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#3302 中学数学の授業進捗管理はいまが山場だ! May 27, 2016 [63. チャレンジ(教育)]

 中学校数学の授業管理は今が山場です。現在時点で1週間の遅れは、1月には2ヶ月の遅れとなります。毎年、1学期の授業進捗管理が甘いために、一部の学校で「すっ飛ばし、端折り」が行われています。3年前に比べると格段によくなりましたが、そうなってない学校もあります。保護者の皆さんも自分の子どもに教科書の何ページをやっているのか時々訊いて確認してください。
 授業進捗度合い測定に関する合格先生のスマートな解説を載せたブログ「情熱空間」記事をご覧ください。具体的にどうやるのかをZAPPERさんが「追記」で言及しているので、青太字にしておきます。学校の数学の先生たち、参考にしてください。

http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/8470390.html
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2016年05月26日

数学の授業をまともにしましょう!(悪しき釧路スタンダード)

教科書会社が指定するコマ数を厳守し、その進度を守って学習指導を進めたなら、普通は学力が身につくものなんですよね、普通は。我が国の学校教科書は、長い長い時間をかけて作られてきたものであり、ですから基本的に「外れ」などないんです(自虐的な歴史史観を除いて)。

学力別にクラス編成された一斉指導学習塾ならいざ知らず、だから公立小中学校の授業では、教科書会社が指定するコマ数を厳守、その進度を厳守しなければならないもののはずなんですね。義務教育はその名の通り、全国どこであってもその《質》と《内容》は均一でなければならないものですから。

昨晩は釧路教育活性化会議(C-PEK)の会議でありました。たしかに以前よりはだいぶましになりました。教科書が終わらない、次学年へ繰り越し。そうした蛮行(笑)は鳴りを潜めましたのでね。「教科書を終わらせろ!」という部分はたしかに改善されました。がしかし、まだまだダメなのがこれなんですね。

簡単な部分に(教科書会社が指定する以上に)コマ数を充当し、その先の利用・発展・まとめといった部分ではコマ数をガツンと減らしてしまう。

それ、もうやめましょうよ。釧路ではスタンダードであったとしても日本の非常識ですよ、それって。「異国情緒漂う釧路」「釧路という異国」って、それ、景色・風景だけにしておきなさいってばホントに。さて、どの教科にも大なり小なりそうした問題が付きまとう中、顕著なのは算数・数学なんですね。というわけで、当面の間、中学数学の進度・進捗状況にスポットを当てて観察・考察を続けることと相成りました。

はっきり言いますね。教科書会社が指定するコマ数を厳守する。その進度を守って学習指導を進める。この2点をきっちりやったなら、算数・数学低学力地域の汚名返上なんかすぐにできるって寸法です。では、同志・合格先生のコラムをお読みください。例によってかなり過激ですから、私の方は記事全掲ちょっと控えます。全文はURLをクリックしてどうぞ(笑)。合格先生、あんがとね。(^∀^)

●数学の進度~中3
http://www002.upp.so-net.ne.jp/singakukouza/jijimonndai.html#Anchor-10693

《引用開始》
目安を書いておきますね

 まずは、次の表をみて下さい。中学校3年生の数学の進度です。
単元標準ギリギリ限界
 第一章 式の計算 4月初旬~ 5月中旬 4月初旬~ 5月下旬
 第二章 平方根 5月中旬~ 6月中旬 6月初旬~ 6月下旬
 第三章 二次方程式 6月中旬~ 7月中旬 7月初旬~ 8月下旬
 第四章 二次関数 8月中旬~ 9月中旬 9月初旬~ 9月下旬
 第五章 相似な図形 9月中旬~10月中旬10月初旬~10月下旬
 第六章 円10月中旬~11月初旬11月初旬~11月下旬
 第七章 三平方11月初旬~12月初旬12月初旬~ 1月下旬
 第八章 標本調査12月中旬       2月初旬      
 復習(入試対策)   1月~入試まで  2月中旬~入試まで 


 表について、解説しておきますね。
 「標準」というのは、通常、中3生は2学期中に進度を終え、1月下旬~2月上旬に行われる学年末テストに「中3範囲全部」を含め、年が明けてからは入試に向けた復習や実践練習に当てられるようになっていますので、それに合わせた進め方、ということです。
 それに対して「ギリギリ限界」というのは、私立高校入試までに学習内容を終わらせられるギリギリの進度、ということです。

 そして、まず「標準」についてですが、第一章に関しては、入学直後のオリエンテーション、修学旅行、ゴールデン・ウィークなどを考慮し、1ヶ月半の予定。それに対し「円」の単元については、以前は「円周角」「内接四角形」「接弦定理」と習っていたのですが、現在は「円周角」のみの内容となっていて、単元的にはそれほど時間はかからないため、他の単元より少し短めになっています。もちろん、学校祭など、その他の行事もありますから「これを標準にして、微調整を行う」という進め方になるのが一般的です。
 また「ギリギリ限界」の方では、最低でも「1学期中に二次方程式の計算までは終わらせておく」というのが1学期の限界ライン、ここまで何とかしておかなければ総合ABCには間に合いません。そして、2学期中に「三平方」をほとんど終わらせておかないと、学年末テストなどに時間を取られるため、私立入試には間に合わなくなってしまいます。

 それで、他の地域の方に取っては「なんでこんなこと書いているの?」と思うかも知れないので、その理由も書いておきますが、実は、釧路・根室地域~いわゆる「釧路教育大」のエリアでは「まともに進まないのが普通」になっているんです。例えば「北見・帯広から見ると2章分遅れる」なんていうのが平気だったんです。

(過激につき中略)

 また、「第五章~第七章」にかけての「図形単元」では、習う内容自体は少ないんです。「三平方」などが良い例で、「aの2乗+bの2乗=cの2乗」とそれに準ずる「辺の比(3:4:5とか、覚えている人もいらっしゃると思います)」などを教えて、後は自分でやれ、でお終いにも出来るんです。
 ところが、この図形の単元は、そういう知識よりも「実際に、その式をどうやって使うか~いわゆる演習」が大切になるので、その問題演習の方に時間をかけるように設定されているんです。そして、進度が遅く、時間が足りなくなると、学校では「公式だけ教えてお終い」にして進めた事にしてしまう可能性が出て来るんです。これを「すっ飛ばし、端折り」といいます。これが慢性的に行われてきたのが「釧路・根室」なんです。
 もちろん、中1・2の段階でも平気で「すっ飛ばし・端折り」が行われてきていたんです。だから、学力テストの結果を見ても、数学が異常に出来ないんです
 ちなみに、昨年暮れに「全国の学校の先生の集まり」が釧路であって、この「進度」については皆「釧路は異常だね」と言っていました。要するに「釧路・根室」だけ、おかしいんです

 ということで、まず、お父さん・お母さんに気をつけてもらいたいのは「進度」です。「ギリギリ限界」よりも遅れているようであれば「うちの学校はまずい」と思ってください。そして、もし学習内容まで理解できる、という方がいらっしゃいましたら「すっ飛ばし・端折り」ついてもチェックを入れてみてください。

 学校の方では、昨年・一昨年と、進度上のトラブルが何件かありました。そのため、改善されつつあります。ただし、一度染みついてしまった習慣はなかなか抜けません過去の「ダメ授業」の感覚を引きずっている先生もまだいるだろう、と懸念しています。自分の方でも、何かあった場合、ここに書き込みしていこうと思いますが、残念な事に、市内全学校の情報はなかなか入ってきません。ですから、お父さん・お母さんの方でも、出来る限りチェックを入れていってください。
《引用終了》

《追記》
ちょうどこれから1学期中間(前期中間)試験の時期になります。中3はだいたい「展開・因数分解」が出題範囲になるのですが、はっきり言いましょう。誰でも高得点が可能なんですね。だって、計算が主体なんですから。計算がちゃんとできるようになったなら、まあ誰でも80点は硬いでしょう、ってなものです。

中3からの通塾、1・2年生の頃はしっちゃかめっちゃかな点数(笑)であった子も過去最高点を叩き出すことがよくあるわけですが、そうすると学校の先生が驚いちゃうわけなんですね。「一体、何をしたんですか?」とかって。驚くのはこっちだってば…。「なぜどうして、今まで放置したままだったの?」って。

塾なんてね、与えられている授業コマ数は学校のせいぜい3分の1とかなんですよ。それなのに結果を出せることの秘訣ってね結局は個別対応なんですよ。できるまで伴走してあげる。たったそれだけのことなんです。一斉指導であっても、結局は個別対応というフォローを入れているって、ただそれだけのことなんです

普通に進め、一斉では対応できない子は個別にフォローすればいい。たったそれだけのことなんです。それを、手取り足取り、かゆい所に手が届くかの、できない子にフォーカスしたかの授業を毎度毎度やっているから、だから上記のような体たらくになっちゃうんですよ。ええ、個別にフォローするという前提がないから、だから知らず知らずのうちに授業が低レベルなものになっちゃうんですよ

配当時数厳守。進度厳守。上下にはみ出た子には個別のフォロー。それが、まともで普通の授業というものですよ

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*#3294 授業進捗管理の徹底(2):具体例をめぐって  May 17, 2016
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-05-17-1

 #3293 授業進捗管理の徹底(1)  May 17, 2016
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-05-17

 #3290 授業の進捗管理と学力テストの平均点には因果関係がある May 13,
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-05-12-2
 
 #3287 アンバランスな授業時間配分は学力低下をもたらす May 12, 2016
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-05-11-1




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コメント 4

ZAPPER

ご紹介ありがとうございます。

算数・数学の進度・進捗管理が「まとも」になったなら、この地の子ども達の基礎学力問題は解消したも同然だと思っております。

習得に時間と練習を要する積み重ね教科で「端折り」「手抜き」がその昔から横行しているわけであって、それがいかにいけないことなのか、この地の小中学校と先生方に1日も早くご理解いただきたいものであります。

おかげさまで、戦いの【最終章】は近づきつつあります。現在はまだ非常識が常識としてまかり通っていますが、そこを正したならば私の任務は終了となります。^^
by ZAPPER (2016-05-27 11:15) 

ebisu

ZAPPERさん

まったく同感です。

>おかげさまで、戦いの【最終章】は近づきつつあります。現在はまだ非常識が常識としてまかり通っていますが、そこを正したならば私の任務は終了となります。^^

もうすこしで、根室に戻ってきてやらなければならなかったことが終わりそうな気がします。

根室に住む人たちが考え、行動すればよい。
あいかわらず物言わぬ市民であり続けたら、それはそれで一つの選択。
急速に人口減少していくことになります。若者が少なくなり、年寄りがドンドン死んでいき、さまざまな商売が成り立たなくなる。
どこかで底をうち、人口減少がストップします。水産資源を大事にしましょう。
by ebisu (2016-05-27 12:07) 

ペトロナス

釧路公立大学の数学の入試問題から「すっ飛ばし、端折り」されている図形単元の問題が出題されているのでご紹介させていただきます。

2015年釧路公立大学-4(2)(3)の問題
https://suugaku.jp/kako/kushiro/21157.html

2015年釧路公立大学-4(2)の解説
http://blogs.yahoo.co.jp/east201110/13244653.html

2015年釧路公立大学-4(3)の解説
http://blogs.yahoo.co.jp/east201110/13250196.html

4の(2)は「中点連結定理」と「平行四辺形の性質」
4の(3)は「三角形の相似」、「三平方の定理」、「円の性質」
を使う問題です。

2014年釧路公立大学-3の問題
https://suugaku.jp/kako/kushiro/18550.html

この問題は「展開公式、因数分解を使って式の計算の利用」
の問題です

釧路公立大学側は地元の公立中学校で一部で行われている「すっ飛ばし、端折り授業の撲滅」と、「適切な授業進度で授業を行って欲しい」という2点を発信するために2年連続で出題したのだと考えられます。

by ペトロナス (2016-05-28 02:10) 

ebisu

ペトロナスさん

なるほど、ご指摘の通り、釧路公立大は中学数学授業で「すっ飛ばし、端折り」されやすい章から出題しているようです。解答のコメントにも該当する中学数学の分野だとコメントしています。ありがたい出題です。

2015年度の4(2)(3)の問題は中学の知識で解ける問題です。「高校入試問題」です。
(1)の確率の問題は数Aではまったくの基本問題です。「これを間違えるような受験生は公立大には要らない」と出題者がニコニコして言っているように見えます。

2014年度の問題は場合わけと、比例定数kを使うところだけが高校レベルで、計算自体は中学数学の範囲ですね。

「m^3-m」は因数分解して、3つの連続する整数であることに気がつけば、中2の既習事項です。ちょっとひねっているだけで、高校受験生で成績上位5%の生徒たちなら半数くらい正解が出そうです。

今年の春に釧路公立大を卒業したK野君は、中学校入学時のお迎えテストで学年で一人だけ数学満点でした。公立大へはたしか推薦入学だったはず。
彼が抜けなかったS田君は室蘭工大を卒業しました。道内に北大と室蘭工大の中間くらいのレベルの理系大学があるといいのですが、ありません。室蘭工大には北大をぎりぎり落っこちたくらいの生徒が少なくないのかもしれません。

興味深い指摘、ありがとうございます。
by ebisu (2016-05-28 09:41) 

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