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#2921 市立根室病院の常勤医数は今年も計画未達だった Dec. 26, 2014 [30. 地域医療問題]

今年も後5日です、根室の地域医療の一年間を振り返ってみたいと思います。

 過去8年間、常勤医数は一度も計画値を達成していません。増えないだけでなく市立根室病院では運営に異を唱える常勤のドクターたちの「整理」が進んでいるようにみえます。

札医大系の医師は対象外ですが、辞めたドクターの中にも札医大OBの方はいます。現在隣町の外科のN医師、釧路の整形外科系某病院のK医師のお二人です。

 二人は札医大系なのに何故?

外科のN医師は当時前院長に内緒で恵庭の病院で前院長の同僚だった整形外科のK医師を根室に呼ぶことに成功しています。こんな事は病院の責任者の許可が無ければできないことですが、実質の責任者である市長が黙認したのでしょう。

こうして内科、外科、整形外科の責任者が札医大OBとなり北大出身の前院長を追い出したようです。こういうことをすると口コミで道内の医師の間で市立根室病院の評判が悪くなるだけでなく、根室の評判が悪くなります。だから、最近数年間は業者を通じて道外へ医師募集の手を伸ばさなければならなくなっているようです。

これはebisuの推測ですが、市長は医師の確保が思うようにならないので、札医大に丸ごと引き受けてほしかったのではないでしょうか。だが、その希望は受け入れられなかった、当然です。そのような甘いことを考えていたとしたら、医療事情をまったく知らないということです。
 札医大に引き受けてほしいなら、前院長に正直にその旨を話すべきだった、小手先の工作など何もいらなかった。きっと前院長は相談に乗って一緒に考えてくれたでしょう。「札医大に引き受けてもらいたいので・・・」と説明したら、臨床研修医制度が変わって、札医大にもそういう余裕はないよとほかの解決策を一緒に考えてくれた筈です。
 正直な対応は第三者が見ても気持ちのよいもの、根室市政にはそういう正直さが足りない。
 諮問委員会方式のいくつかあった、そしていまもある「~市民委員会」も同じです。市民委員会とは名ばかり、市側で指名した委員が過半数で、委員長は町内会連合会長か市の取引業者、そこで事務局案をそのまま通す。閉鎖的な委員会でことを決める、この8年間ずっと市民の意見に耳を貸さず一部の者たちだけでことを決めてきました、不正直でした。明るい根室を築くために、もっと市民とフランクに話すべきです。8年間市長の職にあり、いま3期目です。9月の市長選挙では対立候補に東京からにわかに女性の鴨志田りえさんが立候補した。現職が獲得した票数は有権者の35.4%に過ぎません。批判票が多かった、そのことを忘れてはなりません。多くの市民は一般市民の声に耳を傾けることを望んでいます。「オール根室」などという1割のグループだけで市政を運営していることにうんざりしています。
 そろそろ改めませんか?

*#2808 現職長谷川俊輔候補の勝利: 現職支持は有権者の三人に一人  Sep. 14, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-09-14-2

*#2809 市長選挙が終わり弔鐘が鳴る Sep. 15, 201
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-09-15

東京医大、旭川医大と2度も特定の大学に引き受けてもらうことが無理だと手痛い経験をしたのに、また同じ轍を踏みました。
 運営に異を唱える常勤医がこの3年間にパラパラやめていきましたが、純化路線が進んでも札医大の「分院」にはならないのは理由のあることです。
 臨床研修医制度が変わってから、そういう人的余裕は旭川大になくなって撤退したし、札医大にもないのです。2007年にわたしがスキルス胃癌の手術をした釧路医師会病院も旭川医大系列の病院でしたが、医大本院の臨床研修医が不足して医師を派遣できなくなり術後2年ほどで閉鎖になりました。わたしは東京の元厚生省官僚のあるドクターから道内の医大の臨床研修医数がどういう状況にあるのか資料をいただいて承知していました。
 道内各医大本院ですら臨床研修医が不足しているのです、市立根室病院は道内3大学から支援を受けながら、自力で常勤医師募集活動をして運営していくしかありません。ところがいくつか具体的案理由があって北大との関係を悪くしてしまった、そして旭川医大が撤退した。

打つ手がなくなり、市長は民間医療法人へ丸ごと引き受けてもらう案を考えているのでしょう。地方公営企業法全部適用による指定管理者の任命、これは序曲で、次にまっているのは民間医療法人への運営委託です。

年間の事業損失は17億円前後、長谷川市政以前は年間約8億円の損失でした。民間医療法人への運営委託はいくつか問題があります。

①市側の損失負担額をいくらにするのかという問題

②医師の入れ替え問題

③職員の処遇の問題

通常の民間委託では医師は医療法人側が手配するので運営移管に伴い現在いる先生たちは解雇される。これは損失負担額とも関係しています。民間医療法人の医師の給与は市立根室病院ほどは高くありません。
 次に職員ですが、これも医療法人側が連れてきます。病院経営の考え方や処遇が異なるので、ほとんどのスタッフを入れ替えざるを得ないのです。実務上は3割残せないでしょう。もちろん残る人の給与も3割カットくらいになります。医療法人側の給与ベースにあわせることになるからです。これも年間赤字額を減らすためにやむをえない措置です。

根室の地域医療政策は老人医療について市立根室に療養型病床を設けないという決定的なミスをしました。そして市立根室病院は年間赤字額を2倍に増大させてしまい崖っぷちに追いやられ選択肢が狭くなって心配です。
 わたしの推測がことごとく外れることを祈っています。

 

話を戻します。人間関係は複雑です。出て行ったお二人は札幌には戻らないで根室の隣町に居ます。いずれ院長ポストが変わるときがきます。民間医療機関への運営委託が先かどうかはわかりません。
 K医師は既に時々整形外科への支援と称して根室に出張。一方の隣町のN医師には、最近黒部から来ていたT副院長が根室から去り手薄になった外科(札医大系)を支援するという大義名分ができました。手術を手伝うために根室に出張してくる可能性はあります。
 手術をやっていない整形と上が抜けてしまった外科(外科は元々チーム医療)では現実問題として現場が進まない。

 

なんだかとっても複雑なことになっているようです。孫悟空、沙悟浄、猪八戒を掌上で操っているのはお釈迦様ですが、いずれは民間医療法人への運営委託をするとしても、当面どうするのでしょう?

<赤字額がまったくわからない市立根室病院の決算情報>
 常勤医は一向に増えません、昨年度も計画未達で今年度もそうなります。常勤医は一時6名まで減り、その後12~14名の間を動いています。計画では16名か17名だったかな、そんなものだったと思いますが、派遣医を増やすことで対応せざるをえないようです。
 今年も地域医療の中核病院は大きな赤字を出していますが、公的会計制度による報告ではさっぱり赤字の実態が見えません。
 北海道新聞根室支局が取材して本当の赤字の額がいくらになったのか根室市民に知らせてほしいものです。

 広報ねむろ1月号が昨日届いていますが、市立根室病院事業のH25年度の赤字が7.5億円になっています。これは公的会計基準によるもので、一般会計繰入金が収入の部に加算されています。繰入金は赤字補填ですからこの金額は収入(売上)に加算すべきではなく損失に加えるべきものです。国の基準内繰入金を収入の部に上乗せしています。民間会計基準では粉飾決算と判断されます。根室市は民間会計基準で市立根室病院事業決算を市民に報告すべきです。公的会計基準で「広報ねむろ」に載せて内容を理解できる市民は市の財政課職員ぐらいです。だれに報告しているのかよく考えて報告様式を選んでほしいものです。ここにも一般市民無視の市政が姿を見せています、「よらしむべし、知らしむべからず」。次の弊ブログで取り上げます。

  

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