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#2794 争点整理④: 北方領土問題 Aug. 31, 2014 [25. 根室市長選挙]

 8月30日付北海道新聞根室地域版、シリーズ最終回は北方領土問題である。記者はロシア側から見た根室の発展性のなさ、魅力のなさを切り口に領土問題を多面的にとらえてみせる。ここでも両候補にこれといった政策のないことが明らかにされる。


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 争点整理 
   
根室市長選2014 ④領土

 「ビザなし交流で根室にはじめてきたのは1998年。その後も数回訪れているが、大きく発展した印象はもっていない」
 国後島の女性教師オクサーナ・ペルシナさん(42)は5月下旬、ビザなし交流のロシア側訪問団の団長として根室を訪れた際、きっぱりと語った。一行は、東京スカイツリーや東京都立葛西臨界水族館などを見学後、根室に戻った。「東京はいい経験になった。領土問題の存在は知っているが、国後島は発展しており、日本とはこのままの関係を保ちたい」
 「四島のロシア人島民の間では、かつてのように、根室を通して見る日本への憧れは失われつつある」。市北方領土対策課に専門研究員として滞在する、北大スラブ・ユーラシア研究センターのフランス人大学院生ヤン・ファベネック(29)の目にも「根室は発展の勢いが鈍っている」。ロシア政府は句リール経済社会発展計画(2007~15年)を背景に、島の開発を推進。択捉島では、最新鋭の誘導装置を備えた新空港「イトゥルプ(択捉)」が施設整備を終え、そのスピードには目を見張るものがある。
 一方根室にとって領土問題お解決は、再興の切り札でもある。市幹部はことあるごとに「北方領土が返還されれば、根室は大きく変る。衰退していた経済は改善し、人口減少にも歯止めがかかる」と強調。領土問題が解決すれば全てが解決すると考えている。
 根室市は現在、「北方領土の返還を視野に入れた根室再興ビジョン」を策定している。北方領土と隣接地域が一体的な経済圏を形成するため、生活分野や経済分野、物流分野の各課題を洗い出している。ロシア人島民の円滑な受け入れに向けた、公営住宅の建設なども盛り込む予定だ。
 ウクライナ問題がなければ、秋のプーチン大統領の訪日に合わせ、振興ビジョンを発表し、根室の考え方をアッピールする狙いがあった。また、「国から交付金や補助金を獲得するには、まちづくりの構想が必要。近い将来、国へのプレゼンテーションの材料に使うことになる。(根室市幹部)
 ただ、同様の構想は過去にもあった。旧ソ連のゴルバチョフ大統領が来日した91年4月、市内の返還運動団体でつくる根室市北方領土返還要求推進協議会が「北方領土四島開発プラン」を発表し、空港や港湾整備を計画した。市が着手している振興ビジョン作りについて、根室管内4町のある幹部は「時代は変った。根室市はもっと4町の意見に配慮するべきだ」と注文をつける。
 長谷川俊輔市長、鴨志田リエ氏はいずれも「北方領土の母都市」を強調する。北方領土の原点の地と言われながら、根室市にできるのは、北方領土問題を抱える地元自治体として市民の声を国に届けることと、返還に向けた国内世論の啓発など、限られている。(丸山格史)
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 【ebisuコメント】
<具体的な政策論争無し>
 領土問題に関しても両候補に意見の相違はないようだ。これでは争点にならぬ。北方領土問題を根本に帰って考えてみたい。
 どうすれば北方領土四島返還が実現できるのかという問いを立てるべきだ。目標は四島返還、その実現に向けてどのような戦略があるのか議論すべきだ。やるべきことは企業戦略と何も変らないのだが、そういうことを60年間根室市も領土返還諸団体もやってこなかった。企業戦略策定をやった経験のない者ばかりが集まったからだろう。60年間運動を変えられる能力をもった人材が一人も出なかったことは、組織が硬直化しているか、組織内に人材がいまも枯渇していることを意味する。

<日本外務省予算もちのツアー観光>
 ビザ無し交流の団長殿が数回参加したと発言しているが、2回なのだろうか10回なのだろうか?当初は経済格差のある根室を見せてロシア島民をうらやましがらせるという意味があったが、いまではタダでできる日本観光ツアーへと変貌してしまった。択捉島のロシア人が根室を見てうらやましがるという光景はとっくにない。ビザ無し観光の当初目的は失われた。タダでできる日本観光ツアーはロシア側でも利権化しているのではないか?たとえば、米国政府が米国の予算を投じて毎年何回も1主観の全米ツアーをタダでやってくれると発表したら、参加希望者が殺到するだろう。参加者を選定する団体があるとしたら、そこは利権の巣窟になる。なんかおかしくないか?

<戦略思考の欠如:MIRV開発計画の公表による現状打破>
 わたしはMIRV(Multiple Independently-targetable Reentry Vehicle:多核弾道ミサイル)を開発・組み立て・解体して見せたらいいと何度か弊ブログに書いている。MIRVを保有しているのは米国・ロシア・英国・フランス・中国の五カ国のみである。いずれも国連安全保障常任理事国。
 根室半島と宗谷岬に10基ずつ配備してデモンストレーションしたらいい。国連安全保障常任理事国が動かざるを得なくなる。日本には精製済みのプルトニュウムが43トンある。いまある未処理の原発核燃料廃棄物を精製すればいくらでも原料が調達可能だ。製造に必要な機器も核爆発シミュレーション用のスーパコンピュータも、開発技術も製造技術もすべて国産でそろえられるのは世界中でも数カ国しかない。運搬用のロケットは人工衛星打ち上げで商用段階に入っている。
 MIRVだけでなく、ミサイル誘導に必用な全地球測位システムを瞬時に無効にする技術開発だって可能だろう。要点は具体的な開発計画を公表して予算をつけることだ。国連安全保障常任理事国全てが凝視せざるを得ない。
 5000名もの優秀な飛行士が訓練して神風特攻隊をやった国がMIRVを保有したら、ロシアも中国も北朝鮮も震撼する、なにより玉砕攻撃や神風特別攻撃を体験した米国が一番嫌がるに違いない。つまり、米国や中国が本気でロシアに圧力をかけざるを得なくなるということだ。
 理不尽なことをいつまでも続けていたら黙っていない国のあることを知らしめよ。中国・韓国・北朝鮮を除くアジア諸国は日本がMIRVを保有することを歓迎するだろう。
 根室市議会でMIRVの開発・組み立て・配備要望を可決し、政府に対して提出するだけでいい。実現不可能な要望書の可決だけでも外交上はロシアへの大きな圧力となりうる。2島返還論など消し飛んでしまう。

<排他的な根室市の態度は改めるべき>
 MIRVの話はこれくらいにして、根室市が管内4町と協力的でない点は改めるべきだ。広域ごみ処理問題でも根室市だけそっぽを向いたと以前に関係者がコメントを寄せてくれたことがある。こういう問題でも根室は排他的なのである。領土問題諸団体も引揚者の団体であり、同じ島民でも排除しているところはよく似ている。市長の諮問機関なのにさまざまな「~市民委員会」を詐称して自分に都合のよい人間を任命して、一般市民を排除することが何度も何度も繰り返されている。町の活気が失われるのは当然だ。小さく小さく固まったのでは周りの共感を得られるはずがないだろう、謙虚に反省して、行動を改めるべきだ。

<北方領土が戻れば町は発展するという議論の虚妄>
 "北方領土が返ってきたら、町は活気を取り戻す"そんなことばかり言い続けて、発展のシナリオが書けなかったから、空港は中標津に、人口も十数年で中標津に逆転されるというテイタラクを招いた。
 市の幹部が北方領土が戻れば何もかも解決するようなことをのたまっているが、それは違うだろう。
 すでに中標津に空港があり、択捉島にはさらに立派な空港ができてしまっている。根室市が戦前のように北方四島の物流の中継点になることはなさそうである。札幌へも東京へも択捉島の島民は飛行機で行けばいい。戦前は一隻あたりの漁獲量が根室の3倍もあったそうだから、択捉の漁民は経済的に豊、出稼ぎのヤンシュウからは稼ぎの多さから「宝島」と言われていた。
 択捉島は前浜で獲ったさまざまな水産物を択捉島民が択捉の工場で加工すればいい。根室は製品出荷の中継点となるだけだ。製品が通過していくだけ。払える給料が違い、福利厚生施設や医療が充実するから択捉島の大きな水産加工会社へ根室の女工さんたちが移動することになる。従業員とその家族を大事にする会社のあるところへ人が移る。四島が返還されたら根室の水産加工業は人材難で三つに二つはつぶれるかもしれない。

<四島返還後の根室管内の漁業は大打撃を受ける事実を直視せよ>
 安全操業B区域というのは国後島の前浜である。羅臼の漁師はこの海域で入漁料を支払って漁をしているが、国後島が返還されたら、獲ることはできない。他人の前浜で漁をしたらそれは泥棒行為になるからだ。にわかには信じがたいことだったが、羅臼の漁船が全船GPSを外して越境して漁をしていたことが昨年新聞で報じられた。人間の欲はなかなか自制しがたいものであるようだ。
 北方四島が返還されたら、羅臼の漁師は漁獲量激減で困窮するだろう。違法操業はしなくても安全操業A地域とB地域へ出漁しているから、根室の漁師への影響も小さくない。
 つまり、根室管内の漁師たちは北方四島が帰ってこない現状の方が都合がよい。2島返還で国後島と択捉島が戻ってこないことが根室管内の船主にとってベストチョイスだ。北方領土の面積は5,038平方km。国後島1,499平方kmと択捉島3,184平方kmの2島は北方領土全体の93.0%を占めている。比較のために書いておくが択捉島は沖縄本島は1,206平方kmの2.6倍も大きい。
 北方領土面積の93%を占める国後島と択捉島を外した返還交渉はありえない話だ。7%に過ぎない歯舞群島と色丹島の2島返還でいいならロシアはいつでもそれで決着をつけるだろう。私がロシアの外交官なら、日本人はバカではないかと思うだろう。世界の国々もそう思うに違いない、その結果、日本人の国際的な評価は著しく下がることになる。

<4町協同のプラン作りへ舵を切り替えよう>
 返還後のビジョンをつくるなら、こういう負の側面もしっかり検証しておくべきだ。戦前回帰のような排他的で偏狭なプラン作りではつかいものにならぬ。やるなら、根室管内1市4町で協同でプランづくりをやるべきだ。

<まとめ>
 ①医療、②水産、③教育、④領土と四つの項目をみてきたが、両候補に具体的な政策のないことがわかった。これでは選挙がどのような結果に終わっても、あいかわらず場当たり的な市政が続くということになりそうだ。
 ビジョンやその実現手段である具体的な政策が描けなければ根室の町は夕張市の後を追うことになる。病院建て替え問題をみれば未来がわかる。市民の意見を聞かずに病院建て替えを強行した結果、病院の年間赤字額がさらに膨らみ20億円に達した。3年ごとに病院を新築できるほどの赤字である。一つも問題を解決したことがもっと大きな経営問題を生み出してしまった。市財政にとっては死活問題となりつつある。
 人材の枯渇した町で大きな問題を解決しようとがんばっても、大局観がないから、さらに大きな問題を生み出すことになるだけだ。未来に向かって大事なのは子どもたちの教育である。私利私欲のない思考のできる、心根の曲がっていない大人をつくるためには魂の汚れの少ないうちにしっかりしつけたり教育したりすることが重要だ。大局観をもつためには基礎学力がしっかりしていなければならない、そのためにいま子どもたちの教育が最重要課題なのである。
 市政運営は排他的なやり方を改めて、オープンな市民参加を試してみるとか、別海町、中標津町、標津町、羅臼町と協同して根室管内全域を視野に入れたプラン作りをするとか、現状を打破するような試みを実現する方向へ向かってほしい。いまは具体的な政策を持ち合わせていなくても、当選後は私利私欲や小さな集団の利害にまみれず、しっかり市政を担ってもらいたい。

(ニムオロ塾からは根室の将来を託すに足る人材が数名育っている。心根がまっすぐで私利私欲にとらわれず、しっかりした基礎学力をベースに大局観をもってものごとの判断ができる人材をふるさとに残すことが開塾の目的の一つであった。団塊世代のebisuはなんとかこの目的は果たしえたような気がしている。この町で生まれてこの町で育ててもらったから、ふるさとのこの町のために現役時代の最後の10年間を使って、町の未来に必要な人材を自分の手で育ててみたかった。家族にはたいへん迷惑をかけたが思い通りのことができてebisuは満足している。多少の罪滅ぼしはしなくてはならないようだ。あとはその「罪滅ぼし」とマルクスを超える新しい経済学を創造するというライフワークにケリをつけることだけが残っている。数年の内に天の意志がわたしを別の場所へと誘うのだろう。今までどおり、その流れに身を任せたい。
 30年後はかれら・彼女たちがオープンなネットワークを作りまっすぐな心根でがんばっているだろう。うれしいことだ。)

 北海道新聞根室支局の4回シリーズの記事は、両候補に具体的な政策論争がないことを明らかにしてくれた。それでも市民は選ばなければならない。北海道新聞のシリーズ記事を読み返して2週間しっかり考え抜いて投票をしよう。過去2回は対立候補無しの無投票当選だったが、今回は幸いなことに対立候補があった。新人候補に感謝したい。
 次回はぜひ根室の40代の人が立候補して具体的な政策論争をして市長選挙を戦い抜いてほしい。

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*URLをクリックしても開けないときは頭の番号「#z,zz9」を右側最下段にある「検索ボックス」に入力してエンター・キーを叩いてください。当該記事を含むリストの行列が画面に表示されます。
たとえば、最初の「少し過激な北方領土返還論」は半角で「#195」と入力してください。

*#195「少し過激な北方領土返還論」MIRV(多核弾道ミサイル)開発・組み立て・解体ショー
ロシアをぎゃふんといわせ北方領土を返還させるための具体論
  http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-06-07

 #465「"Japan sent uranium to U.S. in secret"は北方領土返還運動の好機か?」
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-12-30

  #1401「ロシアがフランスから新型軍艦を購入し北方領土へ配備、対抗措置はあるか」
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-03-1

 #1892 映画「マーガレット・サッチャー」と北方領土 Apr. 6, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-04-06

 
#1965 ビザなし交流=通過型観光旅行? June 8, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-06-08

 #1969 北方領土問題コメント(欄)対話(1): ビザなし交流の虚実  June 11, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-06-11

 #1973 ビザなし交流in択捉島 住民交流会:もちつもたれつ  June 14, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-06-14

 #2050 竹島と北方領土 :韓国大統領の竹島上陸にどう対抗する?  Aug. 10, 2012 
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-08-10-2

 #2053 マーガレット・サッチャーと領土問題(2) : 北方領土・竹島・尖閣列島 Aug. 14, 2012
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-08-14

 #2054 マーガレット・サッチャーと領土問題(3) : Aug.16, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-08-16

 #2095 おろかな領土紛争:白人支配終焉のチャンス
  http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-09-28

  #2097 中国や韓国と如何に付き合うべきか
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-09-29

 #2301 実録北方領土ビザなし訪問 :同行医師の記録 May 19, 2013 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-05-19

 #2585 北方領土の日: 現実的な四島返還構想 MIRV開発 Feb.7, 2014 
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-02-07

 #2656 北方領土返還運動:おかしな「元島民」の定義  Apr. 23, 2014 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-04-23



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