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#2917 お医者さんの仕事を知ろう(「青少年医療体験」のお知らせ) Dec. 21, 2014 [29. 道東の地域医療を考える]

 地域医療を担う青少年育成支援事業の一環として、標記のセミナーが開催される。地域中核病院としての市立根室病院の役割と設備や診療機能、医師の仕事などについて説明がある。
 医師志望の生徒は対象の学年の中には全部あわせても3人程度だろう。なぜかは「余談」で語る。医師志望ではないが、看護専門学校への進学を考えている生徒もこのセミナーへ応募したらいい。

日時:2月5日16:30~18:30 
場所:市立根室病院 3階大会議室ほか
  (集合場所:16:20までに市立根室病院1階ロビー集合)

対象者:小学校5年生以上・中学生
  (小学生は保護者等の送迎、中学生は保護者等の迎えが必要です。また保護者同伴の参加も可能です。)
申込先:根室市教育委員会 教育総務課学校教育担当 
     Tel. 23-6111(内戦2414、2415)
  (申し込み締め切り日:1月9日)

講話:「根室から医師を目指そう」 岡田医院 副院長 岡田優二先生

主催:根室三郡医師会
共催:根室市立病院
公園:根室市、根室市教育委員会、ねむろ医心伝信ネットワーク会議、根室市保健医療対策協議会

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<余談-1>
 根室から医者になる生徒が輩出すれば、地元に戻ってくる確率は小さくない。問題は親が医師でない場合だ。
 道内のある町では開業医に数千万円単位の開業資金提供をしているところがある。循環器内科の病院だ。この話はebisuが東京に住んでいたときのかかりつけの歯科医(北大)から数年前にインプラントをやったときに聞いた。町として資金援助の申し入れがあったのでその町での開業を決意したという。講話をするドクターと同じ医科大学出身の医師である。
 新規で開業する場合には建物はもちろんのこと、検査機器にもお金はかかる。根室市としてどういうバックアップを用意するのか具体的なものをあきらかにしたらいい。根室市のホームページで条件をはっきりすれば根室で開業しようと名乗り出る医師がいるかもしれない。

<余談ー2:学力レベル>
 医学部へ合格するには大学受験偏差値で70前後が要求される。全国レベルで大学受験生百人中・上位2人が該当する。
 根室市内の高校から大学へ進学する生徒数は毎年45~60人で、そのうち偏差値55(上位1/3)のレベルの大学へ進学できるのは推薦を含めて8~10名程度。偏差値60以上(上位16%)になると毎年1~3人。H24年度データでは大学進学45人に対して看護も含めた専門学校へ65人(看護専門学校へは14人)となっている。
 15~20名くらいは応募すれば合格できるレベルの大学への進学になっている。そういうレベルの学校を卒業しても就職先がむずかしい。偏差値40以下は全国レベルで成績下位16%だから、学力の低いことの証明になってしまう。偏差値45で下位1/3、偏差値48クラスの大学でも就職活動はたいへん苦労しており、百社以上の会社へ応募しても正規雇用の職はなかなか決まらないのが現状である。

*根室高校進路状況
http://www.nemuro.hokkaido-c.ed.jp/?page_id=31

 中学校で実施している難易度の低い文教学力テストでは400点以上を上位層と考えていいが、最近はこの層がゼロの学校・学年が市街化地域3校に出現するようになった。
 文教学力テストで五科目合計点が常時400点だとおおよそ偏差値45~48くらい400~420点で偏差値50~52である。450点を常時越える生徒は大学入試偏差値でおおよそ55だと考えてよい。そこから先は難易度の低い文教学力テストでは計測できない。定期テストの平均点は文教学力テストよりもおおむね百点多い、つまり生徒の学力に合わせて異常に難易度が低い。改善すべき点は書かずともわかるはず。

 ebisuは東京渋谷駅前(渋谷警察署側)の進学教室で大学院時代に3年間専任講師をしていたことがある。たとえば、首都圏の子供たちで医学部進学目指す者は、小学4年生から個別指導進学塾へ通うケースが多い。小学生対象の全国模試を受験して自分の実力を知る。そして小学4年から予習中心の学習をする。
 有名私立中学へ入学し、速度の速い授業を受け、進学塾でトップレベルの生徒たちを集めたクラスで1年前倒しの授業を受ける。もちろん私立の中高一貫校は1年前倒しで授業をやっている。

 そういうレベルの生徒たちと競うことになる。偏差値どころか全道平均値や根室市内平均値すらでない時代遅れの文教学力テストでは成績トップ層を育てられない。
 根室の子供たちは高校生になってから進研模試を受験して全国レベルでの自分の実力を知る。これでは遅い。首都圏の子供たちは中学受験で全国模試を受けている。ここにも改善すべき点がある。

 根室高校普通科の1年生の数学と英語の平均点は百点満点で20点台である。釧路湖陵のそれは60点台のようだ。まともな大学への進学という点からは根室の生徒たちの学力レベルは「悲惨」な状況である。

 根室に住む大人たちの努力で変えられることがある。市街化地域の3校合計で学力テストで1学年に400点超の学力層が10年前は45人前後いたのだが、最近数年は4~12人程度に激減し、学力下位層が膨らんでいる。学力テスト400点は全国模試偏差値で45~48にすぎない。400点を超えた生徒は学年順位が4番以内だ、学校によっては1番。全国レベルで平均点に達しない得点でも、学年によってはトップになれる。全国レベルの平均にも達していないのに、ナンバーワンだと勘違いを起こす。そこから先がほんとうの勝負なのだが、競争相手がいないので自分の実力を過信して努力をやめてしまう。
 学力上位層を増やし、それらの者たちを都会と同等程度の環境でトレーニングすれば、医学部進学者は増やせるのである。保護者も学校の先生たちも市教委も学習塾もそれぞれやるべきことやできることがある
 ebisuは学力トップ層の生徒には全国レベルで偏差値60がどの程度なのかを生徒に伝え、目標を示す。それは学習スケジュールと問題集の難易度レベルの2点に集約される。東京の中高一貫校の生徒がいまどの学年のどの辺りの学習をしているのか、使う問題集の難易度のレベルはいかほどか。

 根室の子供たちの学力テストの平均得点は下がり続けている。学力分布もこの数年で大きく変化した。五科目平均点で学力上位層が1/3いかになり学力下位層が倍になっている。現状から言うと、根室から医学部進学が可能な偏差値65以上の生徒の出現は数年に一人ということになる。ダントツ学年トップをとり続ける生徒だけがチャレンジ可能な領域だ。
 どんなに学力下位層が増えても、学力上位層が減っても、たまにそういう生徒がいるからおもしろい

(C中学校の2年生ではそういう生徒が親の転勤で根室を去った。気合の入った勉強をしていた。3年生でもそういう生徒がいた。室蘭と札幌でそれぞれトップレベルで戦っている。)

<余談-3>
 根室の地域医療で不足しているのは医師だけではない、正看も不足している。看護学校へ進学して根室へ戻りたいという生徒は少なくない。H24年の根室高校の進路資料では14人、H25年は22人が正看の学校へ進学している。就職難を反映して看護学校への進学希望者が増えているから、このペースなら15年後には市立根室病院の正看を「自給自足」できる。15年×18人=270人、5人に一人が戻って地域医療を支えてくれたら、市立根室病院だけでなく、地元医院も助かる。
 塾でも看護学校進学については特別の配慮をしているし、これからもするつもりだ。ニムオロ塾では今年は二人が看護専門学校へ進学している。ほかの塾でもがんばってくれているだろう。それぞれがやるべきこと、やりうることをやればいい。医師も看護師も「自給自足」のために、それぞれの立場でできることはたくさんある、根室の大人たちがやるべきことをやれば結果はついてくるものだ。

<余談ー4:国立道東医科大学新設構想>
 道北には旭川医大、道央には北大医学部と札幌医大がある。道東にはなぜか地域医療に責任を持つ医科大学がない。旭川医大も釧路医師会病院から医師を引き上げた。本院の医師が手不足になったからだろう。ほかに頼っていてはもう地域医療が回らない。網走・釧路・根室管内の地域医療に責任をもつ国立道東医科大学を新設すべきだ。道東の道議と国会議員は党派を超えてこの仕事に協力してもらいたい。
*#343 国立道東医科大学新設と同附属根室病院構想
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-10-08



*#2606 根室の中学校の過去6年間の学力低下を検証する  Feb. 28, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-02-27-1

 #2607 生徒の学力低下に気がつかぬ学校と根室市教委 Mar. 1, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-03-01

 #2756 偏差値55以上の大学受験生対象の塾はビジネスとして成立たぬ現実(根室)  Aug. 1, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-08-01-1
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コメント 15

Hirosuke

医大を招致してはどうでしょうか?
周辺の市町村からも学生を集めるんです。
色んな波及効果が期待できます。

国立や道立が理想ですが、私立でも良いですよね。

とある私立医大の話です。
福岡・神奈川・栃木に拠点を持っています。
もうすぐ千葉に他大学との合同拠点が完成します。
となると、次の狙いは【北】でしょう。

市としても検討価値は大と考えます。

by Hirosuke (2014-12-22 10:48) 

Hirosuke

余談ですが、この私立医大(というか医療大学)は【特待生制度】が非常に充実しています。最大で学費の70%が免除されます。国立より安くなる計算です。もちろん入試での成績優秀者に限られますが、50%免除生も合わせると相当数になります。寮費も格安。更には各種資格試験合格率や就職率も全国トップクラス。

経営が上手です。まぁ、全国的にも珍しい【医療マネジメント科】なんてのがある位ですから。

by Hirosuke (2014-12-22 12:31) 

Hirosuke

◆訂正◆
   ↓
手元のガイドでは、「S特待(100免除%)、A特待(50%免除)、B特待(30免%免除)」となっていました。また、「全学部で最大355名の特待生を選抜」とあります。

残念ながら今年の特待選抜は終了しています。

by Hirosuke (2014-12-22 12:48) 

ebisu

人口2.8万人の町に医科大学は前例がありませんが、検討の余地はあるでしょうね。

わたしは以前、道東の地域医療に責任を持つ国立道東医科大学構想を弊ブログで書いたことがあります。

道東の道議会議員は「丹頂会」という集まりがあったはず。網走支庁管内、釧路市長管内、根室支庁管内の道議が地域医療に責任を持つ国立道東医科大学設置を国に働きかけてもらいたいと思います。市町村長も共同して動いてもらいたい。
 道議二人に話してみようかな。

*#343 国立道東医科大学新設と同附属根室病院構想
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-10-08



by ebisu (2014-12-22 13:19) 

ebisu

Hirosukeさん

国際医療福祉大学ではありませんか?
この大学に医学部はありませんから、ひょっとして別かな?

医科大学でないと地域医療に責任が持てません。

国際医療福祉大学の先生が常務理事をしていた首都圏の病院の顧問でしたから、この大学の名前は記憶がありました。
by ebisu (2014-12-22 13:21) 

Hirosuke

>国際医療福祉大学
   ↓
はい、そうです。

>医科大学でないと地域医療に責任が持てません。
   ↓
自前と買収を含め、附属病院を4つ持っています。
http://www.iuhw.ac.jp/IHWG/guide/index.html

また、医学部設置に向けて【国際医療福祉大学医学部設置準備委員会】が活動中です。
------------------------------------------------
本学の医学部設置計画について
http://www.iuhw.ac.jp/about/medicine/index.html
------------------------------------------------

by Hirosuke (2014-12-22 13:35) 

ebisu

なるほど付属病院があるのですね。
そうでないと実習ができません。
了解。

医科大学付属病院は500ベッドクラスの大病院ですが、根室にそんなに患者はいません。
200ベッドクラスの付属病院はありますか?

by ebisu (2014-12-22 14:20) 

ebisu

国際医療福祉大学付属病院のホームページを見ました。

A棟4階と5階が「病室」という表示になっていますが、ベッド数はどこにも表示がありません。不思議なホームページです。
B棟の平面図も見ましたが、こちらは「病室」はありません。

なにか普通の大学病院とは違うようですね。
設立理念から推測すると、リハビリ用とか鍼灸用の「病室」なのかもしれませんね。
by ebisu (2014-12-22 15:05) 

Hirosuke

1998年に開設した国際医療福祉病院は、2007年より国際医療福祉大学の附属病院となり、現在病床数353床、約1000名の医療スタッフを擁し、地域の方々が生涯にわたって安心して暮らせる診療体制の構築に努めています。

http://hospital.iuhw.ac.jp/hospital/institution/index.html

by Hirosuke (2014-12-22 23:19) 

Hirosuke

病室のご案内
http://hospital.iuhw.ac.jp/hospitalization/room/index.html

こんな一文を見つけました。
---------------------------------------------
また、病室のある各フロアとも、患者様が安心して静養できるための静かな空間を確保するため、外部からの入室を制限するセキュリティを充実させています。---------------------------------------------
セキュリティ確保の為、
病室の配置を非公開にしているようです。

by Hirosuke (2014-12-22 23:49) 

ebisu

Hirosukeさん

ほんとうだ、353ベッドの規模。冒頭に書いてありますね。見落としました。
付属病院があればいいのですから、医学部がなくてもかまいませんね。

土地はいくらでも確保できるから、酪農学科もおいて、牧場併設の大学病院なんてすばらしいですね。
近くの森には鹿がたくさん棲んでいる。大鷲や丹頂鶴が空を飛んでいる。

のんびりした風景のなかで病気の治療ができる。夏は日本で一番涼しい。
いい病院ができそうです。
by ebisu (2014-12-22 23:56) 

ebisu

面白いですね。病棟への立ち入りを制限しているのですか。
市立根室病院は病棟への立ち入りは自由ですが、事務棟や医局への立ち入りができないようにセキュリティが施されている珍しい病院です。

書き換えてみましょう。

---------------------------------------------
また、事務室や医局のある各フロアとも、医師や事務職員の皆さんが安心して仕事ができるための静かな空間を確保するため、外部からの入室を制限するセキュリティを充実させています。
---------------------------------------------

いままでなぜ事務棟や医局へ立ち入れないようにカードセキュリティシステムを設置している理由がわかりませんでしたが、こういうことだったのですか。
どなたがセキュリティの設計仕様をお書きになったのでしょう?
もちろん参事や事務長や院長が必要ありと承認したのでしょう。

by ebisu (2014-12-23 00:34) 

Hirosuke

>酪農学科もおいて、
>牧場併設の大学病院なんてすばらしいですね。
   ↓
それなら【水産科】も併設しましょう。
【水産経済科】とか【水産マネジメント科】とか。
あとは【観光ビジネス科】とか?
ロシア語を必修科目にします。
卒業生は道東の未来を担ってくれるでしょう。

by Hirosuke (2014-12-23 00:50) 

ebisu

根室だから水産経済学科や水産マネジメント学科、これらの学科ではどういうことを教えるのだろう。何を教えるかという検討それ自体も面白い。
ロシア語必修は北方領土の町だからきっと将来への布石になります。
by ebisu (2014-12-23 01:23) 

Hirosuke

根室や道東の漁業関係者の方々に質問を幾つか。これは【水産マネジメント学科で何を教えるか】という構想(妄想?)に繋がるものです。

・現状の課題は何か?
・将来的な不安は何か?
・「獲れば売れる」だけで良いのか?
・往時のような加工産業を興せないか?
・養殖産業を起こせる可能性はないか?
・諸外国との漁業問題に何が出来るか?
・【漁業の町】として観光資源に転換できるか?
・自分で会計・税務処理まで出来たら良いと思うか?
・現状のまま水産資源の世界的枯渇に対応できるか?

いま頭に浮かんだだけを書いてみました。

by Hirosuke (2014-12-23 12:28) 

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