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#3096 市民医療講演会8/6開催:曲がり角にさしかかる地域医療  Aug. 1, 2015  [29. 道東の地域医療を考える]

 標記講演会が8月6日午後6時から、根室市総合文化会館多目的ホールで開催される。

 講師:札医大学長島本和明氏 「北海道の食材で美味しく健康」
 主催:ねむろ医心伝信ネットワーク会議
 共催:根室市、大地みらい信金

 札医大の学長でなければ、なかなか楽しそうな講演テーマであると思う。北海道でただ一つの道立医科大学として札医大が、道東のとりわけ根室の地域医療にどのようなビジョンを抱いて対応しているのか学長である島本氏の思うところを訊いてみたい。
 どうしてこのような場違いなテーマになったのか、企画した人たちの心がわからぬ。根室市民の関心は、根室の地域医療の未来がどうなるかにある。
 ロシア200海里内でのサケマス流し網漁が来年から禁漁になるというニュースが流れたこの町で、いまのんびりと「北海道の食材で美味しく健康」というのはいかがなものか。イズシを漬けるベニ鮭はもう庶民に手には入らない。食べなれたベニでなければ美味しくないから、イズシを漬けるのをやめる家庭が増えるのではないか。イズシという食文化が風前の灯である。
  では、庶民の魚であり水揚げ日本一を誇る花咲港のサンマの未来はどうか?台湾の1000トンクラスの大型漁船が、十隻も北洋の公海上でサンマ漁をやり続ければ、資源が激減するのは目に見えている。根室の漁船は19トン未満が主力である。1000トンの漁船10隻が漁場に常駐して乱獲し続けたらどうなるのか?根室の水揚げの何倍もの量のサンマが箱詰めをされてすぐに船内で冷凍保管され、輸送船が順番に漁船を回り箱詰めされた冷凍秋刀魚を積み込む。品物は中国大陸へと運ばれ、漁船はそのままフル操業を続ける。
 中国人が新鮮な焼き秋刀魚を「香ばしい」といいながら舌鼓を打っているのをテレビで見たが、複雑な心境である。一尾たったの50円だという、産地の根室より安い。かつてなかったビジネスモデルが冷凍技術の進歩で成立してしまっている。公海上での1000tの大型漁船による漁獲と船内で箱詰め冷凍処理、そして輸送船による回収。
 ロシア200海里内のサケ・マス流し網漁禁止で、漁業会社や水産加工会社のいくつかが経営困難に陥るだけではない。市内には来年から仕事にあぶれる雇われ漁師が続出する。そのうちの何割かは出稼ぎ先で定職を見つけて家族を呼び寄せることになるから、根室市の人口減が加速するのはどうやら避けられそうもない。その影響は水産業だけではない、消費全体が落ち込むから、小売業や飲食業は打撃が大きい。そういう状態の2年後にサンマ資源の激減が襲うことも考慮に入れて対策を打たなければならない。補助金は一時のことで、結局は自ら何とかしないと、生き残れない。
市税収入も減るし、病院の売上も減る。TPPが締結されたら、医療費が上がっていく。韓国では米国とのFTA締結で薬価が1.5倍になったという。毎月薬をたくさん飲んでいる人は、TPPで薬代が1.5倍になることを覚悟して準備しなければならない。上がるのは薬価だけでない、診療費も混合診療で大幅にあがってしまう。日本の医療保険制度が深刻案打撃を受ける。

 市立根室病院は10年前に比べて赤字の幅が2倍の17億円前後になっている。旧建物を除却処分したときには損失額は20億円を超えたのではないか。なぜ、こんなに赤字が増えたままになっているのかについては、常勤医が減ってそれに替えて派遣医の割合が増えたこともかかわりがある。常勤医一人分を派遣医で肩代わりすると経費は年間8000万円を超える。3倍に人件費が増える仕組みになっている。もちろん、医師を派遣しているのは札医大だけではない。それぞれの科にはそれぞれの事情があって、派遣医を必要としている。
 もっとも、これだけでは赤字2倍増大の説明がつかない。ほかにも理由があるはずだが、何年たってもその原因が明らかにされたことはない。経営管理を目的として課を新設したり経営改善を業務委託したこともあるが、まったく効果がなかった。
 新病院建物に替わってベッド数は199床から135床に3割強減少、事業規模が縮小したはずなのだが、10年前には8億円前後だった赤字が17億円に増えた。弊ブログで実績値に基づき、その損益計画や予算のインチキぶりを何度も指摘したのだが、病院事務局は実に甘い損益計画と年度予算を公表し続けた。上場企業なら担当役員の首だけでなく、社長の首も飛ぶほどのいい加減な予算案や計画案だった。毎期、実績が予算を何億円も下回っていた、関係者はわかってやっているのだから、市民を愚弄するにもほどがある。北海道新聞は実際の赤字額すら報道しなくなってしまった。

 国公立大学は独立行政法人に衣替えされ、それ以来、各大学は収入増に一生懸命である。島本氏は2010年に札医大学長に就任した。収入を増やすためには、常勤医よりも派遣医の方が大学側からすると望ましい。収入が3倍にできるからである。そのこと自体を悪いとは言はない、独立行政法人化された道立医大が自分の利害で動くのはむしろ当然のことだろう。丸々呑む必要はないし、利害が対立するのだからお互いに交渉の余地はあるはずだ。

 大地みらい信金は釧路の医療法人孝仁会が札幌に進出するのに、資金面での後ろ盾をしていると、道新で報道されたことがあった。医療法人がどういう金融機関をメインバンクにしようとそれも勝手だから、だれにもケチはつけられない。大野病院を買収して、釧路から札幌への進出は通常の流れとは逆で、孝仁会の病院運営の巧みさを表していると素直にとっていいのだろう。
 このことから孝仁会は大地みらい信金の重要顧客であることがわかる。
 ①孝仁会⇔大地みらい信金

 大地みらい信金は優良な貸付先がなくて困っている。それは以前に元理事長が「財界さっぽろ」のインタビュー記事で語っている。優良貸付先として孝仁会が現れた。資金が必要となるようなことをするときは、必ずメインバンクには相談を入れるのが普通のやり方である。密接なビジネスパートナーの関係にある。

 次にいこう。経営手腕に優れた孝仁会理事長の斉藤孝次氏は昭和47年札医大卒業である。札医大学長の島本和明氏は昭和46年札医大卒だから、二人は1学年の差で先輩後輩の仲。
 ②孝仁会理事長⇔札医大学長

 さて、三番目はわが町の市立根室病院の病院長は東浦勝浩氏である。何年卒かわからないが、学長の島本氏や理事長の斉藤氏の同窓の後輩であることは間違いないだろう。
 ③孝仁会理事長、札医大学長⇔市立根室病院院長

 さて、②③の三人は同窓の関係にあり、①は利害関係を表している。

  最後は市長の諮問委員会「明治公園憩いとふれあいの森構想市民委員会」の委員長だった大地みらい信金元理事長K氏、一部の委員の反対があったにもかかわらず、異例の速度で審議終了し、明治公園の再開発事業40億円にゴーサインを出した。しかし、まだ市議会は承認しておらぬ。
 ④市長⇔大地みらい信金⇔オール根室村

 明治公園は観光の名所でもあり、根室振興局でも力を入れて宣伝している。赤レンガサイロが残っているのはここだけらしい。開発されたら、建物が建つ、土木工事もなされる、十年ほど前に使われなくて撤去された野外アスレチック設備のようなものも、子どもの人口が半分以下になっているのに自然を破壊して造られてしまう。25年後には人口はいまより1万人減少している、いったい誰のための再開発だろう?
 夕張信金が夕張市の箱モノ行政の片棒を担いで夕張市を財政破綻に導いたが、似たようなことをしているようにみえる大地みらい信金は大丈夫か?背に腹は替えられない事情がなにかあるのだろうか。万が一の時には道庁が肩代わりして、金融機関は貸付責任を取らなくでいいから、こんなに美味しい貸付先はなかなかない。浮利を追ってはならぬというのは日本の伝統的な商道徳ではないか。
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*#2334 大地みらい信金3期連続の増益そして地域経済は衰退 Jun. 19, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-06-19
「#2318 わけのわからぬ「根室市の家計簿」(1):広報ねむろより Jun. 2, 2013」 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-06-02

*財界サッポロ2012年2月号より元理事長の発言部分を抜粋
http://www.zaikaisapporo.co.jp/kigyou/intervew/115.shtml

「不安があるから預金が増える。地元の中小企業も設備投資を控える。資金需要がない。われわれとしても融資先がない。どうしても預貸率は下がります。」
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 根室市の監査委員の一人は、大地みらい信金元専務理事である。どこの都市でも、市の取引業者を監査委員に任命するところはないだろう、それほど監査業務の常識に反する。常識や監査業務の基本原則をないがしろにしている。「独立不羈の第三者」というのが監査人の立場である。
 ⑤根室市の監査委員⇔元大地みらい専務理事

 こういう人間関係や利害関係からどういう図柄があらわれるのだろう、考えてみたらいい。

 長谷川市長はとっくに市立病院経営をあきらめているのではないか。
 市立病院建物は国の補助金で造られたから、建物ごと市立根室病院を売却できない。もう選択の余地がないようにみえる。運営委託をお願いするしかないところにとっくに追い込まれてしまったのだろう。

 後はタイミングだけ。①②③④⑤をよく眺めてみたら、そのあたりも自然に見えてくるだろう。

 何も言わなかった市民に責任の半分があることは言うまでもない。
 市議会の三人の議員が病院建て替えに際して、長谷川市長に説明を求めたことがあったが、無視されたのだが、要求したことは賞賛に値する。長谷川市政の地域医療政策にはじめて異議を唱えたのだから。

 毎年17億円もの赤字を垂れ流し、でたらめな予算編成を繰り返しているのに、オープンな場で一度も市民説明会すら開催されたことがない。夕張市もこうだったのだろう。地域医療は市民にとっても、病院で働く職員にとっても重要である。

 市民無視の市政の中で何が起きたかをメモしておきたい。ネットで検索したら、2007年と2009年に車の中で出産した事例のニュースがヒットした。ひとつは別海病院への搬送中に23歳の女性が、もうひとつは18歳の女性が釧路の病院へ搬送途中の出来事であった。
 前者は生まれた赤ん坊の体温が34度まで下がっていたという。おそらく、これ以外にもあるのだろう。母子のいずれかが亡くなっても、あるいは両方が亡くなるリスクもある。
 万が一のことがあったら、誰のせいでもない、この町に住んで子どもを生む人の責任である。産科がないことを承知で根室の町に住むということは、そういうリスクがあるということだ。リスクを避けたいなら、若い女性は産科のある町へ移住するしかない。市立根室病院から産科がなくなってからもう8年もたつ。新病院建物には広い分娩室も産科病棟もあるが休業状態である。年間150人前後が生まれているのだから、死人が出ていないことは奇跡だ。出産が近くなると、釧路のホテルで待機する妊婦さんも増えている。だれかがついていなければ不安も大きい。
 運営が孝仁会に委託されても産科の再開は難しいかも知れない。若い女の人たちは、この町の地域医療がどうなるのか訊いてみたいだろう。

 私の心配の一つは、運営主体が変われば、ドクターも看護師をはじめとしたスタッフもほとんどが入れ替えになるということだ。そうでなければ大きな経営改革ができない、夕張市の先例が示している。どちらに転んでも困る人たちがたくさん出てしまう、ジリ貧とはこういうこと、わたしの心配が杞憂に終わってほしい。
 「ねむろ医心伝信ネットワーク会議」は本来はこういう地域医療にかかわる重大なことをオープンに議論するとか、具体的な提案をまとめるとかする場ではないのか?

 根室にはふるさとをこころから愛してやまぬパトリオット*が何人いるのだろう?

<処方箋>
 間に合わぬことは百も承知で20年後のために正論を書く。
 道東の医療に責任を持つ、国立道東医科大学の誘致運動を近隣市町村を巻き込んでやればいい。釧路管内、帯広管内、網走管内、根室管内の総人口は99万人である。これだけの人口のところに医科大学がひとつもないという地域は、この道東のほかには日本にはないだろう。
 釧路に国立医科大学を誘致し、道東の医療に責任を持たせるのが一番よい。根室に分院を開いてもらおう。
 30年も50年も正論を主張せずに来たから、ジリ貧になった。ふるさとの未来のために正論を堂々と主張し、あたりまえのことがあたりまえに実現できる町にしよう。
 

*#1030 nationalism とpatriotism :遠藤利國訳・幸徳秋水『帝国主義』May 17, 2010 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-05-17

 #343 国立道東医科大学新設と同附属根室病院構想 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-10-08

 #2811 大学病院新設と地域医療:Medical school in Sendai Sep. 16, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-09-16

 #2513 市立根室病院の経営状況について:財政再建特別委は機能しているか?  Nov. 28, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-11-28


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財団X

だってこの講演会の目的って、忠誠心を図るのためでしょう?
医師という職業は、運動系の上下関係より醜い争いだし。。
参加するのだって、病院関係者と役所関係者、大地みらい関係者が占めるだろうし。。

根室は最近、負の話題が多い
明るい話題がほしいものだ。。
by 財団X (2015-08-01 21:08) 

ebisu

財団Xさん

>根室は最近、負の話題が多い
>明るい話題がほしいものだ。。

おっしゃるとおり、明るい話題がほしいですね、おっと、ありました。

「北海道の食材で美味しく健康」

以心伝心、文字通り、明るい話題です。

by ebisu (2015-08-01 22:38) 

憂国の民

「だってこの講演会の目的って、忠誠心を図るのためで しょう?」

財団Xさん。それも有ると思いますが、更に根室市からの札医大学長への上納金?を講演料と言う名目で手渡す口実ではないでしょうか。だから講演の題目が「北海道の食材で美味しく健康」などと言う皆が一番知りたがる(札医大の本音がばれる)地域医療の問題では無く、当たり障りのない(どうでも良い)ものに成ったのでしょう。この講演会、主催は「医心伝心」ですが財政的バックは「みらい信金」で、講演料は”100万”との噂も。


by 憂国の民 (2015-08-07 11:07) 

ebisu

憂国の民さん

そういう風に見ると、なるほど、意味深ですね。
主催はダミー、共催の隠れ蓑、というふうに読めるのですか。

主催:ねむろ医心伝信ネットワーク会議
共催:根室市、大地みらい信金

6日午後の根室振興局主催「地域の未来を考える会」に出席したあと、7日午前中にFMくしろの教育番組の衆力が二つあって、6日の午後から釧路へ行き、この講演会には出られませんでした。もっとも時間があっても肝心要の地域医療の未来やビジョンを語ってくれるのでなければ、興味がありませんので行きません。

ねむろ医心伝信ネットワーク会議というのは、市民のニーズをわかっていない。
10%の代表、「オール根室村」の別働隊にしかみえません。

地元企業や市の行政は公的な性格を忘れはいけません。これでは私物化といわれてもしようがありません。
市民のニーズはどこにあるのか、よく考えて企画してもらいたいものです。
by ebisu (2015-08-08 21:08) 

財団X

憂国の民さんへ
言葉を少し濁して、「忠誠心」という言葉にしたのに、ワードの明確化したのですね
実際、「医心伝心」は、10%の代表「オール根室村」が運営しているのでしょうから、見当外れだと思いますよ。

ebisuさんへ
ご回答Thinkyouです

今日から金比羅祭りですが、友人が言った言葉が記憶に残った。
金比羅祭りの緑町の一時社務所を固定化してから、根室は一層不景気になった。一時社務所を造ることで、市民の祭り意識を高めていた点と社務所から見えていた海がほぼ見えない点が、金比羅の神体が機嫌を損ねたのだろう。

今回ほど、各地の祭りが重なることも珍しい。その影響で露店の出店減少するそうです。(露店商から聞きました)
これが常態化しなければよいですが?

めがっさ、関係ないですが、根室話題を提供
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150807-00010002-doshin-hok
by 財団X (2015-08-09 08:52) 

ebisu

財団Xさん
お示しのURLをクリックしてみました。
道新根室支局の水野薫さん、"スクープ"です。
色丹島に産科のある病院ができた。たった2500人の島民に、医師は8人。根室の人口に直すと88人の常勤医がいることになります。

共産主義の国のロシアの色丹島と資本主義の国の根室。
参加のある謬印ができた色丹島と、8年たっても産科が再開できない根室。

天と地、発展と衰退、人口増加と人口減少、明暗のはっきりした一対の絵になっていて、めがっさくやしい。

根室市はまるで共産主義の国の町のような発想から抜け出られません。いつまでも国の補助金を当てにしています。自分で何とかしようというつもりがありません。

根室管内では別海町も中標津町も常勤医不足で困ったという話を聞きません。地域医療の問題は根室管内では根室市だけの固有の問題です。それだけ市政がずさんな証拠、それを支えているのが、閉鎖的な集団の「オール根室村」です。相変わらずのやりたい放題では金刀比羅神社の神様のご機嫌も損ねるのでしょう。

市民の皆さんが声をあげないといけません。まずは意思表示するだけでいい。ダメなことはダメとはっきり言いましょう。
by ebisu (2015-08-09 16:15) 

ebisu

道新を貼り付けます。
=====================
【根室】7月23~27日に行われたビザなし交流で色丹島を訪れた訪問団に、穴澗(クラボザボツコエ)で新設された病院「南クリール地区色丹分院」が公開された。ロシア政府は総工費15億円を掛け3階建ての病棟を建設。小児科や産婦人科もあり、同島の念願だった出産できる環境を整えた。このほか、新たな診療所や保育所の建設計画もあり、人口を増やすための投資が加速する。一方、根室は来年でお産ができなくなってから10年となる。
 「根室で子供が産めないことは知っています。この病院に来てもいいんですよ」。訪問団が視察した25日、病院のアレクセイ・プロスクーリン院長(35)が冗談交じりに話した。

 病院は昨年12月に完成し、北方四島の中で最も新しい。7月中旬には、ロシア保健相が視察するなど同政府肝いりの施設で、院長は「村の分院としては十分な設備。人口が増えることを見込んでこれだけの施設を造った」と説明した。

医師8人を含む48人が勤務。1、2階は外来、3階は入院スペースで産婦人科、小児科に加え、内科、外科の25床がある。デジタルレントゲンやマンモグラフィーは最新の機械といい、「クリール(北方領土を含む千島列島)社会経済発展計画」(2007~15年)に基づき、今後は光ファイバー回線を整備し、インターネットを通じてサハリンなどとカルテや診察画像をやりとりする計画もある。


新生児集中治療室(NICU)で機器の説明をするプロスクーリン院長(右)
人口増へ社会資本整備加速
 色丹島では、新病院が完成するまで十分な医療設備がないため出産できず、妊婦は、サハリンなどに入院する必要があった。色丹島で妊婦として登録する女性は年間最大100人ほどで、病院の新設により母子ともに健康であれば、色丹島で産めるようになる。

 子供の増加は、北海岸の斜古丹(マロクリーリスコエ)の保育所でも顕著だ。保育所では現在、待機児童は93人に上る。待機児童の数は07年には45人だったが、毎年、増え続けているとし、保育所向かいの敷地に新たな学校と保育所を建築中。色丹島民は「来年には完成するのではないか」と言う。
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昨夜、21時のわたしの投稿に漢字ミスあり。

「日午前中にFMくしろの教育番組の衆力」⇒「日午前中にFMくしろの教育番組の収録」
毎度のことですが、すみません。
by ebisu (2015-08-09 16:20) 

道東人

道新の記事、一見素晴らしい(根室にとっては垂涎の的?)話に見えますが、それはあくまでもハードだけの事でソフトはお粗末な物です。日本の医療から比べれば10年は遅れているでしょう。その証拠に未だに北方領土から名目は医療視察と称して医師たちのグループが日本(窓口は市立根室や町立中標津でも、その後日本旅行に出掛けたりはする)にやって来ます。その際は勿論日本の進んだ医療(道東ですから最先端と言う訳には行きませんが)に目を丸くしています。かって色丹島から「遠視」として来た小学生はただの「近視」でした。また国後島から来た「胆石」の患者には、CTや超音波、MRIでも「石」は見つかりませんでした。しかし島の医師の診断では、超音波(当時はこれ位の設備だけだった)では確かに「石」は有るのだ!(笑)

Ebisuさん、根室が産婦人科で苦労しているのは分かりますが、そうかと言ってロシアを羨む必要なんか有りません。道新の記者程度の取材力では医療の事なんかあまり理解して居ませんから。

尚地域医療の問題ですが、苦しんでいるのは根室だけではありません。それは別海も中標津も同じです。給料ばかりやたら高くて殆ど他の病院に丸投げの町立別海(院長の方針のようです)、その別海からしばしば救急車で手術患者を送り付けられる中標津もやはり医局には出張医がうようよ(根室ほどではありませんが)。

Ebisuさんは根室の産婦人科医不在による実際のトラブルについて言及されていらっしゃいますが、普段根室に掛かっていた妊婦が不安に成り根室の助産婦(当時は常勤の産婦人科医は不在)に相談したところ別海への受診をアドバイスされ別海へ。その後別海の産婦人科医から根室に「誰が余計なこと(別海受診を勧めた)を言ったんだ!?」と電話で怒鳴り込んだことが有るそうです。実際かっての別海の事務長(?)は「うちの先生は別海の町民だけで手一杯なので他の町の患者は受け入れない!」とマスメディアの前で明言していたくらいです。「自分の町民(だけは)自分たちが守る」と言うなら、釧路に送る症例はともかく、或る程度の外科や整形外科の手術、人工透析などちゃんと自前でやるべきなんですが、そのつもりは残念ながら感じられません。

Ebisuさん、どこの家庭にもそれぞれ他人には分からない事情(悩み)が有るものです。


by 道東人 (2015-08-10 08:40) 

ebisu

道東人さん

こういう内部事情の解説は、専門家でないとできません。実情を知るにはとてもわかりやすい解説でありがたい。

色丹島はようやくハードがそろったところ、どういうレベルの医師がいるのかはまた別問題。道新の記者にそういうことを取材できるほどの知識はない。それはそうでしょうね。外形をみて記事を書くだけ、プロだからまとめ方はお上手。中身を吟味できる記者が6年前まではいらっしゃいました。

表面上は常勤医が「充足」でも、別海町立病院は中身が問題ですか。中標津や釧路へ患者を緊急搬送しているという結果から見ればわかる。

やはり、道東には道東の医療に責任を持つ国立道東医科大学の新設が必要のようですね。
人口99万人の道東以下の人口を要する県は8件あります。全部の県に国立医科大学があります。一番少ないのは鳥取県の59万人、鳥取医科大学があります。

道東の市町村長さん、市町村議会の議員の皆さん、道議会議員の皆さん、高橋はるみ知事、協同して国立道東医科大学の新設に動いてもらえませんか?そして根室に分院を置いてください。
若いお母さんたちが、安心して子どもを生めるようになれば、あとは地元企業の経営改革が残るだけ。
十年かかろうとも、二十年かかろうとも、一つ一つ問題を片付けていきましょう。
by ebisu (2015-08-10 10:53) 

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