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#2993 本年度大学受験対策授業終了 Mar. 7, 2015 [60. 進路(進学・就職)]

 昨日(3/6)、大学受験生の授業が終わった。暮れも押し迫ったころから2ヵ月半、月~土、毎日4時間半塾でよく勉強していた。説明している最中に眼がうつろになっていることもあった、寝不足だったのかな(笑)。
 学校で使っていたセンター試験用の『数1A・ⅡB』問題集のおさらい、そのあとで『黄チャート』『青チャート』それにもう1冊センター試験レベルの数ⅠA・ⅡBの分厚い問題集。合間に苦手の英語問題にも取り組んでいた。文化人類学や経済がテーマだったから周辺知識のない受験生には案外難問にみえただろう。
 すでに北星学園経済学部に合格しているから、明日の釧路公立大が最後のチャレンジだ。毎日質問の嵐だった、きたえられたのは先生のほうだったかもしれないな、楽しかったよ。

 道内の私・公立大学の経済学部を卒業しただけでは大企業への就職は(営業職以外は)困難だから、大学在学中に就職の武器になるような資格を一つはとっておくべきだ。
 そういう理由で、試験の翌日9日月曜日から「値打ちのあるアフターサービス授業」で、簿記三級を毎日4時間半、14日間で教えきる予定である。釧路なら五月の連休も夏休みも戻ってこられる。わからないところは戻ってきたときに塾へ来てまとめて質問したらいい。日本商工会議所簿記2級(全商簿記実務検定試験1級相当)なら1年間で取得できる。
 経済学部出身で日商簿記2級は千人に一人もいないだろうから、就職の際には武器になる。公務員なら財政課、大手企業なら経理部が狙い目だろう。

 ニムオロ塾で1年間の勉強で日商簿記2級合格は、根室高校普通科の1年生と事務情報科の1年生二人の指導実績がある。どちらも根室高校の歴代記録を塗り替えた。その二人はこの3月で大学卒業だ。

 大学4年間の過ごし方で、就職先も仕事も違ってくる。戦いの4年間だと腹を決めて勉強したらいい。


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 北大水産学部受験予定の生徒が一人いたのだが、進学を断念して就職を決めている。根高普通科の理系のある科目ではトップの成績をとり続けた生徒だった。「科学の甲子園」でも釧路湖陵の理数科チームに勝利した根高チームのメンバーの一人。大学進学して視野を広げてほしかったが、進路選択は本人がするものだ、素直な心と向学心をもち続けてもらいたい。
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 3月で高校を卒業して根室を離れる若者にパトリオットという言葉を送りたい。
 ふるさとを愛する者(パトリオット)の言葉の意味について触れているので、ついでこの弊ブログ記事を読んでもらえたらうれしい。

*#1030 nationalism とpatriotism :遠藤利國訳・幸徳秋水『帝国主義』May 17, 2010 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-05-17

*#1029 『現代語訳 帝国主義』幸徳秋水著・遠藤利國訳 May 16, 2010
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-05-16

 今月、彼の翻訳書であるジョン・キーガン著『戦略の歴史』が、上下巻の2冊になって文庫本になった。イスラム教世界とキリスト教世界の戦争(十字軍)についても下巻で触れられている。ぜひお読みいただきたい。
 高校生は世界史の勉強が苦痛の生徒が多いが、案外世界史は大事なのだよ。イスラムとキリスト教の千年の宗教戦争に神道の国の日本は関わってはいけない。

戦略の歴史(上) (中公文庫)

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  • 作者: ジョン・キーガン
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2015/02/21
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戦略の歴史(下) (中公文庫)

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  • 作者: ジョン・キーガン
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
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*#2993 本年度大学受験対策授業終了 Mar. 7, 2015 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-03-07

 #2994 大学時代に何をしておくべきか?(1) Mar. 8,2015 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-03-08

 #2995 大学時代に何をしておくべきか(2) Mar. 10, 2010 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-03-09

 #3003 大学時代に何をしておくべきか(3) :簿記学習開始8日目 Mar. 18, 2015 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-03-18-1

 #3004 大学時代に何をしておくべきか(4) :簿記学習開始9日目 Mar. 20, 2015 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-03-20

 #3005 大学時代に何をしておくべきか(5) :簿記学習開始10日目 Mar. 20, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-03-20-1

 #3008 大学時代に何をしておくべきか(6) :簿記学習開始11日目 Mar. 22, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-03-22


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通りすがりの大学生

お久しぶりです。ebisuさんの考える、社会でやっていく(就職、就職後)ために大学時代にしておくべきことは何ですか?私も経済学部に進学希望(大学の都合上今は教養課程で2年の後期から専門の学部に進学する仕組みになっています)なので簿記くらいはとっておこう、と思い2級を取得いたしましたが、将来のことを考えると学歴だけではとてもわたっていけないよなあ、と考えるととても不安です。
by 通りすがりの大学生 (2015-03-07 14:57) 

ebisu

おや、また来てくれましたか、学年末試験はとっくに終わっていますね。

経済学部に進学希望ですか、それで簿記2級をすでに取得した、立派なものです。日本商工会議所簿記能力検定試験2級でしょうか?全商簿記実務検定や日本経理学校協会の簿記検定試験なら2級では就職の武器にはなりません。日商3級相当ですから。
日商2級がすでに1年生で取れているなら、1級を目指すべきです。
日商簿記検定1級を独力で合格できたら、公認会計士2次試験が射程に入ります。

普通科出身の2学年先輩が、1年生の11月の試験で日商1級合格という例があります。昔は今と違って公認会計士2次試験は難関でしたが、3年生のときにその先輩は合格しています。大手監査法人の京都の責任者をしていました。

四年制大学でしかも商学部会計学科ではない経済学部で日商1級とれたら、将来上場企業の経理担当役員も可能性がありますよ。
あとはシステム専門能力を磨くことですね。プログラミングはできたほうがいい。コンピュータで会計処理をしていない会社はありませんから。

これからは基礎学力の高さが物を言います。その会社の商品に関する専門知識も必要です。理系の専門書であってもバリバリ消化できる基礎学力があれば鬼に金棒です。数学の勉強もしておいたほうがいい。無駄になる勉強なんて一つもありません。
企業で困難な問題はつねに文系と理系のクロスオーバした領域で生じます。しかし、両方ができて問題解決のできる人材は千人に一人くらいしかいないのが現実です。
謙虚に学び続けたら、就職も就職後も心配ありません。

ところで、暇があったら、カテゴリー欄の「資本論と経済学」をクリックして、お読みください。予告してあった経済学の論文、四百字詰め原稿用紙で300枚ほど書いてアップしてあります。マルクス資本論をようやく超えました。ピケティの『21世紀の資本』と比較して読んでいただいたらいい。彼のは分配論、分配を変えることに議論が集中していますが、わたしは生産の仕組みと貿易の仕組みを変えること、経済学の公理公準を書き直すことで、人類が生き残ることのできる経済学を提案しています。ピケティよりは百倍面白いですよ。本人が言うのだから間違いなし(笑)
by ebisu (2015-03-08 00:03) 

通りすがりの大学生

日商簿記2級です。現在1級の勉強をしておりますが、2級と比較するとなかなかの分量で大変です(笑)ただ、元々数学が得意で数字には抵抗がなく、勉強する内容そのものは全く苦にならないです。
6月の結果次第ですが、今のところ将来は経理財務に関わる仕事につくか、もしくは会計士を目指す方向で漠然と考えております。
あとはこの前TOEICを受けたら870点が取れたので英語を伸ばしつつ、何かもう1つ身につけようと考えている最中です。
by 通りすがりの大学生 (2015-03-08 09:00) 

ebisu

すごいね、一部上場企業の財務担当取締役は経理の専門家であることは当然ですが、経済がわかって、英語もできるのはそうはいませんよ。

簿記はもともとは特殊数学ですから、数学が好きな人向きの科目です。

キャリア試験を受けて財務官僚になるという選択肢もあります。

#2994であなたの投稿を取り上げたので、そちらもお読みください。

次は、江戸時代の日本が複式簿記技術では300年間世界最先端だったことを論じます。当時のコンピュータ、算盤があったからこそ可能でした。
これは日本資本主義にとって重要なことなのですが、あんがい知られていません。
昭和初期の大倉財閥の月次決算書をみて驚いたことがあります。とんでもないハイレベルな水準で帳簿をつけて、経営状況を把握しています。
経済学者が経済を動かしている簿記理論に無理解なのは困ったものです。
by ebisu (2015-03-08 09:14) 

烏丸

検索して気になったのでコメントさせていただきます。

『黄チャート』『青チャート』を両方やるより、どちらか1つ(黄チャートか青チャートのやりやすい方)に絞って繰り返し、人に説明できるまでやりこんでおくのが大学以降、社会人になってからも役立つのではないかと思います。
by 烏丸 (2021-11-30 21:31) 

ebisu

烏丸さん

『黄チャート』か『青チャート』のどちらか一本でやった方がいいというのは生徒によって判断が分かれます。
能力の高い生徒には『黄チャート』はやらせません。青チャートも。難易度が高くて問題数の多い『シリウス』を使います。
この生徒は、数学が得意な方ではなかったので本人が『黄チャート』をもってきました。やり終わったら、レベルが少し上がりました、それで『青チャート』をもってきたのです。今度は「こちらをやりたい」と。
個別指導ですから、使う問題集は原則的に生徒の要望に応じるようにしてます。

ところで、社会人になってから役に立つ数学というのは『黄チャート』レベルでは疑問符がつきます。高校生で数学な特異な人は『黄チャート』は使わないでしょうからね。
数ⅡBまで『青チャート』レベルの問題集を全問こなしたら普通はOKです。
統計計算がパソコンやプログラマブルキャリュキュレータでやれたら十分ですよ。やれたら、そういう仕事が回ってくるものです。仕事は文系理系を問わないのです。両方の領域が混ざったところで現れてきます。

職種や必要に応じて、数Ⅲまでやっておいたらいいと思います。『青チャート』の数ⅡBを消化できたら、数Ⅲも独力でこなせます。あまり受験参考書にこだわらないほうがいいと思います。
文系の学生でも、微分方程式や複素関数や線形代数の基礎ぐらいは勉強しておいた方がいいかもしれません。余裕があればですが。
50年以上前になりますが、商学部の一般教養科目の数学は線形代数でした。若いうちは何とでもなるものです。(笑)
by ebisu (2021-11-30 22:31) 

ebisu

問題の核心は数学ではなくて、理解力や創造力なのです。数学は必要ないくつものツールのうちの一つにすぎないのです。具体例で説明しないと納得いかないでしょうね。

たとえば、わたしが1978-1984年1月末まで在職した産業用エレクトロニクスや軍事用エレクトロニクスの輸入専門商社では欧米50社の総代理店をやっていました。毎月のように最先端の商品の説明にメーカー側からエンジニアが日本へ来ます。営業マンは一人の国立高専卒をのぞいて理系大卒です。本社管理部門のわたしもその新製品説明会に6年間一つも欠かさず出席してました。英語で技術的な説明をしてくれます。入社して1か月でプログラミングを覚えたので、制御系のパソコンのところを中心に理解したら、よかった。ディテクターの周波数域、制御・計算処理した後のインターフェイスバスがわかれば、何をどのようにやっているのかは文系のわたしでもおおよそのことは理解できました。
銀行に来年度の収益見通しを伝えるときに、どういう製品ラインが伸びて、利益が出るのか具体的に説明したほうが、お金が借りやすいのです。
入社して5つのプロジェクトを任されて、それが1年後に終わると、会社の利益構造を変革し財務体質を強化するためのシステム開発を次々に任されます。

1984年2月からは臨床検査最大手のSRLへ転職しましたが、そこでもすぐに予算編成と経営統合システム開発を任されます。経営統合システムは原価計算、債権管理の実務知識、簿記、輸入業務、外国為替の知識、在庫管理システムなど、複数の専門知識や実務知識が要求されます。いままでの知識で足りない場合は、必要な専門書を読みます。会計システムに関する専門書が日本では出版されていなかったので、米国で出版された800頁ほどもある専門書を読みました。
予算管理をしていて、検査試薬の20%コストダウンを提案します。提案したら、「君がやれ」ということになります。購買課長は不可能だというので専務がプロジェクトを作るので、任せるということ。卸問屋といままで価格交渉していたので、やれるはずがありません。マージンは10%くらいしかないのですからね。だから、製薬メーカーを呼んで交渉です。20%、16億円のコストカットを3年続けてやりました。会社の利益の4割くらいを検査試薬のコストカットで3年間捻出しました。
機器購入を担当していたのでメーカとの共同開発や、大型検査機械の上市前に、半年間の独占使用を条件に八王子ラボでのチェックを提案して、テストしましたがトラブル。立ち上げ後1時間ほどの間は再現性が悪いと現場からクレーム。そこで間に入って調整です。前職でオシロクォーツ者の周波数標準機は1か月間火入れしていないと、既定の性能が出ないことを知っていました。だから、ビーズ凝固法のその大型検査機械も2時間前から電源が入ってスタンバイするように細工をお願いしました。根本的な原因ついきゅはゆっくりやっていいからとりあえず使えるようにしてほしいと頼むと、OKでした。前職でさまざまなエレクトロニクス製品の勉強をしていなければできない調整です。
ニコンの子会社との染色体画像解析装置の開発の中止を指示してます。マジスキャンの画像解析用の高速ミニコンをつかっても1時間に1検体しか処理できなかったからです。その直後に英国製の染色体画像解析装置が市販された情報を耳にします。染色体課長と検査管理部の担当者と一緒にテストサンプルをもってやってみました。20分で5検体処理できました。データ処理部を見たら、ボードコンピュータでした。配線はマッピングではありませんでした。こんな自作のボードコンピュータでどうしてこんなに早く処理できるのか、メーカーのエンジニアに聞きました。入力が違っていました。CCDカメラだったのです。デジタルデータですから後処理が楽です。なるほどと納得がいって、5000万円の装置を3台導入しました。即決です。これも前職の最先端のエレクトロニクス製品の説明会でさまざまな知識が蓄積してあったから。ニコンの子会社とレンズにこだわってアナログデータで画像解析をしようとしたことに無理がありました。

学術開発本部へ1989年頃に異動すると、今度は米軍の依頼で出生前診断検査の導入の必要が出てきました。ニューヨーク州から取り寄せた文献を読んで、データから曲線回帰して式を算出します。これは数学と統計学の知識とプログラマブル・キャリュキュレータの操作ができないとやれない仕事でした。
この仕事と同時並行で出生前診断検査の日本人基準値づくりの産学協同プロジェクトのマネジメントをしました。学術的な協力のために、製薬メーカ2社から必要な検査試薬をタダにしてもらう交渉をまとめ、検査と多変量解析はSRLがやり、コストも負担するという条件でやってあげました。白人を100とすると黒人が120,日本人基準値は130でした。画期的な研究になりました。数年前に精度の好い新しい検査法が開発されて、置き換わっています。
この仕事では米国で出版されている文献も読む必要がありました。
帝人との臨床治験検査とデータ管理の合弁会社の経営を任されたときに、赤字部門同士の合弁でしたので、黒字化するために検査以外に付加価値の高い事業分野を創出する必要がありました。システムの専門家だったので、国内のトップ製薬メーカ用に作ったデータ管理システムを業務用サーバーでパッケージ化しました。システムの専門知識がなければ具体的な指示はできません。指示された3年間を前に黒字化してます。

問題が起きるのは複合分野です。理系も文系もありません。複数の専門スキルと実務経験が必要になります。必要ならどんな分野の専門書でも読んで使える、そういう能力が必要なのです。

数学はそれらの専門分野の一つにすぎません。高校数学は基礎です、それがあれば必要な専門書が読めます。高校数学で足りなければ必要な数学の専門書を読めばいいだけ。大事なことは仕事に必要な様々な専門分野の理解力と創造力です。

経済学研究でも数学は必要です。学問の最初の演繹的な体系は数学、ユークリッド『原論』です。あれが理解できなければ新しい経済学は描けないでしょう。理由は弊ブログの関連記事を読んでいただけたらわかります。

by ebisu (2021-12-01 00:27) 

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