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#2754 『テラフォーマーズ』 『東京喰種』 『バジリスク』 July 31, 2014 [44. 本を読む]

 生徒たちが漫画の本の話しをするのでどういうのが彼らの好みなのか借りて読んでみた。
 ①テラフォーマーズ (作:貴家悠、画:橘賢一
 ②東京喰種 (石田スイ)
 ③バジリスク (せがわまさき)

 ①は火星の環境改造のために人類はゴキブリとコケを送り込んだが、ゴキブリが異常な進化を遂げて、人間に脅威となる。人類は昆虫の遺伝子を組み込んだハイブリッド人間を作り出し、火星へ送る。そこで人型に進化したゴキブリと人類の戦いが始まるが、さまざまな国同士の思惑が絡む。昆虫の種類は多いから、これからも新種のハイブリッド人間がいくらでも現れそうだ。著者は昆虫に詳しい。もちろんたくさん昆虫に関する本を読んでいるのだろう。ヤングジャンプ連載中の漫画だ。
*テラフォーマーズ(ウィキペディア)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%82%B8%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%82%AF_%E3%80%9C%E7%94%B2%E8%B3%80%E5%BF%8D%E6%B3%95%E5%B8%96%E3%80%9C

 ②の東京職種の主人公金木研は意図的に起こされた鉄骨落下事故で「喰種」の赫子(かぐね)を移植されてしまう。その結果、喰種と人間のハイブリッドになる。
 食物連鎖の頂点に居るのは人間だが、その上にグールという食人種をもってきたのがこの漫画だ。食物連鎖の頂点から第2位に落ちた人類の心理と対策、そして頂点の座にいるグールたちの心理と行動が上手に描かれている。「赫子」は4種類ありそれぞれ特徴的な超能力を備えている。じゃんけんのグーチョキパーのようにそれぞれに優劣がある。
 絵よりもストーリーが格段にすぐれている。絵が描けて良質のストーリを展開できる漫画家はすくないから、作者の石田スイは希少種だろう。
 絵はデジタル作画だ、パソコン画面で仕事をしている。高校の同期で『ゴルゴ13』で有名な斉藤タカオの一番弟子になった神田猛というのがいるが、もちろん紙に描いていた。いっぱい写真をとって背景を丹念に描いていた。背景に手を抜かないところが劇画の真骨頂かもしれない、職人仕事である。たまに背景処理の手抜きがあるが、締め切りに追われたのかな?最初は一人で描いていたようだが、いまは何人もアシスタントを抱えている。漫画制作技術も進化している。技術の進歩が作画の質にも影響していくから、10年後30年後にどうなっているのだろう?
 単行本の7をこれから読むが、ヤングジャンプ連載中の漫画である。
*赫子の種類解説
http://www.omoshironeta.com/?p=456

 ③はSF作家の山田風太郎の『甲賀忍法帳』が原作の時代物だ。原作がしっかりしているが、作画もそれに負けていない。女の忍者の描きかたがいい。ストーリは徳川三代目のお世継ぎを決めるために、伊賀と甲賀の忍者それぞれ10人を争わせるというものだ。伊賀が勝ち残り竹千代が世継ぎと決まるのだが、ラストシーンがいい。近松門左衛門の『曽根崎心中』を髣髴とさせる。
 甲賀の頭領と伊賀の頭領(女)が恋をしているという設定になって、純愛物に仕上がっている。さまざまな超能力をもった忍者が争う様は原作の筋のよさが現れている。
*バジリスク(ウィキペディア)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%82%B8%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%82%AF_%E3%80%9C%E7%94%B2%E8%B3%80%E5%BF%8D%E6%B3%95%E5%B8%96%E3%80%9C

 三つに共通するのは超能力である。超能力願望が男の子達には強いのだろう。高校1年生のときに連載が始まった石の森章太郎の『サイボーグ999』という漫画があった。特殊能力をもつ9人のサイボーグの物語である。累計1000万部も売れたシリーズだ。団塊世代には懐かしい人が多いだろう。手塚治の『鉄腕アトム』から石の森章太郎の『サイボーグ999』はこの手の漫画の世代交代を意味していた。21世紀は新しい書き手達がデジタル作画で競う、とれが「古典」の仲間入りをするのだろう。

<漫画も読め、そしてその勢いで硬い本も読み漁れ>
 ついでに書いておく。2006年胃癌の手術のために入院中まで週刊紙の漫画を読んでいたのだが、退院したら興味がなくなった。それ以来週刊紙の漫画は買って読むことがなくなった。面白いと感じなくなったからだ。面白くないと感じたらそれは感性の老化の表れ、そう感じたら週刊漫画誌の愛読をやめようと決めていたのだが、それが入院したときに突然訪れた。
 中1のときに光洋中学の同期550人では絵を描かしたらナンバーワンのT.kが少年マガジンか少年サンデーを学校にもってきた。それ以来のこの二つの週刊誌は30代半ばまで読んでいた。その後ビックコミックやヤンジャンに変わった。だからebisuは経済学、哲学、言語学、システム工学などの本ばかり読んでいたわけではない。バランスをとるように小説や文学そして漫画の本も読み漁っていた。手塚治の『鉄腕アトム』『ブラックジャック』『火の鳥』『ブッダ』、斉藤タカオの代表作『ゴルゴ13』シリーズは50冊を超えている。同級生の神田の代表作である『御用牙』も・・・とにかく漫画はよく読んだ。たくさん読むことで目が肥えてくる。
 中高生諸君は漫画だけでなく硬い本もたくさん読んでもらいたい。たくさん読むと目が肥えてくる。濫読に優る読書法はないのだろう。


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