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#3024 教育問題に熱心な道議が釧路管内でトップ当選 Apr. 14, 2015 [8. 時事評論]

 釧路管内の道議定員は4名である。前回4位だった笠井龍司氏(49歳)が今回はトップ当選である。北海道は全国学力テストで47都道府県中、いつも40番よりも後ろで、最下位層の一角から抜け出せないでいる。教育改革に反対する北教組の強い北海道で、教育政策を重視する道議がトップ当選したことはまことに喜ばしい。かれは北海道教育文化研究所の所長でもある。
 
道新電子版より転載
http://dd.hokkaido-np.co.jp/cont/2015local/rensai/dougi_yorokobinokoe/2-0025490.html
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■笠井龍司氏(49)=自現《2》 政策第一、今後も貫く

 再選を果たした笠井氏は午後10時50分すぎ、選挙事務所に集まった支援者と万歳三唱し、9日間にわたる選挙戦の労をねぎらった。

 前回4位から大きく順位を上げてトップ当選。大規模な決起集会は開かず、連日2、3カ所でミニ集会を開き、浸透を図った。温和な人柄だが、選挙戦では議会で1400回以上発言したとして「政策の立案は負けない」と強く訴えた。

 笠井氏は「今後も政策を第一に考える。1次産業活性化、人口減少対策などに努め、期待に応えたい」と力を込めた。
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<釧路にはもう一人教育問題に熱心な地方政治家月田光明氏がいる>
 釧路は学力格差に危機感を抱いた超党派の市議たちが、全国に先駆けて基礎学力基本条例を2年前に制定した先進都市である。
 市議会副議長の月田光明氏が超党派の基礎学力問題研究議員連盟を立ち上げて条例制定に精力的に動いた。かれは「釧路の教育を考える会」副会長でもある。たまたまebisuとは同じ大学学部学科の卒業である。教育問題に精力的に取り組んでいる市議が釧路にいるのはありがたい。教育問題に情熱を傾け、東京や秋田の先進的な事例を自分の足でまわり、自分の目と耳で確認して報告書を作成し、周囲を説得して条例制定のこぎつけたきた。条例の運営徹底も市議会を通じてフォローしている。優秀で辣腕の後輩を誇りに思う。教育問題で私塾業界の教育改革派である三木(克敏)さんと出遭って、月田さんは大きな推進力を得た。市役所幹部職員の中にも学力格差拡大に危機感を共有する人たちが数人いるようだ。学力格差拡大を放置したら、釧路市の地域経済は疲弊をさらに強めることになると複数のセクションの幹部職員が考えていた。
 立場の違いを乗り越えて、意見交換し、必要なことを確認して、それぞれの立場でやりうる範囲でやれば事態は動くものだというのがこの3年間のボランティア活動の実感である。職域の異なる人々と危機感を共有しながら、それぞれの立場で仕事を通じて動くことで生まれる成果の大きさに驚いている。

1547 釧路市議会基礎学力問題研究議員連盟 Jun. 9, 2011 - ニムオロ塾


<教育問題に関わるネットワークの広がり>
 もう一人、教育問題に熱心な道議が再選されている。空知管内の荒当生聖吾道議である。二人とも大いにがんばってもらいたい。
 教育問題に首を突っ込んでいると、ネットワークが次々に広がって知り合いが増えていくが、荒当道議にはまだお目にかかったことはない。根室を拠点に、釧路にあるふたつの組織で教育に関わるボランティア活動をしているから、ネットワークが広がっていくのは当然のことなのだろう。
 根室市教委にはチャンネルがないが、空間の制限がないネットを介して上級官庁のほうには意見交換用のチャンネルがある。民間の任意団体はボランティアだけで構成されており、教育行政がどういう意図で動いているのかネット上で意見交換してみないとわからない部分が多々あった。こちらの方の意図が行政に誤解される場合もありうるから、お互いに忌憚のない意見を言い合い、そして聴くだけ。立場が違うから考えることも違うし、同じことを考えていても教育行政と民間では実現手段が違う。違いを確認するだけのことになる場合が多くても、それでもお互いに異論・反論に耳を傾ける真摯さはあったほうがよいし、あるべきだ。相互に遠慮はまったくないから、時に言い過ぎて激突することもあった。中央官庁にもサムライはいるよ。(笑)
 3年かけてebisuはこういうもろもろの教育ネットワークを教育問題に情熱を傾けて取り組むしっかりした見識をもった根室人に引き継いでいきたいと考えている。どこまで引き継げるかは人物次第だ。育ててくれたふるさとのために手を挙げてくれる者はいないか?複数いてもかまわない、むしろその方がよい。

<余談:苦い思い出と強い懸念、そして淡い期待>
 2年ほど前に道東の道議の集まりである「丹頂会」と「釧路の教育を考える会」が低学力問題に関する提言書の説明会と協力要請のためのミーティングをしたことがあった。道東の道議は一人を除いて出席していた。欠席は一名、根室出身の道議だった。欠席理由の伝言もなかったから、道議仲間とどういう付き合い方をしているのだろう。中標津の道議中司氏はちゃんと出席していた。もちろん釧路管内以外の丹頂会メンバーの道議も来ていた。根室のわたしは少なからずバツの悪い思いをした。
 その道議が無投票当選で再選された。対立候補がないというのはこういう寂しいことになる。危機感や緊張感に欠けることになりがちなのである。水産業の町で教育問題が票にならないことはよく理解しているつもりだが、少子高齢化が進み、若者たちに優良な地元企業がすくないために人口減少が加速化している根室の町で、教育問題は道議として最優先に取り組むべき課題に挙げられるのだが、そういう認識はないようだ。
 市議ばかりでなく道議もこのていたらくでは根室の町が地盤沈下し続けるのは無理もない。近い将来、中標津と人口が逆転するだけではすまない、このままでは30年後に根室管内でイニシアチブをとっているのは中標津だろう。根室の人間で根室管内を視野に入れて考え動いている者は行政にも市議にも道議にも見当たらない。
 根室の道議は根室高校の後輩のようだが、いまだ視野の狭いところが残念だ。根室の町の衰退を食い止めるために、ぜひ教育問題にも関心を向けてもらいたい。

(北海道の教育問題については、全国学力テストデータを分析して、データに基づく主張をしている。興味のある方は、お手数ですが弊ブログ左側にあるカテゴリー欄「全国学力テストデータ分析」をクリックしてください。平成25年版と26年版があります。)

*北海道教育文化研究所ホームページ
http://946jp.com/dokyobunken/

 フェイスブック「道教文研」
http://do-kbk.sakura.ne.jp/kbk/


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ZAPPER

日高のチャンネル作りのため、出張予定であります。日高にはT橋さんが、空知には荒当道議が、後志には後志のおじさんが、そして釧根には我々が…。ここから先は、そうしたチャンネルをまとめるべくネットワーク作りを。まだまだ気が抜けません。(^^;;
by ZAPPER (2015-04-14 21:42) 

ebisu

釧路⇔根室
釧路⇔日高
釧路⇔空知
釧路⇔後志

点でのつながりはついていますから、そろそろ線をつながなきゃいけませんね。どういうやりかたでそれぞれの地域の学力問題と取り組んでいくのか、話している内にきっと糸口が見えてきます。日高も空知も後志も釧路も根室も共通の問題、低学力と加速的な人口減少そして地域経済の衰退という問題を抱えています。
1年後にネットワークがどのような形になるのか予測がつきませんね。ようやくいくつかの支庁管内が視野に入る段階に来たということ。
二つ目の砦の位置づけが、全国各地のありようとはまるで異なるものになるのかもしれません。
by ebisu (2015-04-15 00:05) 

荒当聖吾

あらとうです。
ご紹介頂きましてありがとうございます。
これからもご指導を頂きながらしっかり働いて参ります。
どうぞ宜しくお願い致します。TZprY7
by 荒当聖吾 (2015-04-16 10:01) 

ebisu

荒当さん

おや、弊ブログ見てくれたのですか、初コメントありがとうございます。

そちらはそちらで子どもたちの基礎学力向上への取り組みをやっているのでしょう、道内の各地にそしうした動きが広がれば、コラボレーションできる機会が生まれます。
各地それぞれ自立した基礎学力向上への取り組みが、一つの大きなうねりを創り出していくことを期待しています。
by ebisu (2015-04-16 10:35) 

ZAPPER

荒当さん、今度はぜひ根室で一献!\(^o^)/
by ZAPPER (2015-04-16 19:41) 

ebisu

もちろん熱烈大歓迎 \(^o^)/
by ebisu (2015-04-16 23:32) 

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