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#2684 福島第二原発の奇跡:特攻精神は生きていた May 25, 2014 [13. 東日本大震災&福島原発事故]

 報ステSUNDAYで先ほど(5/25 11時から20分間)、2011年3月11日からの数日間福島第二原発で起きたことを特集していた。こんな話ははじめて聞く、どこかで何か不都合なことがあって隠されていたのか?情報隠しは好い加減にしてもらいたい。情報が出てくるまで3年もかかっている。
 メルトダウンを防いだ増田所長と「チ-ム増田」に国民栄誉賞を贈呈したい。

 福島第二原発は福島第一原発と12kmしか離れていない、まったく同じ事象が進行中だった。片方はメルトダウンと爆発を繰り返し、片方はギリギリでメルトダウンを回避した。現場で働く人々の命を捨てた努力と適切な現場指揮があったから、メルトダウンが避けられた。福島第一原発では9割の人が現場から逃げたが、福島第二原発はそうではなかったようだ。

 中央制御室がブラックアウトし、原子炉建屋の電源もブラックアウトしてからベントの2時間前まで、決死の電源回復作業がなされていた。中央制御室が電源喪失すると原子炉にとりつけられた計器の情報を知ることができない。推量計をはじめ原子炉内部の状況を精確に知らなければ適切な対処ができないのである。
 通常だと1ヵ月かかる電源ケーブル敷設工事を、一日で成し遂げ、ベント2時間前に完了した。できるかできないかの議論をせずにとにかくやるしかないと決意した。間に合わなければ作業している人たちはベントによる高線量被爆が避けられない。そういう緊迫した環境で「チーム増田」は2mごとに並んで5cmほどの太さの重たい電源ケーブルを担いで敷いたのである。昼夜ぶっとうしの決死の作業だった。これをやらなければたくさんの地域住民が大量の放射能を浴びる、なにがなんでも止めよう、命を捨てても仕事をやり遂げようという、無茶な心意気で仕事をした人間がたくさんいた。
 6日後には30年前の原発建設工事のときに川から敷いた導水管を瓦礫の中の材料で穴を塞ぎ、原子炉冷却水に使った。これがなければ電源が回復しても原子炉の冷却はできなかった。

 これはまるで戦時中の「神風」「特攻」と同じではないか。自分の家族や郷土を守るために自分の命を平然と捨て去る決意をしてことに臨んだ男たちがいた。「チーム増田」というようだが、事情をよく知っている米国の原子力専門家から激賞されている。かれらは言っている、「メルトダウンを奇跡的に回避した福島第二原発の事例から学ぶべきだ」と、それなしに原発再稼動などありえないとも言っている。どうしてこういう情報をマスコミがいままで大々的に報道しなかったのだろう?情報統制の臭いを感じる。

 増田所長は昨年3月で定年退職している。退職日に「チーム増田」のメンバーの仕事場を回り感謝の言葉をかける姿がテレビに写っていた。増田所長はチーム増田が被爆するなら、自分も運命を共にする覚悟で指揮していただろう。困難な仕事を命じるときに、指揮官にはそれなりの覚悟が要求される、命を捨てる覚悟だ。それがなければ人は動かない。

 メルトダウンの危機が迫ったときにそれを収拾出来るのは、命を捨ててもメルトダウンを防ぐという覚悟があるかないかも不可欠な要素だということだ。
 命を捨てる覚悟の特攻精神が通常では不可能な仕事を可能にし、福島第二原発をメルトダウンの危機から救ったことは銘記しておきたい。

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 昨年11月に出版された本を紹介したい。この本の読後感想文を今夜か明日にもアップする。5700名の特攻隊員の崇高な犠牲の上にいまがある。かられがどんな思いで死を決意し、粛々と死んでいったのかを平和な日本で暮らしているわたしたちは知る義務がある。

日本人はなぜ特攻を選んだのか (一般書)

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  • 作者: 黄 文雄
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2013/11/21
  • メディア: 単行本

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