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#2803 べんこふり領土返還交渉はやめ、原理原則を主張しよう Sep. 10, 2014  [25. 根室市長選挙]

  今日の道新朝刊根室地域版に、市長選挙「候補に聞く(下)」が載っていた。記者の丸山格史さんが現市長に政策の自己評価を聞いている。自画自賛でこそばゆいのではないだろうか。コインの表裏で、表(市民)から見たら評価はまるで異なったものになるだろう。北方領土返還問題もその一つだが、2期8年間で何か実績があったのだろうか?ご本人はアッピールポイントとして「全国のリーダとしての役割がある」とのたまっている。そういう実績があったのかなかったのかは有権者が自分の頭で判断すればいい。
 市長選に立候補している二人の政策や主張を道新根室支局の記者が取材し、昨日と今日の根室地域版に掲載した。
 主張はそれぞれに都合のよいようになっているのは当然のことだろう。だが読む私たちは果たして二人の言うところがその通りかどうかをよく考え、事実とつき合わせてみる必要があるのではないだろうか?具体的な問題での発言から人柄や言うことのたしかさを推し測るしかない。

 今朝のNHKラジオ番組ビジネス展望でロシア極東開発を取り上げていた。ロシア専門家達は、秋にプーチンが来てなにか領土交渉で日本側に有利な発言があるのではという期待に、甘すぎると警告している。ロシアが領土交渉で簡単に譲歩するはずがないというのが、長年ロシアとお付き合いを続けてきた人たちの感想。
 日本はロシアに対して奪ったクリミア半島をウクライナへ返還すべきだぐらいのことを堂々と主張すべきで、それくらいの勢いで原理原則をぶつけて一歩も譲歩しないところを見せないと交渉にならないとみている。
 ではどうやるか、根室市議会で「ロシアはクリミア半島をウクライナへ返せ」と決議したらいい。そして、別海町・中標津町・標津町・羅臼町の管内四町に同じ決議をするように呼びかけたらいい。
 ロシアに領土を奪われたウクライナと連帯することで、北方領土問題はEUやNATO諸国ともつながることができる。フィリピンやベトナムと連帯することで、EEZや領海を侵犯して海洋資源を奪う中国を包囲するのと同様に、北方領土問題ではウクライナを媒介にしてEUとつながればいい。
(ウクライナ問題は弊ブログ#2697で取り上げているのでお読みいただきたい)。

 北方領土問題には広い世界観が必要だ。戦後69年間根室の首長にも市議にもそうした大きな世界観がなかった。ウクライナとの連帯、そういうことを根室市長と根室市役所と市議会が率先してやってもらいたい。

 シベリアの東側に住む住民の人口は91年の旧ソ連崩壊時には800万人いたのだが、おおよそ20年間で620万人に180万人(23%)も減少している。ロシア側も過疎地の人口減少と集落崩壊に困り果てている。ゴルバチョフの時代にもエリツィンの時代にも何度も極東開発が叫ばれたがうまくいかない。だから、日本の経済学者やジャーナリスト、そして経済人と定期的にフォーラムを開催するようになった。相手はロシア科学アカデミー極東支部である。日本側のフォーラムに関わる団長は新潟大学教授の袴田茂樹氏。「ビジネス展望」でロシア極東開発を取り上げた株式会社双日総合研究所チーフエコノミストの吉崎達彦氏もメンバーの一人だ。
 シベリアの資源開発にそれを担う人が減少しているのでは、開発も思うに任せない。シベリアの東半分に住む住民は日本人感情がいいのだそうだ。

 北方領土返還交渉は言うべきことを堂々と言うことからやるべき。ビザ無し外交のような「べんこふり=おべっか」外交では、タダの日本周遊観光旅行として利用されるだけ。
 「ビザ無し観光」では住民同士で領土問題すら話し合えない。言うべきことを言わぬ、あるいは領土なんてどうでもいいと、日本人はそういう民族だと思われている。ロシアは帝国主義の時代に日露戦争に負けたことをすっかり忘れたようだ。白人国家、それも世界最大の陸軍国だったロシアが当時アジアの小国だった日本と正面から戦って惨敗した歴史をロシアという国は忘れてしまったようだ。
 日露戦争は有色人種の国がはじめて白人の大帝国と戦って勝利した世界史的な大事件である。日本はその後、最強の白人帝国である米国とも戦い敗れたが、その後で、インドを含めてアジア諸国は白人の植民地からの独立を果たす。日本が白人帝国を敵に回して戦い抜いたことで、アジアの植民地の独立が止められない流れになった。インドやインドネシアやミャンマー(ビルマ)はそうした歴史の流れを切り拓いた日本人に感謝している。白人と戦わなかった中国と北朝鮮と韓国が戦後69年たったいまも日本を非難し続けている。いや、朝鮮には日本軍の一人として勇敢に戦った兵士や将校がたくさんいた。成績優秀な若者で特攻隊に参加して散った兵士も少なからずいた。敗戦後もアジア各国に残って独立戦争を戦い抜いた日本人将兵は少なくない。そうした努力と犠牲の上にアジア諸国の現在がある。

 ロシアとは北方領土問題でしたたかに戦う覚悟がいる。べんこふり外交交渉はやめ、言うべきことを堂々と言おう。日本の行動にロシアや中国と領土問題でもめている国々が注目している。

 北方領土返還運動には三つの団体があるようだが、運動の基本戦略を見直すべきではないのか?
*http://www.pref.hokkaido.lg.jp/sm/hrt/hp/dantai.htm

■ 北方領土復帰期成同盟
■ 千島歯舞居住者連盟
■ 北方領土問題対策協会

 北方領土返還運動において、リーダとして根室市長がやるべき役割とはこういうところにあるのではないだろうか。
 20年後に根室には広い教養とたしかな学力と胆力に支えられ、ロシアに終戦時のドサクサにまぎれて奪った北方領土を返せと堂々と言える市長や市議がいる、いやいてもらいたい。そのためにニムオロ塾でいま人を育てている。教育こそが国力の基だ。


<余談>
 この取材記事で一番記者の言いたかったことが最後の質問となっている。北海道新聞記者の「記者魂」を見た思いがする。

 「ふるさと再興」を掲げていますが、2期8年で達成できなかったのですか。


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*#195「少し過激な北方領土返還論」MIRV(多核弾道ミサイル)開発・組み立て・解体ショー
ロシアをぎゃふんといわせ北方領土を返還させるための具体論
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-06-07

 #465「"Japan sent uranium to U.S. in secret"は北方領土返還運動の好機か?」
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-12-30

  #1401「ロシアがフランスから新型軍艦を購入し北方領土へ配備、対抗措置はあるか」
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-03-1

 #1892 映画「マーガレット・サッチャー」と北方領土 Apr. 6, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-04-06

 
#1965 ビザなし交流=通過型観光旅行? June 8, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-06-08

 #1969 北方領土問題コメント(欄)対話(1): ビザなし交流の虚実  June 11, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-06-11

 #1973 ビザなし交流in択捉島 住民交流会:もちつもたれつ  June 14, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-06-14

 #2050 竹島と北方領土 :韓国大統領の竹島上陸にどう対抗する?  Aug. 10, 2012 
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-08-10-2

 #2053 マーガレット・サッチャーと領土問題(2) : 北方領土・竹島・尖閣列島 Aug. 14, 2012
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-08-14

 #2054 マーガレット・サッチャーと領土問題(3) : Aug.16, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-08-16

 #2095 おろかな領土紛争:白人支配終焉のチャンス
  http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-09-28

  #2097 中国や韓国と如何に付き合うべきか
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-09-29

 #2301 実録北方領土ビザなし訪問 :同行医師の記録 May 19, 2013 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-05-19

 #2585 北方領土の日: 現実的な四島返還構想 MIRV開発 Feb.7, 2014 
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-02-07

 #2656 北方領土返還運動:おかしな「元島民」の定義  Apr. 23, 2014 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-04-23

 #2697 ロシアの東と西にある北方領土とウクライナ June 3, 2014 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-06-03-1


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