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#3246 老害と残念な決断 :健全な保守政治家の育成  Feb.27, 2016 [8. 時事評論]

 鈴木宗男氏は昭和23年1月31日生まれだから、同じ団塊世代でebisuよりも1学年上である。
 道東の十勝支庁足寄町で生まれた。中川一郎の死去に伴って、辣腕の秘書であった彼はいろいろ(継承とお金で)噂され、雑誌を賑わせた。
 北方領土問題でも国後島の「日本人とロシア人の友好の家」疑惑、いわゆるムネオハウスあり、やまりん建設にかかる斡旋収賄罪での起訴、島田建設事件とモザンビーク事件に絡んだ偽証および政治資金規正法違反とネタにこと欠かなかった。ご本人は実刑判決を受けつつも、国策捜査と批判と弁明を繰り返している。道東で酪農ではなく、海関連に強い政治基盤を築き上げた。山師っ気が強い人のようだから、「海」は性格にあっていたのかもしれない。
 2003年10月には胃癌を手術(2006年に再手術)しており、「巨大胃癌とスキルス胃癌の併発」のために同じ時期(2006年7月)に手術をしたわたしは、疑惑のデパートと揶揄されながらも精力的な政治活動をする鈴木宗男氏に同じ病気を患った者として共感する部分があった。

 娘の鈴木貴子は2012年の衆議院選挙で公民権停止中のオヤジの代わりとして新党大地公認で立候補したが、対立候補の伊藤良孝氏(昭和23年11月生まれ)に200票差で破れた。ところが民主党比例候補として重複立候補していたために、小選挙区では落選だったが比例区で復活当選、晴れて衆議院議員となった。天晴れな戦いぶりだった。
 あの選挙ではじつに精力的に動き、演説もうまかったから、若い新人が出てきたことに選挙区の釧路や根室では党派を超えて応援した人が少なくない。ムネオさんがもう少し引っ込んでいたら、浮動票が増えて勝っていた選挙だった、そういうことにまだ気がつかない様子。

 今回、鈴木貴子氏は、「世界観の違う政党」である共産党との選挙協力をおこなう民主党の政策に異を唱えて離党した。これはムネオさんの意向だろう。党首の政策への批判はあってあたりまえだから、党内にとどまって批判を続けてもよかった。まあ、そのあたりはご本人の政治信条でいいが、オヤジの意向が働いたのではフレッシュさで売り出した娘が、色あせたスモール・ムネオに見えてしまう。
 政治信条といえば、娘の貴子さんは安倍政権が推し進めるTPPに反対を表明してはいなかったか。選挙区の農家への配慮だったと思うが、そちらはどうなるのだろう。政治信条としては自民党へ擦り寄る理由もまったくなく、議席欲しさの党利党略・私利私欲。次は自民党比例区で当選しようという腹づもりのようだ。テレビ報道を見ていたら、ムネオさんがしゃべる隣で、娘は当惑気味の表情に見えた。

 政治信条とは別の問題がある。民主党比例区で当選したのだから、離党すれば議員辞職するのが筋であると考える人はすくなくないし、前回選挙で鈴木貴子を応援した人々の中にもそう思っている人がいるだろう。潔く議席を返上して次の衆議院選挙に立候補すれば次回の衆議院選挙では勝利確実、飛躍のチャンスだった。

 次のような余計な発言をして、娘の成長の芽を摘むのでは情けない、「老害」を絵に描いたようなもの。

*MSNニュースより
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 宗男氏は、前回衆院選で代表を務める地域政党・新党大地が選挙協力した結果、民主党の北海道での比例代表得票数が約21万票増えた経緯を挙げ、「これは民主党だけの票ではなく新党大地の票が入っている結果である」と指摘。比例選出を根拠に議席返上を要求する枝野氏を「このことを分かっていないだけでも幹事長としての資質が問われるのではないか」と批判した。

 また、枝野氏が「こういう行動をする方(貴子氏)への支持は間違いなく消えていく」と述べたことに対しては「この言葉を覚えておいてほしい。必ず選挙で示しをつけてみせたい」と“宣戦布告”した。

 枝野氏が「長い目で見れば政治生命を損なう誤った選択だ」と評したことにも「そっくりのしをつけてお返ししたい」と反論し、「人間味も人情もないこのようなお方が幹事長であることに(原文ママ)民主党の今の置かれた状況ではないのか」と逆襲した。
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 枝野幹事長は福島第一原発事故の際に管直人内閣の内閣官房長長官として「直ちに健康被害があるわけではない」との発言を繰り返した張本人である。24歳で司法試験に合格し弁護士だが、弁護士には白を黒と言いくるめるようなことに己の培った技を使う者がしばしばいるので要注意、しかし重要な発言を追ってみたらごまかしようはない。
 子どもの喧嘩まるだしで、この舌戦は登場する役者が二人とも語るに落ちるみったくなし、見ていられぬ。

 前回選挙で初登場してさわかかさを感じさせた鈴木貴子氏に一抹の不安があるとすれば、オヤジの介入である。
 若い精力的な新人が出てきて自分自身の信念に基づく政治的主張をしてもらいたいというのが、釧路や根室の住民の願い。
 釧路と根室の選挙民は一握りの支持者を除いてスモール・ムネオを求めてはいない、若くてフレッシュな人材の登場を期待している。政治家としての発言に信のおけぬ枝野氏と同じ土俵上で舌戦を見せたムネオさんは老害そのもの、それに唯々諾々と従ったかのように見える娘も親離れしていないかのように見え、色あせた。
 同じ世代で子どもを持つ親として忠告したい、娘の邪魔はするな。
 団塊世代の役割は、新しい芽がでてきたら、その成長を見守ること、自分が前面に出ることではない。
 エネルギッシュな新人の登場が、閉塞感の強まる釧路と根室の政治と経済に風穴を開けて、さわやかな風を吹かせてくれると期待している人は多い。

 娘の貴子さんは、「疑惑のデパート」と言われたムネオさんとは正反対のさわやかさを感じさせる道を選択してもらいたい。さっさと親離れして、独立した政治家となってもらいたい。
 民主党の現在の路線や政治信条に違和感があるなら、潔く議員辞職をして次の衆議院選挙に打って出てほしい、まだ、間に合う。
 釧路と根室の地に、党派を超えた健全な保守政治家が育つことを祈ります。


*鈴木宗男氏の経歴・関与事件はウィキペディアを参照しました。 


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*MSN記事のURL
http://www.msn.com/ja-jp/news/national/%e3%80%90%e3%83%a0%e3%83%8d%e3%82%aa%e6%b0%8f%e3%81%ae%e5%a8%98%e3%80%81%e8%b2%b4%e5%ad%90%e6%b0%8f%e9%9b%a2%e5%85%9a%e3%80%91%e3%83%a0%e3%83%8d%e3%82%aa%e6%b0%8f%e3%81%8c%e6%9e%9d%e9%87%8e%e5%b9%b9%e4%ba%8b%e9%95%b7%e3%81%ab%e9%80%86%e8%a5%b2%ef%bc%81-%e3%80%8c%e5%bf%85%e3%81%9a%e7%a4%ba%e3%81%97%e3%81%a4%e3%81%91%e3%82%8b%e3%80%8d%e3%80%8c%e4%ba%ba%e9%96%93%e5%91%b3%e3%82%82%e4%ba%ba%e6%83%85%e3%82%82%e3%81%aa%e3%81%84%e5%b9%b9%e4%ba%8b%e9%95%b7%e2%80%a6%e6%b0%91%e4%b8%bb%e5%85%9a%e3%81%ae%e7%8f%be%e7%8a%b6%e3%80%8d/ar-BBq2Dgi


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