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#3294 授業進捗管理の徹底(2):具体例をめぐって  May 17, 2016 [71.データに基づく教育論議]

<更新情報>
5/18 朝10時15分 <余談-2>追記 「事実とイデオロギー」についても追記


 前回#3293で教科書の出版元である東京書籍の「年間指導計画」を引いて、授業進捗管理の尺度にすればよいと書きました。この問題を取り扱うわたしの基本的なスタンスは、民間企業人の仕事の進捗管理です。民間企業人から学校の授業の進捗管理の有様を眺めたら、どのように見えるのか、学校教育村の皆さんに知ってもらいたくて書いています。

 今回は2年生をとりあげて、さらに具体的に解説します。

2年生「年間指導計画」:
https://ten.tokyo-shoseki.co.jp/text/chu/keikaku/sugaku/files/keikaku02_nencal.doc


 教科書の章・節別ページ数は次のようになっています。

第1章 式の計算
 第1節 式の計算 p.8-20
 第2節 文字式の利用 p.21-31
第2章 連立方程式
 第1節 連立方程式とその解き方 P.32-44
 第2節 連立方程式の利用 p.45-53
第3章 1次関数
 第1節 1次関数 p.54-71
 第2節 1次関数と方程式 p.72-78
 第3節 1次関数の利用 p79-90

 「年間指導計画」によれば、5月下旬に「連立方程式」の章(p.32から)に入らなければなりませんが、B中学校(発展クラス)は今日(5/17)の授業で22ページを終わりました。C中学校は20ページです。すでに5ページほど遅れているようです。
 小さな問題に見えますが、先になるほどギャップが拡大して看過できないものになります。たとえば、1月末時点でこのギャップが7倍に拡大していたとすると、予備時間を使っても最後の「確率の章」19ページ(p.156-174)をやる時間がありません。
 何年前だったか忘れましたが、B中学校で4月に確率の章をやっていました。「(当時の3年教科書では最後の章だった)2次関数の章は自分でやっておくように」と生徒に言い渡したのはこの先生だったかもしれません。2年の最後の章を3年の1学期にやれば、3年の最後の章をやる時間がなくなるのは当然のことです。先延ばしが繰り返され、最後のところでとんでもないことになります。
 進捗管理ができないということは、民間企業ではボーナスの査定にも、昇進にも影響する重大事です。2年続けたら、上司から退職勧奨がなされます。お客様と重大トラブルを引き起こしかねませんから、上司の責任も問われます。

<「充実クラス」へ全力投球するB中学校>
 B中学校は習熟度別クラス編成をしています。「発展クラス」と「充実クラス」の2編成ですが、充実クラスは「教科担任の先生+数学補助教員+英語補助教員+教頭先生」の4人体制で教えているようです。学年によって学力にばらつきが大きいので、この学校は機動的な対処をしています。問題のある学年に資源(先生)を多く割くというのは戦略の常道です。なかなかがんばっていますし、すごい、それは認めたい。その一方で、何が何でも「部活を停止した放課後補習体制」は敷きたくないようにもみえます。

<B・C中の数学だけの問題にあらず>
 似たような問題は同じ学校の他の科目でも、他の学校でも見つかるはずです。たまたまB中とC中の2年生の数学を採り上げましたが、個別の学校や先生を問題にしたいわけではありません、他の科目や他の学校にも共通する問題なので採り上げています、その辺は誤解のないようにお願いします。岡目八目、外部からの方がよく見えるものです。

----------------------
岡目八目:〔人の碁をわきから見ていると、打っている人よりも八目先まで手が読めるということから〕第三者は当事者よりも情勢が客観的によく判断できるということ。 『大辞林』より
----------------------

<外部へ問いかけてみたらいかが?>
 どんなに生徒たちの学力が低下しても、部活に影響させたくない、どうしてなのかわたしには理解できません。部活へ影響が出たら、問題が大きくなるからですか?長期的に見たら、部活を優先して、低学力の生徒を送り出し続けるほうがよほど問題が大きくなります。町の将来も暗くならざるをえない。問題山積みだが、解決できる人材がいないという根室の町の現況が30年前に勉強よりも部活を重視し続けた結果ではないのですか?どちらを選択するのですかと、市街化地域の3校共同で一度PTAや経済諸団体へ問いかけてみたらいかが?
 この問題は市教委がバックアップしてやったほうがよいでしょう。根室の町の未来設計に関わる大きな問題です。

<資源が枯渇しつつある水産業こそ優秀な人材が必要>
 いつまでこんな状況を続けるのでしょう?経済団体の皆さんは教育問題にほとんど発言しません、いいのですか、このままで。あなたたちの会社が採用する人材の学力が低下し続けているのです。浜中農協の石橋組合長、はこれからの農業には一部上場企業が採用するような優秀な人材が必要だと、昨年釧路で開かれた全国教育シンポジウムで(パネラーの一人として)言ってました資源が枯渇化しつつある根室の水産業の未来には、一部上場企業の新入社員以上の能力の人材が必要ないのですか?
 中学生のどういうことになっているかは#3290にデータを載せてあるのでURLをクリックしてご覧ください。2016年度と2014年度の3年生の学力テストの結果を並べて比較しています。五科目合計平均点で32.8点(300点満点)下がっています。学年によって同じ学校でも学力に大きなばらつきがあります。だから、全国学力調査の平均正答数による学校の序列化なんて現実は根室の市街化地域の3校にはありません。学年による学力差のばらつきは他の学校でも一緒です。北海道新聞が全国一斉の学力調査があるたびに「点数による学校の序列化が起きる」という「有識者」の意見を載せていますが、あれは事実とは違います、単なるイデオロギーです。思想や信条に基づいて発言するときに、人は事実が見えなくなりがちです。

<前年度進捗管理失敗と新年度授業への影響>
 話を元に戻します。C中学校は1年次の復習に時間を割いた授業展開をしていますから、B中よりも今日の時点でさらに2ページ遅れています。前年度の授業のやり方から当然そうなります。
 1年次の正負の四則計算は本来は1年次の1ヵ月間の予備時間で消化すべきものでした。授業の進捗管理が甘かったので教科書全部が終了したのは学年末テストが終わってからでしたから、復習時間が取れませんでした。敗因はそこにあります。
 このように、予備時間を復習授業に充当できなかったら、新年度の授業の進捗が予定通りに行かなくなります。前年度の復習に授業時間を割かなければならないからです。半数以上の生徒の部活を停止しないと、放課後補習ができません。中体連の成績にダイレクトに影響して、生徒や保護者からのクレームが怖い。これでは学力よりも部活を重視していると言わざるをえません。このような状態が正常だとは誰も言わないでしょう。優先順位が間違っているからです。

<事実が証明している>
 「年間指導計画」に沿った授業進捗管理が如何に重要で、「予備時間」の1ヶ月間に復習をしないと翌年の1学期の授業進捗管理が不可能になることが事実で証明できたのではないでしょうか。

<2年次も後半部分が難易度が格段に高くなる>
 2年次は重要な章が後半に並んでいます。

第3章 1次関数
第4章 平行と合同
第5章 三角形と四角形
第6章 確率

 「第3章 1次関数」は3年次の「2次関数」そして高校数Ⅰの「2次関数」、高2の「指数関数・対数関数・三角関数」「ベクトル」につながる重要な章です。たっぷり時間をかけて理解を深める必要があります。
 「第4章 平行と合同」では平行条件と三角形の合同条件を扱い、証明問題主体の章となります。証明問題は第1章でも「連続する自然数の和」の問題が出てきます。型を覚えるまでトレーニングを徹底する必要があります。
 「第5章 三角形と四角形」では二等辺三角形の性質や直角三角形の合同条件を扱います。等積変形もこの章で出てきます。第3章から難易度が格段にアップします。
 後半部分で難易度が上がるので、消化しきれなくなり、最後の確率の章をやる時間が短縮され、「すっ飛ばし」が行われます。「すっ飛ばし」とは手抜きと授業速度違反のことです。基本問題だけでさらっと流してしまうのです。その結果、高校生になってから、ほとんどの生徒が数Aの「順列・組合せ・確率」が苦手になってしまいます。中学校の進捗管理上のルーズさが、高校数学に大きく影響してしまいます。

 授業の進捗管理の徹底が大切なことがお分かりいただけましたでしょうか?


<余談-1:改革の兆しアリ>
 市街化地域の3校は、数学・英語・社会・理科の各科目で、章別テストを頻繁にやるようになりました。学力向上への取り組みがずいぶん熱心になされるように変わっていています。
 しかし、変わらないもの、変えられないものもはっきりしてきました。優先順位を考慮すると、「アンタッチャブル」である部活に手をつけないといけないほど、生徒の学力が低下している学校・学年があります。
 そこに手を付けなければ、30年後もいまと変わらぬ人材枯渇状態を免れません。地元企業の半数が経営破綻に追いやられることになるかもしれないのです。住んでいる町の衰退は悲しい。
 「教育村」の壁を取り払って、根室に住むわたしたちが教育に関するコンセンサスをまとめる必要があります。どういう町を創りたいのか、どういう町に住みたいのか、私たち自身が考え、答えを見つける必要があります。
 根室の市議たちはどのように考えているのでしょう?

<余談-2:C中の機動作戦の可能性>
 C中には数学担当ではありませんが、低学力の生徒に上手に数学を教えられる先生がいらっしゃいます。A中学校にいたときに、低学力の生徒に数・英・社の三科目の放課後補習を繰り返しやっておられました。友達に誘われて授業中に何度も教室を抜け出し、ついていけなくなった生徒数名が救われています。その放課後補習のお陰で根室高校へ入学できたとある生徒が感謝していました。
 成績上位層の生徒たちはどのような教え方でも理解しますが、低学力層の生徒はそうではありません。躓いたところを見つけてピンポイントでその生徒のツボにはまるような教え方をしなければなりません。引き出しにいろんな色の玉をもっていなければ対応できないのです。通り一遍の説明では理解できないから、低学力の生徒に教えるのが一番むずかしい。この先生を使ったらどうですか?3月で定年退職したS校長はA中学校の教頭時代にこの先生の放課後補習をそれとなく観察していたのでしょう。C中学校へ校長として赴任するときに、連れて行きました。わたしが校長なら、3ヶ月間限定で様子を見ながらこの先生を数学の授業に投入します。
 他にもなかなかと思わせる先生がいらっしゃいます。教わった生徒を通して、教えていらっしゃる先生の力量が伝わってくることがあります。
 どこの学校も生徒も先生も玉石混交、それでよい。生徒も先生も育て方はかわりません。ZAPPERさんが山本五十六の言葉をよく引用します。

 「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば、人は動かじ」

 石も磨けばいつか玉になる、そう信じます。他人も吾も元は同じですから、他人事ではありません、虚心に自分を磨きたい。
 


*#3293 授業進捗管理の徹底(1)  May 17, 2016
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-05-17

 #3290 授業の進捗管理と学力テストの平均点には因果関係がある May 13,
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-05-12-2
 
 #3287 アンバランスな授業時間配分は学力低下をもたらす May 12, 2016
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-05-11-1



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ZAPPER

生徒にちゃんと学力をつけられない。

無意識なのかもしれませんが、それがためなのか、必要以上に部活に入れ込んでいる顧問の教師って多いですね。

江戸の仇、長崎

ではないのですから、それ、やめた方がいいって思います。それはそれ、これはこれ。で、義務教育の公立小中学校においては、当然ながら学業優先のはずです。

学業が主で、部活は従。

そこを履き違えてはいけませんね。現状、主従逆転していますからね…。
by ZAPPER (2016-05-18 01:03) 

ebisu

ははは、ほんとうにそうです。
申し訳ありませんが、すぐに三人の先生のの名前が浮かびました。

部活に熱心なあまり、生徒の選手生命を削ってしまう。目先の地区大会で優勝したくて過度な練習で深刻なスポーツ障害を起こす選手が毎年でるというような悲劇もありました。

スポーツの指導は結構たいへんです。教科の指導に問題がある先生は、基本的に不勉強ですから、スポーツの指導でも「スポーツ障害」について学習も配慮もが足りなくなります。
指導に当たって、理論研究もないがしろになり、とにかく長時間の練習に頼る。土日連続の練習も頻繁に行われます。
そういう先生のうち、3人に2人は教科指導に大きな問題がありました。江戸(教科指導)の仇(拙劣さ)を長崎(部活)で討っているようなテイタラク。

文武両道、学力が低い生徒あるいは学力が低下してきた生徒は勉強を優先するのはあたりまえのことですが、優先順位の判断を間違える先生が少なくありません。
気がついてもらうために、わたしたち学校村の外の住人がブログで発信する必要があるのですね。
内部にいるとさまざまなことに目が奪われるので、ことの軽重が見えなくなるのでしょう、岡目八目、外からだとよく見えます。(笑)

by ebisu (2016-05-18 08:51) 

ebisu

文武両道、勉強が主で部活は従。

部活が必要ない、部活は有害といっているのではありません。教科指導では得ることのできないものが部活にあることも事実です。
でも、優先順位を間違えちゃいけません。
部活指導は理論指導も重要、効果の小さいトレーニングを長時間やらせ続けたら、社会人になったときにもそういう癖がでます。
言われなければ動かない、指示待ち人間ができあがります。
大きな声で挨拶できるとか、自ら考えて判断し、行動できる人材は部活のやり方しだいで育てられます。
だから部活指導のやりかたは、生徒が社会人となったときのことまでよくよく考えてやるべきだというのがわたしの主張です。
部活を通じて有用な人材を育ててください。
by ebisu (2016-05-18 09:00) 

tsuguo-kodera

 この領域の議論に参加するには、私は変わり者過ぎる危険人物かも。でも我慢できずコメントします。
 文は寺子屋と家の自習でするものです。学校も有料の塾も不要でいいのです。したくなければしなければ良い。
 これは従弟の実例。ニコヨンを真面目にやればMITの先生でも、UCLAの先生でもなれました。彼は全くの阿保。でも柔道と野球はかなりの腕前。
 お蔭でアメリカの大学では学費も免除されました。MIT卒、UCLA博士号。他の学生に高校までの部活の成果を教えたからです。日本の大学受験ではどうにもならない彼、2浪してもどこにも行けない男、本当です。
 一方、義務教育の歴史から見たら、明治の文明開化の歴史を読めば済みます。尋常小学校は二等兵を育成するためだったと理解してもまちがいない。
 それほどロシアの南下政策が怖かったでしょし、列強の植民地政策が怖かったのでしょう。今はまた同じような状況になりました。今の若者が国を維持できるのかはなはだ疑問。
 植民地にならなかったのは太平洋戦争のアッツ島の兵隊さんがいたから、それだけではありません。アホな203高地攻撃法、ハルピンなどの戦い、日本海海戦、などなど西欧の常識を超えた戦術、阿保さ加減が分からない戦い方に列強はこの国と武力で関わるのは止めようと思っただけでは。
 頭に乗って、満州などに植民するからすべてを失って、江戸幕府の時代に戻ったのでは。列強は日本軍の強さなど知らなかったから戦争に導いたのでしょう。知られていたら、列強も日本ももっと賢い解があったように私には思えます。
 比較すると、江戸の徳川のお殿様が偉かった、江戸時代末期の商人も役人も西郷さんたちもに偉かった人が多かっただけでは。もちろん阿漕な代官や豪商はいたでしょうが、確率的には偉い人が多かったはず。だから列強の末席に加えられた。それを教えるのが明治の歴史教育なのでは。
 果たしてこの国の今の人はこの美しい国を守る気持ちがあるのか、私ははなはだ疑問なのです。だから情報リタラシー教育を、4項目箇条書きの能力を、いわゆる文武両道の前にやるべきと考えているのです。文武両道など糞くらえ、どこでもいつでも楽しめよ、と考えているのです。
 管理人様たちと私は交わることはない異論同士、お互いに勉強しあい、切磋琢磨すればいい。結局それこそ、情報リタラシーの重視と、求むる所第一義の沢柳精神に帰結するからです。
 私は私の好みの母親と祖のお子さんに期待しています。それしか目に入らなくなりました。あり難いもので素。この村の頭の良い先生方にはもう期待はしません。南無阿弥陀仏。
by tsuguo-kodera (2016-05-18 13:51) 

ebisu

koderaさん、こんにちは

危険思想のきな臭い匂いが漂っていますから、危険ゾーンには近寄りたくないのですが、怖いもの見たさという好奇心が勝ったようです。
触れたら爆発して木っ端微塵になるか、爆発がなくても大やけどしそうです。ドキドキハラハラ(笑)

>この領域の議論に参加するには、私は変わり者過ぎる危険人物かも。

でも議論が極端なほど、鮮明になるものがあります、そこは楽しい。
勉強はしたい奴がやればいい、したくない奴はやらずともよい、極論ですが、この議論は江戸時代に戻ったような気がしました。
寺子屋で学ぶ。いつまで学び、いつ社会へ出るのも自己責任。必要なだけ学ぶ、そしてそれぞれの分に応じた職業を選ぶ。

徒弟制度もまた立派な教育システムで、そこでしっかり修行して一人前の職人になるもよし、いい加減にすごして半端職人になるもよし、トコトン極めて名人になるもよし。
そういう中から異色の人材が現れる。

考えてみると、学校は金太郎飴方式で、似たようなタイプの人間を量産する簡便なシステムに見えます。どちらがいいのかわかりません。
明治の末頃には大金持ちだった家が没落してオヤジは尋常小学校卒、落下傘部隊の2等兵だった。たしかに尋常小学校は二等兵の量産装置という役割があったのかもしれません。忍者のような夜間訓練もデータを取るための命がけの降下テストも白人国家の軍隊の常識を超えていました。
「命のいらないもの集まれ!」、これが落下傘部隊の募集要項の言葉だったそうです。何の部隊かわからない、未知のゾーンでした。「どうせ散るならパッと散りましょ」とあちこちの部隊から集まりました。親父は満州の部隊に配属でした。そこから落下傘部隊へ、まったくもって常識外。

アッツ島も203高地も日本海海戦も、西欧の常識から遠く外れた戦い方でした。西欧の常識からすれば、キチガイに刃物、関わりたくなかったでしょうね。
でも、人種平等を言い出した。世界中を植民地にしまくり、収奪の限りを尽くしていた白人帝国主義にはまったく不都合でした。

>列強は日本軍の強さなど知らなかったから戦争に導いたのでしょう。

日露戦争はそうでした。簡単に叩き潰せると考えていました。だがそうではなかった。そこから白人諸帝国の認識が変わります。
米国は有色人種唯一の列強である日本と戦うために長期戦略に転じました。
連合国にまんまとやられましたが、その敗戦はアジアの植民地国にとって、独立への戦いの端緒となったのです。結果から見ると勝ちでした。

有色人種の国を白人帝国の植民地という楔から解放するという目的は果たしました。そこに天の意志を感じます。

>果たしてこの国の今の人はこの美しい国を守る気持ちがあるのか、私ははなはだ疑問なのです。

この点は同感です。わたしにも気概が感じられません。でも、何とかなるような気がします。縄文以来1.2万年の歴史が育んだ価値観は生き延びているのだろうと感じます。どこかでまた新しい芽を出します。ほんとうの危機が生じたときにきっと現れます。そういう人材の輩出の仕方をする国なのです。

>管理人様たちと私は交わることはない異論同士、お互いに勉強しあい、切磋琢磨すればいい。

アッチッチ、熱い議論にやけどをしたようです。色が違うからこそ、お互いに存在する意味があります。

>私は私の好みの母親とそのお子さんに期待しています。それしか目に入らなくなりました。あり難いものです。この村の頭の良い先生方にはもう期待はしません。

貴兄はこりごりでしょうが、学校教育村の頭のよい先生たちに、わたしはまだしばらくお付き合いするつもりです。努力している先生たちの存在を自分の目で見ていますし、学校運営にも期待させるものが見えるからです。
この点では平行線です、悪しからず。 m(_ _)m
by ebisu (2016-05-18 16:03) 

お名前(必須)

「部活を停止した放課後補習体制」は敷きたくない
というよりかは
「強制力を持って部活動を禁止し、放課後補習に参加させる」が不可能なだけではないかと思います。

先生達も突き詰めれば公務員です。法令上の根拠がないのに強制力を持って「放課後」の行動を束縛できる能力はないと思います。
「家の都合(送迎とか)があるので放課後の講習には参加させられません」と保護者に言われたらおわりですよ?

悲しいかな、現在においては教員も所詮「サービス業」扱いです。必要とされないサービスを提供することは不可能です。

低学力の生徒に対し、
・自分の子供が低学力であると認め
・子供がやりたがっている部活動を禁止し
・(部活動に参加していない場合)送迎の考慮をする
なんてのを受け止められる親はどれほど居るのでしょうかね?
by お名前(必須) (2016-05-18 21:19) 

ebisu

>法令上の根拠がないのに強制力を持って「放課後」の行動を束縛できる能力はないと思います。

そういう話ではありません、教育上の配慮です。
放課後補習への参加を言い渡すのは別に問題ありませんよ。
現に、私学では7時間目や8時間目の授業をやっています。
公立だって土曜補習授業をやっているところがあります。

成績が悪くても放課後補習に参加させたくない、部活をやらせたいという親がいれば、それは強制できません。でも、それだけのことです。
できる範囲のことをやりもしないで、できない理由をいくつも並べてみせる人がたまにいます。

数学が20点のままで、勉強ほったらかしで、部活三昧でよいなんて親がどれほどいるかは、やってみたらわかることです。
そんな馬鹿親もいるでしょうが、ごく少数でしょうよ。
わたしには、あなたの議論が「針小棒大」に聞こえます。

次回投稿の際はぜひハンドルネームを書き込んでください。
by ebisu (2016-05-18 22:21) 

ebisu

koderaさん

楽しそうなので、危険なゾーンへ踏み込んでみます。

学校制度は二等兵養成のためだから、廃止。
寺子屋と職人を育成する徒弟制度を2大教育システムとして据えます。
そしてスローガン「文武両道糞食らえ!」を声高に叫んでみます。

文をやる奴は学問をトコトンやれ、武に励む奴は武道とスポーツをトコトンやれ。

寺子屋だから、卒業証書も卒業証明もなしだ。実力本位で世の中を渡れ。

ユニークで強い人間がニョキニョキと出てきそうですね。
チョー楽しい経済社会が創れそうです。
でも、そういう元気のある日本人はとっくに絶滅してしまいました。
ああ、明治は遠くなりにけり。
by ebisu (2016-05-18 23:00) 

tsuguo-kodera

 ヤー、久しぶりに血沸き肉躍る朝でした。でも、明治は遠くなったけど、私が過ごした20代、アメリカはそんな人が成功者でした。ホワイトプレンも、シカゴもボストンも、パロアルトは遠くなりました。
 でも、私にはパソコンがある。ネットのお蔭、ブログのお蔭でまざまざと光景を、彼らとの会話すら、声の調子すら気すら聞こえてくる気がします。
 たくさんの人が鬼界に入りました。生き残っているのはビルゲイツ、バフェット、ウィンストンなど少数。彼らも私以上の高齢者かも。機械は近い。間違えました。鬼界です。
 ぜひ、お時間があるときにまたブログに来てください。私の血がたぎっていた時の先生方、今は鬼界の人を紹介してゆくつもりになりましたので。
 日本は若者も、出る釘になったら打たれてしまう。桃田選手のように。出る釘は打つか煽てて生き血を吸う輩もいる。清原被告などその典型的な事例では。
 だからこそまず情報リタラシーとコミュニケーション能力向上のための4項目の箇条書きなのです。これらさえ身に着けたら職人文化だろうと、経済だろうと、または東大医学部だろうとDNAが導いてくれるのです。昔はそうだった。環境がそれに近かったのです。
 私の身近にはにょきにょき出てきています。昔からですが、今でもです。事例をおすそ分けしたいだけでした。でも誰も聞いてくれないのです。管理人様は3分の1だけでしょうね。
 最初の事例は東大文一の司法試験で1回で合格した人。4年生では国一受験1ケタの成績で外務省へ。ドイツへ国費留学、数学の博士号をとりドイツ人と結婚し、日本とドイツの友好のためにドイツで大学の数学の教壇に立って居る。
 宇宙飛行士の卵が孵らなかったが地上勤務で衛星を復活させた人。一番のカリスマ性があったがありすぎて卵に据え置かれたが、どっこいJAXAを今にリードするだろう。
 中でも比類なき凡人の子供が東大合格し、現役司法試験合格し、今はバドと草野球三昧、彼は今でも比類なき人材、比類なき国士に育つでしょう。
 今でもさらに続々です。小学生2年生は体育館でモップがけ。ネット張り。言われないのに一番で始め、大人が手出しして終えてしまうと残念そうに眺めています。おばさんクラブでもできますよ。
 要するに好きなことを遊んであげたら、道徳だろうと、その後の教科だろうと勝手に学ぶ。例外は私は見たことがありません。一番の普通人の息子と娘すらいっぱしの教育界の人になりました。周囲の信用はかなりのものらしい。
 絶滅などするわけがない。子供とは良く遊びよく遊んであげたら勝手に元気になるのです。信じない人は信じられないのです。大人が、先生が壁なのです。特に校長が。南無阿弥陀仏。
by tsuguo-kodera (2016-05-19 07:17) 

ebisu

koderaさん

この説明でようやく合点がいきそうです。

> 絶滅などするわけがない。子供とは良く遊びよく遊んであげたら勝手に元気になるのです。信じない人は信じられないのです。大人が、先生が壁なのです。特に校長が。

小学校のうちは暗くなるまで近所の女の子たちと空き地でドッヂボール、缶けり、ケンパ、釘刺し、冬は小学校の裏山でスキーかグラウンドのスケートリンクでスケート、帰ってきたら、木製のスキーを乾かしてラッカーを塗る、スケートは溝に鑢を当てる。ゲロリというスケートでした。小学校の高学年になるとスピード・スケートに替わりました。
ご飯を食べたら、ビリヤードの手伝い。
暇だな時間を使って、北海道新聞を読んだり、算数の勉強をした、とにかく何かしていましたね。

いまの子どもたちはかわいそう。やることが多すぎます。やることが少ないとやることを工夫するのが子ども。遊びの発明もその内の一つ。適度な「飢餓」状態が創造性発揮を促すようですね。物が有り余っていたら、創造性の芽がしぼみそうです。

学校教育も塾も、子どもたちから創造性の芽を摘んでいます。
外遊びから学んだことがたくさんありそうですが、いま子どもたちは外であまり遊びません。エレクトロニクス製品中毒気味。

子どもの育て方を根本から見直す必要がありそうです。

ところで、貴ブログの方向が変わりそうな気配、コンピュータが大きく発展して変貌を遂げていく時代に、メーカの中でどういう人たちがどのような展望で仕事していたのか、期待しています。
by ebisu (2016-05-19 08:21) 

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