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#2575 根室の公立高校出願状況 Jan.28, 2014 [64. 教育問題]

  北海道新聞夕刊に出願状況が載っている。生徒からも報告を聞いていた。根室はついに両校とも全科で定員割れを起こしてしまった。こんなことははじめてである。

 根室高校  (定員)(出願数)
  普通科   120   118
  商業科     40    35
 事務情報科        40    38

 根室西高校
  普通科     80    46

  合計     280   237 (0.846)

  応募人員に対して道立高校の定員が多すぎる。標準的なレベルの高校普通科の教科書をこなせるのは、だいたい三人に一人ぐらいだろう。どう贔屓目に見ても中学校で成績下位25%は標準的な高校のカリキュラムをこなすことはほとんど困難である。
 しかし、現実にはほとんどの生徒が卒業していく。落第させると学校の側が面倒だからである。したがって、学力低下が起きていることを考えれば、根室の高校の授業内容は年々レベル低下をきたしているといってよいのだろう。
 根室高校普通科では数学の授業は成績別に三段階に分けて授業をしているが、7年ほど前には1年生も2年生も成績のよいクラスは1月下旬に教科書を終わり、2月から上の学年の学習をはじめていた。それぐらいの速度でやらないと大学受験には間に合わないのである。
 来年度は根室市内の生徒の人数が少ないので、ほぼ全員が根室高校へ入学できる。定員一杯根室高校へ入学すると、根室西高校へは10人程度となるだろう。

 根室の高校統廃合が検討されているようだが、統廃合ではなく、出願者が少なくなった根室西高校を廃校にするという選択肢がある。存在理由がなくなった高校を廃校にするのが筋だという自然な考え方で、一考に値するだろう。そうすれば同窓会の統廃合などという厄介な問題もなくなる。それぞれそのまま存続すればいい。

 隣の中標津もひどい定員割れになっている。商業科のみが定員オーバだ。地元へ就職する生徒達の受け皿だろうか。事務情報科はもういらないように見える。

 中標津高校 (定員)(出願数)
  普通科   160   139
  商業科    40    42
  事務情報科 40      7
     合計    240   188(0.783)

 高校の先生達は落第させると可哀そうだし、面倒だから、同じ問題で追試をして無理やり卒業させてしまう。
 その結果どうなるかというと、採用した地元企業があまりの低学力に驚く。え、これでほんとうに「高校卒業した人間の学力なの?」、ナカミのない形式卒業者が増えることで、「○○高卒」という学力保証が信用ならなくなるのである。

 北海道全体では
 普通科    24,980  25,985(1.04)
 全日制合計 36,140  37,870(1.05)

 札幌や旭川などの一部の都会を除いたら、それ以外の地域はほとんど競争がない。みんながどこかの道立高校に入学できるのである。道立高校定員が多すぎる。
 これでは道立高校生のレベル低下は避けようがない。それは地域を担う大人になっていくのだから、人材枯渇でさらなる衰退を加速することになる。
 何とかしないと、もう一世代が過ぎたときには北海道はいまよりずっと衰退しているだろう。それも札幌よりも他の地域の衰退のほうが速いが、回りがダメになれば札幌圏への若い労働力や頭脳の供給ができなくなるから、その次の世代で札幌圏もアウトだ。

 人口減少を前提として、教育に力を入れ、少ない人口と豊かな自然で幸せな未来のグランド・プランをつくってみたらいい。
 経済成長なんて幻想を追いかけずに、地に足をつけて構想を練り、着実に歩めば北海道の未来は明るくなる。基になるのは教育である。
 いまだって北海道は食糧自給率200%である、人口減少があるから生産技術の向上で400%にすることだってできる。それには大きなリスクである泊原発をすぐにも廃炉にしなければならない。自然環境を放射能汚染してしまったら、北海道は日本の食糧倉庫足りえなくなってしまう。北海道の農林水産業にとって最大のリスクは泊原子力発電所である、悪いことに北海道の西側に位置しているから冬にメルトダウンを起こしたら東側に位置する札幌圏そして日高山脈を越えて十勝平野や根釧原野を一気に汚染してしまうから、北海道にも原発は要らぬ。
 原発を誘致する市町村は多額の補助金に誘惑されて周りの迷惑を省みず、日本の未来を考えない。日本の伝統的な価値観にはなかった在りかたである。

 「売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よし」


*釧路の高校の出願状況(ブログ「情熱空間」)
http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/7073177.html

**学力低下の先進国(=米国)の現状
 米国で起きていることは日本でも起きつつあることで、随所で根室の現状レポートを読んでいるような気がした。
「韓国との差に愕然。勉強しない米国の子供たち」(東洋経済)
http://toyokeizai.net/articles/-/28897


*#2187 高校入試出願状況 Jan. 26, 2013
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-01-26 

 #1817 根室・高校入試倍率と高校統廃合問題 Jan. 28, 2012 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-01-28-1


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