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#2809 市長選挙が終わり弔鐘が鳴る Sep. 15, 2014 [25. 根室市長選挙]

 現職有利は当初から言われていたが、時代にそぐわぬ結果になったと言わざるを得ない。理由は後で述べたい。

 まずはデータから。
 有効投票総数13,102票のうち、鴨志田氏へは35.5%、現職の長谷川氏へは64.5%という結果だった。有権者総数23,285人を分母としてみると、現職は根室の住民の36.3%の支持を得たに過ぎない。

かもしだ リエ4,646票
はせがわ 俊輔8,456票


  8,456/23,285=36.3%

 これが有権者全体からみた現職市長の得票率、有権者の三人に一人強が支持を表明したにすぎぬ

 鴨志田氏を担いだ市議の壺田重夫氏は前回市議選で1192票を獲得しただけだから、鴨志田氏はその基礎票に3500票を上積みしたことになる。現職候補者に対して善戦したといえるだろう。
 政策面で大きな違いを出せば浮動票がもっとでただろう。選挙戦略にミスがあった。

 選挙戦略のミスにより鴨志田リエ氏は勝機逃がしたとはどういうことか説明しておきたい。
 13日付の北海道新聞に拠れば、1957年の第一回根室市長選挙は西村氏と富樫氏で争われ、投票率は85.87%であった。1974年の市長選挙は寺嶋氏と栃久保氏で争われ投票率は80.44%だった。投票率が80%を超えたら浮動票が雪崩を打って流れて鴨志田氏の勝利だっただろう。だから鮮明に対立する政策を掲げなかった選挙戦略のミスが痛かった。
 (市長選挙は13回対立候補がありそのうちの5回は投票率が70%を越えていた。)
 しかし、時代も違う、1957年や1974年は根室には若い人たちが多かった。'74年は団塊世代が二十代半ばである。

 地元出身の30代や40代に市長選挙に立候補できるほどの器の持主がいないようでは、4年後の選挙はまた無投票になり、振り出しに戻ってしまう。
 根室の町の人材の枯渇こそが憂えるべき問題だろう、問題の根っこは教育にある。

 若い人が少ないことも選挙の結果に大きく影響しているだろう。社会保障・人口問題研究所の2015年の根室市の人口推計データは次のようになっている。

 20-39歳 5,260人 23.9%
 40-64歳 8,512人 38.7%
 65歳以上 8,238人 37.4%
   合計  22,010人

 このデータからは、76.1%を占める40歳以上の住民が市長を決めたという構図が浮かび上がる。根室の将来を担う40歳未満は23.9%と少ない。20代は1,119人いるが、この層は政治にほとんど興味がないだろう。しかし、膨らんだ市の借金を返して、つくりすぎた諸施設のメンテナンスをし、利用されない施設を取り壊すのは彼ら・彼女達である。

 時代にそぐわぬ人が12年間根室市のリーダとして旗を振り続ける。その8年間の足跡を簡単に再確認してみたい。
 市が招聘したコンサルタント提案、年間売上(25億円)の範囲内での建て替え、を無視して、70億円の総事業費で病院建て替えを行い、市債が50億円増えた。
 毎年病院事業の赤字の穴埋めに一般会計から17億円もの繰出金がつぎ込まれ、これも借金を増やす一因となっている。前市長時代は年間8億円前後の赤字であった。
 老人保健施設へ30ベッドの増床に9億円、特別養護老人施設の30ベッドの増床に5.5億円。老健施設は国基準を10倍も上回る補助金交付。
 小中学校は統廃合を先にすべきなのに後回しにして耐震改修をした。市街化地域の小中学校はそれぞれ1校でも間に合うような生徒数になっている。一番古い花咲小学校の今年の新入生はわずか39人である。団塊世代のebisuのときは花咲小学校は1学年6クラス360人、全校生徒数2000人弱だった。統廃合を先にやれば、4校の耐震改修は不要だった。今頃市教委は市街化地域一校体制の検討をはじめている。先を見ないデタラメな仕事ぶりにあきれる。
 いままた明治公園の再開発を40億円をかけてやろうとしている。それを決めた委員会の委員長は元信金理事長である。借金はどこからなされるのだろう?根室では有力者とされる人々が我が田に水を引くようなことが多すぎる。李下に冠を正さずという姿勢を貫いてもらいたいが無理なのか。

 公共事業ばら撒き、予算膨張、市立病院事業の赤字2倍に拡大という絵に描いたような古いタイプの市政が8年間続いている。困難な時代がすぐそこまで来ているのに、時代にそぐわぬリーダが市政のトップの座に座り続けている。わたしはアリとキリギリスの寓話を連想してしまう。
 誰のための何のための市政なのかはこの8年間の実績をみたらよくわかる。それでも根室の40代以上の世代は現職を支持した。あなたたちは子供や孫の世代に責任が持てるのか?

 自分達さえよければふるさとがどうなっても構わぬという輩が多すぎる。根室はこのままでは夕張市の後を追うことになりかねない。
 大事なことは基礎学力がしっかりしていて、心根がまっすぐで、自分のことよりもふるさとのことを優先して考え・行動できる人間を育てることだ。20年後、30年後に根室を支える人材はいまつくっておかなければならない。30年、40年、50年前にそうした努力を怠ったから現在の惨状がある。

 根室高校を卒業してから35年目にふるさとに戻って塾を開いた。30年後に根室を支えるにたる能力とまっすぐな心根の人材を数名育てたつもりだが、まだ数年やるべきことがあるようだ。
 成果を見ることはかなわぬ、気の長い話だ。
 知っている歯科医の先生たちやマチの有力者たち(故人)が自らスコップをもって警察署の下の公園に植樹をしたのは50年ほど前のことだったが、いまでは小さな森となって木蔭をつくっている。ああいう仕事をする人が町の有力者にいなくなった。

 鴨志田リエ氏が根室の住民になかなか感慨深い敗戦の辞を述べている。K大文学部卒らしい才女のさわやかな読後感の文である、URLをクリックして全文を読んでもらいたい。

*http://ameblo.jp/rie-kamoshida/entry-11925041874.html
「・・・素晴らしい資源と潜在力がありながら、2050年には根室市は過疎地になるとの予測があります。
ここにこそ政治が必要、この選挙を契機に我が街を政治を諦めない市民が増えて欲しいと思います。


<余談>
 北海道新聞東部・辻中販売所が選挙に関するチラシを折り込んでいた、いい企画だ。新市長に対する6人の市民の意見が載っている。冒頭の学校の先生(58)の意見だけ抜粋引用させてもらう。
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 新聞報道で知る限り、両候補の公約はいずれも経済政策が中心です。しかし、まちづくりで大切なのは「人づくり」、進学などで根室を離れても、再び戻って来たくなる機会、環境をつくってもらいたい。
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 裏面には過去15回の市長選挙の候補者名と得票数、投票率が載っている。過去15回で投票率が70%を超えたのは5回、無投票当選は長谷川氏の2回のみ。

<余談-2>
 根室市が招聘したコンサルタント提案がどのようなものであったのか新聞記事を引用して解説しています。医療機器を含めて25~30億円でやるべきだと取材に答えています。
*市立根室病院建て替えへの疑問 #762 Oct.18, 2009 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2009-10-18


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コメント 7

もやしさんま

選挙は信任投票ではなくどちらかを選ぶ選挙だからこの結果はわかります。過去の選挙の次点に比べても見劣りがしないから大したものです。選んでくれなかった人達の思いに心を向けたオール根室を目指してくれれば無駄ではなかったと思います。
それにしても市議選の翌年が市長選でなくて、市長選の翌年が市議選なら、市政も活性化すると思うのですけれど。市政の対抗軸を明確にした議員が市長選挙に挑んで負けても一年で議員に戻れる。今の順番なら当選して一年もしないうちに辞職して戦うことは無理ですね。市長が二年で誰かに禅譲すればそうなって面白いけれど・・・。


by もやしさんま (2014-09-16 22:12) 

ebisu

もやしさんまさん、こんばんは。

なるほど、市長選の1年後に市議選があれば、気楽に出馬できますね。そうすれば面白くなります。いいアイデアですね。

だけどいまの市議の中に市長の職にふさわしい方がいますでしょうか?

やはり、人材が枯渇していると言わざるをえません。
by ebisu (2014-09-16 22:30) 

市民K

先ほどのnewsで唖然! 今回の根室市長選、選管の事務に大きな手落ちが有ったようで、それを理由に鴨志田候補が選挙無効の申し立てをしたとの事。選管は30日以内に結論を出すそうだが、そもそも事務的なミスなら考える必要など無かろう。間違いは間違いである。速やかに無効選挙とし再選挙すべきだ。
by 市民K (2014-09-26 19:14) 

ebisu

市民Kさん

なるほど、鴨志田リエさんの今日のブログに根室市選挙管理委員会宛の選挙無効の申立書が載っていました。

http://ameblo.jp/rie-kamoshida/

根室市選挙管理委員会が法律が定める選挙運動用のビラの配布を妨げたと、選挙無効の申し立てをしている。
選挙の説明会で選挙運動用のビラの配布はできないと選管が回答している。説明した選管委員が法律すら読んでいない、間の抜けた話だ。委員長が説明したのかどうか分からぬが、いずれにせよ立ち会っていただろう。

これは選管の重大なミス、選挙無効とせざるをえない、再選挙になるだろう。
by ebisu (2014-09-26 22:47) 

たこやきと河内音頭

知識量の差があるんでしょうね・・・


関係ないことで恐縮ですがebisu先生ならご存知でしょうか
釧路から根室までのJRの車窓から線路際に頻繁に見える、頂部にテーブル状の花序をつける草丈1メートルほどの植物の名がわからず難儀しています
科を知りたいんです
by たこやきと河内音頭 (2014-09-27 13:34) 

ebisu

たこやきと河内音頭さん

ebisuにとっては植物学もまったくわからない分野です。原野に咲く花の名前で知っているのはミズバショウ。それも東京に行って何年もしてから尾瀬に咲くミズバショウをテレビで見て知りました。あれ、「へびまくら」だ。(笑)
「北海道に咲く花序」で検索したらたくさんの画像情報が出てきました。「花序」だけでもでてきます。
もしこの中にあり、花の名前がわからなければ、釧路の教育を考える会のメンバーに掲示板で聞いてみます。
https://www.google.co.jp/images?q=%E5%8C%97%E6%B5%B7%E9%81%93%E3%81%AB%E5%92%B2%E3%81%8F%E8%8A%B1%E5%BA%8F&rls=com.microsoft:ja:IE-SearchBox&oe=UTF-8&rlz=1I7SUNA_jaJP310&gws_rd=ssl&hl=ja&sa=X&oi=image_result_group&ei=Y1YmVJj1C4vW8gWWiYCABw&ved=0CBQQsAQ

https://www.google.co.jp/images?q=%E8%8A%B1%E5%BA%8F&rls=com.microsoft:ja:IE-SearchBox&oe=UTF-8&rlz=1I7SUNA_jaJP310&gws_rd=ssl&hl=ja&sa=X&oi=image_result_group&ei=EFYmVLatL4ym8AX6x4HYBg&ved=0CB8QsAQ

いや、お恥ずかしい話ですが、「花序」もウィキペディアで知りました。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8A%B1%E5%BA%8F
(...汗)
by ebisu (2014-09-27 15:23) 

たこやきと河内音頭

いえいえ、こちらこそ唐突におたずねしてすみませんでした。
写真を撮っていたならと後悔しきりなのですが、教えていただいたページで探してみます。

追伸。ebisu先生のお書きになられる経済学や組織経営のお話にはいつも私自身の不明さを照らし出されています。興味がないからとまったく食指すら動かさないのはいけませんよね。
by たこやきと河内音頭 (2014-09-27 17:34) 

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