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#3129 中国株式市場に異変:市場が酸欠状態に! Sep. 10, 2015 [91.経済]

 中国の取引所が指数の変動を抑える「サーキットブレーカ」方式を提案、中国政府が長期投資に有利な配当課税への優遇策を打ち出し、株価の下落がとまった。
 ところが、売買量が激減し、株式市場が窒息しそうな状況を呈し始めている。

 東京市場は昨日日経平均が1343.43円も上がったが、その後を受けたNYダウは239.11ドル下げている。
 中国市場で売買量が激減し、国際投資ファンドが中国株式市場の異変を理解したからだろう。国際金融資本や市場原理主義たちから眺めたら、中国株式市場の窒息は株価下落よりもずっと大きな問題なのである。

  48年前に読んだ『誰がために鐘はなる』の序に掲げられたジョン・ダンの詩を思い出した。「何人」を中国、「汝」を市場原理主義者たちと国際金融資本と読み替えてみたら、昨日と今日の事情がよくわかる。
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何人(なんぴと)も一島嶼(いちとうしょ)にては非(あら)ず
何人も自らにして全(すべ)きは無し
人は皆大陸(くが)の一塊(ひとくれ)
本土の一片(ひとひら)
その一片の土塊(つちくれ)を波の来たりて洗いゆけば
洗われしだけ欧州の土の失せるは
さながらに岬の失せる也(なり)
汝(な)が友や汝(なれ)自らの荘園(その)の失せる也(なり)
何人の身罷(みまか)り逝(ゆ)くも是(これ)に似て自らを殺(そ)ぐに等し
其(そ)は我も又人類の一部なれば
故に問う勿(なか)れ、
誰(た)が為に鐘は鳴る也(や)と、
其(そ)は汝(な)が為に鳴るなれば
(ジョン・ダン/大久保泰雄訳)
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 経済学は経験科学であるから、まったく新しい政策を導入したら何が起こるか予測することができない。ましてや新手の二つドラスティックな株価下落対策を打ち出したのだから、その副作用を注視せざるをえない。
 理論は新しい現実を見て組み立てられる。

 今朝の東京市場の反応に注目したい。

  (追記: 9/10日経平均終値 18,299.02円  ▲470.89 )


*#3121 既成経済理論での経済政策論議の限界 Sep. 1, 2015 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-09-01-1

**#3097 資本論と21世紀の経済学(改訂第2版) <目次>  Aug. 2, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-08-15



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tsuguo-kodera

 小学生だったと気だと思いますが、『誰がために鐘はなる』の映画を見ました。イングリードバーグマンとゲーリークパーの映画でした。二人の大フアンとなり、それからほとんどの、何れかの主演の映画を見ました。
 クーパーの冒険家のスタイル、ボーイスカウトに似ていると思えました。バーグマンと白いシャツがまぶしく、そのようなスタイルをした女子学生に憧れていました。
 実は今とは違い、マメタンクだったので、おまけに喧嘩屋でしたので、憧れていただけでお付き合いもできなかったクーパーフアンだったのです。高校時代からやせたのはクーパーとバーグマンのお蔭だったのかもしれません。
 そして高校で受験したいと思い、どこかの世界文学全集を端から読み始めてみました。その最初に取り組んだあたりにこの翻訳が掲載されていました。最初の50ページほどを読んで、途中で読み進めなくなり、諦めてしまいました。受験のために、著者名とあらすじだけ、映画で見ていたので覚えただけでした。こんな素晴らしい訳があったのですね。ありがとうございます。
 実はこの本だけでなく、世界文学全集で読み終えられたのはモンテクリスト伯だけなのです。ロシアの作者には長編物の素晴らしいと先生に教えてもらっていた作品がいくつかあったのですが、すべて最初の50ページほどを読んで、登場人物の名前が覚えられず、同じように挫折してしまいました。
 でも、挫折した本の題名が付いた映画、ほとんどは大作映画でしたが、同じように見て、あらすじは理解できたと満足していました。
 受験勉強は最初の50ページと映画で代用する勉強法も経験からあるのかもしれないと考えていました。その後、大学の野球部同級生は文三が多く、国史や哲学や美学や倫理学の専攻学生がいて、仲良く麻雀するだけで、会話の中からそのような良い作品の見方を学んだように覚えています。
 大変勉強になりました。これからもぜひ、このような引用をお示しいただけたら幸甚です。
 追記です。何か、仏教や陽明学に通じるところがありそうな気がします。義理の兄一家は坊さんが複数いますので式であった時に話題に出したいと思いました。自分の式では、皆さん南無阿弥陀仏と言ってくれるだけでしょうが。(笑)
by tsuguo-kodera (2015-09-11 06:36) 

ebisu

koderaさん

おはようございます。
掲げた詩は、わたしが読んだ世界文学全集(河出書房)に載っていたものです。古語調で格調高く、歩いているときに口ずさんでいました。
文章の奥に格調高い訳でなければ伝わらない何かがある、それを感じ取れたら「読めた」ということでしょう。仏教や陽明学に通じる何かを感じましたか、すばらしい。

現代語訳もありますが、うすっぺらな感じがして紹介する気になれません。

モンテクリスト伯は2度読みました。アレクサンドル・デュマの小説はじつに楽しい娯楽小説です。エドモン・ダンテスが無実の罪で監獄送りとなり、脱獄してフェリア神父に教えてもらった財宝を見つけ復讐を果たす、ドキドキワクワクの物語でした。
50ページでやめられず、寝る間も惜しんで最後まで読まなければ気がすまず、大学1年のときに数年間小説を読むことを自らに禁じました。
経済学と哲学にのめりこんだのです。

何がきっかけで、どのような勉強の仕方をするかは、人それぞれ、なんでもありですね。どれがベストということはなさそうです。結局のところ、その人しだい。(笑)
by ebisu (2015-09-11 08:00) 

tsuguo-kodera

 何時もコメントバックをありがとうございます。私のうちも河出書房の世界文学全集だったと思います。父が全集を買うのが好きで大きな厚い本の全集が棚に並んでいました。確かこの全集は完了まじかに会社がつぶれてこの全集は終わらなかったと父が言っていたように覚えています。違いますか。
 モンテクリスト伯は、小学校の時、小学館の児童文学全集のようなシリーズの、巌窟王と言う題名の本を読んで面白いと思い、この全集の他の小公女などなど端から読んだ覚えがあります。図書館の時間は楽しみで3冊まで借りて帰れました。
 私は国語は全くダメでした。でも図書館には、私の拙い国語レベルにあったとても良い本がたくさん並んでいました。ファーブルやシートンも、キューリー夫人んなどの伝記も。空想科学小説も、火星人や火星など身近な話でした。
 小学館の全集は西洋も日本物も、かなり読んだため、色々な雑学や常識が小学生のうちに身についたように思えます。
 私は小学校レベルでたくさんの世界の良い本を読めば、そのうち好きな領域に進んだ時に見えない、気が付かない部分で役立つのだと思っています。家の娘や息子にはできるだけこの全集を買い与えていました。
 私は今、学士会報を面白く読んでいます。先生方の研究紹介や現状報告ですが、理系に限らず、文学や歴史も面白く読めています。
 皆さん好きそうなアリスについては、一番新しい会報に優しく解説されています。なかなか難しい話があります。でも小学校の時の乱読故に、この論説も、何時もある世界情勢の今回の解説も、面白く感じられています。本当に安価な趣味になりました。
 小学校や大学受験の時の読書スタイルのお蔭で、会報だけで、最新のかなりの知識が得られているように思えます。
 それにしても昔のヨーロッパのように、迫害された民の移動による問題も何度も繰り返しているように思えています。パミール遺跡の破壊など世界史を思い出すと2000年近く繰り返しているようにも思えます。人類は進歩しているのか疑問です。明日にも何が起きるか分かりません。
 御身後大切にと言うしか、この歳になると言えません。
by tsuguo-kodera (2015-09-11 09:30) 

ebisu

調べてみたら、河出書房は2度つぶれています。1957年と1967年です。

わたしのもっている世界文学全集は全部で40巻ですが、読みたいもの二十数冊だけ手に入れました。手元に10冊ほど残っています。東京生活のときは書斎が狭いので、読み終わったもののうちから選んで処分せざるを得ませんでした。とくにこの全集は大型で、場所を食いましたから。(笑)

トルストイ『戦争と平和』の奥付を見ると、「昭和41年1月11日初版」となっています。その年の11月30日に第10版発行となっているからずいぶん売れたようです。値段は690円、安かったですね。いま同じものをつくるとしたら、2500円~3000円くらいの定価がつくでしょう。当時と比べると物価が4倍ほどということ。所得は6倍くらいにはなっているでしょう。豊かになっているのですが、なぜか若い人たちや一部の老人たちに幸福感が小さくなってしまっています。

学士会会報を検索してみました。「アリスのことばの不思議 ─ 無茶会の謎解き ─ 」、面白そうなタイトルです。いろんなジャンルの論考が並んでいます。
http://www.gakushikai.or.jp/magazine/bulletin/

小中学校で濫読期を通り抜けていると、大概のものは苦労なく読めてしまいますからいいですね。

イスラム教徒による遺跡破壊は、シルクロードにその痕跡が残っています。永遠に繰り返すのでしょう。神との契約でそうするのが彼らの正義です、そういう宗教ですから。
啓典宗教、天地創造神という点で、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教が共通しています。要するに三つの名前をもった同じ神様をあがめています。預言者(モーゼ、キリスト、ムハンマド)と教義がそれぞれ異なるだけです。

日本は彼らとは別の神の国ですから、千年の戦争を続けているイスラム教、キリスト教、ユダヤ教とは距離を置くべきです。なかなかそうは行きませんが、別の世界として存在していればいい。

世界史的に見ると、安保法案を契機に日本は世界規模で繰り返される宗教戦争にキリスト教の側の助っ人として参戦することになるのでしょう。おろかですが、安倍政権と自公政権が選択してしまいました。これからテロはいずれ日本国内でも起きます。そういう選択をしたのです。
歴史を見ると米国は戦争が大好きな国です。つねに戦争を仕掛けようと戦略を練っています。米国の産業は戦争なしに反映ができない構造になっています。日本は先の大戦で米国のそうした性格をいやというほど知ったはず。

創価学会の純真な心を持つ信者たちが公明党の裏切りをどうするのか、いま迷っているでしょう。
無党派層のデモの波も68年の学生運動以来の大きなうねりとなりつつあります。

原発と安保法制、民意から大きく離れた政策。日本の未来を守る防波堤が壊れつつあるのでしょう。
遠からず、常総市の洪水のように、堤防が決壊して泥沼の中にあることに気がつきます。
そこまで行かないと気がつかない、結果が出ないと理解できない、国民の智慧と想像力が小さくなりました。でも、いずれ気がつく、そのときに真剣に考えたらいい。
我田引水になりますが、いままでの経済学とは原理を異にする「職人主義経済学」もそのときに使ってもらえばいい。
経済システムが変わるので、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の国々と距離をおくことができます。日本と世界を救う21世紀の経済学となるでしょう。
「資本論と21世紀の経済学」、わかるときがくれば、わかるものです。(笑)
by ebisu (2015-09-11 11:30) 

ebisu

思い出したことが一つありました。

ある時期から翻訳文学を読まなくなったのです。それはこのシリーズの翻訳に拙劣なものが多かったからです。日本語として読むのが苦痛、残念ですが日本語の物書きが書いたものとはレベルが違いすぎました。
日本文学と併行して読むと翻訳文の醜悪さが鼻について、読む気が失せたのです。
それらに比べると、文学修行をした平井呈一のラフカディオ・ハーンの翻訳物はすばらしいできです。翻訳臭がまったくしません。そういう職人技を駆使できる英米文学者がほとんどいないということでしょう。

あらためて、数ページ『戦争と平和』を読んでみましたが、読むのがつらい。
とてもお金のとれるできではありません、わたしでもこんな訳はしません。

いつもなら、何箇所か具体例を挙げるのですが、やめておきます。その代わり、翻訳者のお名前も書きません。

外国文学を翻訳で読むときは、日本語として自然な文になっているかどうかを確かめてからにしましょう。
by ebisu (2015-09-11 16:40) 

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