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#2485 ⑩全道14支庁管内別・偏差値ランキング表(小・中対比)  Nov. 9, 2013  [69.H25全国学力テスト・データ分析]

 北海道全体の偏差値は、小学校が36.4で下位8.7%、中学校は45.1%で31.2%である。そういう傾向を反映して、中学校の偏差値のほうが高いケースが多い。一つだけ下がっているところがある、檜山管内である。これが唯一の例外。

<タイプⅠ>

小学校・偏差値順位表中学校・偏差値順位表
 1 檜山46.2  1 石狩52.2
 2 石狩43.9  2 十勝49.5
 3 上川43.4  3 上川47.2
 4 渡島39.1  4 留萌43.9
 5 胆振38.3  5 空知43.6
 6 留萌38.2  6 オホーツク42.5
 7 根室37.0  7 檜山42.3
 8 釧路36.8  8 渡島41.6
 9 後志36.4  9 根室41.4
 10 十勝36.1 10 胆振41.1
 11 宗谷33.5 11 釧路40.7
 12 空知33.4 12 後志37.4
 13 オホーツク27.6** 13 日高33.5
 14 日高16.6 14 宗谷33.4



<タイプⅡ>

管内別偏差値ランキング表
<中学校優先>abb-c
順位   管内名小学校中学校  差
2石狩43.952.2    8.3
10十勝36.149.5  13.4
3上川43.447.2    3.8
6留萌38.243.9    5.7
12空知33.443.6  10.2
13オホーツク27.642.5  14.9
1檜山46.242.3  -3.9
4渡島39.141.6    2.5
7根室37.041.4    4.4
5胆振38.341.1    2.8
8釧路36.840.7    3.9
9後志36.437.4    1.0
14日高16.633.5   16.9
11宗谷33.533.4  -0.1




【中学受験がないハンディ】
 北海道の各地域の小学校の偏差値が低いのは、中学受験がないからだろうと思う。
 東京渋谷で有名私立一貫校(中学)受験生や高校受験生を3年ほど教えたことがある。青山学院や立教女学院へ進学するような生徒は小学4年生から個人指導塾へきていた。授業時間は105分、週2回の指導だった。予習中心でスピードも速い。関連のあるところは、数学なら中1や中2の範囲まで教えてしまう。学校では速度の遅い授業に飽き飽きしながらじっとガマンしている。そういう生徒にとって学校へ勉強するところではなく、じっと我慢している場所、とても我慢強くなる。だから塾へくるとうれしそうに105分間アクセル全開にして勉強していく。かなりの難問を解かせるので、国語と算数に圧倒的な差がつく。
 小学生のうちから予習習慣も、週20~25時間ぐらいの勉強時間の確保もしっかりできている。生活習慣が勉強中心に組み立てられている。とうぜん保護者のしつけも厳しい、9時まではテレビをつけないというお母さんが何人かいた。
 首都圏では私立中学受験が四人に一人ぐらいいる。公立中学⇒公立高校の生徒達も、進学校へ行きたくてしっかり勉強している。小学校で3割ぐらいが、かなり競争意識をもって、自発的に勉強している。
 根室の生徒達を見ていると、一部の例外的な生徒を除いて、ほとんどの生徒達に予習の習慣がつくのは高校へ進学してからだ。これでは遅い、大学受験では勝負にならない。

 根室管内の場合をいうと、小学6年生で全国レベルの平均値より偏差値換算で13もマイナスである。高校進学を意識しだして中学校で勉強しても偏差値で5~8アップするぐらいで、とても追いつけるはずがない。
 根室管内の生徒達は根室管内での偏差値を10マイナスするとほぼ全国レベルになると考えるべきだ。根室管内の偏差値60(上位16%)でようやく全国レベルの真ん中ということ。全国レベルで偏差値60は根室管内偏差値68~70(上位2.3~3.6%)である。
 全国レベルで偏差値60以上を難関大学とすると、そういうところに合格できるのは2~4%だ。根室市内の中学生は学年230人~250人程度だから、1学年当たり5~10人しかいないことになる。偏差値50以上の大学へ一般入試で進学できる学力を備えている生徒数は学年で十数人、二十人を超えたら多い年度ということになるのだろう。

 全国レベルで自分がどのあたりに位置にいるのかを小学6年時の全国学力テストで把握できれば、もっともっと早くスタートが切れる。高校1年生の全国模試で実力を知ったのでは遅すぎる。だから、全国学力テスト・データを偏差値に換算するから、自分達の学力水準を知ってもらいたい。負けるなねむろっ子、そして道産子。


【中学受験がないのは秋田県も同じ】
 環境がどうあろうと、学力を上げる方法はある。秋田県がそれを実証している。ようは基本に還れということだろう。学校の先生たちは北海道教育委員会が作成した『管内版』の資料を丹念に見てほしい。ブログ「情熱空間」が釧路管内版のレーダチャートから、秋田と釧路の先生たちの授業のやり方がまったく異なるという事実を見つけた。基本をおろそかにしてはいけない。北海道教育大釧路分校があるのになぜだろう。まったく違う授業形態(問題解決型)を推奨しているようだ。

*「道教委のデータ分析(授業の目標を示さない?)」
http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/6916861.html

**釧路の高校の偏差値にたとえて、面白い解説してくれています、ぜひお読みください。
ブログ「情熱空間」より
「14管内別偏差値換算表(中学3年生)」
http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/6916378.html

「偏差値で見る学力格差」
http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/6916295.html

 元データは文科省が公表した47都道府県の平均正答数と北海道教育委員会が公表した「管内版」に載っている管内別平均正答率である。元になる都道府県別偏差値算出の元データ数は、「47個×4科目」だけ。
 したがって、ばらつきが少し大きくなる傾向は否めない。正規分布を外れるデータが一つ二つ混ざると、それらのデータは±3σを外れることになる。 都道府県別偏差値の分布をみると、 小学校: 32.0~81.6 中学校: 14.4~74.8 通常の偏差値は全受験者の個別データを用いて計算されるので、本データとは性格が異なる。数万から数十万のデータを用いて計算される偏差値との性格の違いがあるということだ。
 統計に不慣れな人のためにもうすこし事情を具体的に説明すると、47個のデータが理想的な形で正規分布していないことが予測できる。イレギュラーなデータが一つあるとその影響が偏差値の分布に出てしまうのである。小学校の都道府県別データでいうと秋田県の81.6、中学校のデータでいうと沖縄県の14.4がそうしたデータに該当する。47個のデータが±3σの範囲から外れてしまう。この範囲を外れるデータの出現確率は0.0013だから、データ1000個に一つの割合となるから、47個のサンプルデータでは出現しないはずのものである。これはサンプル数が少ないためだから、そのように諒解いただきたい。都道府県別に分析する限り、データ数は47個とならざるを得ない。

  偏差値による本データ分析の意味するところは、都道府県単位で正答数の標準偏差値を計算してそれを尺度に全道14支庁管内別データ比較をすることにあり、その限りでは統計学的に正しい方法といいうる。
 都道府県単位の全国データの尺度基準で、14支庁管内それぞれがどのような位置にあるのかが明らかになる。こういうデータが明らかになったことは、ebisuの知る限りではいままでにない。
 それぞれの地域で学ぶ道産子が、自分達の学力を全国基準で測度できるということは今後の勉学に大いに役に立つ、いや役立ててほしい。
 高校生になって全国模試で自分の位置を知ったのでは偏差値65以下(96.6%)の生徒は手遅れである。 首都圏のトップレベルの生徒達は小学校4年生から、生活習慣を受験用に切り替え、予習中心のハイスピード・難問題トレーニングをしているのである。
 高校生になってから追いつけるのは、スタートが遅れてもそれをものともしない馬力をもつ偏差値65以上の極小数の生徒達だけ。スタートを早く切れば偏差値60以上の受験戦争のフィールドで本来戦える生徒達のほとんどが偏差値50前後の大学へ進学することになっている。これを「惨状」と呼ばずしてなんと言おう。
 道産子の一人であるわたしはこうした現状も変えたいと願っている。道産子(ニムオロっ子)による道産子(ニムオロっ子)の意識改革のための情報発信、それが「ニムオロ塾」の役割。



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■ 【全国47都道府県別・偏差値ランキング表】

#2482 (小学校)
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-11-08-2

#2476 (中学校)
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-11-06-1

#2483 (小・中対比)
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-11-08-3


■ 【全道14支庁管内・偏差値ランキング表】

#2485 (小・中対比)
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-11-09


■ 【全道14支庁管内別・科目別・偏差値表】

#2484
 (小・中対比)
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-11-08-4

#2480 前半
 (中学校)
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-11-08

#2481 後半
 (中学校)
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-11-08-1



■ 【計算過程の開示】

#2476 (都道府県別基本統計量)
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-11-06-1

#2478
 (管内別基本統計量)
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-11-07-1

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*#2509 (眼耳鼻舌身)意と仕事 Nov. 24, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-11-24

 #2093 教員の質向上はどうやる?⇒ "Educating educators" Sep. 25, 2012 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-09-25-1

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コメント 2

後志のおじさん

情報格差を強く感じます。首都圏では東京出版「中学への算数」の存在を知らない人は稀です。電車の中吊り広告には日能研の「私立中学入試問題」が「これができなきゃ、小学生に負けるぞ!」(今はディスプレイですけど)とばかりに。人口の50%を超える三大都市圏との情報ギャップは大きいですね。北海道で、「中学への算数」っていう月刊誌があることを知っている人は何人いるでしょうね?――――ちなみに、中3の順位UPは鷹揚羆さんの見解に同意です。三大都市圏で、小学校時代にトップレベルの子供たちは、有力私立公立中学に行ってしまい、「全国統一学力テスト」を実施するような中学校にはいっていない。これが、東京、大阪、名古屋の中学の成績が振るわない一因でしょう。名古屋の小学校の順位が低い理由は、少々思いあたるふしはありますけど。

by 後志のおじさん (2013-11-09 01:13) 

ebisu

収穫作業が完了してよかったですね。今年は野菜が高いからよさそうですね。北海道は地元でとれた安全安心な野菜を食べられます。

>三大都市圏で、小学校時代にトップレベルの子供たちは、有力私立公立中学に行ってしまい、「全国統一学力テスト」を実施するような中学校にはいっていない。これが、東京、大阪、名古屋の中学の成績が振るわない一因でしょう。

たしかに、有名私立中学へ進学した生徒が含まれていないことは首都圏の平均点を低くしているのでしょう。

>首都圏では東京出版「中学への算数」の存在を知らない人は稀です。電車の中吊り広告には日能研の「私立中学入試問題」が「これができなきゃ、小学生に負けるぞ!」(今はディスプレイですけど)とばかりに。人口の50%を超える三大都市圏との情報ギャップは大きいですね。

中学入試がない根室ではニーズがありませんから知らないでしょう。情報ギャップは大きい。市街化地域の3中学校ですら学力テストで五科目400点とれば学年1位になれる学校があります。多い学校でも5人どまり、ゼロの学年すらあります。

全国レベルを知らないから、420点もとればどうしてもうのぼれが出ます。
それでも、たまに難問題集をてにとって、もって帰る生徒がいます。
「先生、これ面白い、頂戴」
数学がすきでもないのに、そういうレベルの問題集と自ら進んで悪戦苦闘する生徒がたまにいるから面白い。

わたしは生徒達に全国レベルでどれくらいの学力があるのかを知ってほしいと思います。
学力テスト五科目400点で、全国レベルの真ん中くらいでしょうね。

by ebisu (2013-11-09 01:43) 

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