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#2873 根室の中学生の学力の現状(5):C中学校1年 Nov. 19, 2014 [63. チャレンジ(教育)]

  C中学校1年生の学年平均点が異常に低いことは、#2871で小学校時代の学級崩壊に原因がありそうだと詳細に述べたので、今回はデータの補足をしようと思う。

 11月7日に実施した文協学力テストと、8月27日の文協学力テストデータを並べて推移を観察しよう。

  国語社会数学理科英語合計
8月27日53.037.533.241.257.5222.4
11月7日58.133.730.744.749.7216.9

 8月学テの数学は正負の数と文字式までだったかな、11月は方程式の計算と方程式の文章題が入っていたから、もっと平均点が下がっても不思議ではないのだが、2.5点のダウンですんだところを見ると、計算問題の底上げが少しはなされいると見ていいのだろう。

 英語は8月のテストはまだほとんどお遊びの範囲だから、11月学テから「三単現のS」やWH疑問文とYes-N0疑問文などの文法事項が出てきて、急に難易度が上がってくるから、7.8のダウンは予定通りだろう。


  11月7日学力テスト8月27日学力テスト
階級値1年生小計1年生小計
481-5000  0  
461-4800  0  
441-4600  0  
421-4400  2  
401-420447.5135.7
381-4000  3  
361-3803  3  
341-3602  1  
321-3401  2  
301-3202815.121120.8
281-3003  2  
261-2800  1  
241-2602  2  
221-2403  4  
201-22041222.651426.4
181-2009  2  
161-1802  7  
141-1605  1  
121-1405  6  
101-12032445.311732.1
0-100559.48815.1
合計5353100.05353100.0
平均点216.9222.3  


 200点以下の下位層を見ていただきたい。8月の47.2%から54.7%へと7.5ポイント増大した。数学と英語は2学期から難易度の高い分野に入っているので、ここで数学と英語の科目でつまづいている生徒が増えているということだ。

 11月と8月学力テストデータを並べて見よう。

 数学1年生11月
 11月小計8月小計
91-1000  0  
81-900  3  
71-80223.8147.5
61-705  5  
51-604  4  
41-5051426.451426.4
31-409  10  
21-306  3  
11-2012  11  
0-10103769.8113566.0
合計5353100.05353100.0
平均点30.733.2  



 80点以上の階層が8月は3人いたが、11月がゼロなのは出題分野の難易度が上がったからだ。8月のテストは正負の数の計算問題が多かった。成績中位層は同じ、下位層も2人増えただけでほとんど変化なしだ。
 これから比例と反比例そして平面図形と空間図形へと難易度が上がるから、このまま文武両道と放課後補習だけでこの学年の学力を他の学年並みにもっていけるだろうか?


 英語1年生11月
 11月小計8月小計
91-1004  6  
81-901  7  
71-8061120.861935.8
61-707  7  
51-605  6  
41-50102241.551834.0
31-4010  6  
21-303  4  
11-205  1  
0-1022037.751630.2
合計5353100.05353100.0
平均点49.757.5  


 英語も2学期は文法事項が増えて出題範囲の難易度が上がり、高得点層が19人から11人に激減した。そしてそれと符牒をあわせるように40点以下の層が16人から20人へ増えた。ここで点数を下げたらそれは基礎にヒビが入っているようなもの、3学期が厳しいものになる。いまが正念場だから、期末テストに向けてがんばってもらいたい。

<まとめ>
 このままだと、三学期は200-210点に低下しそうである。とくに五科目合計200点以下の下位層が54.7%にも達しているのは深刻な事態だと考えなければならない
 C中学校は1年生に文武両道を要求し、放課後補習をするだけでは、現状を大きく改善できそうもない。160点未満の18人は2ヶ月くらいのブカツ停止を命じて放課後補習に強制参加、学業優先でやらせてはどうだろう?
 この層は小学校4年程度の「読み・書き・計算」能力が身についていない、個別補習体制を組まないと基礎学力が身につかないと経験上判断する。
 成績下位層には生活習慣が崩れ、読書習慣がない、授業中の姿勢の悪い、目上に対する口の聞き方を知らない、嫌なことを我慢してやることのできない者が少なくない。学校だけで改善は難しいから、保護者に協力を要請したらどうか。生活習慣病を治療するに等しいからたいへん手間がかかる、大人たちが強い決意で臨むべきだ。

  小学校で学級崩壊を起こすと、中学校でこういう後遺症がでて生半可な努力では回復できない、でも見捨ててはいけない。
 小学校での授業と親の躾が子どもたちの学力向上のためにはとっても重要で、数人の子どもが先生の制止を聞かず授業中に騒ぐだけで先生の話は聞こえなくなり、そのクラスの生徒の学力が回復不可能なほどに低下して、学級崩壊の痕跡が平均点にはっきりと出てくる。


*#2606 根室の中学校の過去6年間の学力低下を検証する  Feb. 28, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-02-27-1

 #2865 マルクスの労働観と日本人の仕事観:学校の先生必読 Nov. 13, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-13

 #2869 根室の中学生の学力の現状(1):B中学校の例 Nov. 16. 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-16

 #2870 根室の中学生の学力の現状(2):C中学校  Nov. 16, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-16-1

 #2871 根室の中学生の学力の現状(3):学級崩壊  Nov. 16, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-16-2

 #2872 根室の中学生の学力の現状(4):B中学校2年生も問題あり Nov. 18, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-18


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コメント 7

ZAPPER

今日は会議で、先ほどまで合格先生と話していました。
こちらの中学校の学力総合ABC試験結果を見ても、小学校時代に学級崩壊を経験した学年、その生徒が合流して入学すると驚くほど学校平均点が下がるのではないか?
そうとしか考えられない事例が散見されるという話題になりました。
中学1年生時点で荒れ気味と聞いていた、去年までは上位であった中学校は悲惨な結果に。
小学校で学級崩壊を起こしていたという中学校は、とんでもない点数で最下位に。
この部分、保護者・地域の連携を仰がなければ、そして小中連携を密にしなければ解決できそうにない。
そう思います。
でも、ものは考えよう。
これもまた、釧路・根室発の日本最先端を走る事例になるでしょうか?(^^;;
そうそう、弊ブログ炎上のきっかけになった、大量不合格者を出した某中学校。
その後、こちらから乗り込んで女性教頭とガンガンやり合ったあの中学校ですが、おかげさまで最下位を脱出して、かなり学力が上がりました。
どうやら、ガツンとお灸を据えたなら学力は上がるみたいではあります。(^^;;
by ZAPPER (2014-11-20 00:09) 

ZAPPER

お灸を据えたその中学校ですが、学級崩壊を起こしていたA小学校と、割とちゃんとしたB小学校の卒業生が合流し、小学校時代の学級崩壊が引きずられる形になってボロボロになった模様です。
でもしかし、今でも忘れませんね、その女性教頭にこう言われたこと。
あなたなんか、大嫌い!
(^^;;
by ZAPPER (2014-11-20 00:27) 

ebisu

ZAPPERさん

>あなたなんか、大嫌い!

ナカミは本筋の仕事に関わること、こういう感情的な発言はその人の幼児性を素直に表現するもの。
こういうレベルの人は民間企業では係長にだってしたくないですね。

小学校の学級崩壊はその生徒たちが中学校へ行くと、学力テストの平均点がガクンと下がります。小学校で学力が下がってしまった結果が中学生になって学力テストの平均点に現れます。厳しいものですね。

学校教育には外部の目が必要です。ガツンと言うと拒絶反応もでますが、そのあとで改善が進みます。
地域の人たちがなにも言わないのが一番まずい。

ところで、英語の階層別データ見ていただけましたか?
40点以下が37.7%も占めています。この層は国語の点数が低い層と重なっています。30年前にはこんなに日本語の読み書きがひどい中学生は5%以下だったのではないかと思います。小3~6年までの漢字テスト『言葉力ドリル』で30点前後しか得点できない生徒が20%を超えているでしょうね。英語授業の日本語での説明部分が理解できませんから、教えるのにじつに骨が折れます。なかなか手ごわい、でもまだあきらめない。
by ebisu (2014-11-20 00:48) 

通りすがりの大学生

都会と地方の格差について興味があり検索をしていたところこのブログにたどりつき、興味深く拝見させていただきました。学習塾でアルバイトをしているのですが、教えていて思った以上に生徒の基礎学力(小学校レベルの小数に分数や割合、比)が欠けていることを痛感いたします。また、私自身は大学進学率二割程度の小都市の中学出身でしたが大学進学で出会った中学受験をして有名進学校を経てきた同級生の話を聞くと様々な面での「普通」の基準に対する違いに愕然としました。特に判でおしたように大学の同級生の親の職業が一流企業のサラリーマン、医者、公務員であることが多いことにはやはり日本はもはや格差が固定されつつあるのかな、と感じずにはいられませんし地方に生まれた子が、階層を乗り越えるための唯一の手段である学力ですら断ち切られつつあるのではないかと憂慮しております。地方では教育に関心の高い高学歴層を受け入れる仕事がとても少ないうえ、子をきちんと育てられるモラルを持たない親も増えてくると思われるので(いわゆるキラキラネームもかなり増えた気がします)ほとんど勉強をせず結果学歴をつけられなかった子供が一人暮らし出来る年収を得られる職につけないため地元に残りそのまま結婚し親になり子供を育てる時に意図的に勉強させようとする発想すらわかず、当然子供はゲームやテレビスポーツばかりで勉強せず中学に上がって当然勉強につまずき、記事のようなテスト結果になるというそのスパイラルで10年、20年後は地方の学力はもっと酷い状況になると思います。このようにはっきりとしたデータで示されたものは大変参考になります。長文乱文失礼いたしました。
by 通りすがりの大学生 (2014-11-20 23:25) 

ebisu

通りすがりの大学生さん

あなたの仰るとおりです。

>記事のようなテスト結果になるというそのスパイラルで10年、20年後は地方の学力はもっと酷い状況になると思います。

たいへん憂慮しています。
都会で上場企業で働くには学力が何よりの武器です。田舎の町に生まれ育つとそういうことがわからない。だから、のんびり過ごして大事な時期をスポイルしてしまう。
回りに一流企業が片手で数えるほどしかない。小さな企業でも地酒「北の勝」のように一流といえる会社があります。
いわゆる大手一流企業は根室にはありません。だから高学歴の親も、大手一流企業に勤務する大人も、中央官庁に勤務する親もいません。都会へ出たときの学力や学歴の重要さがわからない。

マチの有力者達は自分達の利益ばかり考えて行動するから、町は衰退するのみ。

高校卒業の18歳まで育ててくれたふるさとの町へ恩返しのつもりで、12年前の12月に戻ってきて塾を開きました。
地元に残ってふるさとの町を支える人材を何人か育てることができたら本望。
まだ、しばらくがんばります。

大学生とのことですが、バイトはほどほどにして勉強を一杯してください。
立派なコメントで、若者らしい意見に接してうれしかった。これだけきちんとした文をコメント欄に書けるのですから、将来有望な青年のようです。一流企業で出世するには文書能力がモノを言います。

先ほど#2875をアップしたので、そちらもお読みください。


by ebisu (2014-11-21 08:37) 

後志のおじさん

Zapperさんのブログに投稿するきっかけとなったあの「荒らし」は、

やはり私の読み通りの方だったようですね。

で、こんなレベルのが、学校管理職なのがいかにもホッカイドウなのですよね。

いえね、荒らしをやるってだけでも、犯罪者紙一重なのですが、
すぐ見破られる頭の悪さ。

ホッカイドウの教員のイコンに見えます。

(ebisuさんのブログをお借りしてすみません。)





by 後志のおじさん (2014-11-22 22:06) 

ebisu

後志のおじさん

>(ebisuさんのブログをお借りしてすみません。)

常連投稿者ですからお好きなようにお使いください。

弊ブログでも、今年は某市立病院管理職が「勤務医」をかたってお下劣な投稿がありました。市長の片腕のようですからさぞかし院内でもやりたい放題、きっと経営改善の妨げになっているのでしょう。その方も「オール根室」のお一人。類は友を呼ぶようです。

どこの地域にもお下劣な者もいるし、きちんとした者もいます。

ところで、先ほどBS放送で後志羊蹄山がでていました。均整の取れた美しい山ですね。
日本百名山踏破、田中陽希君。
途中体力の限界や無理がたたって身体の故障がでてくるところがいい。自分の身体と話し合いながら時にペースを落としたり、休養して体力の回復を待ち、また踏破を続ける。北海道に入ったときには腿が太くなっていました。
by ebisu (2014-11-22 22:54) 

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