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#2899 問題のすり替え:数学問題文の漢字が読めないのは誰のせい? Dec. 9, 2014 [55. さまざまな視点から教育を考える]

 中学生が数学の問題文の漢字が読めないことを安倍総理が知っているのだろうかという取材記事を道新が載せた。問題が二つある。
 一つは中学生が数学の問題文にある基本漢字が読めないのは、小学校4年レベルの語彙能力がないということで、それはその地域の小学校の先生たちに責任がある。
 問題の本質は問題を安倍総理が知っているかどうかということではなく、中学生がなぜ小4程度の日本語語彙力も身についていないのかということだろう。
 新聞記事に出てくる日高管内の先生の証言は、小学校の先生たちが小4程度の読み書き計算を6年間かけても三分の一の生徒に教え切れていなかったという事実を現している。
 北海道新聞は問題の核心を突くべきで、安倍総理が知っているかどうかという日高管内の先生の主張は問題の本質から関心をそらす発言とコメントすべきだった。このように簡単な論理的思考すらできないようでは記者としての資質が疑われる。
 
 二つ目の問題は「学校別の結果公表も各教育委員会の判断で可能になった。地域間、学校間の序列化を後押ししかねず・・・」と北海道新聞はいつものステレオタイプな主張を繰り返していることにある。書いている記者は思考停止してしまっているかのようだ。はっきり言ってこれは北教組の主張そのもの、北海道新聞さん、ジャーナリズムとしてこれもまずいよ、(あとで実例を挙げて説明するが)事実と違うのだから。

 北海道新聞は一つの記事で決定的なミスを二つ犯している。この記事を書いた記者のレベルが低いのは仕方がないとしても、チェックしている上司がいるわけで、その者がこのような基本的な論理チェックすらできなかったのだとしたら、記者の能力や上司のチェック能力ばかりでなく、北海道新聞の編集システムに重大な欠陥があるということになる。
 北海道新聞を購読している道民に記事の品質を保証するために、品質保証部というセクションが必要なようだ。品質保証部というのは工場製品の品質を保証するもので、工場労働者が生産した製品を検査して品質を保証するという役割を担っている。記者というのは工場労働者ではなく、プロの職人だから本来は自分のこころの中に仕事に対する誇りをもつ者であり、自ら書いた原稿について品質上の責任が負える者でなくてはならない。

 もう一度言う、数学のたった数行の「問題文の漢字が読めない」のはいったい誰の責任だろう?「安倍総理が知っているのか?」と問題をすり替えるな。

 アベノミクスに大反対で、弊ブログで30本以上関連記事を書き代案も具体的に明らかにしているebisuでも、北海道の子どもたちの低学力は今に始まったことではなく安倍総理には関わりがないので、14支庁管内とくに・日高・宗谷・根室管内の子どもたちの低学力に中央政府の責任とか政治の責任だとは考えない。小4程度の基礎学力すら1/3の生徒に教え損なった先生たちに問題があるとシンプルに考えるのが当たり前だろう。
 ふだんの授業を担当している先生たちに問題があることを14支庁管内別偏差値は示している(URLを記しておいたので#2895「3×3マトリックス」をご覧戴きたい)。
 もっとはっきり言うと、北教組の強い地域は学力が低いというデータが出ているから、なぜそうなのかを北海道新聞は総力を挙げて取材して読者につまびらかにすべきだ。それがジャーナリズムとしての新聞の役割だろう。道民新聞が北教組の広告宣伝部隊のような提灯記事を書くのはやめにしてもらいたい。
 14支庁管内別偏差値データは北教組の組織率が低くなればその地域の学力が上がることを意味している、ぜひ道新の総力を挙げてその理由を明らかにすべきだ。かつて根室支局で教育論シリーズを3度企画・担当した敏腕K記者も本社にいるし、彼ばかりでなく他にも適任者はいるはず。
 親子2代にわたって60年の定期購読歴をもつ熱烈な道新愛読者からのお願いである。

 ebisuのコメントは後ろの方に書いておいた。ブログ「てんしな?日々」が論旨明解に道新記事を断罪しているのでこちらもぜひ読んでもらいたい。

(道新さんの名誉のために一言付言しておきたい。根室支局は過去に教育論シリーズを3回敢行してくれた。学校現場の状況や根室の生徒たちの低学力とその問題点を抉り出してくれている。わたしはかれらの仕事を評価している。本社の教育関係の記事がステレオタイプで北教組そのものの主張を繰り返すことが不思議でならない。)

(記事をクリックすると、別画面に全文が展開できます)
http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/7673884.html#comments
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2014年12月07日

外道の戯言(北海道新聞による最悪の記事)

外道の戯言。

もはや、そうとしかコメントしようがない。
今日(2014.12.07)の北海道新聞朝刊記事。

記事で問題視されている札幌市の学力格差。その札幌市の教育行政を牛耳っているのは、言わずと知れた北教組。市長は元北教組顧問弁護団弁護士であるので、当然にそうなってしまっている。いわゆる3K2F(もうひとつのF、附属がある)が高学力なのは今に始まったことではない。

実は、道内都市部において学力格差がもっとも顕著なのがその札幌市。ことあるごとに道教委に反発し、その学力向上策にも従わないわけだから、そりゃそうなるだろうさ。札幌市の子ども達の学力低下、学力二極化の事例が多く報告されようと、この新聞社は、けっしてそれらを取り上げることはしない。札幌市の教育行政を追求することは、イコール盟友・北教組の追求になるわけだから。

同じく記事中、全道最低学力の日高。こちらもまた北教組の牙城。北教組組合員による時代錯誤もはなはだしい過激な組合活動の模様が、国会で槍玉に挙げられたのは記憶に新しいところ。「問題文の漢字が読めない」子ども達。その存在をとっくの前から知っているのに、見殺しを続け、それよりも組合活動の方が大切であるとする、いかれた教員が多い地域。

そして、その北教組との蜜月が未だに続くのがこの超左翼新聞。過去、教育問題に熱心に取り組んだ同社記者、そうした闇の問題に触れてしまった記者は、ことごとく左遷や配置換えの憂き目に遭わされたと噂されている、反日組織・北教組との二人羽織、そのスポークスマンが、このいかれた新聞。

第一次安倍内閣の際、全国・学力学習状況調査が行われるようになり、それによって浮き彫りとなった北海道の子ども達の低学力。感謝こそすれ、それに難癖をつけるなどお門違いも甚だしい。しかし、それを堂々とやってのけるのが、このいかれた左翼新聞の真骨頂。まさに、常軌を逸しているとしか言いようがない。

自らの犯罪を人に押しつけては濡れ衣を着せ、陰に隠れて「ざまあみろ」とほくそ笑んでいるのが、このいかれた記事。怒り心頭。朝日新聞どころの騒ぎじゃない。天罰が下ればよろしい。いや、下れ天罰よ。

CCI20141207_00000




















































《追記》
安倍さんは現実をどれだけ知っているのだろうか。

最後の一文は、こう変えると意味が通るでしょうか。

北海道新聞は、いつまでそうした事実を隠蔽し、北海道の子ども達の学力危機に加担を続けるのだろうか。

《追記2》
こちら、ブログ「てんしな?日々」さんの記事もお読み下さい。

●てんしな?日々
学力低下・二極化は安倍政権の責任?!〜北海道新聞のトンデモ記事「それ、本当の強さですか?(2014衆院選)」(2014年12月7日朝刊)
http://francesco-clara.cocolog-nifty.com/blog/2014/12/20142014127-029.html

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<<ebisuコメント>>

 道新の記事が事実と違っていると書いたので、証拠として実例(反例)を一つ挙げる。それはその学校だけの例外ではなく、どの学校でも可能なことだ。
 根室では学校が荒れて学力が低かったC中学校が、文武両道を唱える校長先生のマネジメント下で、放課後補習を組織的にやるなどして、たった2年間で成績下位層の子どもたちの学力底上げに成功して今年度の全国学力テストで全国平均を達成している。もちろん、市街化地域の3校では最上位に躍り出た。この実例でわかるようにマネジメントの巧拙で生徒の平均点は大きく変動するから、一つの地域について序列化が進むなんていうのは、現実を見ていない者の根拠のない主張である。

<お粗末な北大教授の論>
 北大の教育学の守屋教授の意見を取材して載せているが、これもいただけない。
「教育の多様性を認めず教育再生ではなく破壊だ」
 市町村別教委による全国学力テスト結果公表によって、私たちは自分達の住む地域の子どもたちの学力が全国レベルでどのようなものか公的数値で知ることができるようになった。根室市の中学3年生は都道府県偏差値では33だし、根室管内は29だ、管内平均よりは高いが、全国レベルで見ると最下位グループに属していることがよくわかる。
 日高管内や宗谷管内も根室管内と同じ最下位グループだが、人口が過疎で漁業中心の地域の学力が全国レベルで見ると非常に低くてどこかに大きな問題を抱えており、それは地域経済の衰退にも関わりがある。
 そういうことを市町村別結果公表で地域住民が知ることがなぜ、「教育の多様性を認めず」ということになるのか、北大教授といえども現実を見ることのできない大バカ者はいるものだ。こういう教授は北海道教育大釧路分校にもいて教育学を担当している、T教授だが釧路市の教育政策と深く関わりあって、釧路の子どもたちの学力向上の障害になっている。こんな程度の人材が北大や北海道教育大の教育学を担当しているのでは北海道の教育が歪むのも無理はない。

<北教組の存在が学力低下の原因の一つ>
 数学の問題文が理解できない生徒が三分の一いるという日高管内は北教組の牙城のひとつだ。小学校で読み・書き能力をきちんと身につけられなかった生徒が一つの地域に異常に多いことは、その地の小学校の教員の授業のやり方や宿題の出し方、そして労働観に関わりが強い。小学生4年程度の読み書き能力を身につけさせずに、中学校へ送り出したら、その生徒たちが中学校で数学の問題文が読めるわけがない。全部の漢字が読めても文の意味がつかめない生徒が少なくない。漢和辞典を引いて基本漢字の意味を調べる習慣がないからだろう。
 放課後補習が労働(=苦役)だと考えている「教育労働者」は、放課後補習をしたくないし、しない。賃金が一定なら一日当たりの労働量を増やすことは教育労働者にとって不利益なことになる。自分に損なことはしないというのが教育労働者の労働観で、プロとしての責任を忘れて小4程度の漢字の読み書きすらできない生徒をそのままにほったらかす。仕事にプロ意識がないというのは怖いことで、無責任な仕事をしてもこころに痛痒を感じない。
 プロの仕事は責任が伴う。きちんと仕事をしてこそ一人前だ。教えた生徒の20%以上が小4程度の読み書きができないというのはプロの仕事ではない。
 マルクスがいう労働者とは工場労働者であって、この定義に従えば学校の先生は労働者ではない。学校の先生は教育の職人であり、仕事は苦役ではなく神聖なものであり、渾身の力でやるべきものである。

<北教組の労働観が癌>
 マルクスをかじった者はステレオタイプの思考に慣れてしまう者が多い。たとえば人民対支配階級という階級闘争史観や原始共産制から資本主義社会へと至る歴史観、そういうものにあわせて断片的な事実を拾い集めて事実全体を見逃してしまう。しまいには読み間違えて学校の先生を「教育労働者」だと主張する。マルクスが分析の対象としたのは工場労働者であって学校の先生はマルクスの定義での労働者には属さずインテリなのだが、マルクスのいう工場労働者と同じだと思い込み、「教師の仕事=教育労働=労働=苦役」という間違った考えに陥ってしまい抜けられない。
 教師の仕事は工場労働の対極にある職人仕事である。教師は一種のマイスターと考えてよい。職人は自分で道具(生産手段)をもち、仕事の技倆を仕事を通じて磨く。その都度自己の最高の技倆で仕事をするから、自分の仕事に誇りをもっている。
 毎日、教えている教科についてレベルの高い専門書を読み、視野広げると同時に知識を深めているいかにもマイスター然とした教員が日高・宗谷・根室管内にどれだけいるのだろう?
 この地に、プロの職人根性をもった教員が増えてほしいと願っている。根室市内の市街化地域の3中学校に過度なブカツを制限し、低学力層に放課後補習を実施して文武両道を唱える先生たちが増えている。それが一段落したら、自分が担当している教科の専門知識を深めることも積極的にやってもらいたい。教える技術とたしかな専門知識に支えられて現実の授業が成立っている。

<問題のすり替えと責任転嫁>
 三人に一人が数学の問題文の漢字が読めないという日高管内の中学校の悲惨な事例が新聞記事にあった。これは安倍総理に責任があるわけではない。その地域の小学校の先生たちの授業の仕方がまずかったことと、放課後補習をせずに低学力層の生徒たちをほったらかしたからである。プロにあるまじきデタラメな仕事をその地域の先生たちがしていた証拠だ。一番学力の低い日高は北教組の力が道内で一番強いと言われているし、根室も数年前までは北教組が強くて学校や先生に取材も難しい地域と言われていた。その実態が全国学力テスト結果の公表で初めて明らかになりつつある、北教組もそのシンパが多い道新もそれが嫌なのだろう。嫌でもジャーナリズムは真実を報道しなければならない。
 北海道新聞は「低学力化の担い手」である北教組を事実に基いて断罪すべきだ。根室支局の記者たちは過去に教育に関する立派なシリーズ取材記事を3回も敢行してくれている。

<日高管内と類似の問題は根室管内にもある>
 問題文の漢字が読めないとか、意味が理解できないというのは日高管内だけの話ではない。根室市のC中学校にも、たとえば11月7日の学力テスト総合Cで数学が10点以下(60点満点)の生徒たちは計算問題すら半分程度しかできておらず文章題はほとんど全滅、そういう生徒が53人中12人(22.6%)もいる。ここが全国平均をほぼ達成し市街化地域で一番いいのだから、他は推して知るべしである。学校学年によっては、文章題を読めないあるいは読んでも意味が理解できない生徒は22~33%程度いる。

<釧路市基礎学力保障条例に反対した者たち>
 釧路市「基礎学力保障条例」は小学校修了者に対して、最低4年生程度の読み書き計算能力を保障しようと言うものだが、それに協力にに反対したのは教職員組合を支持母体にもつ民主党と共産党だった。かれらは教育労働者であって、教育を仕事とするプロの職人ではないから、仕事に責任を持たぬ。労働は苦役であって喜びではないから、授業で生徒たちに勉強することの楽しさ、自己実現を語れないし、伝えられない。

<60年間の先生たちの変質>
 中学生の20~33%が小学4年生程度の読み書き能力をもっていないのは安倍首相のせいではない。低学力の生徒を放置し続けてきた小学校の先生たちに責任がある。団塊世代が小学校だったころ、担任の先生はよく放課後補習をしてくれた。「分数の割り算のわからないもの残れ!」「小数の割り算のわからないもの残れ!」、残って教えてくれた。あの頃の先生たちは仕事を労働だなんて思っていなかっただろう、補習をしているときも目が輝いていた。生徒の眼の輝きを言う前に授業中に一度は自分の顔を鏡で見てみよ。きっと「苦役」に疲れた「教育労働者」の目をしている。

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*#1307 教育再考 根室の未来 第2部 低学力④:荒れる中学校 Dec.19, 2010 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-12-19-1

 北海道新聞によるC中学校の取材記事です。C中学校は4年前にこんなに荒れていました。


*#2871 根室の中学生の学力の現状(3):学級崩壊  Nov. 16, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-16-2

 #2896 学校通信が学力向上の旗を振るC中学校 Dec. 5, 2014  
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-12-04
  
  #2895 H26全国学力テストデータ分析(5):3×3マトリックス分析 Dec 3, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-12-03

*#2865 マルクスの労働観と日本人の仕事観:学校の先生必読 Nov. 13, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-13

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コメント 4

てんしちゃん

拙記事の紹介ありがとうございます。
さすがにあの道新記事は酷かったですね・・・
拙ブログでもebisu様のこの記事を紹介させていただきました。
by てんしちゃん (2014-12-10 23:08) 

ZAPPER

歴史に残る、末代までの恥さらし。
書いた記者の良識と人間性を疑う、史上最悪レベルの記事ですね。

呆れかえってものも言えないとは(言っていますけれど)まさしくこのことですね。
by ZAPPER (2014-12-10 23:08) 

ebisu

てんしちゃん

貴ブログを訪問して確認しました、弊ブログの紹介ありがとうございます。

市立根室病院の決算取材記事でも取材相手の言うことをそのまま鵜呑みにして2回続けてチョンボしたのとあわせ考えるとと、取材したことを無批判に載せているだけのようで、批判精神のなさに驚かされます。
私は小4のときから道新の社説を読み始めたのですが、批判精神の旺盛さが道新のとりえでした。
ところが教育問題に関しては批判精神ゼロで北教組の宣伝部隊のような記事しか書けない。長年の愛読者としてはまことに残念に思います。
批判精神のない記事が増えると、読者が減るのではないかと懸念しています。
いい記事を書いている記者さんたちも少なくないのですから、教育分野を担当されている北海道新聞の記者さんたちにもっとしっかりしてもらいたいのです。
by ebisu (2014-12-10 23:40) 

ebisu

ZAPPERさん
この記事は署名記事ですね。

>呆れかえってものも言えないとは(言っていますけれど)まさしくこのことですね。

わたしもあきれ返って、ひっくり返りました。(笑)
by ebisu (2014-12-10 23:45) 

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