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#2940 小雨・こぬか雨・霧雨:日本的情緒と言葉 Jan. 28.2015 [82.言葉のアンテナ]

 生徒の質問に答えて9時20分ころ仕事が終わり、家に変えるときには小雨がふっていた。それから30分して外へ出てみたら薄手の白レースを敷き詰めたようにまっしろ。

 和英辞書ジーニアスで「小雨」を引いたら、次の説明がある。
a light [slight] rain: drizzle [a drizzle] 霧雨、こぬか雨 sprinkle (countable)
今朝小雨がぱらついた It sprinkled [drizzled] this morning.

 ネット辞書「英辞郎」には次の訳語が並んでいる。
http://eow.alc.co.jp/search?q=%e5%b0%8f%e9%9b%a8

  • drizzle
  • gentle rain
  • light drizzle
  • light rain
  • small rain
  • a spatter of rain
  • sprinkle
  • sprinkling of rain

 a light rain は「土砂降り」が a heavy rainだから辞書を引かずとも想像がつくが、「小雨」や「こぬか雨」がもつ日本的な情緒が落ちてしまう。こぬか雨は粉糠雨あるいは小糠雨と書くが、「こぬか雨」と書いたほうが、日本的情緒を強く感じる。
 霧雨はa misty rainがそのまま直訳になるが、これもその言葉が使われる地方の風土や情緒と切り離すことができないだろう。

 ある現象を表現するのに、どういう語彙を選ぶか、そしてそれをどのように表記(ひらかな、カタカナ、漢字の選択)するのかという二段構えのところが他の言語にない日本語の特徴であり、それが日本的情緒の言語表現に奥行きを与えているように思える。


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