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#3311 有効求人倍率1超はアベノミクスの成果?:ご冗談を(笑) June 1, 2016 [92.G7サミット]

 先ほどテレビで安倍総理が消費税増税の先送りの釈明会見をしていた。
 「増税延期は絶対にない」と前回選挙のときに言いきっていたが、やはり増税できない。増税環境をアベノミクスでつくるとも約束した。国民が約束しろと言ったわけではない、かれが一方的に約束したのであった。
 自分の経済政策が効果を上げて、有効求人倍率が47都道府県全部で1を超えたと、自慢げに説明していた。

 そんな子供だましの嘘を誰が信じるのだろう?
 労働法制の規制緩和で、非正規雇用が4割になっているから、有効求人倍率はいまや意味を成さぬ。それはさておいても、なぜ有効求人倍率が1を超えたのかには簡単な理由がある。団塊世代が65歳を超えて生産年齢人口が最近4年間で448万人も減少したからである。アベノミクスの効果ではない、成長路線はとっくに破綻している。国際的な評価も散々である。マイナス金利導入は末期症状とまで言われた。

 社会福祉・人口問題研究所の2013年3月推計「出生低位・死亡中位」推計値表をごらん戴きたい。
  (生産年齢人口: 15~64歳)

*http://www.ipss.go.jp/syoushika/tohkei/newest04/s-kekka/3-1.xls

年 次人数(千人)   %
15~64歳15~64歳
平成 22(2010)81,735 63.8
23(2011)81,303 63.7
24(2012)80,173 62.9
25(2013)78,996 62.2
26(2014)77,803 61.4
27(2015)76,818 60.9
28(2016)75,979 60.5
29(2017)75,245 60.2
30(2018)74,584 59.9
31(2019)74,011 59.8
32(2020)73,408 59.7
33(2021)72,866 59.6
34(2022)72,408 59.6
35(2023)71,920 59.6
36(2024)71,369 59.6
37(2025)70,845 59.6
38(2026)70,308 59.6


 H23年からH27年まで4年間にどれだけ生産年齢人口が減少したかを計算してみる。
  81303-76818=4485千人

 生鮮年齢人口が4年間で448万人も減少しているのである。人が足りなくなるのはあたりまえだ。有効求人倍率が1を超えたのは、少子高齢化と団塊世代が65歳以上になって、急激に生産年齢人口が減少したことによる。
 それをアベノミクスの成果だとしたり顔に言うセコさにあきれてものが言えぬ。
 マイナス金利で求人数が増えたか?財政出動で雇用者数が増えたか?正規雇用が減少し、増えたのは非正規雇用だ。労働市場全体が縮小していることは、生産年齢人口の推移をみれば簡単に了解できる。非正規雇用で将来に希望が持てずに、30歳代40歳代に独身者が増え続けている現状を知らないわけではあるまい。
 平成17年(2005年)に生産年齢人口は84,422千人いた。10年間で7,604千人も生産年齢人口が減少している。

 日本経済は少子高齢化で生産年齢人口が急激に減少し始めたのである。10年間で760万人の減少だが、最近4年間で448万も減少した。年間110万人も労働市場から消えたのである。有効求人倍率が上がるのはあたりまえで、小学生でもわかる理屈だが、安倍総理だけは理解できないようだ。

 国会議員定数の大幅な削減も、当時の野田総理に「やりますよ、約束します」と言い切った。原発も耐用年数を過ぎたものから廃炉にしていくと言いきっていたが、やっていることは耐用年数を延ばして、次々と延命をしている。

 東京都知事の舛添氏ははなはだしい公私混同を指摘されて、言い訳に終始している。自分で説明をやめて「厳正な第三者による調査」が必要と時間稼ぎをしている。自分の著書で主張していたことと、ことごとく反対のことを国会議員になったらやっていた。都知事になったらますます公私混同がひどくなった。
 総理大臣や東京都知事はど
ちらも日本のトップクラスの公人である。それがこのようにみったくない言い訳に終始して醜態を見せている。子供たちの教育にまことによくない。権力をつかんだらなにをやっても許されると教えを垂れているようなもの。

 明治の自由民権運動の理論的指導者であった植木枝盛の「世に良政府なる者なきの説」をお読みいただきたい。139年たっても政府の本質というものは変わらないことがよくわかる。解説は#3310をご覧ください。

弊ブログ#3310より抜粋
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 故に専制の政府には先ず第一に国憲を立定するがその自由を保つの道なれども、すでに国憲を立てたる者の如きは、またこれを保持確守する事なくんばあるべからざるなり。
 それ人は私意なきを免れず、油断すれば大敵の譬の如く、人民にして政府を信ずれば、政府はこれに乗じ、これを信ずること厚ければ、ますますこれに付け込み、もしいかなる政府にても、良政府などいいてこれを信任し、これを疑うことなくこれを監督することなければ、必ず大いに付け込んでいかがのことをなすかも斗(はか)り難きなり。故に曰く、世に単に良政府なしと。
 かくの如きが故に、人民はなるべく政府を監督視察すべく、なるべく抵抗せざるべからず。これを廃すれば決して良策美事を得ることなかるべし。況(いわん)や彼の初めより明らかに圧制政府においてをや。
    「世に良政府なる者なきの説」10~11頁
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・・・初めより良政府と保する者は未だこれあらざるべければ、断えず視察監督抵抗するだけはこれをなさざるべからず。
    同頁
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・・・あるいは良政府を作り出すべく、全く信じ切りて章政府なるを頼まば、大抵悪政府を出すべし。これすなわちちょうど金を人に貸すに、彼を確かならぬと見てその覚悟でこれをなせば、存外確かに弁済も調(ととの)えども、信じてこれをなせば、かえりて間違い多きが如し、慎まざるべけんや。日本人民の如きは最も勉めざるべからずなり。すなわちこれ政府をして良政府ならしむる所以(ゆえん)なり。
   ・・・12頁
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*#3310 ウエキエダモリって何した人ですか?(その1) June 1, 2016 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-06-01

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