#2854 道教文研(北海道教育文化研究所)サブサイト紹介 Oct. 31, 2014 [63. チャレンジ(教育)]
道教文研のサブサイト「道教文研応援ページ」がアップされた。道教文研とは北海道教育文化研究所(笠井龍司所長)のことである。
前回(#2853)で論文・「『釧路市学力保障条例の研究(1)』東大大学院教育行政学論叢」*をとりあげたが、この条例案は釧路市議会基礎学力問題研究議員連盟とさまざまな職種を網羅する民間の任意団体「釧路の教育を考える会」(以下、「考える会」と記す)が車の両輪となってつくられたもの。
(これら二つの団体にプラスして北海道全域の教育改革を視野に入れた道教文研が加わることで教育改革を載せる車は安定した三輪になる。)
*http://repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/dspace/bitstream/2261/55847/1/eac033006.pdf
その一方の「考える会」のメンバーが道教文研に参加している。全国学力テストの結果をみて、それぞれ釧路や根室(根室、中標津、別海)のこどもたちの学力に危機感を抱いたのがそもそもの始まりであったが、低学力は釧路と根室の子ども達にとどまらず、日高、宗谷、後志、胆振、渡島、檜山、オホーツク管内などにも共通する問題である。
(都道府県別全国学力テストのデータ分析、14支庁管内別偏差値データでわかったことがある。中学校で全国平均である偏差値50を超えているのは石狩管内(偏差値52.2)唯一つで、ほぼ全国平均なのが十勝管内(偏差値49.5)、釧路管内と根室管内を含む9地域は偏差値43以下、これが北海道の子どもたちの学力の現状、いや惨状といってよい。なんとか全国平均レベルにしたいと思うのは自然な感情だろう。)
道教文研と「考える会」は、地域の子どもたちの基礎学力を保障する仕組みをつくるという点で共通の目的をもっている。
「道教文研応援ページ」から、「目的」を引用する。
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道教文研とは
■北海道教育文化研究所(略称:道教文研)とは、次の4つの基本理念にもとづいて北海道教育の正常化を進める団体です。
教育の公的性格を自覚すること:教育に携わる者は、国家及び社会の形成者を育成しているのだということの自覚です。
教員の資質向上をめざすこと:特に学校の教員は、専門職として絶えず研究と修養に励むべきであるという主張です。
特定のイデオロギーを持ち込まないこと:政治的行為によって教育現場に混乱や不信や対立を生じさせないという主張です。
様々な個人・団体との連携を図ること:お互いの活動を妨げない範囲で、大同連携の精神に則り、諸活動を展開するということです。
北海道には、基礎学力の保障、家庭教育への支援、授業や学級づくりに関する研修の充実など、課題が山積しています。
解決のためには、行政の方々や学校関係者、保護者、地域の方々など、社会総がかりでの取組が必要だと考えます。
「4つの基本理念」は、つながるための共通項です。
私たちは、学校教育の内外、個人団体を問わず、「北海道」というステージで、お互いが連携・交流することを呼びかけます。
豊かで、安心できる北海道を築き、次の世代へつなぐことは、現在を生きる私たち大人の役目ではないでしょうか。
多くの、様々な立場の方々からのお力添えをお待ちしております。
* 道教文研facebookページにて「いいね!」および応援メッセージを募集しております。
* 応援とは別に、入会を希望される場合は規約と申込み方法をご覧ください。
* 道教文研についての更に詳しい説明が必要な場合はこちらをお読みください。
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●道教文研応援ページ
http://do-kbk.sakura.ne.jp/kbk/
●北海道教育文化研究所 facebookページ
https://www.facebook.com/dokbk
●北海道教育文化研究所ホームページ
http://946jp.com/dokyobunken/
<余談>
道教文研は日本教育文化研究所傘下の地域別ブロックの一つである。たとえていうと北海道子会社である、教育に特化したシンクタンクと考えていただいてよい。
北海道の教育に危機感をもった笠井龍司自民党道議が「考える会」副会長の三木さんに相談を持ちかけたのがきっかけである。三木さんはブルトーザのように精力的で情熱があり、志が高い(・・・持ち上げすぎたかな?でもその通りだ)、釧路の教育改革の要石だ。
北海道全域を網羅する道教文研の本部を釧路に置くというのは奇異に感じるだろうが、地域の子どもたちの低学力の現状を変革しようと旗を上げ、基礎学力保障条例でその活動が全国的な関心を呼んだことから、釧路は教育改革で全国の注目を集める有力な地の一つとなった。そういう経緯で道教文研設立の栄誉を担うのが釧路となった次第、日は東から昇る。
道教文研ではフェイスブック(以下FBと記す)上に専用掲示板をもって教育に関する具体的な議論が毎日行われている。時間が空いたときにFBの専用掲示板を開き、アップされた事例や意見を閲覧して、自分の考えをまとめて書き込む、それに対して他のメンバーがさらに書き込み議論が深化していく。そうしたことが頻繁に繰り返されているから地域的に離れていることが活動の障害にはならない。関係者がいつでもどこでも専用掲示板を介してコミュニケーションでき、さまざまな職種・立場から多方面にわたる議論が積み重ねられている。「考える会」でも専用掲示板で議論が行われてきた。
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この会(考える会)は塾の講師、小学校の現職教員、中学校の教頭、劇団代表、地元FM局のパーソナリティ、釧路市商工会議所青年部の会員、日本青年会議所の会員、弁護士など「多彩な人」25名程度が参加した。「考える会」は月1回全体会議を開催し、教育に関わるテーマをとりあげて議論していた。・・・」
『釧路市学力保障条例の研究(1)』東大大学院教育行政学論叢より引用
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議論のツールはネットにぶら下げた会員専用掲示板だったのである。さて、「道教文研応援ページ」はどのような展開を見せるだろうか?
北海道教育文化研究所ホームページには役員一覧が空白になっているが、「道教文研応援ページ」にはリストが載っている。
根室在住のebisuもしばらくの間、道教文研の活動を支えるボランティアの一人である。
<余談-2:コンピュータ・リテラシー
⇒いつでも・どこでも生産的な議論ができる>
コンピュータ・リテラシーが活動を支える基礎となっている。リテラシーとは「読み・書き」という基礎学力とその運用技能を指す。だれでもできるから、根室にもそうした人々が増えてくれば意見交換が活発になり、根室の町は活性化できるだろう。
とはいえ、議論している相手と年に数回は直接会って酒を酌み交わす必要はある。(笑)
<現状を打破とコラボレーション>
当たり障りのないことしか書かないようでは変革のエネルギーになりえない。ブログを見ても釧路にはそういう核がいくつかある。釧路の意欲のある連中に志の高い根室人を引き合わせたい。ふるさとに戻って私塾を開いて11年が過ぎた、ブログを書き始めてから7年、ebisuはそろそろ意欲のある根室人にバトンを渡したい。教育問題は学校関係者や教育行政関係者という小さな村社会だけで議論していても埒があかない、広く民間人を交えて議論し具体策を練り上げ実行し、結果の検証をすべきである。市町村という地域も乗り越えて、共通の問題に対処すべきときに来ている。
根室は管内3町と集い、教育問題で釧路と協働(コラボレーション)すべきではないか。
<参考資料>
<タイプⅡ>
管内別偏差値ランキング表 | ||||
<中学校優先> | a | b | b-c | |
順位 | 管内名 | 小学校 | 中学校 | 差 |
2 | 石狩 | 43.9 | 52.2 | 8.3 |
10 | 十勝 | 36.1 | 49.5 | 13.4 |
3 | 上川 | 43.4 | 47.2 | 3.8 |
6 | 留萌 | 38.2 | 43.9 | 5.7 |
12 | 空知 | 33.4 | 43.6 | 10.2 |
13 | オホーツク | 27.6 | 42.5 | 14.9 |
1 | 檜山 | 46.2 | 42.3 | -3.9 |
4 | 渡島 | 39.1 | 41.6 | 2.5 |
7 | 根室 | 37.0 | 41.4 | 4.4 |
5 | 胆振 | 38.3 | 41.1 | 2.8 |
8 | 釧路 | 36.8 | 40.7 | 3.9 |
9 | 後志 | 36.4 | 37.4 | 1.0 |
14 | 日高 | 16.6 | 33.5 | 16.9 |
11 | 宗谷 | 33.5 | 33.4 | -0.1 |
■ 【全道14支庁管内・偏差値ランキング表】
#2485 (小・中対比)
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-11-09
#2484 ⑨全道14支庁管内別・科目別・偏差値表(小・中対比) Nov. 8, 2013
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-11-08-4
#2853 『釧路市学力保障条例の研究(1)』東大大学院教育行政学論叢 Oct. 29, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-10-29
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