#2753 上海福喜食品対米国産牛肉:どっちもどっち? july 30, 2014 [91.経済]
潜入取材のはずが、工場で働く人が現場で作業をしながらカメラに向かった質問に答えているという不自然さは何を物語るのか?
ロイターが24日に配信したニュースコラムでは次のようになっている。
http://jp.reuters.com/article/jp_column/idJPKBN0FU06A20140725
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中国食肉問題、外国企業の隠れた「病巣」に警鐘
・・・ケンタッキーフライドチキン(KFC)を運営する米ヤム・ブランズ(YUM.N: 株価, 企業情報, レポート)と米マクドナルド(MCD.N: 株価, 企業情報, レポート)には、中国企業・上海福喜食品から期限切れの食肉が供給されていた。上海福喜は親会社の米食品卸売会社OSIグループが厳しく安全を管理していたはずだが、古くなった肉の流出は防げなかった。
中国のテレビ報道で明らかになった上海福喜の工場での危ない習慣をヤムやマクドナルドが知っていた兆しはない。また、他の工場が影響を受けているという形跡もない。
しかし今回の問題は、特にヤムにとっては面目をつぶされた格好だ。KFCで使用していた鶏肉からは2年前にも過剰な抗生物質が検出されており、対策が強化されていたに違いないからだ。
過去の成功がこうした危機をさらに悪いものに見せる。外国企業の締め出しは多くの中国人従業員の利益にはならないが、それでも大手外資系企業は格好の政治的なターゲットとなる。また、消費者にとっては期待が裏切られたことを意味する。安全だという認識があるから外国企業に高値を払うというのは、中国の豚肉加工大手、万洲国際(WHグループ、旧社名・双匯国際)による米スミスフィールド・フーズ買収でも示されていたことだ。
しかし、成長は時として、過失の見過ごしも意味する。英製薬大手グラクソ・スミスクライン(GSK.L: 株価, 企業情報, レポート)は、中国法人の贈賄事件で刑事捜査を受けている。グラクソは自社のコントロール外で贈賄が行われたとしているが、中国の複雑な官僚組織を解読する難しさを考えれば、外国企業のトップが本社で警告サインを見逃していても不思議はない。
他の大手外資も用心が必要だ。例えば、米金融大手JPモルガン・チェース(JPM.N: 株価, 企業情報, レポート)は、中国で政府高官の親族を採用するなど不適切な慣行があったとして、米当局の調査対象になっている。米国では当局との和解もあり得る話だが、汚職撲滅運動を強化する中国ではより厳しい調査を受ける可能性もある。 続く...
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<品質管理体制の問題>
中国の会社に食品生産に関わる仕事を委託するときは、定期的なチェックではだめだということだろう。品質管理要員を数名常駐させて監視しなければいけないということ。コストアップになる。
マグドナルドは世界中から一番安い原材料を調達するのを社是としているようだ。品質は問わないというわけではないだろうが、20年以上も前から、いろいろと噂はあった。それが現実になった。
日本マグドナルドは今年の売上がどれぐらい落ち込むか予測のつかない状況がしばらく続く。コスト最優先で世界中から原材料を調達しているから、何が混ざっているか知れたものではない。消費者の信頼を取り戻すために、どういう具体策をとるのか注目したい。
根室にはマグドナルドがない、あるのはモスバーガーだけ。最近、釧路のマグドナルドで食べた中学生が、「マグドナルドはもうたべない」と言っていた。
利潤増大が至上目的になるとこういうことが起きる。
「売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よし」
<商売にかかわる価値観の相違>
品質管理は定期的に実施すればそれで十分だというのが日本国内の企業。帳簿の改竄までして偽装するなんて商売は基本的にやらないのが日本の企業。しかしそれも怪しくなっている。食肉偽装事件は日本でも起きている。起こした企業は買い手の信頼を失いつぶれている。
会社ぐるみで偽装されたら、発注元の会社のチェックは効果のないものになる。そういう不正はしないという信頼関係でビジネスが成立っているのだが、その基本のところが信頼できないのでは、取引をやめたほうがいい。
食品に関しては自国で生産したものを消費するのが一番いい。「売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よし」という価値観を共有している者が加工していれば安心だ。もうかりさえすればなんでもありという価値観があたりまえの国で生産された食品は危険だ。
食品生産に関しては、鎖国が望ましい。グローバリズムは食品の安全性に関して大きなリスクを孕んでいる。
<知らぬが仏>
中国の食肉問題など小さいかもしれない。米国では食肉に関しては'rendering plant(動物飼料精製工場)'が一つの産業として確立している。そのひどい実態は上海福喜食品など物の数ではない、実態を知ったらあなたは米国産牛肉を食べることができなくなるだろう。
レンダリングプラントには屠殺場で処理されて廃棄された内臓や頭部が運び込まれている。大腸には糞便が詰まっている。頭部にはもちろん脳も含まれている。保健所で殺処分されたペットもレンダリング業者が引き取る。道路で死んだ犬や猫や鳥や馬や鹿や熊・・・。病気で死んだ牛もレンダリング業者が引き取る。それらすべてを粉砕して蒸気で熱処理されて肉骨粉という半製品ができあがる。その半製品はペットフードや家畜飼料に混ぜられる。
狂牛病の原因は異常プリオン蛋白だった。感染原因はウィルスでも細菌でもない。それは煮ても焼いてもだめだ。1g食べただけで人間にも感染する。そういう飼料を食べて米国の牛は育っている。グローバリズムとはそういう風にして低コストで育てられた家畜が屠殺されて、食肉として世界中の家庭で消費されるということだ。
なにもしらずに食べてはいけない、米国の牛は何を食べて育っているのかを知ろう。
<グローバリズム対鎖国>
グローバリズムはごめんだ、食品に関しては純国産がいい。値段が高くとも安心安全な日本産の食肉を食べよう、いや、肉食はできるだけ少なくして魚や植物原料のものを食べよう。
食品の安全性のリスクが大きいTPPは不要、鎖国(強い管理貿易)が日本のとるべき道だ。
*アメリカ産牛肉の実態
http://agri-1.com/2012/04/post-266.html
レンダリングプラント
http://blogs.yahoo.co.jp/dede925jp/50587652.html
「屠殺・・・解体される牛」「生きたままシュレッダーにかけられる病気の牛」
http://saisyoku.com/index.html
レンダリング工場の閉鎖された日
http://www.fujikagaku.co.jp/rendering/whats-rendering/post_25.html
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2002年に出た本だがすでに絶版になっている。米国の肉牛生産の実態がレポートされている。
まだ、肉を食べているのですか―あなたの「健康」と「地球環境」の未来を救う唯一の方法
- 作者: ハワード・F. ライマン
- 出版社/メーカー: 三交社
- 発売日: 2002/11
- メディア: 単行本
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