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#2814 簡単そうで・・・'In the wake of floods, Kashimirs rail at India'   Sep. 20, 2014 [74.高校・大学生のためのJT記事]

 9月17日付け'International New York Times'の一面の見出しは次のようになっていた、訳してみてほしい。

 In the wake of floods, Kashimirs rail at India

 インドのカシミール地方で大洪水が発生し、一週間たったあとの写真が一緒に掲載されている。ついでだから写真のキャプションも書いておく。

 Carrying drinking water to flood victims in Srinagar, Kashmir. Residents are spuring Indian government aid as too little and too late, a week after floods devastated the region.

  川からあふれ出た泥水の中を膝上まで浸かりながらペットボトルの飲料水をネットに入れて背負って歩いている男の後姿が写っている。

 wakeは'wake up'で見慣れた単語だが、ここでは動詞として使われていない、定冠詞theがあるから名詞である。
 in the wake of floodsは#2811でも出てきたから、拾ってみよう。

(2)  While the move is billed as a response to the severe shortage of doctors in Tohoku in the wake of the March 2011 Great East Japan Earthquake, care needs to be taken so that opening the new school does not drain the already stretched staffing at hospitals in many parts of the region.

 こちらの方が文脈から読み取れるのでわかりやすい。「2011年3月の東北大震災の結果として生じた
 billについて#2811でコメントし忘れたかもしれないので書いておく。2冊の英和辞典にはこの用法が載っていなかった。ハードカバーのCollins English Dictionaryには載っていた。(あとで#2811にも追記しておく)

-----------------------------------
bill something as something
phrasal verb
to advertise or describe something in a particular way:
(特定の方法で'何か-1'を'何か-2'として宣伝するあるいは述べる)

The castle bills itself as the oldest in England.
 (その城は英国で一番古いと自称している)
Longman
*http://www.ldoceonline.com/dictionary/bill_2

-----------------------------------

  wakeを引くとLongman online辞書では品詞ごとに選択肢が示され、名詞をクリックすると一番最初にこの熟語がでてくる。
-----------------------------------
wake2 [countable]
1

in the wake of something

if something, especially something bad, happens in the wake of an event, it happens afterwards and usually as a result of it:
「なにかあること、とくに何か悪いことがある出来事のあとに生じる場合に、その何かが後で起きかつ通常はその何かの結果として生じる」

Famine followed in the wake of the drought.
 (旱魃が起きればその後に飢饉が襲う)
*http://www.ldoceonline.com/dictionary/wake_2

-----------------------------------
 じつに明解でわかりやすい定義だ。wakeは名詞では通常はこのような前置詞句として使われる頻度が大きいのだろう。
 ついでに『ジーニアス4版』をみると、wake-1には「通夜、前夜祭」、wake-2に「航跡、(人・物が)通った跡」となっている。wakeの動詞が「目を覚ます」から聖人の通夜が復活も意味するからなんとなく関連のあることがわかるが、wake-2はebisuには連想ができない。わからないときは辞書に聞くしかない、学習にはそういう素直な姿勢が役に立つのである。

 次の問題なのが、railだ、これを「鉄道」と訳したらアウト。Kashmirisがrailしているのだから、railは動詞だ。

 9月15日のJT紙にはわかりやすい見出しがついている。
 India's flood response angers Kasmiris.
 「洪水へのインド政府の対応がカシミール人を怒らせている」

 railは「(きつい調子で)非難する」「罵る」「抗議する」という意味である。

 教訓: わかっている単語ほど注意しなければならない場合もたまにはある
  (実際の英文は「ユメタン」の丸暗記だけでは対処できない単語の用例が随所に出てくるからご用心)

 さて、原文と拙訳を例示しておく。もちろん、わたしのものは脇においてもっとよい日本語を考えてくれたらいい。

 In the wake of floods, Kashimirs rail at India
 (洪水の跡にカシミールに住む人々はインド(政府)を罵っている)

 JT紙の記事のほうはネットで検索できるので、インドの大洪水に興味がある人は記事のショートカットを貼り付けておくので、ご覧ください。
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floods | The Japan Times
www.japantimes.co.jp/tag/floods/

State's flood response angers Kashmiris. Residents of Indian Kashmir turned
their wrath on state administrators, accusing them of failing to provide them with
help after the worst flooding in over a century, and angrily dumped food parcels
into ...

---------------------------------


 武田邦彦教授がブログで世間で異常気象と言っているのは間違いで、数十年に一度どこかで生ずる程度の気象現象だから、それがどこかで起きるのは当たり前と主張している。それは当たり前の気象現象で、けっして異常な気象現象ではないと至極まともなことを仰っています。

*「局地的大雨」は異常気象ではない・・・
http://takedanet.com/2014/09/post_2bf6.html


<余談-1>
 学習の参考になるかならぬかよくわからないが、高校生と大学生のために生成文法的な(シンプル・センテンスへの)分解例を提示しておく。意味が通じる程度に、必要な部分に分けるだけでいい。あまりやりすぎると、意味をつかむという当初の目的から離れてしまう。ほどほどでいいのだ。
 デカルトは『方法序説』「科学の方法」の中で「必要な小部分に分解せよ」と指示している。これは学問に共通する原則で、数学でも重要だ。問題が複雑だと思ったら、必要な範囲でいくつかに分解してみたらいい、特に複合問題はそうすることでシンプルな問題に還元*できる。

(2)  While the move is billed as a response to the severe shortage of doctors in Tohoku in the wake of the March 2011 Great East Japan Earthquake, care needs to be taken so that opening the new school does not drain the already stretched staffing at hospitals in many parts of the region.

①  They bill the move as a response to the severe shortage of doctors in Tohoku in the wake of the March 2011 Great East Japan Earthquake.

②  They need to take care.

③  (so that) opening the new school does not drain the staffing.

④  The already stretched staffing (is or works) at hospitals in many parts of the region.

 staffing:人員数、人員の配置
 theyは何を指すのかなど、個々の文の内容は各自よく見て考えてもらいたい、そこが勉強かもしれない。

*還元主義:(哲学用語) 事物を元素やアトムにまで分解して理解すれば全体が理解できるというもの。ギリシア自然哲学が元だろう。デカルトのそれは分解するだけでなく、そのあとに総合の作業がまっている。「還元⇒総合」の過程を通してものごとの全体がとらえられる。
 マルクスも『資本論』の概念体系構成でそういう作業をしている。経済学諸概念でもっとも基本的なもの(抽象的人間労働=商品価値)を体系の端緒に措定して、それを「単純流通関係⇒生産関係⇒国内市場関係⇒世界市場関係」で演繹的に定義して、総合を試みている。
(実はマルクス経済学は学の端緒に措定した基本概念に根本的な欠陥がある。人間労働は質的に同一な労働には還元できないことは、名人の仕事と半端職人の仕事を比べてみたらすぐに諒解できる。半端職人の仕事ではいくら時間を掛けても名人と同じ仕事になならないことは誰でもわかることだろう。わたしは職人仕事を経済学の端緒においてまったく異なる経済学が成立することを示した。21世紀の経済学は職人仕事を学の端緒に措定して新たに記述されるべきだ。弊ブログのカテゴリー「経済学ノート」に書き溜めているが、いずれまとめてブログで公開する機会を得たい。)
*「還元主義」ウィキペディアより
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%82%84%E5%85%83%E4%B8%BB%E7%BE%A9


<余談-2:ネット英英辞書は何がいいか?>
 いくつかネット辞書を引いてみたが、Longmanがわかりやすい。品詞別に検索リストが提示されるところがわたしには使いやすかった。


 ときどき引くこの辞書にはbillの句動詞が載っていなかった、でもいい辞書だ。25年も前に出版されたのに、語の定義の仕方が現在のLongmanと同じだ。「if~、XXX」方式で定義している。

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  • 発売日: 2012/09/27
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