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#3069 根室-釧路 鉄路廃線が俎上に載っている:弱り目に祟り目  July 2, 2015 [27. 花咲線廃線問題]

<更新情報>
7/2 9時 <余談>他追記
7/2 10時45分 製品別原価計算に関する説明を追記
7/2 17時 <余談-2:対岸の火事?>

 ハンドルネーム相川さんが、道新電子版(7/1付け)のニュースを#3067のコメント欄で知らせてくれた。花咲線廃線をJR北海道が検討しているという。第三者委員会が道内7路線8区間を利用客が少ないので廃線を検討対象に例示した。今朝とどいた道新を見たが、どういうわけか社会面にこの記事が載っていなかった、根室にとっては重大ニュースである。

 民営化とは結局こういうことで、採算の悪いところから切り捨てていく。
 原価計算の専門家にインタビューしたら、不採算路線を次々に切り捨てていくと、今まで採算があっていた路線も次々に不採算となり、ついにはJR北海道が潰れるというだろう。
 昔(40年以上前のことだが)、製品別原価計算制度を導入した企業がいくつか倒産したことがある。多品種の製品ラインをもつ会社が製品別原価計算をして、売上実績とデータを突合することで、製品別損益計算書が出来上がる。それをみた学力の足らぬ取締役たちが不採算製品のカットを要求することになった。データの裏づけがあるからそのまま取締役会承認事項となって、半数以上の不採算製品ラインが打ち切られる。売上は激減、製造間接費の配布先が半数になり、残った製品の製造原価がアップするから、また不採算製品がリストアップされ、そして「製造中止⇒売上減」と負のスパイラルに陥る。団塊世代には「何である、アイデアル」というキャッチコピーを記憶している方がいるだろう。当時は傘業界ではナンバーワンだったはずだが、製品別原価計算の導入とおろかな取締役たちのために消滅した。
 原価計算や損益分岐点もわからぬ、ど素人の第三者委員会の提言なんて馬鹿を絵に描いたようなもの。提言どおりにやってみたらいい、JR北海道の各路線は次々に不採算となり、切り捨ての果てにつぶれることになる。簡単な計算でシミュレーションできるだろうに、そんな基本的な操作もやらなかったのだ、やっていたらまるで別の提言になっただろう。
 どうやら首都圏との学力格差は北海道の子どもたちより北海道の大人(なかでも大きな組織の重鎮)たちのほうがひどい。経営に必要な基本的な勉強をしていないようだ。

 ①学園都市線(札沼線) 北海道医療大学=新十津川 47.6km 81
 ②石勝線 新夕張=夕張 16.1km 117
 ③留萌線 深川=増毛 66.8km 142
 ④根室線 滝川=新得 136.3km 277
 ⑤日高線 苫小牧=様似 146.5km 298
 ⑥宗谷線 名寄=稚内 183.2km 405
 ⑦根室線 釧路=根室 135.4km 436
 ⑧釧網線 東釧路=網走 166.2km 466

 一番右端の数字の昇順にデータが並んでいるが、これは「1kmあたりの1日平均輸送人員」となっている。この数字が小さいほど1km当たりの利用客が少ないということ。花咲線は7番目、436人となっている。
 135.4km×436(人/km)=59,034人

 逆算すると花咲線は1日あたり5万9千人もの利用があることになるが・・・。これは計算のマジックで、「根室⇒釧路」へ一人が行くと135.4人となってしまう。だから、これを「根室⇒釧路」と「釧路⇒根室」の半々の移動人数に換算すると、1日たったの218人ということになる。
 釧路から根室へ来る人が218人、根室から釧路へ行く人が218人だ。ずいぶん少ない。1日8往復の便が出ているから、「釧路⇔根室」1便当たり27人の乗客。

 436人×2490円=108.5万円/日

 年間4億円弱(108.5万円×365日)しか売上がない、これでは採算が合うわけがない。

 第三セクター方式は二つの理由で不可能である。
 一つは、根室市には第三セクター方式で事業をやっても経営能力のある人材がいない、市立根室病院事業の赤字拡大が論拠である。10年前に比べて経常損失は2倍以上に膨らんでしまった、そしてなすすべがない。
 理由の二つ目は、年間売り上げが4億円では保守点検・補修など鉄路維持と人件費をまかなえず大きな赤字になる。鉄路維持と営業に必要な人材を半分くらいをボランティアで集められたら採算の試算をしてみる価値はあるだろう。

 普通に考えたら、どれだけの売上があれば採算ベースに乗るのかは計算するだけムダだろう。損益分岐点運賃が何倍にもなって利用客がいなくなる。あっと驚くような案がほしい。

 こうしてみると、花咲線の廃線はJRが6つに分社して民営化したときに決まっていたようなもの。根室本本線の起点終点であった根室は花咲線の起点終点になった。根室本線の終点が釧路に移ってしまった。歴史上、根室本線の終点は根室に決まっている。なぜ当時の根室市議会が「花咲線」への名称変更に反対しなかったのか理解できない。歴史と文化の点からは重大問題だったのである。
 中標津とは違って根室には空港もないから「陸の孤島」の感が強くなる。心理的な影響=閉塞感も無視できない、人口減少がさらに加速しそうだ。実際に、観光客は減るだろう。

 観光シーズンに入った東根室の駅には、鉄路で来た客が毎日数十人降りて観光バスに乗る。観光バスで根室半島を周遊し、東根室の駅から鉄路に乗り換える観光客もいる。バス1台でおおよそ30人だから、年間を通して計算しても観光客の利用が1/4はあるのではないだろうか。
 (根室に向かって汽車が)厚岸を過ぎると湿原を縫うようにディーゼル車が走る。車窓から景色をのんびり眺めるのは楽しい。道路(44号線)とちがって、鉄路は厚床から太平洋沿いに散在する駅を巡るので迂回しながら走る。道路よりも10kmほど多い。湿原を走ったり、森林地帯を走ったりと景色がいい。たまには鹿が線路に立っていて警笛が鳴り突然汽車が停まる。実にのんびりとした気分になれた。廃線になればそれができなくなる。廃線はなんだか敗戦に聞こえる。
 何かの戦いに負けたのだろう。根室には空港もない。中標津か釧路空港を利用しなくてはならない。

 稚内も宗谷線が廃線になれば影響が小さくない。網走も釧網線がなくなればますます寂れるだろう。夏場は少なからぬ観光客がこれらのローカル線を利用している。

 汽車通学の生徒たちが困るだろう。どこにどのような影響が出るのか根室市は調べてアナウンスしたらよい。

 3連続パンチ、弱り目に祟り目である。
 一撃目は市立根室病院の経営赤字額が10年前の2倍以上になり17億円を超えてしまっている。二撃目はロシア200カイリ内のサケ・マス流し網漁が来年から禁漁になりそうなこと。そして三撃目は根室花咲線が廃線検討の俎上にあること。
 弱り目に祟り目、廃線を前提に対策を用意する必要があるが、果たしていい智慧があるだろうか?根室だけでなく、廃線検討対象地域である網走や稚内そして留萌のためにも、いい智慧があればコメント欄へご投稿ください。

<余談>
 標津線(厚床⇔中標津⇔標津)の廃止は1989年だった、線路は撤去されていまはもうない。標津線の利用のピークは1965年だったという。団塊世代が中学校や高校を卒業し始めたころのことである。鉄路がなくなっても代替のバス路線ができた。なぜ廃線になったかというと、「中標津⇔根室」間の利用客が1965年以降減り続けたからである。1970年代には北海道最大の缶詰工場の日本合同缶詰が経営破綻している。四工場800人を超える女工さんが働いており、根室管内からも多数出稼ぎに来ていたから、女工さんたちの帰省利用客も多かっただろう。春に来て、12月初旬に切り上げ、そのあと数ヶ月は失業保険手当てで食いつなぐというのが当たり前の時代だった。
 中標津空港は海軍標津第一航空基地として生まれた。戦後払い下げが行われ、1965年に丘珠空港と西春別空港の定期便が移ってきた。定期便の運行はここから始まったようだ。鉄路の利用客がピークを打ったときに飛行機の定期便運行が始まっている。これで中標津が根室管内の交通のハブとしての地位が固まった。その後1989年標津線廃線の年に現飛行場建物ができ、2008年にリニューアルとなって、いまにいたる。
 中標津は空港があって運がよかったともいえるし、空港を再開する努力をしてぎりぎり間に合わせたともいえる。
 根室にも戦後ホロムシリのあたりに空港を建設する計画が持ち上がったが、当時の「オール根室」が反対だった。先が読めず、「オレがオレが」と他の人がいいアイデアをだし実行しようとすると、結束してその足を引っ張るのが「オール根室」だった。こういうときは「根室村」の住民は結束するのである、おろかな話だ、町を良くするために結束すればいいのにやることが逆だ。その当時とはメンバーが全員入れ替わっているが、役割はいまもかわらない。
 こうして世代を超えて受け継がれ再生産される根室の構造こそが、「根室の旧弊・悪弊」である。いままたそのツケが回ってきた。
 そろそろそうした旧弊とはお別れしよう。市議会は花咲線廃止についてその影響と対策を具体的に議論したらいい。総合文化会館で市民と日曜日に何度かオープンな議論をしてみたら、町の雰囲気が変わる。こういう小さなことを一つ一つ積み重ねることが根室の町の活性化につながっていくんだよ。
 
<余談-2:対岸の火事?>
 根室花咲線と釧網線が廃線になれば、釧路の求心力に多少なりとも影響がでるだろう。根室から釧路へ土日に買い物に出かける人は少なくない。鉄道を利用する人は少なくても、根室が寂れれば人口減少と一人当たり購買力低下が掛け算となって、影響を強めてしまうだろう。釧路にとっても対岸の火事ではありえない。釧網線と根室花咲線の廃線は釧路・網走・根室管内経済にマイナスの影響を与える。さて、どうしたものか・・・


*道新ニュース 電子版
「JR廃線拡大の可能性 第三者委、7路線8区間を例示」
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/society/society/1-0151312.html

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 JR北海道が留萌線の廃止を検討していることが表面化したのを受け、さらに採算が厳しい路線を中心に他の道内ローカル線が廃止検討の俎上(そじょう)に載る公算が強まっている。JRの経営を監視する第三者委員会は、学園都市線(札沼線)の一部区間など7路線8区間は特に乗客が少ないと指摘しており、存続は予断を許さない状況だ。政府の支援があってもJRの資金繰りは綱渡りで、鉄路の「リストラ」が各地で焦点となりそうだ。 

 第三者委の「JR北海道再生推進会議」は26日にまとめた提言書で、路線廃止を含めた「聖域ない検討」を求め、札沼線の北海道医療大学―新十津川間や、石勝線の新夕張―夕張間を「利用が少ない区間」に挙げた。同会議の関係者は北海道新聞の取材に対し、「札沼線や石勝線も、営業を続けられるか注意しないといけない」と明かす。

 いずれも2014年度の輸送密度(1キロ当たりの1日平均輸送人員)が500人未満で、赤字ローカル線の中でも極端に採算が厳しいのが実情だ。一方、重大事故が続いたJRは安全運行体制の強化に向け、当面は総額2600億円を投じるが、15年3月期の営業赤字は約390億円と過去最悪で、長期借入金など固定負債も最多の約1600億円に膨らんでいる。このため、JR幹部は「数年後の資金繰りを考えると、今の事業規模では経営破綻の可能性すらある」と廃止対象路線を広げる可能性を示唆する。

 国はJRの資金繰り支援のため、16~18年度の3カ年で計1200億円に及ぶ資金支援を30日にも決める見通しだが、900億円は返済が前提とされ、安全強化に並行して、乾いた雑巾をさらに絞らなければならない状況に変わりはない。第三者委メンバーの高向巌・北海道商工会議所連合会会頭は「JRに時間的余裕は少ない。将来の路線網をどうするか、検討を急ぐべきだ」と提言する。
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*#3067 ロシア200カイリ内サケ・マス流し網漁:先手必勝 Jun. 25, 2015 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-06-25


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 マルクス『資本論』を超える21世紀の経済学がここにある。四百字詰め原稿用紙300枚、ebisuのライフワーク。中部大学の武田邦彦教授もブログでebisuと同じ労働観を主張し始めた。西洋労働観に日本の仕事観を対置している。弊ブログ#2951と#2952の二つと読み比べてほしい。
*武田邦彦ブログ「人生を知る(3)日本の勤労観とヨーロッパの悪しき考え」
http://takedanet.com/archives/1031718315.html


*#2935 『資本論』と経済学(1):「目次」 Jan. 25, 2015 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-25

 #2936 『資本論』と経済学(2):「1.経済現象と日本の国益」 Jan. 26, 2015 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-26

 #2937 『資本論』と経済学(3):「円安はいいことか?80⇒120円/$の威力」 Jan. 27, 2015 
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 #2939 『資本論』と経済学(5) : 「『資本論』の章別編成」 Jan. 27, 2015  
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 #2964 『資本論』と経済学(21):「過剰富裕化論」 Feb. 8, 2015 
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 #2966 『資本論』と経済学(22):「相対的貧困率上昇と富裕層増大」 Feb. 9, 2015
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 #2967 『資本論』と経済学(23):「ピケティの空想的所得再分配論」 Feb. 10, 2015
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 #2968 『資本論』と経済学(24):「浜矩子 予算案と公共性について」 Feb. 11, 2015
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 #2971 『資本論』と経済学(25):「村落共同体と税:自由民と農奴について」 Feb. 12, 2015
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 #2972 『資本論』と経済学(26):「文部科学大臣下村博文「教育再生案」について」 Feb. 13, 2015
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 #2973 『資本論』と経済学(27):「注-1~5」 Feb. 13, 2015
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 #2974 『資本論』と経済学(28):「注ー6」と主要文献リスト Feb. 14, 2015  http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-02-13-1

 #3015 人工知能の開発が人類滅亡をもたらすホーキング博士(資本論と経済学-補遺1) Apr. 2, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-04-02



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コメント 13

後志のおじさん

早速のアップですね♪

500人・km という数値は、国鉄分割民営化前に、不採算路線として設定した
特定地方交通線(4,000人・km )
第一次廃止対象の50km 以下の路線で、500人未満

の500人未満を持ってきたのだと思います。


そもそも、国鉄はなぜ「民営化」ではなく「分割民営化」されたのか?

三島分離により、黒字化可能な本州三社を自力させること。

北海道、四国、九州には、持参金を持たせて公共交通の維持をさせること。(一種の清算です。)

北海道は一番条件が悪かったですけどね。
人口密度が低く、旅客輸送需要が少ない。
元々貨物輸送を目的とした路線だったのが、貨物そのものがなくなった。
石炭、木材、水産物など。昭和30年代の根室駅には、いつも白塗りの保冷貨車が並んでいたのではないでしょうか?

持参金の金利は低迷するし、国鉄のツケで民営化直前に新造した特急車両はすぐ火をふくまで老朽化してきたし、安全対策に資金を投入しなければならないし、

で、廃線に動かざるをえないのでしょう。


記事の中で理解出来ないのが

原価計算の専門家?の言で
不採算路線を次々に切り捨てていくと、

「今まで採算があっていた路線も不採算となり」

です。

航空会社が、不採算路線の運航停止をするようなものですから、「次々に」などあり得ないのですが、どんな専門家なのでしょう?

ひょっとしたら、吉田とかいう人だったりして。


To be followed


by 後志のおじさん (2015-07-02 10:35) 

ebisu

後志のおじさん

おはようございます。
----------------------
500人・km という数値は、国鉄分割民営化前に、不採算路線として設定した
特定地方交通線(4,000人・km )
第一次廃止対象の50km 以下の路線で、500人未満

の500人未満を持ってきたのだと思います。
----------------------
そうだったんですか。次は1000人・km以下が不採算になるでしょうね。

製品別原価計算に興味があるのは商業高校の生徒か、商学部会計学科の学生くらいだろうと、端折りました。
でも、興味のある人がいるかもしれないと、先ほど製品別原価計算に関する事項を追記してあります。

本欄とは別の具体例をもうひとつ挙げてみます。
臨床検査会社最大手のSRLで実施している検査項目は1990年ころで3000項目ありました。後志のおじさんがよくご存知の富士通の超大型機で最後に製品別原価計算をしたのは1990年ころ、それ以降はNTサーバそしてパソコンの並列処理で原価計算システムが動いています。

その出力資料によれば、採算の取れている項目は300項目に過ぎません。9割は不採算。売上ではせいぜい半分くらいですが、それをカットしたら、大学病院はSRLと取引をする意味がなくなります。価格だけの勝負になります。
検査によっては、SRLのデータがレファレンスになっています。特殊な検査は数が少ないので、自分のところの検査精度を確認するのにSRLに検体をだしてチェック用に使われることがあるのです。もちろん大学病院に設備や技術がない検査があります。とても採算には合わないそういう検査を引き受けないなら、大学病院がSRLを使う理由がなくなります。設備や技術、そして検査精度が落ちるほかのセンターでいい。

だから、SRL八王子ラボは、蛍光顕微鏡はニコンをやめてカールツァイス、電子天秤は島津製作所やその他のメーカをやめて世界最高のメトラーに切り替えました。他の機器もそうです。展示会を見るときは世界最高性能のものから見ていました。1980年代後半のことです。ラボの購買課機器担当としてそういう方針で検査に使う機器を世界最高のものに切り替えていきました。権限は大きかった。方針を明確に説明していたので、わたしが決めたことは全部本社役員二人が追認しました。機器の担当の直前は本社で予算編成統括責任者として仕事していたので、経理担当役員と副社長のバックアップがありました。検査各部課と用事ができるたびに、電話を切って現場へ出向いて担当者と話をします。ついでに、どんな開発や研究を進めているのか情報を収集してきます。メーカの検査機器開発情報についても、有利な条件での新規導入検査につながるので、検査現場の管理職に伝えます。製薬メーカや検査機器メーカが情報をオープンにしていない段階で、営業担当者との信頼関係が厚ければけっこう情報収取できます。

原価計算システムを開発して、製品別原価計算をやっても、SRLはそのリストを見て、不採算製品をカットしませんでした。だから、他社よりも高い価格で受注が可能だったのです。
高い価格で受注できるということは、利益率が高いということ、製品価格で競争しなくてすむということです。高収益で財源を確保し、現業部門の優秀な社員に研究開発予算をふんだんに割り振りました。失敗しても責任は問わない。投資を判断した管理者が失敗から何かを学べばいい。

そういう点ではいい会社でした。多少の軋轢を辞さなければなんでもできる会社でした。

それで、本題に戻りますが、不採算製品をカットすると、固定費の割り振り先が少なくなり、製品当たりの製造間接費配賦額が増大して、残った製品の製造原価がアップするのです。そうするといままで採算があっていた項目の中から不採算項目が新たに生み出されてしまうのです。
負のスパイラルのはじまりです。実際にそういう経緯をたどってつぶれた会社があるのです。

製品別原価計算は、たとえていうと、切れる包丁を弟子入りしたばかりの小僧が扱うのと同じです。切れすぎて怪我をします。


by ebisu (2015-07-02 11:27) 

後志のおじさん

大変失礼しました。

道民新聞の、引用記事中のコメントと勘違いしていました。


国鉄時代は
黒字路線は、東海道新幹線、山手線、高崎線の三線だけ
本州三社や九州では、細かい黒字路線が増えています。
いかに、需要の掘り起こしがなかったか?間接費が重かったか?


50年後位に、JR北海道が鉄道事業+附帯事業でなんとかやっていける範囲は、

小樽、旭川間。札幌、苫小牧間。新千歳、帯広間。位でしょう。
北海道新幹線は、かなり厳しいでしょうね。

当然、本社機構も含めての、全面的な再編成が必要になりますが。


鉄道が、強さを持っている分野は、
1.到達時間4時間位までで、車よりも、
  速い。
2.駐車場に苦労するような都市部への通勤

北海道で、これに該当するのは札幌とリンクした中都市位しかないです。

(続きます)


by 後志のおじさん (2015-07-02 13:16) 

後志のおじさん

連続失礼します。

原価計算ですが、

1.かろうじて黒字は出ているけど、ガソリン代やら外食の領収書やら個人的な支出を付け回すと赤字。(理想的な状況です!)
残す。

2.2種類以上仕事をしていて(私です。)直接原価だけをみると赤字のものもあるが、個人的な支出を巧く経費に落とし込める仕事が赤字ならば、それはそれで残しておくべし。

3.会計からは外れますが、金になるからといって、同じ作物ばかりを作ると連作障害がおこり、長期的には減収する。

と理解しましたが、いかがでしょうか?



by 後志のおじさん (2015-07-02 14:30) 

ebisu

旧東海道線は新幹線ができたときに、旅客売上が激減して日本一の大赤字路線に転落。
旅客売上が激減し直接原価は比例して減りましたが、線路のメンテナンスという固定費が膨大ですから、固定費をまかなえず在来線の東海道線が大赤字になりました。

新幹線が通れば、それとは裏腹に在来線が大赤字になるというのは北海道新幹線も同じです。
在来線は生活路線ですから、それが廃線になるリスクがあることを説明すべきですね。廃線リスクを認識した上でなら、在来線の住民で新幹線に賛成する人は少ないでしょう。

工事建設ラッシュで土木建設業界は一時期は工事の受注で大もうけができますが、そのあとがどうなるのかを政治家はちゃんと説明すべきです。欲に目が眩むとろくなことになりません。

「利己心はすべての過失と不幸の源泉である」

ところで、直接原価計算をご存知なのですね。

論点の1番目はガソリン代や外食費、個人的な支出でも税法上経費扱いできる費用なら、作物のできにかかわらずに発生する固定費と捉えるなら、その通りです。
売上から直接原価を差し引いて、固定費の一定部分を補えるなら、それを切り棄てると、固定費は残った製品分野で補わなければなりません。赤字製品の切捨てによって赤字が増えます。

要するに、売上から直接原価を差し引いても利益が残るなら、経営戦略上は残すべき製品分野です。にっちもさっちもいかなくなるまでにしばらく時間がありますから、その間に有効な具体策を立案して、実行しなければなりません。
ようするに、先を見て手を打てということ。経営というのは案外平凡です。

論点の2番目はどうでしょうか。直接原価すらカバーできなければ固定費は負担できていないので、切り捨てても固定費の負担に影響はでません。「売上-直接原価=限界利益」がプラスなら、固定費負担ができるので残すべき、直接原価をカバーできなければ切り捨てるべきだというのが、直接原価計算の趣意です。

3番目は的を射ています。なかなか勘が鋭い。
日本は2000年ころから人口減少時代に突入しています。旅客売上は長期的に逓減していきますから、それに頼っていたのではジリ貧です。団塊世代が動けるうちは旅客売上の減少は緩やかになるでしょうが、それも時間の問題です。
資本にとって拡大再生産が絶対的な命題なら、新たな製品をラインに加えるしかありません。JR北海道はそれを札幌駅ビル開発に求めました。しかし、それはそれどまりです。旭川にも帯広にも釧路に北見にも網走にも根室にも通用しません。やれば赤字必須です。
万事休す、拡大再生産路線=成長路線が行き詰ってしまったのですね。だから、路線別に採算計算をして、赤字路線の切捨てを決めた。情けないことに、経営者自らが決断を下せず、第三者委員会なるダミー委員会を作り、そこに言わせる、なんと卑怯な行為でしょう。自らの経営失敗に責任を取らず、委員会の逓減を取り上げる形でことを済ませ、生き残りを図る。このような経営者ばかりでは、子どもたちへの教育上たいへんよろしくありません。

アベノミクスのJR北海道版がここにあると思っていいのでしょう。成長路線はアウトなのです。

拡大再生産ではなく縮小再生産路線に切り替えなければなりません。戦なら、敗戦の撤退戦術です。これは非常に困難ですが、やる道はあるでしょうね。でも並みの経営者には無理です。北海道に大きな組織を動かし、縮小再生産路線にソフトランディングできる優れた経営者が何人いるのでしょう。
おろかな経営者はたくさんいます。人口減少時代という大きな流れを読めずに、拡大=成長路線に固執し続け、破綻にいざなう。

若い人たちは、JR北海道の第三者委員会方式による廃線という、無責任な経営からいろんなことを学んでください。
人間には、というよりも、日本人が育んできた伝統的な価値観からやってはいけないことがあります。
それは卑怯な振る舞いです。
JR北海道の経営者は屑です。

若い人たちは、やるべきときに一生懸命に勉強して、困難な状況に立ち至ったときに、卑怯な振る舞いをしない強い意志を鍛えあげてください。
by ebisu (2015-07-02 16:28) 

ebisu

第三者委員会に如何にバカ共が集まっているのかは結論を見たら分かります。

SRLでは3000ある臨床検査項目の内、採算があっているのはわずか300項目足らずです。大雑把にいうと全体の1割りの検査項目で、9割の臨床検査項目が出す赤字をカバーしている。
売上構成比では売上の多い順に300項目並べたら6割を超えてしまいます。

SRLにとっては3000項目の内2700項目の臨床検査が赤字であることが正常な状態なのです。
稼げるところで稼ぎ、利益と新製品開発費を生み出し、配当を行う。

どこの会社でも似たようなもの。全部の製品ラインが儲かっているなんて会社は異常です。

つまり、第三者委員会もJR北海道も、正常な経営状態というものを知らない、そういう意味でオオバカモノなのです。

旧国鉄には3路線しか黒字路線がなかったと後志のおじさんが書いていますが、それでいいのです。
問題は、それで全国に散らばる赤字路線から生ずる損失をカバーできるかということ。

新幹線の整備が旧国鉄を滅ぼしたのかもしれません。黒字の在来路線(東海道線)は大赤字に転落し、もともと赤字だった在来路線は、新幹線の整備によって赤字をさらに膨らませてしまった。
そうしたリスクを旧国鉄の経営者たちが正しく評価できなかったように見えます。大雑把な計算(シミュレーション)ならいくらでもできたはずです。
by ebisu (2015-07-02 17:35) 

ebisu

もうひとつ気がついたことがあります。

>500人・km という数値は、国鉄分割民営化前に、不採算路線として設定した特定地方交通線(4,000人・km )、第一次廃止対象の50km 以下の路線で、500人未満
の500人未満を持ってきたのだと思います。

ずいぶん昔の話で、あれからJR北海道は人件費の切り下げを実施しています。50歳そこそこで定年としたのも人件費削減策の一つです。保守要員も削ったようです。
だから、500人・kmという採算ラインは下がったはずです。
いくらなんでも1987年の民営化の際に採算検討資料にした数値をそのまま2015年のいま現在に適用するなんてこと自体が、検討作業の杜撰さの証左です。

本当のところを知りたくなりました。
民営化したとはいえ、公共交通機関ですから、路線別原価計算資料開示くらいはネット上でしてもらいたい。
道内の専門家が開示されて資料に基づきネット上で議論すれば、きっと妥当な結論がえられます。
検討に必要な能力をもたぬ人たちだけの閉鎖的な第三者委員会方式はすでに破綻しています。
分からないことは分からないといい、できないことはできないとはっきり言えばいい、分かりもしないで分かった様なことをいう輩が一番危険です。
専門家が集える場で、オープンな議論が必要です。
北大経済学部はどうか知りませんが、小樽商大には原価計算の専門家が一人ぐらいいるでしょう。

by ebisu (2015-07-02 18:00) 

tsuguo-kodera

 先月の訪問でお世話になり、地名や道路事情に土地勘があり、記事をすんなりと理解できました。ローカルアベノミックスと呼ばれている国の施策の一環で地方をもう国は面倒を見ないから自律しろと言う施策があるでしょう。その実例のように感じた記事でした。まさにポッポ屋の世界ですね。
 国が切り捨てるなら地方がやるしかありません。それがこの国の実力なのでしょう。その前提でやる人はいないのでしょうか。ダメな事業ほど面白くできるはずです。
 事業家や出資者が居れば済む話にまとめることも可能かも。ほとんど投資ゼロで、毎年の人件費程度で新規事業も可能かも。人は3人いれば済む話にすればいい。
 もと貧乏会社の若手企画担当者も今は坐骨神経痛と喘息がある死に損ないです。お手伝いできないのが残念です。
 確かに現実を見たので、渋谷先生や息子や私の会員のお医者さんも釧路までしかなかなか行かせられません。すみません。
 無責任に外野席から言える範囲だけですが、それは現実のゲーム化でしょう。仮想ゲームと現実のゲームの統合を図るのが今の時代の特効薬であることは間違いありません。
 でも、新規事業には頭もスタミナが居るのです。2日は貫徹できないと意見をまとめて人を説得することは難しいと経験から感じています。熱病のような自分のアイデアへのこだわりが人を動かすのに役立ちます。投資家はお金が好きですから仕方がありません。
 再度すみません。お役に立てず。
by tsuguo-kodera (2015-07-02 19:13) 

ebisu

小寺さん、こんばんんは

遠路はるばる根室までおいでいただき、感謝申し上げます。C中学校の生徒たちはさっそく教えていただいたトレーニングをしているようです。

>仮想ゲームと現実のゲームの統合を図るのが今の時代の特効薬であることは間違いありません。

コンピュータゲームが大流行ですから、その通りです。
現実の経営はしばしば頭の中でwhat if Quetionでシミュレーションしてから、それをなぞるように現実に移していきますが、人間は千年も二千年も昔からそういうことを繰り返してきたような気がします。

そういう意味では戦争が最大のゲームでしょう。
命ではなくお金が懸かっているのが現実のビジネスゲーム。

さて、スモールビジネスを始める話と、JR北海道再建ゲームはだいぶ距離があります。
鉄道の問題は結局のところ、それぞれの地域社会がやるしかなくなるでしょうね。雪だるま式に赤字が増えれば、ある時点であきらめざるを得なくなります。過疎化は加速しますが、行き着くところまで行けば下げ止まります。水産資源も根室の人口も無限に縮小するわけではないから、心配する必要はないのでしょう。なるようになります。

JR北海道の問題はさておいて、スモールビジネスを無数に立ち上げるという実行可能なアイデアがあれば北海道の活性化には役に立つでしょうね。

でも、わたしは成長路線には期待していないのです。縮小再生産でよろしい。根室は水産業の町で、これ以上水産資源が増えたり、漁獲量が増えることを前提にしない、むしろそれらが減少していくことを前提にして対策を講ずるべきだと思っています。そんなに選択肢が広いわけではなりませんから、誰が考えてもある線に落ち着くのでしょう。水産会社の経営者は、子どもを東京の大学に進学させて、大消費地を見てこさせるべきです。そして大消費地である首都圏に人脈を広げるべきです。

その上で、漁獲量の縮小再生産を前提として川下の事業をさまざまなアイデアで創出していくのがいいのではないでしょうか。川下にさまざまな職人が生まれれば、縮小再生産下で地域経済が活き活きとよみがえる道はあります。
根室にないのは智慧と技術だけで、水産資源はサケ・マスが激減しても他のものがまだあります。

企業経営の土台になるものはたしかな学力です。
とことん一つのことを考え抜き、技術を日々磨き、決断と行動ができるように自分たちを鍛え抜けばいい。
問題なのは環境ではなく、根室に住むわたしたち一人ひとりだと思います。誰かがやってくれるのではない、自分たちが何とかする。自分たちが住む町は自分たちが守る、それだけのことです。
JR北海道の7区間8路線の廃線問題はそうした当たり前のことに気づかせてくれたのかもしれません。

ロシア200カイリ内のサケ・マス流し網漁禁止法案にプーチンが署名しましたね。
ヨーロッパから農水産物の輸入を禁止しているから、国後島や択捉島の水産資源の戦略的重要性をロシアが再認識したということです。これで当分の間、領土問題に関する外交交渉の余地がなくなりました。
市立病院の赤字拡大、ロシア200カイリ内サケ・マス流し網漁禁止、根室花咲線廃線の三重苦が根室を覆います。

負けるな、根室っ子。
by ebisu (2015-07-02 23:14) 

tsuguo-kodera

 ほとんど同じ意見だと思います。想いを伝えるのは難しいです。
 スモールビジネスを立ち上げると5%も成功しません。100分の1以下でしょう。旗振りしてはトータルで赤字になるのは必然でしょう。だからUCLAやスタンフォードの周辺にベンチャーは存在しているのでしょう。
 私が言いたかったのは、縮小を前提に、子供を生かして未来の経験を子供にさせることです。管理人さんの言うように人口は半減し。すべてのニーズも半減する前提です。このままいけばそうなる運命かも。だから均衡点を挙げるのです。
 当方の考え方を短く表現すると誤解に至りそうです。コメントバックは誤解に基づいて書かれたように感じているからです。
 当方例えば無理せず、中高の文化部に例えばベンチャーをするクラブを創るようなことです。成功不成功のシミュレーションをするのです。シュミレーション部なのでも良いのでしょう。
 社会や総合の一環なら最善かもしれません。創造性の開発だけは必然だからです。教科の勉強も楽になる、が私の信念だからです。汝総合の門よりはいれ、なのです。これも誤解を与えそうです。残念です。
 管理人様が言うように人は太古の昔からシミュレーションを仲間としてきたとも言えます。だから進化したのです。親ともしてきたはずです。それが人類の歴史でしょう。あえて言えば、学校の授業の予習もシミュレーションのようなものです。
 調子の良かったガキの私は、この問題は難しいから誰も解けないだろう、先生が誰か黒板で解いてくれる人がいませんか、と言われるのが待ち遠しく、言われた瞬間が嬉しくて、難しい問題だけに予習注力していたようです。難問ほど複数の解法を考えていました。先生の指導書をみて、代数辞典を調べ、参考書をみていました。
 結局未来の正しい予測が必要ですから如何にモデルを考えて正しく状況を予想するか、分かりやすく説明し相手を説得するか、の教育が中高で大事なのだと私は考えています。
 説得こそ表現法に具体性がないとできません。抽象論はダメだと言うことを子供の時に叩き込むことが必須なのでしょう。少なくとも私の周囲の優秀な人ほど物事をモデルで考えているように思えるのです。
 子供ができるビジネスもあれば、中高生が適している現実世界のゲームもあるはずです。怖いことに戦争もゲーム機の世界のようにますますなるでしょう。年寄りも生活のために必要なのです。ボケないためにもです。
 結局、ゲームモデルはすべての領域でますます力を持つでしょう。それしかネムロが存続できる領域はないとむしろ悲観的に考えた方が縮小均衡を図り、存続できるのではないでしょうか。
 再度言います。町は住民が守る、素晴らしい考え方だと感服します。他人や政府や役人に文句を言っている暇はメディアのひとしかありえないです。私もこのように考えています。
 でも、できない人にはできる人を見せて、新しい手法の開発をお手伝いさせるのが早道なのかもしれません。ここで意見の違いが出てきたのかもしれません。すみません。
 私では、ひょっとして管理人さんもそうかもしれませんが、悟りに近い境遇にあり、情熱を子供に植え付けるのはできません。旬の人材開発を急ぐべきなのかもしれません。そのために若手の先生をだましてやらせるぐらいの品のなさが年寄りに必要なのかもしれません。
 なおこのような論旨は根室だけでなく、日本全体で言えると思っています。時期の違いがあるだけでしょう。

by tsuguo-kodera (2015-07-03 05:05) 

ebisu

おはようございます。

ははは、スモールビジネスの成功率はよくて5%、まあ、1%がいいところというのは納得がいきます。

ずいぶん簡単に考えているように見えたので、「突っつき」ました。そのお陰で、小寺さんのスモールビジネスに対する具体的な考えを知ることができました。なかなかむずかしいというところは、同じ認識でした。
読者の皆さんも、この前のコメントよりは、ずっと理解が進んだでしょう。コメント欄は対話の場所、ときに分からないところや疑問を感じたところをストレートに書きますが、その点はご勘弁を。
m(_ _)m

簡単に立ち上げられて、そして小さなビジネスは簡単につぶれる。3年もしない内にほとんど消えてしまいます。どんなビジネスも最初の3年がひとつの山、それを越えると10年続けられるでしょう。10年から15年くらいでもう一つの山が見えてきます。

干支(えと)というのは、巧くしたもので、ものごとにはそうした12年周期、60年周期のようなものがあります。12年で次の大きな展開が視野に入ってこなければ、大きくはならない。大きくなるビジネスは12年間続けたら、次の飛躍の舞台が見えてきます。内部の引き締め、組織機構や内部管理制度の充実が視野に入ってくれば、その企業は店頭公開が可能になります。
根室にはそこまでいけたビジネスが一つもないことが残念です。根室人の視野の狭さや傲慢さ、学ばない悪癖がその辺りに見えてしまいます。誰かがやって見せたら、続く者たちが現れます。それが根室の町の活性化のエンジンになりうる。地元の金融機関である大地みらい信金にそういうノウハウがない。たかが信金ですから、無理なのでしょう。でも、全国の信金の中に、店頭公開を支援できるような凄腕をもった人材が現れてもいい。そういう高い志で仕事ができるかどうかが問われています。小さな世界しかみていないから経営トップ層の志が低い。経営トップ層だけでなく、管理職の皆さんも、何のための地元信金かと、その役割を自らに問い続けてほしい。

ビジネスは儲けないとウソです、続かなければビジネスになりません。 going concernということばがありますが、ビジネスとか企業というのはそういうもの。

いま、NHKで皇居の周りを歩いてレポートする番組が流れています。ナレーションを担当している女性アナウンサーが森林の中を歩いています。北の丸港s年かな、人がほとんどいませんね。いい景色だ。先ほど、大手町1丁目1番地の平将門の首塚をcameraが写していました。

話を元に戻しましょう。
>結局、ゲームモデルはすべての領域でますます力を持つでしょう。それしかネムロが存続できる領域はないとむしろ悲観的に考えた方が縮小均衡を図り、存続できるのではないでしょうか。

若い人たちが夢中になっているゲームを逆手にとって、それをてこにビジネスのシミュレーションをさせる。現実に移せば予測してなかったさまざまな障害が出てきます。そこから学ぶことで次に立ち上げるビジネスは継続性できるものになる。失敗から学ぶことこそ大事なことです。
若いうちの失敗は勉強になるから、たくさん失敗してたくさん学べばいい。何もしないのが一番いけません。若いうちはチャレンジあるのみ。
わたしたち年寄りの役割は、そういう若い人たちにわずかな智慧と経験で応援すること。

>でも、できない人にはできる人を見せて、新しい手法の開発をお手伝いさせるのが早道なのかもしれません。ここで意見の違いが出てきたのかもしれません。すみません。

百聞は一見にしかず、諺(ことわざ)どおりに見せてあげる、そういう人に遭わせてあげることも大事なことですね。触発があります。
根室には「はなまる」という回転寿司の本店がありますが、札幌に5店ほど、東京丸の内の切手ビルにも出店しています。この会社の社長は面白い男のようで、あるときに京セラの稲盛和夫に師事しています。教えを受けに押しかけたのです。スナックをやっていましたが、回転寿司をはじめました。稲盛哲学を叩き込まれての開業ですから、そのあとの展開が根室のほかのビジネスとはまったく違いました。
「はなまる」は小寺さんが主張する「できない人にはできる人を見せて」という好例なのでしょう。

バドのトレーニング法もそうでしたね。首都圏の高レベルのトレーニング法を目の前でみれることが生徒たちを「触発」していました。

これからも、コメントの内容がわからないとか、書き込みが足りないと感じたときには、この欄で率直に申し上げます。今回のように「誤解だよ」と追記してください。最初の言がより具体的なイメージでよく理解できます。
せっかくのご意見です、たくさんの人に真意が伝わってほしいと願っています。

by ebisu (2015-07-03 09:17) 

まつりか

根室本線の起点は滝川です。
根室へは大正10年8月5日に西和田~根室が開通し根室本線となりました。
当時は花咲線廃止ではなく花咲駅廃止、減便です。
市民が花咲駅廃止に関心をもちはじめ今後各イベントで鉄道の大切さを知ってもらおうと活動中です。
夢空間☆花咲線の会代表
by まつりか (2016-08-21 17:42) 

ebisu

まりつかさん

投稿にいま気がつきました。
根室本線の起点は滝川で終点が根室ということですね。両端共に起点だと誤解していました。本文の該当箇所は訂正しておきます。
「夢空間☆花咲線の会」というのがあるのですか。どのような形で活動していらっしゃるのですか?
よろしければ書き込んでください。

貴ブログを見つけました。
http://blogs.yahoo.co.jp/hanasaki_kiha54

花咲線の写真がたくさんあります。霧の中を一両編成の車両が走っています。ご覧ください。
by ebisu (2016-08-28 21:53) 

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