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#2832 学校でみんなとやるべきこと、一人でやらなければならないこと Oct. 10, 2014 [63. チャレンジ(教育)]

 学校の授業でやるべきことと、家で一人でやらなければならないことをはっきりわけよう。
 ブログ「情熱空間」がなにをどのように分けたらいいのか、要点をまとめてくれているのでお読みいただきたい。

ブログ「情熱空間」より
http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/7565775.html
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2014年10月08日

全部は教えない(お次の課題)

全部は教えないこと。子どもの学習指導に大切なことです。塾などは詰め込みの最たるもの。世間一般にはそう思われているのかも知れませんが、意外や意外、特に個別指導ではそうなんです。(その点、一斉指導の場合はやはり「教え込み」になってしまいますけれど)子どもの学力を高める秘訣。それは、教えすぎないこと。子どもにやらせるべき部分を、残しておく、ちゃんと取っておく。そうしたことです。

さて、話は変わって部活動。最近、家の前で縄跳びをしたり、バットを持って素振りをしたり、子ども同士でキャッチボールをしたりと、そうした風景をまるで見かけなくなりましたよね。中高年がスポーツジムに通い汗を流す。なにやらそれがオーバーラップするような気がしています。こういうことです。本来、家で一人でできる運動。それもスポーツジムで消化しているように、子どももまた、準備体操や基礎練習を含め、部活動の中ですべてを消化している。

これ、効率が悪いし、学習指導において教えすぎないこと、つまり「自分でやるべきところ」「自分でできるところ」までをも指導してしまっているのと同じで、長い目で見たならマイナスに作用しているって思うんです。団体競技。各自がそれぞれ基礎練習を積んで、それで練習に臨むのが効率的ですよね。しかし、それをも組み込んでしまったなら、そりゃ練習は長時間に及んでしまうものでしょう。

単に覚えるだけ。繰り返して習得するのみ。子どもの勉強にはそうした部分が大きなウェイトを占めています。漢字の書き取りや読み、筆算のしかた、理科や社会科の用語(一問一答)、英語の単語、等々。そうした部分は、家で消化して定着するように「仕向ける」べきなんです。ただ、ここで問題となるのが、例の問題解決学習なんですね。

私も、合格先生と同様、問題解決学習が100%悪いとは思っていません。でも、教える側にちゃんとした力が備わっていて、そしてそれが有効に作用する箇所でのみ、あくまでピンポイントで用いるべきものなんです。そして、それ以前の大前提。子ども達に、それに耐えうるだけの学力が備わっていることが必要。だから、多くの場合は無意味なんです。アメリカの大学で始まった教授法、それを日本の小中学生にあてはめようとしても土台無理ってなものです。

さらには、何度も何度もしつこいくらいに繰り返して定着させるべき部分、九九はその代表ですが、そうした部分はしかし、家での消化に頼っては絶対にいけません。ところが現在では、その九九すらも「家に帰って、家の人と一緒に練習して覚えなさい」などと、丸投げ状態が横行しています。それはまさにルール違反。しかし、そのルール違反を誰も咎めない。それ、学校から家庭に移管(?)しちゃ、絶対にイカン(遺憾)ですってば!

で、言いたいこと。教えるべきはきちんと教え、自力でやらせるべきはやらせる。だだし、家庭への丸投げは厳禁。そこにある程度の線引きが必要なんです。しかし、傍から見る限りにおいては、その両方(教えるべきはきちんと教え、自力でやらせるべきはやらせる)をやろうとして結果として「虻蜂取らず」になっているか、「双方を子どもに丸投げ」する形で問題解決学習に頼っているかで、いかにもバランスがよろしくないと、そう思うんです。

学年が下のうちは、それ(教えるべきはきちんと教え、自力でやらせるべきはやらせる)はほとんど一緒ですが、上になるに連れ、シビアに線引きをすべきものなんですね。しかし我が釧路では、そうした部分の見通しがまだまだ甘い。自力でやらせるべきを、そうさせていない。だから、演習量がまるで足らなくなる。だから、応用部分へと進めない。だから、教科書の消化すらままならない。だから、B問題の得点力がついてこない。だから、上位層も伸びない。そう思います。

ただ、こうしたことは、少し前までなら理解できる方、理解しようとする方がほとんどいない状態でした(笑)が、今ではそうした議論が一部で成立するようになってきました。それはそれで歓迎すべきことだと思っています。教えるべきはきちんと教え、自力でやらせるべきはやらせる。部活動にせよ勉強にせよ、お次の課題はここでしょうね。その段階に踏み込めたなら、学力回復は達成したも同然です。というわけで、合格先生のコラムです。

●「指導」と「自力」
http://www002.upp.so-net.ne.jp/singakukouza/jijimonndai.html#Anchor-10520

《引用開始》
ラジオで語り尽くせなかった部分

 前項の続きです。実は、自分がラジオで話し切れなかった部分がもう一つ。これを知っていてラジオを聞いてくだされば、内容が納得できると思いますので、ここでフォローをしておこうと思います。

 学習指導であろうが、部活指導であろうが、先生がきちんと教えておかなければならない「指導が必要な部分」と、ここは生徒が自力で出来るから、生徒自身にやらせておこうという「自力で克服する部分」というのが存在します。そして、自力で克服する部分については、なるだけ先生が手をかけずに生徒にやらせる。そのかわり指導が必要な部分はしっかりと指導する。このメリハリが大切になります。

 例えば、野球部で言うと、最初は「基礎体力作り」の方法を教えて、「ランニングの仕方」「素振りの仕方」などを顧問の先生自身がチェックして、きちんと出来るようになったら、後は生徒に「自分で練習してくること」とします。そして、全員が揃った部活の時間では、ウォーミングアップのあと、すぐに様々なローテーションの練習に時間を割き、個人練習可能な時間を残して部活を終了させる。「あとは、おまえ達、自分でやってこい」なんです。

 勉強内容で言うと「漢字の書き取り」「英単語の練習」については、出題するものをあらかじめ教えておいて、自力で練習させ、学校で「漢字テスト」などを行い、きちんと身につけてきたかどうかを確認する。計算については、計算方法を教え、自力で出来るようになったと思われる時期を見計らって、宿題などを出して行く。そうやって出来た時間の余裕を使って、学校では難易度の高い内容に触れていく。

 大雑把に言うとこういう流れでしょうか。そうやって、先生が教えてあげなければならない部分と生徒が自分でやってくる部分をきちんと分けて行くことが必要なんです。そして、自力でできる部分はなるだけ生徒に「自力で克服させる」こと。
 そして、この流れをうまく作ると、例えば、お父さん・お母さんが理想としている「文武両道」が可能になるんです。
 部活が終わって学校から帰ってきたら、自宅の前で素振りをやったり自宅近くをランニングしたり。そして、ご飯を食べてお風呂に入って、今度は家庭学習を行う。効率的な時間の使い方で、部活も勉強もこなせるようになる。お父さん・お母さんの目で見ても「うちの子、部活も勉強も両方頑張っているな」ということが分かるようになるんですね。
 これを全部学校で見ていこうとするとどうしても無理がある。部活で基本の内容までこなしていこうとすると部活の拘束時間が非常に長くなって、結果、勉強に支障がでる。勉強を全部学校で見ていこうとすると、時間が足りなくなり難易度の高い問題に触れられなくなっていく。「裁量問題に対応できません」が当たり前の感覚の教員は、この「指導」と「自力」の区別がついていないんですね。

 さて、自分は過去に「問題解決学習」に触れてきましたが、否定的なことをずっと書いてきたため、「問題解決学習」を全否定しているように思われるかも知れませんが、自分は「全否定」ではないんです。もちろん、生徒が自力で考えることは大切なんです。当然、指導によって「問題」を考えられる状況まで生徒を鍛えておいたあとで行う分に関しては全く問題ありません。
 ただ、上記のように「指導が必要な部分」と「生徒が自力で行える部分」というのがあって、今、学校で行われている「問題解決学習」というのは「指導が必要な部分」も生徒に「自力でやれ」と丸投げなんですね。これではかえって学力を壊してしまいます。これからおそらく話題になるであろう「反転授業」もその類です。

 ですから、今の段階では、自力で出来る「基礎基本の反復練習」や漢字・単語などの「基礎知識習得」は、なるだけ家庭でしっかり家庭で出来るようにしてあげてください。小学校の段階では「漢字ドリル」「計算ドリル」などで練習ということで、構いません。
 そして、指導者にありがちな「すべて自分が面倒を見る」というのは、一見良さそうですが、実はあまり良い指導ではない~部活であっても勉強であっても~ということなんです。ある新聞に、先生の中には「宿題にしたら負け」のような感覚の先生もいる、ということが書いてありましたが、これがあまり良いことではない、というのも分かると思います。
《引用終了》
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<学力分布と階層ごとの指導法>
 集団指導では成績上位(10%)層と成績下位(20%)層が焦点の外側にならざるを得ない。だから、あわせて30%の生徒には個別指導が必要ということになる。
 生徒の学力分布を考慮すれば、焦点の外側の生徒には放課後個別指導をするのがベストの対応ということになる。上位10%の生徒は学校での個別指導は無理、下位20%層は放課後補習しながら個別指導のスキルを磨けばいい。
  成績上位層や中位層の生徒には個別指導では全部は教えない、必要最小限なところまでで説明をやめるとか、ヒントをだすにとどめる。そこから先は生徒が考える、考える余地を残した指導が個別指導の要諦。しかし、成績下位層の生徒には全部教える、しかも繰り返し原則に戻って教える、そうする必要があるからだ。教える生徒の学力に応じて教え方が変るのが個別指導の特徴だ。
(参考までに言うと、学力上位層の生徒は独力で予習をやらせる。予習した範囲でわからなかった問題や事項の質問を受け解説し、授業中は質問以外はひたすら問題演習。学校の授業で使っている教科書準拠問題集と比べると問題の難易度が高い。
 進度が速いから2学年上の問題をやることもある。たとえば数学なら中学卒業までに数ⅡBをやれたら理想的だ。
 英語は高2から英辞新聞を教材に使う。それまでに海外留学の際に語学研修所でつかう中級レベルの文法問題集を終わっておく。そうとうきつい。やりきれば全国模試で偏差値60~70だ。
 中高一貫校(進学校)の中学生は1学年前倒しでやっているケースがほとんどだから、そういう学校の生徒たちと大学受験で互角に戦うには予習方式、問題演習中心で前倒しでやる必要がある。)

 反復トレーニングは原則として家で一人でやるべきだ。そういう習慣付けを小学校低学年でしっかり躾けたい。音読トレーニング、漢字の書き取りトレーニング、短文作成トレーニング、九九、逆九九、計算トレーニングなど。


<生徒の視点、お母さんの視点>
 生徒の視点から書くと、二つ目は集団指導で学ぶべきことと個のトレーニングを峻別するということ。反復トレーニングや速度アップトレーニングは個が家庭学習でやるべき。

 お母さんの視点からみると、その躾けの急所は小学校1年の入学時にある。旬の期間はわずか3年ほどだから、それを逃してはいけない。

 反復トレーニングは原則、個がやるべきこと。最初は集団指導で助けが必要だが、その後の反復トレーニングは一人でやる。たとえば、2年生での九九の朗誦は大きな声で家でやる。九九ができたらこんどは反対から言う「逆九九」が高速で完全に言えるまでトレーニングを積む。ストップウォッチを片手に時間を測ってやればいい。上達を数値で確認できるのがいい。日付と秒数を書き込む表を壁に貼っておいたらいい。
 小5小6では小数や分数計算をたくさんやる。これも10分単位で時間を測って問題をやること。できた問題数で難易度を逆算してみたらいい。基本計算問題だけで難易度が1~5の幅のあることがわかる。つまり、やさしい問題を難易度1とすると10分間で30題、難しい問題だと6題、市販教材ではこれくらいの幅がある。
 中学生になったら、基本計算問題の難易度の幅は1~3くらいかな。基本計算は考えなくてもできるように習熟しておくことが大事。

<おまけ>
 2年間ぐらい珠算を習わせた方がいい。頭の中にそろばんをイメージしてそれを指で動かせるようになる。足し算や引き算の桁上げ桁下げもそろばん珠をイメージすると簡単に高速でできる。そのうえ立体図形の操作を頭の中にイメージを浮かべてできるようになる。


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コメント 2

ZAPPER

ご紹介ありがとうございます。
教えるべきは教え、教えないべきは教えない。
その点について、子どもの学力レベルによって峻別できれば、どの子も例外なく学力を上げることができ、「詰め込み」といった話にはならないはずです。

全部をやらせる。しかしレベルはガクンと下がる。反対に、多くを子どもや親に丸投げ。その場合もまた同様。知徳体のバランスも結構ですが、まずはそこの部分のバランスからだって思います。
by ZAPPER (2014-10-10 11:25) 

ebisu

ZAPPERさん

こういう話は具体的にやるとよくわかります。
どんどんこんがらがっている糸を解いてみせてください。

by ebisu (2014-10-10 15:02) 

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