#3037 教室移転作業完了 May 4, 2015 [84.地域経済と教育のクロスオーバー領域]
□ 5/5 17:00追記
□ 5/5 23:00 横浜市の店舗物件の賃借料坪単価追記。9000~12000円/坪
□ 5/6 9:13 追記 横浜市と根室と店舗家賃が同じなら、どっちで開業する?
□ 5/6 23:40 BMI計算式とローレル指数計算式を追加
【教室移転の理由は三つ】
一つ目は根室で加速的に進行している子どもの人口減少。根室高校が定員200名のところ、158人の応募で、42人も定員割れを起こした。もちろん史上最大の定員割れである。これで下位層の中学生たちがますます勉強しなくなるだろう。
12年前にふるさとに戻って開業したときには根室市内の中学生総数は1学年400人を超えていた。来年は230名くらいいるから、ほぼ定員に近い応募があるだろう。しかし、その後は逓減していく。12年で6割に減少するから、2027年には市内の中学生総数は1学年150人を割るだろう。12年後には小中学校はそれぞれ2校で十分である。24年後には1校になっているだろう。
二つ目の理由は、最近数年間で学力上位層(五科目500満点で400点超の階層)が激減したことにある。市街化地域の3校では10年前の1/4になっている。学力上位層対象の塾は市場縮小ですでにビジネスとしては成り立たない。
根室高校が定員200名で158人の応募、全員合格である。五科目300点満点で70点でも根高普通科へ進学できるから高校受験用の学習塾もニーズがなくなった。その上、再来年には根室西高校が廃校になり、1校に統合される。
いずれ、世の中の個人経営のユニークな私塾が激減(しかし絶滅はしない)し、Z会やブロードバンド予備校のような安価なネット塾に変わっていくのだろう。
根室っ子たちの学力の更なる低下は避けられないのだろう。あとは学校の先生たちにがんばってもらうしかない。地域経済を支える人材育成の最後の砦は学校にある。
三つ目の理由は、2012年12月にふるさとに戻り開塾したときから、終わりを意識していたこと。余力のある最後の十年ほどをふるさとで人材を育ててみたいと考え、50歳代前半にはじめた小さな塾である、いずれ終わらなければならない、その第一段階が「縮小」である。
<年齢と体力>
まだニムオロ塾を必要としている中高生がいる、高校生になってからにわかに大学受験を志した者、地元で就職をしたい者、高校から根室を出る者など一人ひとり事情が異なる、その中には根室の地域医療の将来を担うことになる人材も混じっているから、願わくば彼が高校を卒業し医学部に無事進学するところまで付き合ってみたい。しかし後6年間あるから、体力的にはまるで自信がなく、引越し準備作業と本番の引越しですら体重を2.5kgほど減らしてへたっている。右と左の歯2箇所を同時治療中なので、それも体力消耗に加担している。今月半ばには終わるから、体力は少しずつ回復するだろう。久しぶりに60kgを切り59.5kg(身長173cmだからBMI値19.9である、太目の女子中高生にはうらやましい話でも、秋刀魚じゃないが、胃のないわたしにはきつい(笑)(スキルス胃癌を患う前は68~70kgだった)。食事と睡眠を十分にとり、適度な運動をして筋肉をつけて体重を62kgに戻そうと思う。それはそれで具体的な課題であるから楽しいのである。遠くの目標にときどき視線をやりつつ、目の前の課題を一つ一つ片付けていく、人生っていいな。歯の治療中であることも食事に影響している、胃がないから十分に咀嚼できないと体調の維持がむずかしい。でも、これくらいならなんとでもなる。主治医がいることも心強い。
<BMI>
BMI計算式:体重(kg)/身長(m)^2
22が標準とされるが、19の死亡率が最低であるから、19を理想値とする見解もある。なるほどBMI値19のebisuはますます不死身というわけか、なんだか元気が出てきたぞ!(単純な奴)
<ローレル指数>
ローレル指数計算式: 体重(kg)/身長(cm)^2 ×10^7
ネットで調べたら、学童期の肥満度を測るのに適しているとあるから、大人には適さない指数。130が標準値、児童ではないけどわたしは117。(笑)
【引越し作業】
あれこれ状況を考えて、憲法記念日の3日に教室を街中のビル3階から中学校前の自宅書斎(16畳)へ移した。
ヒシサンでレンタカーを借り運転と作業を義兄に手伝ってもらった。トラックの荷台は案外広く2回で全部運べた。本や問題集は全部事前に片付け、運んでしまっていたから、今日の作業は空の本箱、机と椅子、黒板、ホワイトボードだけ。きれいに並べて紐をかけて固定して運んだ。
レンタカーを借りたのが11時ころ、返却したのが12時半ころだった。基本料金は5200円、便利な時代になった。レンタカー屋さんに感謝。2往復で軽油代はたったの52円。
2時ころになってジリ模様の天気となった、曇り空の間に作業が終わって幸いだった。お天気さんにも感謝。
事前準備のよさが功を奏した、仕事は段取り次第ではないだろうか。出向3回で6回だから、引越しは20回くらいやっているかもしれない。慣れているから引越し業者に事前整理のよさをほめられたことがある。箱詰めしたダンボールに中身の種類と運び込む部屋の番号を記入し、紙に書いた指示書をつくって渡すから、打ち合わせも5分と掛からない。梱包できない大きな物ははがしやすいようにビニールテープの端を折り、部屋番号を記入して貼り付けておく。
【新教室の概要】
荷物の移動は1時間半だったが、それから整理に3時間ほど掛かり、本日の作業は完了。教室の机は思いっきりよく8個減らして7個に。スペース的には2個追加できるが、びっちりにしたくないので「ゆとり」を残しておきたい。土曜日は隔週休みに改めた。体力に合わせたということ、無理をすると続かない。
黒板とホワイトボードをはさんで反対側には厚さ7cm長さ150cm幅100cmの無垢材の座卓もがおいてある。4人座れる補習用のコーナーである。キャスター付の黒板とホワイトボードの裏面は補習コーナのほうを向いているので、両面フルに使えそうだ。L字フックを裏側につけてマーカのカスが床面に落ちないようにした。なかなかいい出来で満足している。
教室と補習用コーナの部屋の壁には造り付けの本棚が天井まで、そしてスライド書棚が3本、半分以上は経済学や哲学、そしてコンピュータシステムや言語学、会計学、日本史などの専門書と夏目漱石全集(漱石が指示して作らせたすばらしい装丁の初版復刻本)がおいてある。
階下の8畳にはバス通りに面した東向きの明るい窓側に机3個を使って二人分の勉強スペースを用意した、こちらは自習用のコーナーである。ここにも4本の本棚に本が詰まっている。部屋の真ん中には円テーブルと肘掛け椅子が2脚、ゆっくり本を読める。塾生同士のコミュニケーションに使ってもらってもいい。この部屋の本棚の半分くらいは文学書や文芸書で埋められている。
小学生か中学生の時期に濫読期を体験すると、高校や大学で学力の飛躍的な伸びが期待できる。興味のありそうな分野の本を手にとって読んでみたらいい。
体制は整った、これでしばらく教えられる。学習環境は格段によくなった。連休明けの7日から新教室での授業となる、生徒たちはどんな顔をするだろう。
<余談:根室の旧弊・悪弊の打破こそが町を活性化させる鍵だ!>
1990年代の終わりころ、経営を任されていた合弁会社の本社を東京立川(中央線立川駅)から営業活動に便利のよい新宿に移すために物件を探した。駅からすぐのビルだったが坪単価は18000円、その安さに驚いた。新宿駅前の超高層ビルは一時期は坪単価4万円していたのを知っていたからだ。中古の高層ビルとはいえ、鉄筋コンクリート造でメンテナンスは行き届いていた。
根室の家賃は相場が高いようだ。私の借りていたビルは鉄骨へーベル造り坪単価9000円。これぐらいが根室の相場で特に高いわけではない。木造モルタルで飲食店で坪単価9000という話は十数年前に耳にしたことがあるから、鉄骨へーベル造だから、根室ではむしろ割安なほうだ。
根室の街中の土地の価格は坪単価5万円ほどで、新宿駅前は坪単価1000万円を超える。人口18万人の釧路に比べても民間アパートや事業用建物の賃借料は人口2.8万人の根室のほうが割高だろう。わたしは2000年に横浜市緑区のある駅前のマンションに単身赴任して住んでいたことがあるが、45㎡で15万円ほどだったから、坪単価はおおよそ9000円だった。店舗や事務所用建物の賃借料相場は根室市は横浜市(人口371万人:2015年4月1日現在)とほぼ一緒ということになる*。
都会から根室へ「移住」する人がいたとしたら、店舗や事務所用建物の賃借料相場の高さに唖然とするだろう。横浜市の人口(371万人)は根室の132倍である。家賃が同じなら根室で新規開業しようとする人はほとんどいないだろう、そしてその通りになっている。新規事業の展開にとってこういう基礎的な部分(インフラ)に大きなアキレス腱を抱えている根室を根室人のほとんどが意識していない。あろうことか長谷川市政は「移住促進」を人口減ストップの主要政策に掲げていた。
根室で12年間事務所用スペースを借りたら、建築費の2倍の賃借料を支払うことになる。人口18万人の釧路よりもずっと高いことは事実だ。賃借料相場が異常に高いことを根室の旧弊の一つに挙げておく。
(論より証拠、横浜市港北区の店舗物件の賃借料を検索してみた。1915坪で2378万円の物件がヒットした。賃借料の坪単価は12,400円である。(5番目の物件)
横浜市都築区の物件は1438坪で1327万円だから、賃借料の坪単価は9,230円であり、ほぼ根室と一緒。おそらく鉄筋コンクリート造の建物だろう。
http://souba.builds.jp/pref2.php?id=P14)
こういうことが、都会へ進学して出て行った若い人たちが30歳を過ぎて根室にもどって事業展開をするうえで一つの障害になっているかもしれない。利益が小さくても、ふるさとのためにあったほうがいい事業はある。人口減少を緩やかなものにしたければ、こういうところにも市政や地元経済団体は焦点を当てるべきだろう。根室で生まれ根室で育って、都会へ進学し何年か仕事をしてから、「ふるさとへ戻って起業したいと思えるようなインフラの整備」が必要ではないか?
根室は物価が高いと昔から言われてきた、そういう根室の商習慣を変えないと町の衰退がとまらない時代になっている。他の地域とよくよく比較すれば、改めるべきことはいくらでも見つかる。ようするに、町をよくする努力が足りない。自ら努力せずに、根室にまったく縁のなかった人たちが根室に定住してくれたら根室の人口減が止められるなんて昼間から夢を見ているようなことばかり言っていると、小・中学生に笑われる。まず大人がしっかりしよう。ふるさとのために、汗をかいてみる気はないかい、地元経済諸団体主要メンバーの面々。
12年と半年、ビルの3階に教室を維持できたことに感謝、12年前に快く賃借を承諾してくれた元理事長にも感謝である。13年目の事業縮小、小さいことはいいことだ、一区切りついてほっとしている。
2040年には根室の人口は1.8万人(2015年4月1日現在27,822人(「市の広報」より)に減少するから、半分くらいの会社が消滅しても不思議ではない。事業を営んでいる人は選択肢の一つとして、段階的な縮小戦略を考えてみたらどうだろう。
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