらわすものTimeの順序、理由をあらわすものなどがある。要するに、動詞句を修飾している。Ⅲ文型でいうと、次のようになる。

  S+V+O+Place Phrase+time Phrase

  表層構造の文例を集めると副詞句が先頭に来る場合が頻繁に出てくる。しかし、深層構造では副詞句は文末である。「単純なものからより複雑なものへ」というデカルトの「科学の方法」の順序に従えば、副詞句は文末が基本ということになり、文頭に来るのは深層構造に強調変形操作を加えたということ。

 文頭に出された副詞句は、話の焦点がそこにあることを強調している。「わたしたちの環境にとって」どうであるのかというのが焦点である。比較級の説明は要らないだろうから省略する。
 生徒には2番目の文を二つのシンプルセンテンスに書き直して、再びそれを統合してみせた。生成変形文法のやり方だが、数学が得意な生徒はこういう説明が理解しやすい。
 「kind」を「親切な」「種類」とだけしか覚えていなければアウトだ。文脈を常にチェックして、意味が通じないときは、辞書を引くこと。そういう習慣が英語の学力を上げるために重要である。文脈を読むことに慣れてくれば、辞書を引かずとも「環境に・・・やさしい」と読めるようになる。化石燃料の利用よりも、クリーンエナジーのほうが環境にやさしいに決まっている。だから、文章の文脈を読み、つねに次の展開を予測しながら読むとストレスが少なくなり、速度が上がる。

 ここでも日本語のテクストを読むときに使っている技、「文脈読みの技」が応用できる。日本人でありながら日本語テクストの文脈読みができない者に、英文の文脈読みができるだろうか?
 高校生になってから英語の学力の伸びがストップしてしまっている生徒は、国語力をチェックしてみたらいい。日本語の「読み・書き」能力の大きな生徒は高校生になってから、英語のみならず「学力全般の伸び代」が大きいというのは塾先生たちに共通する意見だろう。

 3段落目を取り上げたい。タイトルを読まなかったために、この段落の4番目の文の訳が、次のページを見るまで合点がいかなかった。高1の教科書でも、ちゃんと手順に従って読めということ。

 However, we have some problems to solve. Solar energy generation doesn't work at night. It is also influenced by the weather. But the newest ways to make electricity only need our everyday actions.

①  we have some problems
②  we should solve them.
③  we have some ploblems [which we] should solve.
④  we have some ploblems to solve.

 ①と②の二つのシンプルセンテンスに分解してみた。「意味はシンプルセンテンスにあり」、②のセンテンスが④の文では句構造になって組み込まれている。
 英語だから we have と書くのであって、こういうケースでは日本語にするときには訳出の必要がない。
 「解決すべき問題がある」
 
 2番目の文は単純現在形であることに注意を払おう。生徒はgenerationを「同世代」と訳してしまった。わたしは文脈から判断して「発電」と訳したが、生徒にGENIUS4版を引かせたが適切な訳語がない。
 Solar energy generation doesn't work at night.

 generation: ①同世代の人々。②世代。③出産・生殖;(電気・熱・ガスなどの)発生

 「太陽エネルギーの発生は夜には働かない」では日本語の文章としてはまずいだろう。
 CALDを引くと次の説明が載っている。
generation: ④the production of energy in a paticular form (特定のやり方でなされるエネルギーの生産)
     Erectricity generation from wind and wave power 

 「太陽エネルギー発電は夜間は使えない」

 太陽が出ていなければ、太陽発電ができないことは、今も昔も変わらぬ物理的な事実である、つまり「普遍的な真理」、それゆえ、単純現在形でしか表現するのが英語の作法。 

 三番目の文はalsoの訳しかたを説明しただけ。「同時に~にも」と訳すと格調が高くなる。代名詞itは元の名詞に置き換えて訳そう。
 「同時に、太陽エネルギー発電は天気にも左右される」

 四番目の文が面白い。単純現在形であることに注意して読もう。
But the newest ways to make electricity only need our everyday actions.
 
 主語の'the newest ways' とは to不定詞句が示すように「最新の発電方法」である。それが、「わたしたちの毎日の行動を必要とするのみ」という意味が理解できなかった。何を言っているのか、イメージが浮かばなかった。
 後に続く句やセンテンスは前の語句やセンテンスの説明であるから、次のページを見て納得がいった。地面に敷いてあるパネルを人間が踏むと、その圧力で発電できる装置の写真が載っていた。当然、説明文もあった。橋の下に設置して、車が通るときの振動で発電して、橋に設置されている照明に電力を供給するものもある。化石燃料も要らない、太陽エネルギーや風力などの自然エネルギーも要らない、もっぱら人間の日常活動を利用した発電方式がありうるのである。

 章のタイトルをちゃんと見ておけば、すぐに具体的なイメージがわいただろう。(化石燃料にも、太陽エネルギーにも、風力にも依存しないで)わたしたちの日常活動から電気が起こせると書いてある。canは可能性を言っているのだから、それが具体的に何なのかが、この章のテーマであることがわかる。タイトルおろそかにすべからず。

    'Our Actions Can Make Electricity'
    
 ここまでで、Part 1が終了である。次のページはPart 2であるが、特にあらたに解説すべき事項は見当たらないので解説はこれで終了したい。

 わかりやすい報告書や協議書、稟議書を書ける者は英文の翻訳にもちゃんとした日本語が使えるのではないだろうか。
 生徒から聞いている限りでは、学校の授業では本文の解説があまりなされていないようだ。この十年間で生徒たちの学力が落ちているので、もっと本文の解説と和訳に力を入れてもらえないだろうか。社会人となったときの作文能力の高低は仕事に少なからぬ影響がある。

<余談>
 1990年に出版された 'Global warming The Greenpeace Report' Edited by Jeremy Leggett、Oxford Paperbacks が本棚にあった。もう26年前に買った本だ。このころ地球湯温暖化や環境汚染、生態系に関する本を好んで読んでいたようだが、この本は150ページほど目を通しただけ。554ページの本に文献ノートが63ページもつけられている。 

Global Warming: The Greenpeace Report

Global Warming: The Greenpeace Report

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: Oxford Univ Pr (T)
  • 発売日: 1990/09/20
  • メディア: ペーパーバック

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