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#2670 英文和訳問題(2) Gone with the Wind より May 7, 2014 [81.Gone with the Wind]

 1ページ目の文でもう一箇所引っ掛かった。段落ごとにノートに英文を転記し、わからない単語の意味を辞書で引き、単語の上に小さな字で意味を書き込んでは文意をつかんでいるようす。意味がわからないと手が止まり、考えに詰まると「お絵描き」がはじまることもある。意識を問題から話す作業なのだろう。同じ視点から見たのでは暗礁に乗り上げたままになるから、いま焦点を当てている箇所からピントを外さないといけない。そんなことを10分ほどやっていた。おもむろに「ぜんぜん意味がわからない、先生教えて!」とギブアップ宣言。
「どの文だ?」
「ここ、この箇所、こう訳したんだけど、意味ヘンだし」
 なるほど高校生や大学生が和訳するときにこの手のことでよく引っ掛かる。この生徒、問題箇所を見つけるのがほんとうに上手だ。

 文脈の参考に前後の文を示しておく。質問の箇所はアンダーライン部分である。
 辞書を引いた結果、「日本語にならない」「意味がさっぱりわからない」というのである。できたら何に問題があるのかまで考えてほしい。

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 Her new green flowered-muslin dress spread it twelve yards of billowing material over her hoops and exactly matched the flat-heeled green morocco slippersher father bought her from Atranta. The dress set off to perfection the seventeen-inch waist, the smallest in three counties, and the tightly fitting basque showed breasts well matured for her sixteen years. But for all modesty of her spreading skirts, the dematureness of hair netted smoothly into chignon and the quiteness of small white hands folded in her lap, her true self was poorly concealed. The green eyes in the carefully sweet face were turbulent, willful, lusty with life, distinctly at variance with her decorous demeanor. Her manners had been imposed upon her by her mother's gentle adminitions and the sterner discipline of her mammy; her eyes were her own.
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 文の前半は前回場面の説明をしたので、再掲しておこう。
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 背が高いからいくらウェストが細くても60cmくらいありそうなのに、さらに締めあげて17インチ(43センチ)に絞っている。腕力のある奴隷の召使女がスカーレットのウェストを締めるシーンが他のところで出てくるが、どんなに苦しいだろう、これだけでもずいぶんな努力と忍耐を要する。12ヤード(11m)もの薄手の花柄のある緑色の絹の生地を波打つように使ったドレスとそれに色を合わせたモロッコ風のぺったんこな上履き、どちらも父親がアトランタから買い求めてきたものだ。三郡でナンバーワンのくびれたウエストのスカーレット。オッパイはしっかり大きくなって成熟した女の魅力を振りまいている。
 タールトン家の双子の息子の背丈は6フィート2インチ(6*30.38+(30.48/12)*2=187.96cm)、乗馬とダンスが得意な精悍なタイプの青年。本はほとんど読まない。
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 前置きはこれぐらいにしますので、チャレンジしてください。




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               ― 余談 ―
 平井呈一の訳を味わってもらいたい。日本人の口から出たらこういう日本語になるだろうという翻訳である。後志のおじさんが、#2664の投稿欄で翻訳にタイプが二つあることを教えてくれた。
意味的等価と形式的等価である。平井の訳は「意味的等価」、『風とともに去りぬ』の訳者である大久保康雄と竹内道之助は「形式的等価」を選択した。
 いまにして思うと、わたしが外国文学の翻訳物から遠ざかったのは、「形式的等価」タイプの日本語が美しくなかったからだろう。表現に深みがなく不自然に感じられた。日本文学の良質の日本語テクストに比べると、表現の巧みさや深みに大きな差を感じたのだろう。後志のおじさんの投稿で、ようやくそのことに気がついたしだい。ありがたい。

 <俗歌>・・・変わらぬ真理

  人に言われぬこの身の苦労 だれがしたやら罪な人

   This pain which I cannot speak of to anyone in the world:
   Tell me who has made it,----whose do you think the falt:

 日本語は平井呈一、英文はラフカディオ・ハーン 『仏の畑の落穂他』 恒文社 1991年第二版
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コメント 3

Hirosuke

>乗馬とダンスが得意な精悍なタイプの青年。
  ↓
大学時代、馬術部でした。
歌って踊れる馬術部員。(笑)

根室か釧路で、乗馬もしたいですねぇ。

by Hirosuke (2014-05-08 14:43) 

Hirosuke

おっと書き忘れました。

身長=183.5cmの、歌って踊れる馬術部員でした。

by Hirosuke (2014-05-08 14:47) 

ebisu

ノサップよりの原生花園にポニーが十数頭いますが、鞍はついていなかったですね。(笑)

落石の方に根室乗馬クラブがあります。URLを書いておきます。みてください。
http://www.city.nemuro.hokkaido.jp/section/kanko/taiken/taiken03.htm

いい趣味ですね、そしてタールトン家の双子の兄弟に近い身長です。
by ebisu (2014-05-08 22:48) 

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