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#2640 釧路高専にみる定員割れと学力低下の実情 Apr. 12, 2014 [64. 教育問題]

 ブログ情熱空間が標記テーマを取り上げてくれたので転載する。根室高校は普通科・商業科・事務情報科の3科ずべてが定員割れを起こした。レベル低下は蔽うべくもない。

 根室から釧路高専へ進学する生徒がこの数年間いなくなったという。三年前から釧路高専は根室での説明会をやめて中標津でやっている。
 そこで手元にある学力テストから高専受験が可能な中学生がどのくらいの割合でいるのか、大まかな推計をしてみたい。

 市街化地域の中学校2月5日実施の2年生学力テストの数学を見ると、80%以上の得点は
  B中学校 ⇒ 11人(54人)・・・カッコ内は総数
  C中学校 ⇒ 5人 (46人)
 3年生1月17日実施の学力テスト80%超は
  B中学校 ⇒ 6人 (74人)

 平均を出すと、
  22人÷174人=12.6%

 根室市内の中学生1学年平均を240人とすると、数学得点80%超は
  240人×12.6%=30人

 国立高専の数学の授業を受けて理解できると思われる得点80%超の生徒数はたったの30人しかいない。このうちの大半は大学か看護学校へ進学するだろうから、国立高専受験者がいなくなるのは当たり前かもしれぬ。10年前なら生徒数は380人ほどで数学80%超は3倍いただろう。

 前振りはこれくらいにして、ブログ情熱空間の記事を紹介する。
http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/7199889.html
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2014年04月10日

釧路高専の「卒業率」から

平成25年度の釧路高専の(5年次)卒業者は134名(同校のサイトから)とのこと。定員は5学科計200名ですが、実はその学年は同校始まって以来、初の(トータルで)定員割れの学年でした。そしてその後、3年連続で定員割れが続きました。

定員割れなので200名を切ってのスタートだったわけですが、そんな中、《3割強が卒業できなかった》わけですね。134名には、上の学年からの留年者や編入学してきた学生も混ざっているわけですから、それを加味したならば「卒業率」はいかほどになるのでしょうか。

同校は昨年から公立高校との完全併願制を導入し、昨年と今年の入試では定員割れを起こすことなく、多くの優秀な学生を確保できた模様ですが、でもしかし、釧路市内ではなくて市外・管外からの入学者の割合が増えているそうです。(1・2年生の寮生がとても多いらしい)

かつて根室で行われていた学校説明会。何年か前からそれを取りやめて、現在は中標津で行っているとのことです。さもありなん。釧路よりも学力低下がいっそう顕著な根室では、受験者の確保もままなりませんから。釧路にあるのに、釧路の子が入学しなくなりつつある、市外・管外からの入学者の割合が多くなりつつある我が釧路高専。

理数の力が弱すぎなんですね。それを中学卒業までにきちんと鍛えておくことです。釧路の小中学生の学力が向上したならば、必然的に釧路高専の「卒業率」も高まることになるでしょう。一日も早く、そうなって欲しいものです。

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<ebisuコメント>
  国立高専受験者を増やすためには数学の基礎学力を上げなければならない。もちろん他の科目もだ。ZAPPERさんはその処方箋も書いている。わたしも普段やっていることで、効果が大きい。零点の生徒が2ヵ月後に88点をとった例すらある。リターン学習は当たり前のことでもあるが、学校では個別指導によるリターン学習はがほとんどやられていないようだ。
 弊ブログがこのように冷静な分析と生産的な議論の場のひとつであることを願う。

http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/7201449.html
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2014年04月11日

リターン学習という伴走を

子どものつまづきの解消法。それは何も難しいことはなくて、単にリターン学習をすればいいだけなんです。例えば、今この時期に入塾した中3生、数学が壊滅だとしましょう。今、学校でやっている部分、それをやらせてみるとまるでできない。計算がボロボロ、具体的には小学校時点での小数・分数の計算が身についていない。そうしたものであるとします。(実際、そうしたケースが非常に多いわけですが)

その場合、そこまで戻る《べき》なんです。例えば、つまづいている箇所である小学校4年生内容まで戻って、リターン学習を施してあげる《べき》なんですね。しかしここで、大きな勘違いが生じてしまうようです。「4年生内容まで戻って学習指導をしていたら、時間がいくらあっても足りやしない」という、指導者側の思い込みです。実は、学習の流れの中で当然に理解できている部分も多いわけであって、1から10まですべてをやり直すわけではありません。

「小数・分数の復習をする」→「その後、今の学習内容に戻る」とか、「四則混合計算の復習をする」→「その後、今の学習内容に戻る」と、今現在の学習内容をやりつつ、ピンポイントでリターン学習を繰り返して織り込むということなんですね。たしかに、今の学習内容のはるか以前の問題という子もいるにはいますが、それは単にリターン学習の頻度の多少の問題です。

こういったイメージです。引き返して、確認を終えてから元の位置に戻る。また引き返して、確認を終えてから元の位置に戻る。その繰り返しです。はじめのうちは、その振幅が大きいものですが、やがて振幅は小さくなるものです。ええ、振り子のようなものですね。指導側は、辛抱強くその振幅に付き合ってあげればよいということです。

ただ、そのリターン学習には「覚える」ことと「作業を習得する」ことがあって、前者の指導には限界があります。「覚える」のは本人であって、その方法は伝えられても「覚える」こと自体は、本人の家庭での反復演習にかかってくるからですね。なので指導者側は、指示を出し続け、その習得度合いを計測してあげるべきなんです。

リターン学習を織り込むことによって、子ども達の学力向上は十中八九まではすぐに可能になるんですね。そして、「覚える」部分を明確に指示して、それは基本的に家庭学習に回すようにして、その習得状況をチェックしてあげて、「作業を習得する」に関しては基本的に伴走してあげるようにすればいいんです。

実際にやってみれば分かりますが、例えば計算がまさしく壊滅状態の中3生であったとしても、3ヶ月もあれば(計算部分に関しては)ある程度、仕上げることができるものです。そしてその伴走期間ですが、学年が下がるにつれて短いものになるわけですね。ですから、どうぞリターン学習をして伴走していただきたいと願っております。

リターン学習をしてあげる《べき》なんですよ。今、教えている内容《のみ》を貫こうとする。だから、子どもも苦しく、指導者側も苦しくなっちゃうんですよ。「急がば回れ」の言葉通り、リターンしてあげることが子どもの学力回復の最短ルートです。どうぞ、リターン学習に重きを置いてくださいね。それこそが、「個に応じた…」というものでしょうから。
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ZAPPER

夏冬休みの補習授業を何度か見学させていただきましたが、いずれの学校も当該学年の学習内容に始終していて、リターン学習は皆無でした。

繰り上がり、繰り下がりの計算に四苦八苦していて、ならばそこへ戻ってあげるべき。そうした子に対しても、当該学年の学習内容のみが行われていました。失礼ながら、補習とは名ばかりの付け刃の時間消費に思えました。

分からなくなったところまで戻ってやり直す。これまた失礼ながら、教える側にそうした配慮が欠けていることに驚いてしまった次第です。

しかしこの部分、教える側が前後の学習のつながり、すなわち「学習系統(体系)」を理解していて頭の中に入っていることが必要なわけですが、思うにその部分の認識が欠落してしまっているのではないでしょうか?だから、適切な処方箋を示すことができない。

どうやったら、こんなに点数が上がるんですか?

などと驚く方(教員)もいらっしゃいますが、そんなときはこう思うこともしばしばですよね。

どうして、救ってあげなかったの?
どうやったら、これだけできない子を見殺しのできるの?

どうぞ、リターン学習をしてあげて下さい。
by ZAPPER (2014-04-13 13:25) 

ebisu

よいネーミングをしてくれましたね。
リターン学習、学校でなぜこんな簡単なことができないのか、不思議です。問題をいくつかやらせてみたら、どこで躓いているかすぐにわかるはずですが、わからないのでしょうかね。

0点や10点前後の生徒が2か月足らずでなぜ80点を超えるのかと不思議がられたことはわたしも数回経験があります。でも全部が数か月で上がるわけではない。生活習慣が崩れている生徒の中には3年かかる者もいます。

手間がかかる子もいれば、あまりかからず、そのつどポイントを教えるだけでいい子もいる。さまざまです。「授業」をやる必要はないわけですから。観察して学習サポートに徹すればいい。

10人も診てやれば技が習得できるでしょう。共通項も少なくありません。
先生たち、放課後に数人集めて個別補習をしてあげてください。救える生徒が何人も出ます。
by ebisu (2014-04-13 15:47) 

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