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#3289 蛸壺文化と三菱自動車:どこにでもある蛸壺文化 May 12, 2016 [8. 時事評論]

 今朝7時半頃のNHKラジオ番組「ニュースアップ」で関口解説委員が標記のテーマで論じていた。

 関口さんによれば、蛸壺文化とは、自分の組織の悪いところは外に漏らさず、他の部署の悪いところにも口を出さないというもの
 三菱自動車にはそういう風土があったから、燃費データを25年間にもわたってごまかし続けられた。だが、それによって失ったものが大きすぎる。売上は激減、経営破綻(はたん)の瀬戸際まで追い詰められ、独立性を失い、日産自動車が三菱の株を手に入れる隙を作ってしまった。なかなかすばやい決断だがセコイ、日産側に前から準備があったようにうかがわせる素早さである。日本企業の経営者はこういう戦略的な下準備あるいは電光石火の決断ができない、カルロス・ゴーン氏、なかなかやる。
 34%という出資比率は、株主総会での特別決議への拒否権を握ったということ。三菱自動車が日産自動車の関係会社になってしまう、その代価は総額2373億円、安い買い物である。

  「人の弱みに付け込む」ような株の取得は日本の伝統的な価値観とはまったくなじまない。新聞は日本の伝統的な価値観に基づいて、日産の三菱自動車株株取得を斬るべきだとわたしは思うが、そういう新聞社があるだろうか?いまや日本の伝統的な価値観も風前の灯である。
 三菱自動車側も情けない、経営陣は自分たちの能力のなさを見切ったのか、最初から白旗を掲げていた。

 蛸壺(たこつぼ)文化は全国津々浦々にあるが、根室も例外ではない。市立病院建て替え時の市議会建て替え特別委員会も建て替えに関する市民委員会も、市政チェックの役割を果たせなかった。同じ穴の狢と化したのである。市が招聘したコンサルタント提案の2倍を超える予算を使った。
 建て替え後の損益シミュレーション(損益計画)では年間損失の最大値は11億円台だったが、16-17億円の損失が続いているのに、根室の経済界や「オール根室」は口をつぐんでものを言わぬのは、蛸壺の中からものを見ているからだろう。
 明治公園再開発に関する市長の諮問委員会も蛸壺そのもの、40億円の開発計画に他所から口出しはない。お手盛り委員会を絵に描いたようなもの。

 こういうことが続いても、根室の経済界の皆さんは市政批判を口にしない。根室には町の未来について懸念を抱く経営者はいるだろう。長期ビジョンと理想をもっている経営者が少しはいるはず。
 経済界ではわからないだろうから具体名を書こう。
 根室水産業界諸団体、根室商工会議所、根室ロータリークラブ、根室西ロータリークラブ、根室ライオンズクラブ、中小企業家同友会、ずいぶんたくさんある。
 メンバーは諸団体でほとんどが相互乗り入れしているから、看板が異なるだけで、運営している人々はほとんど同じである。経済団体ではないが、「イシンデンシン・ネットワーク会議」というのもあった。 

 蛸壺文化に大きな弊害のあることは、三菱自動車の例をみるまでもない、村社会を形成して、相互批判をなくし、組織の活性化を麻痺させてしまう。その結果何が起きるかは三菱自動車が教えてくれている。

 根室の大人たちは、いい加減に目を覚まそう、ふるさとの町に住んでいるなら、悪いことは悪いと言おう、蛸壺から抜け出し、相互批判を堂々とやるがいい。
 それが次の世代に対する大人の義務というもの。一つ一つ改善していけば、活気のある町は創れる。住んでいる町をよくしようという意志と気概を見せてもらいたい。


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