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#2629 文武両道:日本一短い練習で甲子園目指す小山台高校 mar.23, 2014 [73.ブカツ]

 なんと一日90分間のトレーニングだという。小山台高校は都内屈指の進学校であるが、そこの野球部のトレーニング時間はびっくりするほど短い。
 週6日の練習のうち一日は勉強に充てている。
 普段の練習時間が90分ということは、4時にはじめても5時半に終了しているから、しっかり勉強時間が確保できる。

 北海道教育委員会が日ハムの大谷翔平君を起用して、「文武両道」と大書きしたポスターを制作して全道の中学校と市町村教委に配布している。

 数日前の北海道新聞根室地方版にこのポスターに関する根室教育局のコメントを載せていたが、ブカツを煽るような頓珍漢なコメントだった。あえて書くが、ポスター制作の主旨は過度なブカツが蔓延して学力低下の一因となっていることに対する警鐘である。

 6時半までブカツをやってしまったら、ほとんどの生徒が「文武両道」を実践できなくなることは生活時間を分析すれば誰にでもわかることだ。
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(道教委は昨年、全国学力テストの結果分析を踏まえて、「生活リズムチェックシート」を全道の小中学生に配布した。)
*「生活リズムチェックシートの取組」(北海道教育委員会)
http://www.dokyoi.pref.hokkaido.lg.jp/hk/sgg/undou/tyekkusi-to.htm
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 根室教育局はそんなことすら分かっていない、ものごとを関連付けて総合的に判断することが苦手か、意図を捻じ曲げて説明しているかどちらかだろう。
 ブカツにのめりこむ一部の教員と過度なブカツを熱烈に支持する一群の保護者、この組み合わせが他の地域に比べて多いことが根室の特徴である。普通の保護者は高校卒業後の進学のことも考慮に入れて中学校でのブカツのあり方を考える。
 中学校で全国模試レベルの学力テストがないから、根室の子どもたちは自分の学力の低さを知らず、小中学校をのんびり過ごしてしまう。中学校で学年3番くらいの成績で有頂天になって、高校生になり進研模試を受けたら偏差値50前後、つまり平均的な成績だということに気がつく。高校卒業後の進学を考えたらすでに手遅れである。偏差値50を超える大学へ進学できる生徒は学年で十数人の現実がまっている。

 技術(理論)研究の座学を週に一日取り入れ、短い時間で効果的な練習を工夫すれば、ブカツ自体が大きな教育効果をもつが、トレーニングメニューの工夫や技術研究もせずにただ闇雲に長い時間やらせたら、悪い習慣がつき場合によっては深刻なスポーツ障害を招くだけ。ただ長時間トレーニングをするという悪癖がついた者を雇いたいと思う企業経営者はほとんどいない。悪癖のついた者は、仕事をさせたらやはり工夫をせずにただ長時間働き残業するだけ。そういう社員が3割もいたら企業経営はいずれ成立たなくなる
 成長期の生徒たちに特定の関節に負荷がかかるようなトレーニングを長時間やらせたら、スポーツ障害も起きる。塾を開いて12年目だが、優秀な選手がスポーツ障害を起こして大好きだったスポーツをあきらめる例をいくつも見てきた。才能を秘めた子どもたちの未来を奪った「過度なブカツ」、書くたびに思い出して腹が立つ。

 根室市内の子どもたちの学力低下は小学校から中学校へと「集団感染」を起こし、ついに根室高校(普通科・商業科・事務情報科)にまで及んでいる
 根室高校普通科の合格最低点は8年前にはEランク150だったが、ランクはFGH・・・で70点に低下してしまっている。定員割れを起こしたときの根室高校普通科の全道入試偏差値は40付近で、全国最低レベルの北海道で下から16%である。トップクラスの生徒数人は釧路湖陵理数科(偏差値70)に比べても遜色がないが、他は話にならないくらい学力レベルが低い
 普通科の15人くらい、商業科と事務情報科両方あわせて下位20人くらいは根室西高校の成績上位層と学力が同程度。高校が統廃合される前に、すでに根室高校の根室西高化が進行している。統廃合後の高校は学力がさらに一段下がり、根室高校で低学力層の肥大化が加速することになる

 統廃合後の高校で学力レベルを維持するために、年度末ごとに生徒一人一人にカウンセリングを行い、成績不良で勉強する気のない生徒は落第させていい。高校を卒業したかったら勉強するのは当たり前だ
 入試の合格最低点も100点(300点満点)と明示したらいい。普通科の標準的レベルの授業を消化できる学力は150点付近が下限である。昨年と今年の入試は難易度がガクンと下がっているので、この2年間に関しては170点が下限だろう

 たかが地区大会や全道大会で勝つことに一喜一憂してブカツ本来の目的「教育」を忘れている一部の先生たちと過度なブカツを熱狂的に支持している保護者のみなさん、一度は立ち止まって考えるべき。自分の子どもの未来を危うくしていることに気がつこう

 学力の高い生徒たちのほとんどが大学へ進学して戻って来ず、根室を支えるのは中学力層と低学力層。そして低学力層が急激に肥大化しているのがこの6年間の現象である。このままでは30年後の根室は人材がいまよりさらに枯渇して、地元企業の半数以上がなくなり、若者の働き場所を失った町はさらなる衰退の只中で途方にくれることになる

 低学力層の底上げをすることが、いまの根室と未来の根室に必要なこと
 いまです、いまですよ、30年後の未来を暗くするのも明るくするのも、お父さんとお母さんたち、そして学校の先生たちのブカツに対する姿勢次第。変えられます、変えましょう


*#2615 「文武両道」 大谷翔平からのメッセージ:北海道教育委員会制作ポスター Mar. 13, 201
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-03-13

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 読売オンラインに掲載されたニュースを紹介する。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hokkaido/news/20140313-OYT8T00019.htm

 
 道教委が大谷翔平選手を起用し「文武両道」と大書きしたポスターを作成した。


20140313-320898-1-N











(読売オンラインニュースより転載)

 日ハムの大谷翔平君がバットを構えた姿に「文武両道」の文字を入れたポスター、なかなかかっこよいではないか。
 北海道教育委員会義務教育課が制作した「啓発ポスター」で、ブカツ偏重のケースの多いことが学力低下の一因をなしているとの認識がベースにあり、過度なブカツを控え、学業と両立させないといけませんよとのメッセージが込められている。学校の先生と「熱狂的なブカツ支持」の保護者へ向けたものだろう。

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