#2793 争点整理③ 教育問題 Aug. 30, 2014 [25. 根室市長選挙]
北海道新聞「根室市長選2014争点整理③」は教育である。根室の町の将来にとって最重要なこの問題に両候補とも何のビジョンも政策も持ち合わせていないことを担当記者は行間で語っている。お洒落な構成の記事だ。
8月29日北海道新聞朝刊より
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国立社会保障・人口問題研究所は、根室市の人口が2030年、中標津より1240人少ない2万1571人にまで減少すると推計した。35年には、2万人の大台も割る見通しだ。
この推計に現実味を与えているのが、今も進む根室市の人口減。特に20歳未満は深刻だ。長谷川俊輔市長が初当選を果たした02年9月、全人口の19.9%を占めていたが、10年は同16.6%まで減った。同研究所の予測では30年に9.6%になる。根室市教委は「市中心部は小中学校をそれぞれ1校体制にすることも検討している」とする。
子供の数が減る―。それはイコール、根室の将来を担う人材が枯渇することを意味するのか。
「少子高齢化の流れの中で、学校は地域の将来を託す人材を育てなければならない」。私立歯舞小中学校の滝泰英校長は、長年同校で実践してきた独自の教育について話してくれた。
前身の歯舞中だった1970年代から始まった水産教育。地元・歯舞漁協や住民などの協力で、トキシラズを使ったフレーク作りなど、基幹産業に関心を持ってもらうために力を入れてきた。
本年度は小学1、2年生がアサリ堀りを体験、4年生が特産のコンブが漁獲されてから流通するまでの過程を学んだ。中学生は修学旅行先のJR札幌駅で、同漁協の人気商品「はぼまい昆布しょうゆ」を無料配布。消費地の空気に触れた。
校長は言う。「児童や生徒、保護者の進学に対する考え方にここ数年、変化が現れてきた。教育熱心な漁業者が増え、子どもたちを大学や専門学校に進学させ、経営や専門学校に進学させ、経営や水産などの専門知識をつけさせた後、家業を継がせたいと考える人が増えている」
人材育てる対策急務
一方、根室高は本年度から、毎年十数人と低迷している国公立大学への進学者数を伸ばすため、「ドリカム・プロジェクト」を立ち上げた。同校の鈴木強児教頭は「大学進学者数を増やし、地域のリーダーになる人材を育てるのが最終目標だ」と意気込む。
8月上旬、プロジェクトの一環で道立厚岸少年自然の家で3年生対象の勉強合宿を実施した。大学入試センター試験まで半年、根室を離れ日常の雰囲気を変えた。生徒9人、教師4人が参加。3日間泊り込みで、英語、国語、理科、数学の主要科目を1日8時間以上、勉強した。1,2年生向けの合宿も開く。
同校は2017年度に根室西と統合を控える。山根治彦校長は「根室高は、根室を将来、率いていく人材を育成する役割を担っている。たとえば、医師を外部から招くのがむずかしければ、根室で人材を育てるのも一つの方法だ」と強調した。
国立社会保障・人口問題研究所の人口減の推計は「何も手を打たず現在のままならば」というのが前提だ。裏を返せば、有効な対策を講じれば、未来は変えられるということを意味する。根室の将来を見据えた「教育」を考えたい。(丸山格史)
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<根室高校進路状況>
http://www.nemuro.hokkaido-c.ed.jp//?page_id=31
以下は、上記の表からebisuが集計した。学部が掲載されていないので、判断のつかない情報が含まれているから、おおよその目安と考えていただきたい。
【ebisuコメント】
面白い記事だ。選挙の争点として教育を取り上げながら、両候補の具体的な教育政策に一行の言及もない。教育問題は選挙の争点にはなっていないのである。しかし、この問題こそが根室の未来を決定する最重要な因子であると記者は主張している。その通りだと思う。
<偏差値55以上の国公立大学への進学者数は5~7人>
データの推移を見ながら、話しをしていきたい。
国公立進学者数は減り方が激しい。
21⇒15⇒13
平成23年度は札医大と旭川医大への進学者が含まれている。現役で2名が国公立大学へ進学したのは初めてのことではなかっただろうか。いわゆる「豊年」「当たり年」にあたる。成績上位層の多い年度はその生徒達の中で競争意識が働き相乗効果が出るのだろう。そういう意味では成績上位層の先細りが中学校の学力テストの結果に出ていることが気がかりだ。B中の学力テストの平均点が急に下がったのが、H25年度生徒たち。成績上位層がこの7年間で2~3割に減少してしまったことと、学力テスト平均点が市街化地域の3校で10~40点下がったことを併せ考えると、これから数年間大学進学実績のナカミが悪化するだろう。
数は多いように見えるが、国公立進学者の中で偏差値55以上の大学はおおよそ三分の一、大学進学者数全体では14.6%に過ぎない。同学年全体で見た偏差値55以上の大学進学者の割合はもう少し後で数字を挙げる。
<道外私大進学者数が激減している>
大学進学者数の内訳を見ると道外私大進学者数が激減している。
22⇒13⇒8
地元経済の悪化が東京の大学への進学者を減らしているようだ。東京の大学は道内よりもお金(住宅費および生活費)がかかる。ところが偏差値55以下の大学だと100社以上アプローチしないと正規雇用の職に就けないから、就職試験や面接のために東京方面で就活が増える。首都圏へ何度も行かないとならないから30~100万円程度はかかりそうだ。就職活動にかかる費用と大学へ通う費用合計で考えて用意しておくべきだ、道内に優良な就職先は少ない。
これから消費税アップと物価高が都会で学ぶ大学生たちを襲う。首都圏の大学への進学は今後十年以上減り続ける可能性が出てきた。地元企業に勤務していて子どもを東京の大学へ進学させることのできる経済的余裕のある家庭はごく小数だ。地元企業は従業員とその家族を大切にした経営に舵を切らなければならぬ。そうでなければ親達が自分の子どもを地元企業へ就職させたがらないから、根室の人口が減るのは当たり前だ。移住者を増やそうなどと基本を外したことをやっている場合ではない。ここでも基礎・基本に忠実にやらなければ問題の解決ができないことが明らかだ。
<看護学校への進学者数が激増している>
看護学校が増えている理由は就職が確実なことのほかに二つ理由がある。ひとつは市条例を制定して看護系進学者への奨学金を10万円/月にアップしたからである。二つ目の理由は孝仁会が今年看護学校を新設したことによる。根室高校から7名が大挙進学している。授業料が道内の看護専門学校では一番高そう(初年度納入金は148万円、次年度以降は126万円、三年間合計400万円)だが、その代わりに閾が低くなっている。孝仁会は札幌にも進出するし、根室へも噂が流れている。急ぎ自前の看護学校をもつ必要があるのだろう。三人に一人が根室へ戻ってきてもすぐに供給過剰になりそうな勢いである。根室の地域医療は医師確保と看護師確保が大きな問題であるが、片方は十年しないうちに解消しそうだ。基本的でかつ具体的な手をしっかり打てば問題の山は一つずつ崩していけるのである。
<同学年に占める大学進学者数の割合は28%(全国平均は50%)>
根室の高校生をおおよそ250人とすると大学進学者数の割合は28.3%(212/750)、偏差値55以上(上位3割)の大学進学者数は4.1%(31/750)にすぎず、根室高校普通科で10番までということ。おおよそ半数が偏差値40前後の大学である。就職に苦労している姿が想像できる。
<偏差値の高い大学へ進学した者はほとんど戻ってこない=人材枯渇>
偏差値55以上の大学進学者で根室へ戻ってくるのは数年に一人しかいないのが現実だ。人材の枯渇はとっくの昔に始まっている。市長選挙を見ても、若い人から立候補者が出てこないことに現れている。問題山積みの市政でも地元の若手が一人も手を挙げられないというのが現実だ。自信も喪失しているのだろう。町を盛り上げる市長選挙には立候補しないが、さまざまなイベントには多数の若者たちが集まる。団塊世代のおじさんからはまちづくりの基礎・基本の部分から逃げているように見えるよ。
<今後十年間は・・・:小中高の連携の必要性>
中学生の学力は6年間下がり続けたから、大学進学者数はこれからさらに下がる。高校がいくらがんばっても成績上位層の7年前の三分の一以下に激減してしまっていてはむずかしい。高校だけではどうにもならない現状がある。小中と高校が連携して取り組まなければ三分の一以下になった成績上位層(全国模試偏差値で48以上)を30~40人に増やさなければ国公立進学者数を増やすことはできない。
小学校や中学校がこのままでは偏差値55以上の大学進学者が減り、偏差値40前後の大学進学者数が増える。68%しか正規雇用職に就くことができない。ほぼ確実に正規雇用職につけるのは偏差値55以上の大学である。偏差値40前後の大学や専門学校では五人に一人ぐらいの割合でしか正規雇用の職に就けないと考えて、毎日8時間以上の勉強を半年は続けて在学中から公的な資格を取るとか、必要な努力をした方がいい。偏差値40程度の大学に入学してしまったということは、中高での勉強の努力が足りなかったということだ、優良な公的資格がひとつもなければどうやって企業に自分をアッピールできる?
たとえば、日本商工会議所簿記検定試験2級と英検2級の両方を取得するとか、C++のプログラミングができてTOEICスコア600点というように異質なものを二つあわせもっていれば就職戦線を圧倒的に有利に戦える。偏差値40の大学や専門学校へ進学してそういうレベルの努力ができるのは3%以下だろう。それでもチャレンジしてみるべきだ、大学時代に取れなければ、卒業して非正規雇用の職に就いてからも仕事をきちんとしながらチャレンジし続けたらいい。学生時代に勉強するよりもずっと困難だが、それが人を鍛えることになる。
<根室の町を支える人材のさらなる脆弱化が始まっている>
この数年間で学力下位層が膨らんだから根室に残る若者たちの平均的な学力も下がる。根室の未来にすくなからず影響を与えるだろう。この層はやらなくてはいけなくても嫌いなことはしてこなかった層だから、社会人となってもやらなくてはならないことを辛抱強くやることができない。学力が低くて辛抱力のない人間が増えていく。
根室の町は学力が「中の上」で辛抱強い人たちが支えてきたのだが、そういう人材層が急速に細りつつある。
問題が大きく複雑になればなるほど、専門的な知識や幅が広く深い教養に基く大局的な判断が要求されるから、これからの根室にとっては高学力で辛抱強い人材が不可欠なのだ。十人いれば何とかなる。何人かは育てた。
<ビジョンやそれを具体化する政策はしっかりした基礎学力に裏付けられた大局観がなければならぬ>
この8年間の市政を見てもビジョンがない、一部の企業や人間の利害ばかりに気を使い場当たり的な対応に窮々としてきたようにみえる。市政には広くて深い教養に基く大局観が必要だ。
市長だけではない、市役所幹部にも批判の矛先は向いている。
<大局観のない市政の具体例二つ>
「場当たり的な」と書いたから例を挙げておこう。ひとつは病院建て替え問題だ。これは弊ブログで百回以上も取り上げたからそちらをお読みいただきたい。場所の選定でも総事業費でも業者の選定の仕方でもじつに好い加減だった。
教育問題でいうと、高校統廃合の前に小中学校の統廃合が先行しなければならないのは当然のことだ。根室西高校が2年後に廃校になり根室高校1校体制になる直前に来て市教委は市街地の小中学校を1校にする方向で検討を始めたと北海道新聞記事にある。本来なら、高校統廃合の3年前に市街化地域の中学校が1校にならなければならないし、小学校は9年前に1校体制になっていなければならないのである。ビジョンも大局観もなしに漫然と仕事をしているからこういうテイタラクになる。小中学校統廃合のタイムスケジュールすら出てきていない。
<根室のリーダたちに不足しているものは五つ>
根室の各界・各分野のリーダたちに不足しているのは、
①基礎的学力
②広く深い教養
③大局観
④志の高さ
⑤マンネリを打破する良質の仕事の経験
この五項目を5段階評価にして名前の知れたリーダたちが何点つくか評価してみたらいい。根室の町が50年にわたって衰退し続けた理由がわかるだろう。
担当記者は選挙の争点シリーズにも関わらず、二人の候補者の教育政策に言及していない。教育政策は記者の書いている通り、未来の根室にとって一番重要な問題なのであるが、取材した結果空っぽだったということ。取材記者のがっかりした顔が見えるようだ。
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*#2606 根室の中学校の過去6年間の学力低下を検証する Feb. 28, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-02-27-1
*#2708 根室高校普通科が裁量問題採用へ:ジョークではありませんぞ(笑)
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-06-21
#2728 期待できる小中合同研修(C中):データに基く議論もしてみよう July 8, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-07-07
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*#2792 根室市長選争点整理② 水産 Aug. 28, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-08-28-1
#2790 誤報あり:「争点整理 根室市当選」 2014 Aug. 27, 2014
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#2765 あれ、車運転してる人見たことある! Aug. 8, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-08-08
#2760 根室市長選挙 鴨志田リエ氏出馬表明 Aug. 5, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-08-05-1
#2755 「2040年根室の空家5,000軒?」 Aug. 1, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-08-01
#2740 市立根室病院はどうなるのか? July 20, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-07-19-1
#2737 子ども仮装盆踊り会場に…鴨志田リエ氏が July 18, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-07-18
#2665-12 根室市長選挙の争点:鴨志田リエ氏立候補? July 13, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-07-13-1
#2665-10 根室市長選挙の争点:市の工事に疑惑報道あり June 29, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-06-29
#2665-9 根室市長選挙の争点: 地元経済の活性化 June 15, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-06-15
#2665-8 次の根室市長選挙の争点:学力テスト情報の公開⇒低学力からの脱皮のために June 13, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-06-13
#2665-7 次の根室市長選挙の争点:予算規模縮小のための成果主義評価制度導入 June 11, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-06-10-1
#2698 根室高校と根室西高校の統合問題 June 3, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-06-03-2
#2665-6 次の根室市長選挙の争点:3選出馬表明 May 23, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-05-23
#2665-5 次の根室市長選挙の争点:「市長選挙を無風にしない根室市民の会」 May 22, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-05-22-1
#2665-4 次の根室市長選挙の争点:老人医療問題 May 15, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-05-15
#2665-3 次の根室市長選挙の争点:市立病院をめぐる構図 May 7, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-05-06
#2665-2 次の根室市長選挙の争点:市立根室病院赤字は20億円を超えた?
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-05-03-1
#2665-1 次の根室市長選挙は根室の町の運命の分かれ道 May 2, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-05-01
#2392 根室市議会議員選挙投票日そして結果は?:雨のち夕方曇り Sep.1, 2013
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-09-01-2
#2318 わけのわからぬ「根室市の家計簿」(1):広報ねむろより Jun. 2, 2013
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-06-02
#2247 根室市予算案をチェックする(6): 補助9億円「高すぎる」 Mar. 20, 2013
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-03-19
#2231 根室市予算案をチェックする(4): 成央小耐震改修4億円 Mar. 1, 2013
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-03-1
#2227 根室市予算案をチェックする(2): アカウンタビリティ Feb. 26, 2013
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-02-26
#2226 根室市予算案をチェックする(1):市債発行額24億円 Feb.26, 2013
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-02-25
#2203 明治公園再整備市民委員会:市民委員会は市政翼賛装置 Feb. 9, 2013
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-02-09
#1867 根室に市議はいるか?:市立根室病院の赤字脱却焦点 Mar. 4, 2012
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-03-04-2
<なりふり構わず市債発行増額50億円>
#1856 活性化「なりふり構わず」:北海道新聞根室地域版より Feb. 25, 2012
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-02-25
#1855 「一般会計2.4%増164億円(根室市予算案) :北海道道新聞根室地域版より」 Feb. 23, 2012
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-02-23
*#1788 ベトナム秋刀魚輸出の怪 :杜撰な計画、傑作な市議の質問
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-12-30-1
#1395 根室市23年度予算案:「根室再興」??? Feb. 25, 2011
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-02-25
#1187 無投票市長選 数字で見る根室の課題(2):人口推移 Sep.2, 2010
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-09-02
#727 根室市議選を振り返って
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2009-09-03
<「高校問題検討委員会2014年2月7日報告書」批判>
報告書にはメンバーの名前が書かれていない。こんな重要な問題を議論しているのに、なぜ委員の名前を載せないのだろう?だれがどのような議論をしてこう言う結論になったのかを明記すべきだ。この問題は大きな責任を伴う。
要点を言うと、肝心の統合後の授業についての言及がない。まさか教育に素人ばかりが集まったわけではあるまいし、全国模試偏差値で30~60までの生徒に同じ教科書で授業ができるとでも思っているのだろうか?根室西高校廃校後は偏差値30前後の生徒が40人ほど混ざることになる。具体案のないまま2年が過ぎたら、授業崩壊を起こす。現在の教科書を使ったら偏差値30前後の生徒群は授業についていけない。根室高校1年生がやっている数Aは根室西高校では2年時の科目になっているし、2年次で根室高校で必修となっている数Bは根室西高校では2年生でやっていない。習熟度別にクラス編成してもムダ、同じ教科書を使うことができないことを理解してもらいたい。根室高校普通科の合格最低点を130~150点に設定して、合格基準を公表するぐらいのことをやらなければならない。商業科も同様に合格基準点を公表して、基準に満たない生徒は不合格とするぐらいのことをやらなければならない。それをやらぬというなら対案をだすくらいのことはすべきだ。
こういう問題は閉鎖的な集団で議論するのをやめて、問題に関心のある市民が自由に参加できるように日曜日ごとに繰り返し会議を開いて議論すべきなのだ。
ピントを外した報告書を読んでもらいたい、仕事としてはチョンボだと私は思う。よく見たら、委員会は委員名の明記されない報告書を残して3月に解散したようだ。
このようにさまざまな分野で問題は山積みだが、その仕事の山を崩せる人材が枯渇してしまっている。問題を解決するどころか、また新たな問題を山積みにしてしまったようだ。
高校問題検討委員会だより 平成26年2月7日発行
http://www.city.nemuro.hokkaido.jp/dcitynd.nsf/image/129f43a6348d73f449257a4e0004afea/$FILE/%E5%B9%B3%E6%88%90%EF%BC%92%EF%BC%96%E5%B9%B4%EF%BC%92%E6%9C%88%E7%AC%AC%EF%BC%98%E5%8F%B7.pdf
<余談>
根室から毎年たくさんの若者が高校を卒業して進学し、都会へ出て行って戻らない。根室の人口減少を食い止めるためには、地元出身者が戻って働くに値する職場を確保することが基本であり、根室の外から十数人移住してもらうことではない。
地元企業がオープン経営に舵を切り替えて、社員を大切にする企業へと変貌を遂げたらいい。
たとえば、
①決算を従業員へ公表すること。
②予算制度を導入して、予算達成の場合は社員へのボーナス配分額を明確にすること。
③経理規程や退職金規程をつくり、その通りにやること。
④監査を通常の監査手続きにしたがって厳正にやること。
これら4項目を実施するだけでも地元企業はすいぶん変わる。やれなければ2040年には半数の地元企業がなくなって、人口減少はいまのペースを続けることになる。
地元企業経営者の頭が固すぎる。自分や自分の家族を大切に考え、社員とその家族を大切に考えないから、若者は根室から出て行って戻ってこない。
地元企業を十把ひとからげにするつもりはありませんよ。代表例を一つだけ挙げると、老舗造り酒屋さんのように職員とその家族を大切にしている経営はあります。
でも、旧態依然、改革意欲のない企業が多いことは事実です、これでは意欲のある若者が窒息してしまいます。本音はふるさと根室に戻ってきたい者たちが少なくないのに、人口減少が加速してとまらない現実、もったいない。
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8月29日北海道新聞朝刊より
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国立社会保障・人口問題研究所は、根室市の人口が2030年、中標津より1240人少ない2万1571人にまで減少すると推計した。35年には、2万人の大台も割る見通しだ。
この推計に現実味を与えているのが、今も進む根室市の人口減。特に20歳未満は深刻だ。長谷川俊輔市長が初当選を果たした02年9月、全人口の19.9%を占めていたが、10年は同16.6%まで減った。同研究所の予測では30年に9.6%になる。根室市教委は「市中心部は小中学校をそれぞれ1校体制にすることも検討している」とする。
子供の数が減る―。それはイコール、根室の将来を担う人材が枯渇することを意味するのか。
「少子高齢化の流れの中で、学校は地域の将来を託す人材を育てなければならない」。私立歯舞小中学校の滝泰英校長は、長年同校で実践してきた独自の教育について話してくれた。
前身の歯舞中だった1970年代から始まった水産教育。地元・歯舞漁協や住民などの協力で、トキシラズを使ったフレーク作りなど、基幹産業に関心を持ってもらうために力を入れてきた。
本年度は小学1、2年生がアサリ堀りを体験、4年生が特産のコンブが漁獲されてから流通するまでの過程を学んだ。中学生は修学旅行先のJR札幌駅で、同漁協の人気商品「はぼまい昆布しょうゆ」を無料配布。消費地の空気に触れた。
校長は言う。「児童や生徒、保護者の進学に対する考え方にここ数年、変化が現れてきた。教育熱心な漁業者が増え、子どもたちを大学や専門学校に進学させ、経営や専門学校に進学させ、経営や水産などの専門知識をつけさせた後、家業を継がせたいと考える人が増えている」
人材育てる対策急務
一方、根室高は本年度から、毎年十数人と低迷している国公立大学への進学者数を伸ばすため、「ドリカム・プロジェクト」を立ち上げた。同校の鈴木強児教頭は「大学進学者数を増やし、地域のリーダーになる人材を育てるのが最終目標だ」と意気込む。
8月上旬、プロジェクトの一環で道立厚岸少年自然の家で3年生対象の勉強合宿を実施した。大学入試センター試験まで半年、根室を離れ日常の雰囲気を変えた。生徒9人、教師4人が参加。3日間泊り込みで、英語、国語、理科、数学の主要科目を1日8時間以上、勉強した。1,2年生向けの合宿も開く。
同校は2017年度に根室西と統合を控える。山根治彦校長は「根室高は、根室を将来、率いていく人材を育成する役割を担っている。たとえば、医師を外部から招くのがむずかしければ、根室で人材を育てるのも一つの方法だ」と強調した。
国立社会保障・人口問題研究所の人口減の推計は「何も手を打たず現在のままならば」というのが前提だ。裏を返せば、有効な対策を講じれば、未来は変えられるということを意味する。根室の将来を見据えた「教育」を考えたい。(丸山格史)
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<根室高校進路状況>
http://www.nemuro.hokkaido-c.ed.jp//?page_id=31
以下は、上記の表からebisuが集計した。学部が掲載されていないので、判断のつかない情報が含まれているから、おおよその目安と考えていただきたい。
年度 | 国公立大 | 道内私大 | 道外私大 | 合計 | 看護専門 | |
H23 | 21 | 34 | 22 | 77 | 8 | |
H24 | 15 | 45 | 13 | 73 | 10 | |
H25 | 13 | 41 | 8 | 62 | 22 | |
<偏差値55以上の大学> | ||||||
年度 | 国公立大 | 道内私大 | 道外私大 | 合計 | ||
H23 | 7 | 0 | 7 | 14 | ||
H24 | 5 | 0 | 3 | 8 | ||
H25 | 5 | 0 | 4 | 9 |
【ebisuコメント】
面白い記事だ。選挙の争点として教育を取り上げながら、両候補の具体的な教育政策に一行の言及もない。教育問題は選挙の争点にはなっていないのである。しかし、この問題こそが根室の未来を決定する最重要な因子であると記者は主張している。その通りだと思う。
<偏差値55以上の国公立大学への進学者数は5~7人>
データの推移を見ながら、話しをしていきたい。
国公立進学者数は減り方が激しい。
21⇒15⇒13
平成23年度は札医大と旭川医大への進学者が含まれている。現役で2名が国公立大学へ進学したのは初めてのことではなかっただろうか。いわゆる「豊年」「当たり年」にあたる。成績上位層の多い年度はその生徒達の中で競争意識が働き相乗効果が出るのだろう。そういう意味では成績上位層の先細りが中学校の学力テストの結果に出ていることが気がかりだ。B中の学力テストの平均点が急に下がったのが、H25年度生徒たち。成績上位層がこの7年間で2~3割に減少してしまったことと、学力テスト平均点が市街化地域の3校で10~40点下がったことを併せ考えると、これから数年間大学進学実績のナカミが悪化するだろう。
数は多いように見えるが、国公立進学者の中で偏差値55以上の大学はおおよそ三分の一、大学進学者数全体では14.6%に過ぎない。同学年全体で見た偏差値55以上の大学進学者の割合はもう少し後で数字を挙げる。
<道外私大進学者数が激減している>
大学進学者数の内訳を見ると道外私大進学者数が激減している。
22⇒13⇒8
地元経済の悪化が東京の大学への進学者を減らしているようだ。東京の大学は道内よりもお金(住宅費および生活費)がかかる。ところが偏差値55以下の大学だと100社以上アプローチしないと正規雇用の職に就けないから、就職試験や面接のために東京方面で就活が増える。首都圏へ何度も行かないとならないから30~100万円程度はかかりそうだ。就職活動にかかる費用と大学へ通う費用合計で考えて用意しておくべきだ、道内に優良な就職先は少ない。
これから消費税アップと物価高が都会で学ぶ大学生たちを襲う。首都圏の大学への進学は今後十年以上減り続ける可能性が出てきた。地元企業に勤務していて子どもを東京の大学へ進学させることのできる経済的余裕のある家庭はごく小数だ。地元企業は従業員とその家族を大切にした経営に舵を切らなければならぬ。そうでなければ親達が自分の子どもを地元企業へ就職させたがらないから、根室の人口が減るのは当たり前だ。移住者を増やそうなどと基本を外したことをやっている場合ではない。ここでも基礎・基本に忠実にやらなければ問題の解決ができないことが明らかだ。
<看護学校への進学者数が激増している>
看護学校が増えている理由は就職が確実なことのほかに二つ理由がある。ひとつは市条例を制定して看護系進学者への奨学金を10万円/月にアップしたからである。二つ目の理由は孝仁会が今年看護学校を新設したことによる。根室高校から7名が大挙進学している。授業料が道内の看護専門学校では一番高そう(初年度納入金は148万円、次年度以降は126万円、三年間合計400万円)だが、その代わりに閾が低くなっている。孝仁会は札幌にも進出するし、根室へも噂が流れている。急ぎ自前の看護学校をもつ必要があるのだろう。三人に一人が根室へ戻ってきてもすぐに供給過剰になりそうな勢いである。根室の地域医療は医師確保と看護師確保が大きな問題であるが、片方は十年しないうちに解消しそうだ。基本的でかつ具体的な手をしっかり打てば問題の山は一つずつ崩していけるのである。
<同学年に占める大学進学者数の割合は28%(全国平均は50%)>
根室の高校生をおおよそ250人とすると大学進学者数の割合は28.3%(212/750)、偏差値55以上(上位3割)の大学進学者数は4.1%(31/750)にすぎず、根室高校普通科で10番までということ。おおよそ半数が偏差値40前後の大学である。就職に苦労している姿が想像できる。
<偏差値の高い大学へ進学した者はほとんど戻ってこない=人材枯渇>
偏差値55以上の大学進学者で根室へ戻ってくるのは数年に一人しかいないのが現実だ。人材の枯渇はとっくの昔に始まっている。市長選挙を見ても、若い人から立候補者が出てこないことに現れている。問題山積みの市政でも地元の若手が一人も手を挙げられないというのが現実だ。自信も喪失しているのだろう。町を盛り上げる市長選挙には立候補しないが、さまざまなイベントには多数の若者たちが集まる。団塊世代のおじさんからはまちづくりの基礎・基本の部分から逃げているように見えるよ。
<今後十年間は・・・:小中高の連携の必要性>
中学生の学力は6年間下がり続けたから、大学進学者数はこれからさらに下がる。高校がいくらがんばっても成績上位層の7年前の三分の一以下に激減してしまっていてはむずかしい。高校だけではどうにもならない現状がある。小中と高校が連携して取り組まなければ三分の一以下になった成績上位層(全国模試偏差値で48以上)を30~40人に増やさなければ国公立進学者数を増やすことはできない。
小学校や中学校がこのままでは偏差値55以上の大学進学者が減り、偏差値40前後の大学進学者数が増える。68%しか正規雇用職に就くことができない。ほぼ確実に正規雇用職につけるのは偏差値55以上の大学である。偏差値40前後の大学や専門学校では五人に一人ぐらいの割合でしか正規雇用の職に就けないと考えて、毎日8時間以上の勉強を半年は続けて在学中から公的な資格を取るとか、必要な努力をした方がいい。偏差値40程度の大学に入学してしまったということは、中高での勉強の努力が足りなかったということだ、優良な公的資格がひとつもなければどうやって企業に自分をアッピールできる?
たとえば、日本商工会議所簿記検定試験2級と英検2級の両方を取得するとか、C++のプログラミングができてTOEICスコア600点というように異質なものを二つあわせもっていれば就職戦線を圧倒的に有利に戦える。偏差値40の大学や専門学校へ進学してそういうレベルの努力ができるのは3%以下だろう。それでもチャレンジしてみるべきだ、大学時代に取れなければ、卒業して非正規雇用の職に就いてからも仕事をきちんとしながらチャレンジし続けたらいい。学生時代に勉強するよりもずっと困難だが、それが人を鍛えることになる。
<根室の町を支える人材のさらなる脆弱化が始まっている>
この数年間で学力下位層が膨らんだから根室に残る若者たちの平均的な学力も下がる。根室の未来にすくなからず影響を与えるだろう。この層はやらなくてはいけなくても嫌いなことはしてこなかった層だから、社会人となってもやらなくてはならないことを辛抱強くやることができない。学力が低くて辛抱力のない人間が増えていく。
根室の町は学力が「中の上」で辛抱強い人たちが支えてきたのだが、そういう人材層が急速に細りつつある。
問題が大きく複雑になればなるほど、専門的な知識や幅が広く深い教養に基く大局的な判断が要求されるから、これからの根室にとっては高学力で辛抱強い人材が不可欠なのだ。十人いれば何とかなる。何人かは育てた。
<ビジョンやそれを具体化する政策はしっかりした基礎学力に裏付けられた大局観がなければならぬ>
この8年間の市政を見てもビジョンがない、一部の企業や人間の利害ばかりに気を使い場当たり的な対応に窮々としてきたようにみえる。市政には広くて深い教養に基く大局観が必要だ。
市長だけではない、市役所幹部にも批判の矛先は向いている。
<大局観のない市政の具体例二つ>
「場当たり的な」と書いたから例を挙げておこう。ひとつは病院建て替え問題だ。これは弊ブログで百回以上も取り上げたからそちらをお読みいただきたい。場所の選定でも総事業費でも業者の選定の仕方でもじつに好い加減だった。
教育問題でいうと、高校統廃合の前に小中学校の統廃合が先行しなければならないのは当然のことだ。根室西高校が2年後に廃校になり根室高校1校体制になる直前に来て市教委は市街地の小中学校を1校にする方向で検討を始めたと北海道新聞記事にある。本来なら、高校統廃合の3年前に市街化地域の中学校が1校にならなければならないし、小学校は9年前に1校体制になっていなければならないのである。ビジョンも大局観もなしに漫然と仕事をしているからこういうテイタラクになる。小中学校統廃合のタイムスケジュールすら出てきていない。
<根室のリーダたちに不足しているものは五つ>
根室の各界・各分野のリーダたちに不足しているのは、
①基礎的学力
②広く深い教養
③大局観
④志の高さ
⑤マンネリを打破する良質の仕事の経験
この五項目を5段階評価にして名前の知れたリーダたちが何点つくか評価してみたらいい。根室の町が50年にわたって衰退し続けた理由がわかるだろう。
担当記者は選挙の争点シリーズにも関わらず、二人の候補者の教育政策に言及していない。教育政策は記者の書いている通り、未来の根室にとって一番重要な問題なのであるが、取材した結果空っぽだったということ。取材記者のがっかりした顔が見えるようだ。
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*#2606 根室の中学校の過去6年間の学力低下を検証する Feb. 28, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-02-27-1
*#2708 根室高校普通科が裁量問題採用へ:ジョークではありませんぞ(笑)
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-06-21
#2728 期待できる小中合同研修(C中):データに基く議論もしてみよう July 8, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-07-07
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*#2792 根室市長選争点整理② 水産 Aug. 28, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-08-28-1
#2790 誤報あり:「争点整理 根室市当選」 2014 Aug. 27, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-08-27
#2765 あれ、車運転してる人見たことある! Aug. 8, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-08-08
#2760 根室市長選挙 鴨志田リエ氏出馬表明 Aug. 5, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-08-05-1
#2755 「2040年根室の空家5,000軒?」 Aug. 1, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-08-01
#2740 市立根室病院はどうなるのか? July 20, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-07-19-1
#2737 子ども仮装盆踊り会場に…鴨志田リエ氏が July 18, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-07-18
#2665-12 根室市長選挙の争点:鴨志田リエ氏立候補? July 13, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-07-13-1
#2665-10 根室市長選挙の争点:市の工事に疑惑報道あり June 29, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-06-29
#2665-9 根室市長選挙の争点: 地元経済の活性化 June 15, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-06-15
#2665-8 次の根室市長選挙の争点:学力テスト情報の公開⇒低学力からの脱皮のために June 13, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-06-13
#2665-7 次の根室市長選挙の争点:予算規模縮小のための成果主義評価制度導入 June 11, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-06-10-1
#2698 根室高校と根室西高校の統合問題 June 3, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-06-03-2
#2665-6 次の根室市長選挙の争点:3選出馬表明 May 23, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-05-23
#2665-5 次の根室市長選挙の争点:「市長選挙を無風にしない根室市民の会」 May 22, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-05-22-1
#2665-4 次の根室市長選挙の争点:老人医療問題 May 15, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-05-15
#2665-3 次の根室市長選挙の争点:市立病院をめぐる構図 May 7, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-05-06
#2665-2 次の根室市長選挙の争点:市立根室病院赤字は20億円を超えた?
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-05-03-1
#2665-1 次の根室市長選挙は根室の町の運命の分かれ道 May 2, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-05-01
#2392 根室市議会議員選挙投票日そして結果は?:雨のち夕方曇り Sep.1, 2013
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-09-01-2
#2318 わけのわからぬ「根室市の家計簿」(1):広報ねむろより Jun. 2, 2013
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-06-02
#2247 根室市予算案をチェックする(6): 補助9億円「高すぎる」 Mar. 20, 2013
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-03-19
#2231 根室市予算案をチェックする(4): 成央小耐震改修4億円 Mar. 1, 2013
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-03-1
#2227 根室市予算案をチェックする(2): アカウンタビリティ Feb. 26, 2013
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-02-26
#2226 根室市予算案をチェックする(1):市債発行額24億円 Feb.26, 2013
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-02-25
#2203 明治公園再整備市民委員会:市民委員会は市政翼賛装置 Feb. 9, 2013
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-02-09
#1867 根室に市議はいるか?:市立根室病院の赤字脱却焦点 Mar. 4, 2012
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-03-04-2
<なりふり構わず市債発行増額50億円>
#1856 活性化「なりふり構わず」:北海道新聞根室地域版より Feb. 25, 2012
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-02-25
#1855 「一般会計2.4%増164億円(根室市予算案) :北海道道新聞根室地域版より」 Feb. 23, 2012
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-02-23
*#1788 ベトナム秋刀魚輸出の怪 :杜撰な計画、傑作な市議の質問
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-12-30-1
#1395 根室市23年度予算案:「根室再興」??? Feb. 25, 2011
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-02-25
#1187 無投票市長選 数字で見る根室の課題(2):人口推移 Sep.2, 2010
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-09-02
#727 根室市議選を振り返って
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2009-09-03
<「高校問題検討委員会2014年2月7日報告書」批判>
報告書にはメンバーの名前が書かれていない。こんな重要な問題を議論しているのに、なぜ委員の名前を載せないのだろう?だれがどのような議論をしてこう言う結論になったのかを明記すべきだ。この問題は大きな責任を伴う。
要点を言うと、肝心の統合後の授業についての言及がない。まさか教育に素人ばかりが集まったわけではあるまいし、全国模試偏差値で30~60までの生徒に同じ教科書で授業ができるとでも思っているのだろうか?根室西高校廃校後は偏差値30前後の生徒が40人ほど混ざることになる。具体案のないまま2年が過ぎたら、授業崩壊を起こす。現在の教科書を使ったら偏差値30前後の生徒群は授業についていけない。根室高校1年生がやっている数Aは根室西高校では2年時の科目になっているし、2年次で根室高校で必修となっている数Bは根室西高校では2年生でやっていない。習熟度別にクラス編成してもムダ、同じ教科書を使うことができないことを理解してもらいたい。根室高校普通科の合格最低点を130~150点に設定して、合格基準を公表するぐらいのことをやらなければならない。商業科も同様に合格基準点を公表して、基準に満たない生徒は不合格とするぐらいのことをやらなければならない。それをやらぬというなら対案をだすくらいのことはすべきだ。
こういう問題は閉鎖的な集団で議論するのをやめて、問題に関心のある市民が自由に参加できるように日曜日ごとに繰り返し会議を開いて議論すべきなのだ。
ピントを外した報告書を読んでもらいたい、仕事としてはチョンボだと私は思う。よく見たら、委員会は委員名の明記されない報告書を残して3月に解散したようだ。
このようにさまざまな分野で問題は山積みだが、その仕事の山を崩せる人材が枯渇してしまっている。問題を解決するどころか、また新たな問題を山積みにしてしまったようだ。
高校問題検討委員会だより 平成26年2月7日発行
http://www.city.nemuro.hokkaido.jp/dcitynd.nsf/image/129f43a6348d73f449257a4e0004afea/$FILE/%E5%B9%B3%E6%88%90%EF%BC%92%EF%BC%96%E5%B9%B4%EF%BC%92%E6%9C%88%E7%AC%AC%EF%BC%98%E5%8F%B7.pdf
<余談>
根室から毎年たくさんの若者が高校を卒業して進学し、都会へ出て行って戻らない。根室の人口減少を食い止めるためには、地元出身者が戻って働くに値する職場を確保することが基本であり、根室の外から十数人移住してもらうことではない。
地元企業がオープン経営に舵を切り替えて、社員を大切にする企業へと変貌を遂げたらいい。
たとえば、
①決算を従業員へ公表すること。
②予算制度を導入して、予算達成の場合は社員へのボーナス配分額を明確にすること。
③経理規程や退職金規程をつくり、その通りにやること。
④監査を通常の監査手続きにしたがって厳正にやること。
これら4項目を実施するだけでも地元企業はすいぶん変わる。やれなければ2040年には半数の地元企業がなくなって、人口減少はいまのペースを続けることになる。
地元企業経営者の頭が固すぎる。自分や自分の家族を大切に考え、社員とその家族を大切に考えないから、若者は根室から出て行って戻ってこない。
地元企業を十把ひとからげにするつもりはありませんよ。代表例を一つだけ挙げると、老舗造り酒屋さんのように職員とその家族を大切にしている経営はあります。
でも、旧態依然、改革意欲のない企業が多いことは事実です、これでは意欲のある若者が窒息してしまいます。本音はふるさと根室に戻ってきたい者たちが少なくないのに、人口減少が加速してとまらない現実、もったいない。
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2014-08-30 23:11
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コメント(2)
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釧路高専は現在、根室での入試説明会を取り止め、中標津で実施しています。根室からの進学者が激減し、中標津・別海からの進学者が増えているからです。
学力担保のため、根室高校は間口減をもっとずっと前に打ち出すべきだったんですね。それをしないでいて、結果として高校を失うことになるとは、まさに教育行政の怠慢の最たるものだと私は思います。
人材輩出という視点が、行政の側に驚くほど欠けている。記者さんがご指摘のように、教育こそは未来を変える飛び道具になるものが…。それを前面に掲げる候補者が現れない限り、根室の未来は暗いままでしょうね。
件の女性候補者に密かにご期待しておりましたが、やはりそこはスルーなのでしょうか?勝てる戦いだけに、なんともはや残念だって思いますね…。
by ZAPPER (2014-09-01 21:46)
ZAPPERさんへ
>学力担保のため、根室高校は間口減をもっとずっと前に打ち出すべきだったんですね。
>それをしないでいて、結果として高校を失うことになるとは、まさに教育行政の怠慢の最たるものだと私は思います。
そのとおりですね。4年前に普通科3クラスを2クラスにすべきだった。合格基準点を150点に取れば2クラスにおさまる。
それを3クラスのままにしたものだから、合格最低点が70点前後にまで下がってしまった。
2年半後の統廃合後はさらに問題が大きくなる。根室高校には使う教科書や授業レベルに具体策がないようです。
さっさと具体案を検討すべきです。
現在根室高校普通科は偏差値42~44ですが、38くらいまで下がるでしょう。学力低下はさらに深刻になります。
防ぐ手段は合格最低点を普通科150点、商業科120点に設定することぐらいしかありません。
その点数を取れない生徒は一年間浪人して、勉強しなおしてから入学、学力維持にはそれくらいのショック療法が必要です。
文武両道を唱導する北海道教育委員会も賛成できるのではないでしょうか。ブカツのやり方が正常なものに変ります。
by ebisu (2014-09-01 22:30)