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#3031 「教師を労働者」と謂(い)ふのは「饅頭をショートケーキ」と謂ふような類 Apr. 20, 2015 [55. さまざまな視点から教育を考える]

 学校の先生で自分たちが労働者だと主張している一団の者がいる。労働者とは肉体を使って労働する者のことで、教員は知的な仕事だからインテリというのが正しい。
 インテリの語源はロシア語のインテリゲンチャであるが、この言葉の意味するところは知識階級である。インテリゲンチャは労働者階級に対置される。
 北教組の連中はマルクスの著作も読まずに「教育労働者」なる奇妙な造語で自己限定をしている、学問的には概念を混同する幼稚な用法で、「饅頭ショートケーキ」と言っているようなもの。
 教える立場にある者がこのような概念の混同をするのは恥ずかしいから、北教組の先生たちは少しでいいから本を読んで勉強してもらいたい。北教組が出している文書やシンパの学者たちが出している本には、労働者や教育者という概念に対する基本的な解説が一つもないのではないかね。ないからといって簡単にだまされ続けているのは、知性の欠如だ。まるで「オレオレ詐欺」何度も引っかかる気の毒なお年寄りのようなもの。現職教師がそれではあまりにも情けないとは思わないかね?
 ムダだろうね、マルクスへの信仰が篤いから。ところがそのマルクスですら「教育労働者」なんて基本概念の混同はしなかったのだよ。そのようなおろかな概念の混同をしたらとても『資本論』なんて書けなかっただろう。そういう主張をする者は学者にすらなれなかった半端なインテリです。教育者としても最低レベルの知性の持ち主であることを表明しているようなもの。書くといくらでもでてきそうだから、くだらないのでこの辺でやめておきます。
 引用文の後にブログ「情熱空間」へ投稿した解説を載せておく。

 ブログ「情熱空間」が「エージェント診断」なる面白いチェックリストをアップしてくれた、さあご覧ください。

http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/7906382.html#comments
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2015年04月20日

エージェント度診断

あなたの《エージェント度診断》です!
以下の10問にお答え下さい。

□ 北教組の主張はやはり正しいと思う。
□ 自衛隊や警察はどうにも好きになれない。
□ 企業経営者は労働者を搾取しているに違いない。
□ 労働者は団結するべきだと思う。
□ 自分は教育関係者である前に労働者であると思う。
□ 日本の伝統的文化にはあまり興味がない。
□ 道徳教育は価値観の一方的押し付けだと思う。
□ 権利は最大限に行使すべきだと思う。
□ 結果よりも常に過程が重視されるべきだ。
□ 競争(すること・させること)は良くないと思う。

《診断結果》
●0点…エージェントに取り込まれる可能性は極めて低いです。
●1点~2点…エージェントに取り込まれる危険性大。用心しましょう。
●3点~4点…あなたは既にエージェントです。
●5点以上…コアな北教組組合員そのものです。来世にご期待申し上げます。


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<コメント欄から>
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1. Posted by ebisu   2015年04月20日 12:54
北海道の先生の中には、「教員=労働者」だと勘違いしているばか者が多いですね。少しは本を読みましょう。

『資本論』の著者のマルクスは、工場労働者のことは書いていますが、学校の先生が労働者であるとは『資本論』のどこを探してもありません。マルクスは他にもいっぱい書いていますが、どの著作を探しても学校の先生が労働者だとは書いていません。
理由は簡単です、学校の先生は労働者ではないからです。

学校の先生は労働者ではなく、インテリなんですね。労働者とインテリは違うんです。肉体労働をするものが労働者なのです。インテリは知的な仕事をしていますから、労働者とは違うんです。

マルクス自身は大学に職を得ようともがいてもがいて得られなかったインテリ、ロシア革命を指導したレーニンもインテリで、マルクス同様に大学への就職したかった。どちらも希望がかなわなかった。
這い上がるには革命の指導者になって、労働者を政治利用するしかなかったのです。

視点を変えてみると、社会的身分が下層の労働者を政治利用することでしか自分の夢を実現できないかわいそうな人たちでした。

教員が労働者だと思っている北教組の先生、ちゃんと勉強しましょう。「教師は労働者だ」なんて言ったら、バカだと思われますよ。

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2. Posted by ZAPPER   2015年04月20日 14:50
ebisuさん
そもそもマルクスなど読んだことがないのにそれを信じているなどとは、その時点からして常軌を逸していると思います。自らを労働者であるとする時点で、もはや尊敬の対象にはなり得ない。どうしてそれに気がつかないのか、ただただ不思議でなりません。
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 以下は、ebisuの理論経済学関係の論文シリーズです。マルクス『資本論』を超えた経済学は世界中にこれだけです。
 学校の先生はインテリであって労働者ではありません。ebisuは「教育の職人」であれと主張しています。理論経済学から見たら、学校の先生たちが何者であるかを解説しています。#2951, 2952, 2953, 2955, 2958の5本の弊ブログ論考をお読みください。

<資本論と21世紀の経済学シリーズ>

*#2935 『資本論』と経済学(1):「目次」 Jan. 25, 2015 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-25

 #2936 『資本論』と経済学(2):「1.経済現象と日本の国益」 Jan. 26, 2015 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-26

 #2937 『資本論』と経済学(3):「円安はいいことか?80⇒120円/$の威力」 Jan. 27, 2015 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-27

 #2938 『資本論』と経済学(4) : 「経済学とは?」 Jan. 27, 2015 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-27-1

 #2939 『資本論』と経済学(5) : 「『資本論』の章別編成」 Jan. 27, 2015  
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-27-2

 #2941 『資本論』と経済学(6) : 「マルクス著作の出版年表」 Jan. 29, 2015   
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-28-1

 #2942 『資本論』と経済学(7) : 「デカルト/科学の方法四つの規則」 Jan. 29, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-28-2

 #2943 『資本論』と経済学(8) : 「ユークリッド『原論」 Jan. 29, 2015   
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-29

 #2944 『資本論』と経済学(9) : 「何をやりつつあったかは残された文献に聞け」 Jan. 29, 2015    
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-29-1

 #2945 『資本論』と経済学(10) : 「プルードン「系列の弁証法」 Jan. 29, 2015    
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-29-2

 #2947 『資本論』と経済学(11) : 「労働観を時間座標系においてみる」 Jan. 29, 2015     
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-29-4

  #2948 『資本論』と経済学(12) : 「学としての『資本論』体系解説」 Jan. 29, 2015 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-30

 #2950 『資本論』と経済学(13) : 「マルクスの経済学体系構成法」 Jan. 31, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-31-1

 #2951 『資本論』と経済学(14) : 「マルクスの労働観と日本人の仕事観」 Jan. 31, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-31-2

 #2952 『資本論』と経済学(15) : 「ヨーロッパ労働観⇔と日本の仕事観」 Feb.1, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-31-3

 #2953 『資本論』と経済学(16):「仕事がキツイ!に潜む心(仕事観)の問題」 Feb.1, 2015 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-02-01

 #2955 『資本論』と経済学(17):「要領の悪いものほど忙しいとぼやく」 Feb.3, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-02-03

 #2958 『資本論』と経済学(18):「教育の職人」 Feb. 5, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-02-04-2

 #2960 『資本論』と経済学(19):「日本経済の未来」 Feb. 6, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-02-05-1

 #2961 『資本論』と経済学(20):「経済成長の天井 山田久氏の論」 Feb. 7, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-02-07

 #2964 『資本論』と経済学(21):「過剰富裕化論」 Feb. 8, 2015 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-02-07-3

 #2966 『資本論』と経済学(22):「相対的貧困率上昇と富裕層増大」 Feb. 9, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-02-08-1

 #2967 『資本論』と経済学(23):「ピケティの空想的所得再分配論」 Feb. 10, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-02-09

 #2968 『資本論』と経済学(24):「浜矩子 予算案と公共性について」 Feb. 11, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-02-10

 #2971 『資本論』と経済学(25):「村落共同体と税:自由民と農奴について」 Feb. 12, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-02-12

 #2972 『資本論』と経済学(26):「文部科学大臣下村博文「教育再生案」について」 Feb. 13, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-02-12-1

 #2973 『資本論』と経済学(27):「注-1~5」 Feb. 13, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-02-13

 #2974 『資本論』と経済学(28):「注ー6」と主要文献リスト Feb. 14, 2015  http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-02-13-1

 #3015 人工知能の開発が人類滅亡をもたらすホーキング博士(資本論と経済学-補遺1) Apr. 2, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-04-02




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コメント 14

ZAPPER

なるほど!インテリの語源はロシア語だったのですね、ありがとうございます。勉強になりました。

となるとやはり、あの連中の主張はしっちゃかめっちゃか。理論も体系もへったくれもあったものではないことが100パーセント確定しますね。

まるで海外のニセ日本料理みたい。いや、笑えるそれとは違って詐欺そのものですね。ebisuさんの指摘で吹っ飛びますね、あいつら。実に愉快です。
by ZAPPER (2015-04-20 22:35) 

ebisu

ZAPPERさん

北海道で北教組が強いというのは悲しいですね。労働者とインテリの違いすら知らないほど、北教組の皆さんは知的レベルが低い。

北教組の先生たちはマルクス『資本論』すら読んでいないから、「教育労働者」なる用語に簡単にだまされてしまう。マルクスは「教育労働者」なんておかしな用語は使っていませんよ。世界中でそんな用語を使っているのは日教組とその傘下の教職員組合だけ。
もう一度書きますが、教師は知識階級に属しており、労働者階級ではありません。

マルクスやレーニンはインテリでしたが、夢かなわず労働者階級を扇動して政治的支配階級になり上がろうとしたインテリです。マルクスは貧困の中で死んでいきましたが、レーニンは大成功しました。しかし、マルクスもレーニンも生涯「(肉体)労働」とは無縁な人たちでした。
労働者階級の皆さん、北教組にだまされてはいけません、かれらは労働者階級ではないのです。自分たちの政治的立場を強化するために労働者階級を政治利用したい者たちの集まりです。だから、低学力の生徒たちを放置してもちっとも心が痛まずに、組合活動に熱中できます。

北海道は北教組がとても強いということは、こんな詐欺のような言葉の使い方に簡単にだまされる学力弱者が先生たちに多いということです。
先生たちの中に、これほど簡単なことすらわかっていない人たちが多いとしたら、教えられている生徒たちの学力が低くなるのも無理がありません。教育にも熱が入らない。かれらは「労働強化反対!」ですから、できる限り手を抜くことを考えます。

まともな先生たちは、どうぞ脱北(北教組を抜ける)してください。
北海道にも保守系の教職員連盟が誕生したようです。生まれたばかりのようで、まだネットにアップされていません。北海道教職員連盟とかいったかな、そのうちにネットにアップされるでしょうから、暇なときにググってみてください。
教師が聖職であると思う先生はそちらへ宗旨替えをしたらいかがですか?お奨めします。


by ebisu (2015-04-20 23:10) 

後志のおじさん

だって、バカなんだから北狂組に入っているのですよ!

ハイクラステストなんて難しいのは、「人格を歪める」って、言ってなければ、難し過ぎてできないことをごまかせない数学教師。

大学入試問題程度の英語ですら60%できたら「英雄」の英語教師。

文法解説のできない国語教師。

北海道の教員は、こんなのばっかりですから、


「弁証法」など、何を言っているか分かるわけがありません。

日本の小学生以下の頭ですから。


だから、自分を認めてくれる北狂組から抜けられないのです。

by 後志のおじさん (2015-04-20 23:19) 

ebisu

後志のおじさん

数学、英語、国語と「愚怠例」を挙げて、過激な文句のオンパレード。畑を耕してもまだまだ元気があまっているようですね。(笑)
これなら腰の心配はなさそうですね。

おや、へんな漢字変換がなされてしまいましたが、なんとなく意味が通じるのでそのままにしておきましょう。
by ebisu (2015-04-20 23:32) 

後志のおじさん

レーニンが、革命の指導者になれたのはなぜか?


「労働者による、階級闘争」の「必然的帰結」。

の訳はありません。


ドイツ帝国が、多額の軍資金を持たせてスイスから帰国させたからです。

レーニンの影にドイツあり。

だから、あっさりブレストリトフスク条約が提携されたのです。


レーニンの神格化は、ジュガシビリの仕業ですけど、ジュガシビリっていっても北狂組の人にはわからないでしょうね~。(あなたたちを、洗脳した大元なのですが。)

by 後志のおじさん (2015-04-20 23:33) 

ZAPPER

結局、ヒトラーもあの人も同じ穴の狢だったのに、北教組の方々にとってはそこがルーツなのでしょうね。北教組のご先祖様がいかに極悪非道だったか、そして自分たちが信じているものはロシアではすでに消えた価値観。×××グラードや×××××グラードの地名も消えたことすらご存知ないのでしょう…。
by ZAPPER (2015-04-21 00:02) 

ebisu

なるほどね、革命の影に軍資金を出したスポンサーありですか。
グラバーを通じて、坂本竜馬に豊富な軍資金を提供した東インド会社のような存在が、ロシア革命にもあった。

外交史のほうからそういうことが読み解けるのですね。

少し整理しておくと、
ロシア革命が1917年2月、2月革命と呼ばれている。

ブレスト・リトリフスク条約は中央同盟国(ドイツ帝国、オーストリア=ハンガリー帝国、オスマン帝国、ブルガリア帝国)とロシア、ウクライナの間で1918年3月3日に結ばれた講和条約。

レーニンはドイツ帝国から軍資金提供を受けていたのですね。そういう事情でドイツとのチャンネルがあった。だから戦争をしていた中央同盟軍とドイツを通じて容易に講和条約を結ぶことができたというわけですか。

世界史的な動きは、こうした国や巨大企業の資金提供によって攪乱(内乱)を起こさせ、既成政府を転覆させて、自分の側につく新政府を樹立して覇権拡大していくというのが常套手段。

坂本竜馬は英国政府の手先でもあったわけだ。西郷隆盛はそのことに気がついて手を打った。明治政府が曖昧にしたかった理由がわかる。薩摩藩の西郷が竜馬暗殺の主犯ということになる。

なにやら後志のおじs何の専門である「外交史」が面白そうだ。
by ebisu (2015-04-21 00:06) 

ebisu

スターリンの本名がヨシフ・シュガシビリ、かれはヒットラーを高く評価していた、つまり同じ穴の狢ということ。
いや、スターリンはヒットラー以上の狂気の大量虐殺者である。
北方領土を奪ったのもスターリンだ。
プーチンの出身母体である秘密警察GPUを作ったのもスターリン。

ロシアだけで4000万人がスターリンによって粛清(銃殺もしくはシベリア送りで殺された)、ソ連全土ではどれほどが殺されたのか不明だ。
20世紀最大の大量虐殺者である。スターリンの次が毛沢東だ。文化大革命で下放、そして殺された者は2000万人以上といわれている。
by ebisu (2015-04-21 00:32) 

cccpcamera

お久しぶりです。
話題にとって重要な単語の意味が分からないときは、フィーリングで解釈するのではなく、きちんと辞書を調べましょう。
「労働者」を広辞苑で調べると②の説明に「肉体労働をなす者に限らず、事務員などをも含む」とあります。
正確な意味は、労働基準法第9条に定義されています。
by cccpcamera (2015-04-23 15:30) 

ebisu

cccpcameraさん

>話題にとって重要な単語の意味が分からないときは、フィーリングで解釈するのではなく、きちんと辞書を調べましょう。

ははは、参りましたね。…m(_ _)m

労働力を商品として売るものはすべて労働者、商品生産社会においては働いて給料を得ている者はすべからく労働者であり、学校の先生も労働者、ゆえに「教育労働者」も正しい。
その通りですね、間違いはどこにも見つかりません。

広辞苑も大辞林も似たようなものですから、大辞林から・・・
----------------------------------
労働者:自己の労働力を他人に提供し、その対価によって生活する者
労働者階級:資本主義社会にあって、もっぱら自己の労働力を資本家に商品として売って生活する階級⇔資本家階級
----------------------------------

労働基準法上の労働者の定義はここでは外しましょう。労働基準法上の労働者を問題にしていたわけではありません、経済学的な概念としての労働者を問題にしていたのですから。

概ねcccpcameraさんの論が成り立つと認めた上での反論です。笑いながらお読みください、煙に巻いてごまかすつもりはございませんから。

マルクスが『資本論』で問題にしたのは、工場労働者です。資本家に商品として自己の労働力を提供する者です。マルクスが想定していたのは肉体労働をする者です。
当時の概念では、インテリは労働者ではありません、そのことには同意いただけるのではないでしょうか。インテリゲンチャの意味するところは知識階級であり、労働者階級ではない。

そして公立学校の先生は自己の労働力を資本家に提供する者でもありませんから、大辞林の定義にもあてはまりません。

もともとの問題は、北教組の先生たちが依拠しているマルクス主義、そのマルクス自身が定義する「労働者」に公立学校の先生たちが当てはまるのかという問題でした。

マルクスは資本主義的生産過程の中で、労働力商品として自己の労働力を売る者を労働者と定義したのです。『資本論第1巻』「第1部資本の生産過程 第二篇 貨幣の資本への転化 第四章 貨幣の資本への転化 第3節 労働力の売買」に出ています。念のために申し上げますが、これはフィーリングではなく経済学的な概念規定です。

辞書の定義も労働基準法の定義も大事ですが、北教組の先生たちがすべての活動の元にしているマルクス思想、マルクス経済学の定義に従えば、という前提での論です。文脈の要点はそこにありました。
マルクス自身が自分を労働者だなんて思っていなかったでしょうし、レーニンも同じです、インテリですよ。

ちなみに、労働基準法9条の規定ですが、これは『資本論』の労働者とは定義が異なりますので引用しておきます。

「第九条  この法律で「労働者」とは、職業の種類を問わず、事業又は事務所(以下「事業」という。)に使用される者で、賃金を支払われる者をいう。


この定義では、cccpcameraさんの指摘の通り、資本家的生産様式の下で働く者以外も包摂しています。「勤労者」と言い換えてもいいでしょうね。もちろん、公立学校の先生たちも、大学教授も「労働者」です。

とりあえずは辞書をひいてみよう、それも結構ですが、文脈を読むことも必要なことだと思います。
「労働者」概念の定義は、経済学と労働基準法では異なるという事実はご了解いただけるのではないでしょうか。

わたしの言いたいことは、労働基準法上の「労働者」ではあっても、北教組の皆さんはマルクスがその著『資本論』でとりあげている労働者ではないということです。学校の先生はまぎれのないインテリです。そういう文脈で一貫して書いております。

カテゴリー「資本論と21世紀の経済学」でも20本近くアップしていますが、経済学的な概念を厳密に検討しております。労働と職人仕事の違いもそのうちの一つです。
わたしは先生という職業は、「教育の職人」あるいは「特定の知識に精通した知の職人」、「授業の職人」であると考えています。
日本にはマルクスが想定した「工場労働者」はほとんど存在しないと、わたしは考えています。26年間いくつかの企業で働いた経験からの結論です。日本固有の職人仕事観がどういう経済学を21世紀に生み出す可能性があるのか、興味をもっていただきたいと思います。
詳しくはカテゴリー「資本論と21世紀の経済学」にまとめてあります。四百字詰め原稿用紙で300枚余あります。

まっすぐなご意見ありがとうございます。
by ebisu (2015-04-23 23:27) 

後志のおじさん

労働者、という語は、耳受けしやすいようで色々な分野で使われていますが、それぞれの分野でJergon となっていて、意味するところがずれています。

対義語をあげてみるとはっきりしますが、

労働基準法では、使用者

労働者災害保険法では、事業主

マルクスでは、資本家

同じ次元で一括りにできる概念ではありません。



Can you ~?が、現在のことを尋ねる用例しかしらないから、Can you ~?は「現在」だとする主張に通じるものが、感じられました。

by 後志のおじさん (2015-04-24 00:41) 

ZAPPER

専業主婦の労働対価は×××万円。
それ、訴訟になったならたしかにそうかも知れないけれど、およそ金銭に換算するとかしないとか、そうした性質には馴染まないもの。
少なくとも我々日本人には。
とまあ、そうしたものだって思います。
働くこともまた同じ。
だから労働ではなくて勤労だって思いますね。
法律があるので、社労士としての実務は、そうはいきませんけれど。(^^;;
by ZAPPER (2015-04-24 01:06) 

ZAPPER

後志のおじさん、さすがです!
労基法では事業主とかではなく使用者であって、かつその範囲は広く網をかけているんです。
なぜなら、違反をさせないために。
だから公務員には適用除外が多くあるんですけどね。
by ZAPPER (2015-04-24 01:13) 

ebisu

おはようございます。

後志のおじさんが労働者の対義語をあげてくれていますね。

労働基準法では使用者
労働者災害保険法では事業主
マルクスでは資本家

この説明で十分ですね。
マルクス経済学でいう労働者とは資本家に対置した概念です。労働基準法のそれは使用者に対置した法律用語ですから、マルクス経済学の概念規定とは異なります。

労基法上の使用者については社会保険労務士のZAPPERさんが解説してくれていますね。親切に理由も併記してくれています。

>労基法では事業主とかではなく使用者であって、かつその範囲は広く網をかけているんです。
>なぜなら、違反をさせないために。

北教組の先生たちが自らを「教育労働者」と規定するとき、それは労基法上の用語なのかもしれません。
しかし彼ら・彼女たちはマルクス主義を信奉しているのですから、マルクス自身が『資本論』で労働者をどのように規定したのかは知るべきですね。自らの依拠しているものすら知らないのでは、インテリですらありませんね。マルクスがいうところの労働者でもなく、インテリでもない、まるでお化けみたいな存在です。せめてインテリであってくださいというのがわたしの主張です。それにはマルクスの著作くらいは読みましょう、広辞苑や大辞林の定義ではいけませんよということです。

(労基法上の用語では使用者とは、企業の取締役、そして管理職が使用者に含められます。それ以外が「労働者」ということになるのでしょう。
屁理屈をつければ、社員持株会のある会社の労働者は株主ですから「資本家」であるということも主張できそうですが、銀行の預金する分を自社株購入に充てているだけですから、マルクス経済学の規定する資本家とはいえません。)

マルクスがなくなって132年が過ぎました。株式会社の発展もコンピュータやインターネットの発展、工場現場にはアームロボットが大量に投入される時代です。マルクスが『資本論』を書いていた時代とはずいぶん違ってきていることは事実です。人工知能が人間を超える日もそう遠くない。工場労働者としての人間は不要な時代が百年たたぬうちに来てしまいます。いま経済学を創り直しておかないと人工知能の発達が人間を絶滅に追いやる災厄をもたらすことになるかもしれません。ホーキング博士もそのことに気がつき、警鐘を鳴らしています。新しい経済学を作り出すためにも、マルクス経済学の諸概念を根本から洗いなおさなければならないのです。洗いなおした結果はシリーズ論文「資本論と21世紀の経済学」に収めてあります。

1848年のエンゲルスとの共著『共産党宣言』「万国の労働者よ、団結せよ」は労働者階級に向けて発せられた言葉で、マルクス自身が所属している知識階級は含まれていないのです。

ロシア革命で主導権をとったのは知識階級に属するレーニンでした。
毛沢東も労働者階級の出身ではありません、彼の父は地主ですから農民ですらありません。もちろんたくさんの著作がありますから、インテリです。
労働者階級はインテリゲンチャのアジテーション(扇動)に載せられたのです。そしてインテリゲンチャが政治指導層にちゃっかり納まりました。日本共産党だって歴代トップは東大出のインテリですから、労働者ではありません。
北教組の先生たちは、せめて労働者とインテリの区別くらいはしてください。そしてマルクス『資本論』はお読みいただきたい。必要ならebisuがみなさんの「読書会」にお付き合いします。根室近辺に限りますが・・・

by ebisu (2015-04-24 08:07) 

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