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#2773 上下にはみ出る学力層の生徒をどのように教えるか Aug. 12, 2014 [55. さまざまな視点から教育を考える]

  数学と英語に限っていうと、中間層に焦点をあてた授業をすると、成績上位層の生徒は退屈だし、成績下位層の生徒はチンプンカンプンとなる。
 退屈を我慢して聴いているふりをする、首都圏の有名私立中学を受験する成績上位層の生徒たちは3年間そういう「修行」をしているから我慢強くなる。それほど極端ではないが、根室の成績上位層の生徒たちも退屈なのを我慢して授業を聴いている。たぶんストレスを感じているよ。成績上位層と下位層では読む速度、書く速度、計算速度に数倍差がある学校教育は先生の教え方に関心が行って、生徒の側にあるこういう定量的な問題を見過ごしているように思う

 成績上位層の生徒には高度な知識と難易度の高い問題を与え、成績下位層の生徒には学年を遡って解説するような素晴らしい集団授業をしてる先生がいるかもしれない。だが、現実はそういうウルトラC何度の授業ができる先生はメッタにいない。だから、わたしたち普通の教師がやることは当たり前のことを当たり前にやるだけ。
 個別指導では私の場合10人までくらいならこなせるが、20人同時には無理。10人の個別指導でもかなり遡らないとダメな場合は個別補習をしている。生徒のプライドの問題があるから、他の生徒のいるところではできないケースもある。
 1ヶ月あるいは週に1度でもブカツを休めたらしっかりやれるのだが、自分で先生に申し出てブカツを週に一度休んで放課後塾に来る生徒は非常に少ない。もともと家庭勉強習慣のほとんどない生徒で読書スピードも、書くスピードも、計算スピードも著しく遅い者が多い。本を読まないこと、家で勉強しないことなどが習慣や性格にまでなっていると、門戸を開いてあげてもなかなか救えないのである。
 ブログ「情熱空間」が上下にはみ出る生徒をどのように指導すべきかを具体的に論じているが、こういう議論は学校や教育行政ではなされているのだろうか?

 ブログ「情熱空間」より
http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/7443088.html
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2014年08月09日

学習指導の限界値を広げるために

上位・中位・下位を2:6:2と仮定した場合、中位の6割に照準を当ててしまうと、上下それぞれ2割の計4割が上と下にはみ出してしまうことになります。上下それぞれ2割の半分までフローできたなら、およそ8割は授業でまかなえますが、それでも計2割は上と下にはみ出してしまうことになります。

思うに、塾講師の指導力とはその上下の幅を巧みに捉え続け、持てる「引き出し」をフル動員して、上下にはみ出る子を授業の中においてフォローしていくこととなりそうです。ただ、教科の特性というものがあって、例えば英語や数学は学力の個人差が極めて大きいため、一筋縄ではいかない局面が多いものです。つまりこうした結論になります。上下にはみ出る子に対しては、本来は個別にフォローが必要。

しかし、上にはみ出る子は、当然ながら自力でグイグイ進める力があるわけですから、基本、放置したままでも何ら問題は生じないんですよね。「もっともっと上を目指せるはずのものが、放っておいたら思ったほど伸びなかった…」となって、おしまい。といったものでしょう。問題は下にはみ出る子です。これまた当然ながら、自力では進めることができないわけですから、一定期間は《伴走》が必要になります。つまりは補習です。

どんなに熟練の塾講師が授業をしたとて、下にはみ出る子に対しては補習ないしは個別授業を施さない限りは、学力向上など望めるべくもないんです。つまずきを解消し、勉強の仕方を伝えるためには、《伴走》が必要なんです、《伴走》が。そしてその《伴走》は、期間限定でこと足りるわけなんです。一定期間、せいぜい3ヶ月程度、たったそれだけの期間、個別にフォローしてあげればいいんです。

限られた授業時間内での勝負。それが本筋でしょう。でもしかし、2:8(2:6:2)の法則の通り、必ず序列が生じてしまうものであって、そこにきちんとフォローを入れてやらなければ、その序列が見事なまでに固定化されてしまうわけなんですよ。そして、往々にして「(子ども達を)分かったつもりにして、おしまい」といったことになってしまい、上にはみ出る子にも下にはみ出る子にも不満を残してしまうことにつながってしまうんです。

というわけで、どうぞ《伴走》をしてあげて下さい。一斉授業では見えなかった、つまずきのパターン、穴になっている箇所、手順の取り違え、そうしたものが見えるようになるし、それはまた自身の一斉授業へ強力にフィードバックされるノウハウになるんです。《伴走》は、確実に授業力を磨くものなるんです。ですから、どうか面倒がらずに《伴走》をしてあげて下さいませ。

●指導の及ぶ・及ばない
http://www002.upp.so-net.ne.jp/singakukouza/jijimonndai.html#Anchor-10496

《引用開始》
下に外れる子、上に外れる子

 どんなに一生懸命指導したところで、なかなか直らない、という子が存在します。何度注意されても宿題をやらない、私語はいけません、と言われているのになかなかやめない、こんなタイプの子は「必ず」と言っていいくらい存在します。そして、例えば、40人のクラスであれば、以前は、こういう子は2~3人くらいでしょうか、そのくらいの割合で存在していました。先生が必死になって指導しても、どうしても直らない子~状況として「下に外れている子」です。

 ところが、最近は、こういう子の割合が増えてきているんでしょう。宿題をきちんとやってくる、という子自体、減ってきていて、おそらく、酷いところだと、半数以上がこの状態なのではないでしょうか。ただ、大抵は「小学校のときのしつけ」が大きな原因だと思います。小学校のときに「家で好きな事をやっておいで」で過ごして来た子に、ここまできちんとやりなさい、と言ってもなかなか出来るようにならないでしょう。当然、中学校に入って、急に「ここからここまで、家できちんとやってきなさい」と言ったところで、本人はアップアップしてしまうんでしょうね。
 ですから、学校でもきちんと宿題の提出率をきちんと把握し、その提出率を100%に近づける努力をしなければならないだろうと思います。そこまできちんとやらないと、本当に「下に外れる子」の状況を理解できないからです。

 さて、それとは逆に、学校でいくら雑な授業をしていても、自分から勝手にどんどん勉強してしまう~もしくは、塾などに通って、しっかりしたものを身につけてくる子もいます。こういう子も、下に外れている子と同様に「先生の指導が届いていない」と判断するべきで、こういう子は「上に外れている子」と考えてください。

 そして、ここからがちょっと恐ろしい事なんですが、教育大では、この「上に外れている子」を想定して授業を展開していこうとしています。それが「反転学習」というやつです。要するに「先生は教えず、生徒が自分で勉強を進める」というスタイルなんです。これだと「下に外れている子」どころか「普通にしている子」もまともに出来るようにはなりません。「上に外れている子」でなければ学力はつきません。

 今までも、箸にも棒にもかからないような授業~例えば、行き当たりばったりで授業を進め、結局、進度が追いつかないと「後は自分で家でやって来い」式の授業~を行っていても、塾などで自分でしっかり勉強して、きちんと進学校に合格していった子がいたわけです。そして、その子の状況を見て教授は「家庭環境が良かった」と判断を下し、自分たちの指導の行き届かなかった子であるにも関わらず、そういう子を育てよう、ということになるんです。だから、家庭環境を良くするという名目で「職業体験は各家庭で探してください」という、世間の感覚からずれたことをやり出すわけです。ハッキリ言って、自分たちが授業をしようがしまいが、勝手に学力をつけていく子ばかりなら、その方が教師としても楽ですから、そんなところばかり見るようになってしまっているんですね。

 正直に言うと、子供達を教える、という場合も限界があって、その教員のキャパシティからずれてしまう子というのは、必ず出て来るんです。となれば、一番最初に考えなければならないのは「まず、自分の指導力の及ぶ範囲の子をしっかり育てて行こう」というのが当たり前ですよね。それを自分の指導力から外れている子を想定して授業を展開しようなんていうのは、論外なんです。自分の指導力から外れてしまっている子へは、せいぜい、いろいろな面で意識付けを行うくらいしか出来ないんです。そうやっていく中で、少しずつ、自分の授業力を上げ、キャパシティを広げていくしかないんです。

 何かの機会に、大学教授や教師から「教師がほとんど物を言わず、生徒が学力をつけています」という内容の発言があったら、これは「反転学習をやろうとしているんだな」と思っていて構いません。そして、こういう事を野放しにしていたら、結局、被害者は「子供達」ということになります。気をつけてください。
《引用終了》

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コメント 4

ZAPPER

今日は根室出張(日帰り)でした。
釧根の大自然は、本当に本当に素晴らしいですね!

足を伸ばして落石まで行ってみました。根室からのあの道路、本当に素晴らしいですね!ライダー大感激!ですよ。行き止まり近くの雑貨屋さんで尋ねたのですが、「魚介類の販売所は、この辺にはない…」とお聞きし、ガッカリしました。(買いたかったのに)なんともったいない…。

風蓮湖にしても春国岱にしても、スワン44やネーチャーセンターがあっても、いかにも勿体無い。自治体による宣伝PRが下手すぎ(失礼)で、魅力の十分の一も伝わっていない!嗚呼、勿体無い!って思いました。

ご紹介いただいたブログ記事ですが、わざわざこの地まで観光に来てくださる方々って、まさしく上にはみ出す《2割層》だって思います。ですからどうぞ、これでもか!これでもか!ってな、マニアックな観光情報の発信を!

はい、我が釧根がものすごーく苦手な部分(笑)ですけれど!(^^;;
by ZAPPER (2014-08-12 22:16) 

ebisu

無農薬栽培のフルーツトマト、たくさんありがとうございます。
トマトの好きな生徒が喜んで食べてました。
「あまい!」
「うわ、おいしい」

製造はOK、今度は販路開拓に挑戦ですか。
釧路の青果市場にだすのではコストが引き合わないかもしれませんね。
生協とタイアップしたらどうでしょう。
無農薬ですから「生活クラブ」がいいと思います。
本部に電話して話してみたらどうでしょう。
北海道生活クラブは札幌にあり、
電話011-665-1717
ホームページは
http://www.s-coop.or.jp/
by ebisu (2014-08-12 22:52) 

ebisu

販売所を持っている漁協は湾中漁業協同組合だけですね。「カオット」といいます。そちらから来ると、温根沼大橋を渡り500mくらい、道路の右側にあります。
根室漁協組合や歯舞漁業組合、落石漁業組合が直販したら観光客にはありがたいでしょうね。
それぞれ販売所を置けないなら、「スワン44」に協同で販売コーナを設置するくらいの意気込みがほしいですね。
市の観光課?商工課?企画担当部署、どこでもいいですが、おやりになったらいい。
by ebisu (2014-08-12 22:57) 

ZAPPER

なるほど、その手がありましたか!ありがとうございます。

思うに、農業も漁業も本当にすばらしい「食材」を生産・出荷しているのに、どうにもこうにも販売そのものと付加価値作りが苦手なのが北海道、とりわけ道東なのでしょうね…。(十勝は、例の「フードバレー」のPRで、一歩も二歩も先に進んでいます)

最近は、「こうなりゃ、市場を作っちまおうか?」「良いものなのに、頭を下げて買ってもらうなんておかしい!」などととんでもないことも考えるようになりました。場所を提供して、販売する「食材」を持ち寄ってもらうんです。

話がだんだんとデカくなってきました。^^
by ZAPPER (2014-08-13 10:19) 

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