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#2805 中3学力テスト総合A Sep. 13, 2014 [63. チャレンジ(教育)]

 一昨日(9/11)に標記学力テストがあった。問題用紙をもってきた生徒がいたので数学と英語の問題をざっと見た。数学の作図問題が正解が少ないのではないだろうか。こういう問題だった。

 直線ℓ上に直角三角形ABC(∠B=90度、底辺BCをℓ上に接して)描いてある。そこから3cmほど離れたℓ上に点Pがある。「点Pを中心として90度回転した直角三角形A'B'C'を作図せよ」というものだった。

 一人は点Cを中心にして右側に90度倒した図を描いた。もう一人は右に倒した図を点C'と点Pが重なる位置に描いた。しかし、これでは点Pを中心として回転したことにはならぬ。

 正解は次のようなものだろう。コンパスの中心を点Pにおき、点Aから半円を描く、同様にして点Bと点Cからそれぞれ半円を描く。点Pに垂直二等分線を立て、半円との交点をそれぞれB'、C'とする。C'から直線ℓに平行に直線を引き半円との交点をA'として、A'B'C'を結ぶ。

 90度の回転移動という作図問題をやったことのある生徒はほとんどいないから、初体験だった生徒がほとんどだろう。180度の回転移動=点対称作図の応用かな、こういう少しひねった問題への対応力が弱いのは、すこし難易度の高い問題をふだんの学校の授業ではまったくやらないからだろう。Bクラスの問題を考えるというトレーニングがほとんどない、やさしい授業になっている。授業だけで低学力層にもわかるようにするには、とりあげる問題を基本問題だけにすればいいが、これはやってはいけないイージーな方法である。授業のレベルは低学力層に焦点が合わせられてしまい、上位三分の一は退屈しきってあくびが出るだろう。
 ふだんの授業のレベルを標準的な水準へ上げて、標準難易度の問題やBレベルの問題もとりあげるべきだ。低学力層には放課後補習で対応すればいい。
 低学力層への放課後補習を逃げているから、「わかりやすい授業」をするためにふだんの授業レベルが下がり続ける。
 ふだんの授業を標準レベルに合わせ、低学力層の生徒を集めてブカツを週に2日休ませて放課後補習に強制参加させたら一部の保護者からクレームが出るだろう。でも、そんなことを怖れていたら、低学力層の生徒は救えない。多い学校だと4割程度の生徒が30%以下の得点である。学校で生徒は教師を選べない、教師の仕事には責任が伴っている。

 他の問題はほとんどが標準以下の難易度でやさしい、作図だけはいい出題だったと思う。基本を理解しているだけで60点満点で40点の得点が可能だ。この作図問題を正解できたのは各学校学年でせいぜい3人程度と予測する。

 英語の問題はあれではまずい。長文問題が二つあったが、分量が少なすぎる。一つは10行足らずのもの。もう一つだって30行くらいのものだ。あれでは東京都立高校の入試問題に比べるとおおよそ三分の一の分量だ。分量が少ないし、設問もゆるい。こんな甘いテストを前提にやっていて、高校へ進学すると授業は全部英語だ。試験問題も日本語では書かれていない。ギャップが大きすぎてついていけない生徒がほとんど。

<学力テスト問題の難易度は誰がチェックしているのか?>
 北海道の学力テストの難易度は誰がチェックしているのだろう?学校で任意に採用しているテストだから教育行政は関係ないようなことを言い、逃げるが、実質的には全道統一学力テストであるから、教育行政(北海道教育委員会)が難易度のチェックをすべきではないのか。民間と官が協同して議論するのもよい。とにかく誰もチェックしていない現在の状況は無責任極まりない。根室管内でも参加していない中学校は一つもないだろう。
 文協学力テスト問題をつくっている団体は退職校長の天下り先だと言われている。現職時代に全国学力テストに反対していた人たちが天下り先で難易度の低い全道統一学力テスト問題を作成して、学力低下に手を貸している、ほんとうにおかしな話だ。

 授業をやっている間に、二科目をざっと見ただけ、休み明けにじっくり見せてもらう。

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