SSブログ

#2465 冠詞論 :目からうろこが落ちる解説  Oct. 25, 2013 [80.英語談義 (コメント欄から)]

 冠詞は3パターン。
(1) a(an)
(2) the
(3) 無冠詞

 1冊丸ごと冠詞を解説した本がありませんでしたから、その正体をつかむのにずいぶん苦労しました。1991年に'Three Little Words: A, An, and the'が出版されて、だいぶ正体がわかった気になれました。その後、2008年にaとtheの底力 -- 冠詞で見えるネイティブスピーカーの世界という本が出たので、勉強しやすくなったのではないでしょうか。

 後志のおじさんが、その難物の冠詞を#101で冠詞でまな板にあげてくれました。
 「a,the,冠詞なしで語の意味が変わる。(これを教えられる先生、北海道に何人いるでしょう?)」

 これだけみても大胆な人ですね、普通はとりあげません、たいへんですから。四人の議論という坩堝の中に適当な材料を投げ込めば、まざりあい溶け合ってそれなりのものができ上がることは、假定法で実験済みです。
 もうひとつ材料を投げ入れてます。単語の意味をイメージでとらえないと英文の意味がつかめないという問題提起です。訳語を覚えるだけではダメ、だから電子辞書はアウトだということですよ。いろんな意味が一度に視界に入ってこないと一つの単語のもつ共通イメージを連想できませんから。この点からは一覧性のある紙の辞書が最高だということです。電子辞書のあなた、それだけに頼っていたらいつまでたっても単語のもつイメージがとらえられません。
 言い換えてみます。単語の訳語がわからないと文章の意味がとれないと思っている高校生や大学生が多いのではないでしょうか。憶えなければならないのは、単語の訳語ではなくイメージです
 「単語はイメージを作るように覚える。訳語は手掛かりです読み(理解)と訳は関係ないと思った方がいいです
 「語がわからなくても、ポジションからリンク先がとれるものなのです」 

 和訳するのに「ユメ単」の訳語を一生懸命に当てはめて、とんでもない日本語訳を「創作」している人は、ちょっと立ち止まって考えてみましょう。
 青太字にしたのが後志のおじさん宣言、どうですなかなか含蓄があるでしょう、読んでじっくり考えてみてください。
 「ポジションからリンク先がとれるものなのです」ということについて具体的な解説がないとわからないのではないでしょうか、そのうちに解説してくれると思います。収穫の秋で忙しい最中ですから、作業が全部終わるまであれこれ具体例を考えながら待ちましょう。
 ebisuの解釈はキーワードは言い換えられるので、位置からだいたい見当がつくということと、文脈を手繰って読み進むとその語の位置から意味の見当がつくようになるということ。意味の見当をつけてから、辞書を引いて(意味の)確認するようになります。そういう段階になると英英辞書のほうが使いやすくなってきます。

  #113にHirosukeさん創作の冠詞問題が6題あります、トライしてみて下さい。即興でこれだけの問題を創れるセンスは驚きです。
 #124で接辞と語根の問題に触れています。英単語の成立ちは漢字熟語によく似ています。それがラテン語やギリシア語の接辞や語根から成立ってるのですが、全部をこれで割り切ることは出来ません、ある程度は推察がつくので、興味のある人はHirosukeさんがブログのURLをぶら下げてくれていますので、クリックして飛んでください。
(ある程度の範囲はとっても役に立ちますが、全部をこれでやるのは無理で、やりすぎるとこじつけ、屁理屈っぽくなるのでほどほどにしましょう。ebisuの意見ですが、Hirosukeさんも同じ意見です。)

 #115で後志のおじさんが、disabled peopleという名詞句について触れています。disabledという単語は中学の教科書にも載っていたようなきがします。the disabledと書くべきだと後で解説していますが、これだけで問題の所在がわかりますか?わからなければ#116、#117を読んでください。

 #125の'I like dog.'にはぎょっとしました。なぜでしょう?無冠詞の意味するところは?

 #129でHirosukeさんが挙げた英語小話がすっとわかったあなたは、もう冠詞についてはたしかな運用能力をもっているようです。試してください。

 #136はなんどか話題になった「へ」と「に」、そして「さ」について、岩波古語辞典から拾った解説です、なんと都言葉と方言に行き着きました。
 ebisuの用例を紹介します。表情のある言葉でしょう?

 「おら、東京いくど」
 「わたし東京いきます」
 「あんたどこ行く」

 冠詞に関する議論を振り返ってみると、これだけのまとまった議論はどこにもないと思います。冠詞に関する本ですら、この23年間でたったの2冊というのが現状ですから。英語大好きなあなただけ特別に許可します、ワードに貼り付けて保存していいですよ。4人のハンドルネームを忘れないでね、「後志のおじさん」「Hirosuke」「合格先生」「ebisu」でした。(笑)

「#2446 仮定法とは何か(1) : Boys be ambitious. Oct. 11, 2013 」コメント欄より
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-10-11



【#101~136】

================================
#101

聞いている感覚で読めばいいのです。日本語は、助詞で語のリンクが決まりますが、英語では文頭の、名詞では無いものは全て動詞にリンク(だから、It'sMonday today.が正しいとされる。)分詞構文だの不定詞の副詞用法だのはいりません。――――a,the,冠詞なしで語の意味が変わる。(これを教えられる先生、北海道に何人いるでしょう?)そして、単語はイメージを作るように覚える。訳語は手掛かりです。読み(理解)と訳は関係ないと思った方がいいです。――――北海道では、高校でも、先に単語。単語の意味から形だけのスラッシュリーディングを教えている。(わかっている方が教えなら有効な手法です。)そんな先生が多いようですね。―――単語がわからなくても、ポジションからリンク先がとれるものなのです。札幌にでた冬の生徒が高校の授業を評して言っていましたが、「訳だけ言われたって、数学で答えだけ言われるのとおんなじで読み方わかんないじゃない!」英語嫌いを作るコツの一つです。

―――コメント欄読者の方向けに
by 後志のおじさん (2013-10-18 07:59)
================================
#102

ここのところもうすこし敷衍していただけたらありがたい。

>英語では文頭の、名詞では無いものは全て動詞にリンク(だから、It'sMonday today.が正しいとされる。)

「名詞ではないもの」とはこの場合はIt(代名詞)を指しているのですか?
ワード・オーダがかならず「S+V」となるので、「文頭に来るものはすべて動詞にリンク」という意味ですか?

>a,the,冠詞なしで語の意味が変わる

適切な解説本が出版されてなくて、苦労しましたね。1970年代に薄い本を一冊読んだ気がします。
少しわかったつもりになれたのは1991年にAlan S. Brender"Three little words a, an, the"を読んでからです。でもこれも、これこれの場合にはa、そういう場合はthe、ああいう場合は無冠詞と並べているだけです。「なぜ」がありません、そこは読んで考えるしかない。しかし、使われる状況が具体的に解説してあるので、ずいぶん助かりました。
2008年末にようやく冠詞に関する解説本がでました。
津守光太『aとtheの底力』
この本には「なぜ」が書かれています。でも、あまりやりすぎるとこじつけっぽくなります。

aが細胞膜、あるいは皮膚のようなもので、それがあると自己と非自己を区別する機能があると気がついたのは最初に紹介した本の練習問題をやってみてようやく気がつきました。それいらい具体的なイメージがわくようになりました。
waterとa water(水と水域)

コンテクストとの関係でも冠詞のもつ意味は大きい。

>単語がわからなくても、ポジションからリンク先がとれるものなのです。

大事な単語はほとんど文の中の位置やコンテクストからも見当がつきます。が訳語にとらわれてしまうので、コンテクストまで頭の回らない生徒が多い。イメージで単語をとらえることはたいへん重要ですが、「ユメタン」の暗記を毎日2年間繰り返すと、単語と訳語に強固な対応関係が育ってしまいます。訳すときにはコンテクストは考慮の外、ただ「ユメタン」の訳語を当てはめて意味のわからない日本語を並べただけ、「これ自分で読んでどういう意味かわかる?」「・・・わかりません」てなことになります。しばらくたいへんです。
辞書を引かずに「ユメタン」を暗記する弊害が、でていますね。

ところで、この文の中の「ポジションからリンク先がとれる」とはどういうことでしょう。もうすこし解説していただけるとありがたい。

『福翁自伝』のなかに、適塾でのオランダ語の勉強の仕方がでています。辞書と首っ引きで無理やり訳させる、それを先輩が直す。最初の内は謎解きのようなものですが、1年たつともうほとんど理解できるようになっている。一度とりあげようと思っていましたが、のびのびになっています。そのうちに紹介してみたい。オランダ語漬けの生活。


by ebisu (2013-10-18 10:21)
================================
#103

『aとtheの底力』に次のような例文が載っています。

①I bought a flute.

②play the piano
③play the guiter

④Kiichi Suzuki played piano at the concert.
(鈴木慶一はそのコンサートでピアノを弾いた)

なぜ②と③には定冠詞がつき、なぜ④は無冠詞なのか?
こんなことまで高校生が知っている必要はありません。
後者についてはこういう説明があります。

「楽器は「演奏する」ものです。楽器の「する」側面に焦点を当てるとき(すなわち動詞的な意味を作り出すとき)、go to school や by car と同じように無冠詞になります」187頁
by ebisu (2013-10-18 13:19) 
================================
#104

ぴんとこないのです。
④は他に説明のしかたはありますか?
by ebisu (2013-10-18 23:58)
================================
#105

すみません。話題を拡げすぎたようです。It's Monday today.ですが、―――文頭にToday、そこで音が切れた時、動詞にリンクするだろう、という残像を残します。(副詞として働く。)会話なら、5音節のワンブレスですからToday is Monday.もありですが、やはり副詞の響きがでて、「今日は月曜日………。」と、何かの思いが込められている感じになります。よく耳にした表現では、Today is my last day.やToday is my birthday.など、特別な日の時はTodayを主語で可。淡々と、事実を伝える時は、It's…today.です。もちろんこのItは、漠然と辺りに漂う「もののけ」のItです。――――日本語で、「ニチヨービー」で音をきられたら、「何かするの?」と思うのと同じ感覚で私はとらえています。―――――冠詞の話、語順イコール助詞(活用語尾)、単語の覚え方など、追って投稿させていただきます。
by 後志のおじさん (2013-10-19 00:05)
================================
#106

ご質問から先に。He played piano.はpianoという楽器をいっているのではなく、ピアノのパートを受け持った、ことをいうのです。無冠詞名詞は形をとらないものを表す、と私は理解しています。つまり、この文では、形のあるピアノという楽器に意識があるのではなく、「あんたはサックスだったね。ぼくはベースやった。あいつはピアノだったよ。」って感じです。
by 後志のおじさん (2013-10-19 00:17) 
================================
#107

あ、なるほど。
aは自己の内外を区別するものですから、自己が形としてイメージできる。無冠詞はその逆で形のないものとイメージしたらいいのですか。

本には、プロの演奏家が演奏する場合は無冠詞なんて説明もありましたが、そうではないのですね。
高校のブラスバンドでサックスのパートを受け持ってもやはり無冠詞ということ。

驚きです、後志のおじさん、『なぜかがわかるaとtheと無冠詞』というタイトルの本を書けそうですね。前2著よりずっとすぐれものになりそうです。
教育改革などやらずに、本を出版してください。そのほうが世の中の役に立てます。改革のほうはわたしたちががんばります。(笑)

本音は両方やってください。

It's Moday today.
のほうの解説ありがとうございます。
ブレスとイメージ(残像)がだいじなんですね。
本を読むことで英語を手段として使ってきたわたしは、そういう観点から考えたことがありませんでした。
英語の音読は奥が深そうですね。

「副詞の響き」、的確でいい言葉です。

by ebisu (2013-10-19 00:37)
================================
#108

はじめに、カオスがあります。棒で混ぜている神様には、なんだかわかっているから呼び名がある。これが剥き身の名詞。――――引き上げた棒の先からポタリポタリと滴が垂れて、島ができた。島ができたことは神様しか知らない。これが、a。―――島ができたことを他の神様も知った。ここから、THE。――――他の神様も、島を持っているから区別しなきゃ。ここからmyとかher。―――――こんな感じではいかがでしょうか?
by 後志のおじさん (2013-10-19 00:41)
================================
#109

古事記にからめてきましたね、とっても面白い比喩です、高校生が喜びそう。
ありがとうございます。
by ebisu (2013-10-19 01:16) 
================================
#110

>④は他に説明のしかたはありますか?
>④Kiichi Suzuki played piano at the concert.
   ↓
すごく簡単です。

----------------------------
夕食を食べる⇒have dinner
ワインを飲む⇒have wine
----------------------------
aもtheも付いていませんが、
特に不思議に思いませんよね?

これと同じなんです。

日本語でも「お茶する」の様な口語表現がありますが、
まさしく「夕食する」「ワインする」と言っているんですね。

同様にして、
------------------------
ピアノする⇒play piano
------------------------
なんですよ。

「じゃぁ、play 【the】 piano は?」

これを中学校の教科書で、
あたかも絶対的な定番表現かの如くに、
「必ず【the】を入れなきゃ×!」
だなんて教えてるから混乱しちゃうんですよ。

【the】 のキモチはですね、
------------------------------------
【お互いにビシッと指させる特別なモノ】
------------------------------------
なんです。

ずいぶん前に、
中学生向けですが、
こんな記事を書きました。

◆「ガッチャマンの歌」でわかる the の正体◆
 [英語講師として]
http://tada-de-english.blog.so-net.ne.jp/2006-12-03

これを play 【the】 piano に応用すると、
この場合の piano は、
【お互いにビシッと指させる特別なモノ】ですから、
「学校の音楽室の【あの例の】ピアノ」
というイミなんですね。

要するに、
play 【the】 pianoってのは、
【話し相手も自分と全く同じイメージを持っている】
と期待するキモチの時に使う【特別】表現なんです。

小・中学校の教科書だと、
学校内や友達同士というシチュエーションですから、
相手に同じイメージを期待するキモチは至極当然。

だから、
play 【the】 piano。 

それに対してplay pianoの場合は、
【the】の特別感がありませんから、
「ピアノなら別に何でも構わない」
というキモチで言っているわけで、
友達じゃなくても使える一般表現なんです。

「じゃぁ、play 【a】 piano は?」

・・・もう、わかりますよね?

by Hirosuke (2013-10-19 01:31)
================================
#111

 冠詞の有無について、自分の見解も付け足しておきますね。

 まずはaについて。
 通常、抽象名詞や物質名詞にはaが付きません。そして、元々、英語の単語は、元々持っている意味が抽象的なものですから、冠詞なしで普通名詞を使う場合、これは「その名詞が持っている抽象的なイメージで考えてくれ」という意味です。
 例えば、冠詞のないschoolであれば「勉強するところ」、bedであれば「寝るところ」という意味で見てくれ、ということになります。要するに、ベッドなら、その形をイメージするのではなく、その機能をイメージしてくれ、ということです。
 ですから、go to bedは「ベッドに行く」ではなく「寝に行く」という意味になります。
 ちなみに、
 I go to school.
については、一般動詞の現在形で行為を表すものは、「日頃行っている」という意味を差すので、「私は学校に行きます」ではなく、「私は学校に通っている」と訳すのが本来のニュアンスを掴んだ訳し方、ということになります。

 その他、例えば、paperだと具体的な形のないイメージ~無限に広がるでっかい紙を想像するといいでしょう。それに対しa paperとaがつけば、これは具体的な形のある「新聞紙」ということになります。
 要するにaがつけば、具体的な形を想像してくれ、という意味になるということです。

 theの説明についてはほとんどhirosukeさんと一緒ですが、楽器のtheだけは別物です。
 これにはいろいろな説がありますが、例えば「元々楽器を持っている人が少ない時代に、楽器を弾くと言った場合、特定の楽器を差すことになった」「演奏する道具を差す」とか、「pianoを弾いているいるイメージを特定できるから」といった説がありますが、結局、ネイティブでもなんでこれにtheをつけるのか、意味が分からなくなり、現在ではtheをつけない用法の方が多くなっているそうです。次の教科書改訂のあたりから、おそらく楽器のtheはつけなくても良い、という事になりそうですね。
 ですから、piano本来の「音を出す」という意味で使う場合は無冠詞。pianoを「買う」とか「運ぶ」と言ったような、具体的な形をイメージするものについてはaがつく、という事になります。
by 合格先生 (2013-10-19 05:40)
================================
#112

theは、(1)具体的なものをさす働きと(2)共通して持っているイメージを喚起させる働き、「一般に」などと訳せる場合、がありますが、play the pianoは(2)だと思っていました。つまり、モノとしてのピアノではなく、ピアノから出てくる音をとらえる感覚かな?音をとらえる感覚だというネイティブもいましたけど、ちょっと自信なさげでした。まあ、職場での雑談でしたから専門的なものではありません。theがとれていくのも、簡略化の流れや言葉の変化ですから変化にあわせて覚えていけばいい。――――――北海道の全道統一のSSのでない学力テスト中三10月で、disabled peopleなんて言葉を使っていましたが、そんなみっともない文は、書けませんから。用例を意識して集めてみます。
by 後志のおじさん (2013-10-19 08:42) 
================================
#113

◆プロのピアノ演奏家達の会話◆
-----------------------------------------
A:私ね、XXホールでコンサートしたの。⇒(1)
B:え、あのホールで弾いたんですか?⇒(2)
A:あら、ご存知なの?
B:知ってるも何も、
  みんな「あそこのピアノは・・・」⇒(3)
  って噂してますよ。
A:あら、知らなかったわ。
  確かにピアノと言えないくらい酷かったわ。⇒(4)
  二度と弾きたくないわね。⇒(5)
  知ってたら、コンサートしなかったのに。⇒(6)
--------------------------------------------


(1)~(6)に対して、
*(play) piano
*(play) 【the】 piano
*(play) 【a】 piano
のドレが適切か考えてみてください。


YAMATO高校♪合唱部 『わが◆マイルストーン』2
by Hirosuke (2013-10-19 09:41) 
================================
#114

Hirosukeさんは、同じ用例を集めて共通項を想起する形で無冠詞のもつ意味を浮かび上がらせて見せてくれました。「カタチ・イミ・キモチ」という3次元座標に無冠詞を措定して眺めてみるとなるほどど、他の用例と見比べながら納得できます。

合格先生は説明を名詞からはじめています。アプローチが異なります。"将を射んとすればまず馬を射よ"の見本のようなスマートさ。かっこいいね。

> 通常、抽象名詞や物質名詞にはaが付きません。そして、元々、英語の単語は、元々持っている意味が抽象的なものですから、冠詞なしで普通名詞を使う場合、これは「その名詞が持っている抽象的なイメージで考えてくれ」という意味です。

慧眼ですね。後志のおじさんの「剥き身の名詞」と表現は違いますが、ナカミは同じです。後志のおじさんはこう書いています。
>はじめに、カオスがあります。棒で混ぜている神様には、なんだかわかっているから呼び名がある。これが剥き身の名詞。

その抽象的な性質から、無冠詞で使われている名詞の意味を穏やかに導き出しているように見えます。

後志のおじさんが付け加えてくれていますが、これは一歩踏み出した理解でしょうね。

>theは、(1)具体的なものをさす働きと(2)共通して持っているイメージを喚起させる働き、「一般に」などと訳せる場合、がありますが、play the pianoは(2)だと思っていました。つまり、モノとしてのピアノではなく、ピアノから出てくる音をとらえる感覚かな?

もともとのイメージは話者と聞き手の間での共通の了解事項ですから、そこから(2)の働きが現れる。
『一億人の英文法』ではtheの根元イメージを「ひとつに決まる」としています。そこから6つの機能を派生的に解説しています。
①文脈から1つに決まる
②その場の状況から1つに決まる
③常識から一つに決まる
④「1つ」を意味に含む語句
⑤「the+複数」=1つに決まるグループ
⑥theのネイティブレベル

分類は①~③ですね、後は具体的な用例解説です。

the pianoについては、次のようの説明しています。167頁

「カン違いしてもらいたくないのは、楽器だからといっていつでもtheがつくわけではないということ。pianoを物体としてみているときには、pen、deskなどとおなじように、a piano でも this piano でも many pianos でもいいのです。」

もう一つ論点がありました。
>theがとれていくのも、簡略化の流れや言葉の変化ですから変化にあわせて覚えていけばいい

言葉は生き物ですね。この視点があんがい高校参考書には欠けているようです。「国文法のちかみち」は万葉の頃、11世紀までの言葉使い、それ以降とさまざまな単語の使われ方の変遷を随所で解説してくれています。だから、言葉は変化するものという考えが自然にインプットされます。高校英文法教科書とは視点が違う、だからこそsubjunctiveの解説も読むべき価値があったのでしょう。

ところで、また疑問が出ました。

>北海道の全道統一のSSのでない学力テスト中三10月で、disabled peopleなんて言葉を使っていましたが、そんなみっともない文は、書けませんから。用例を意識して集めてみます。

disabled peppleでは具体的な人間がイメージできないということでしょうか?だから、the disabled peopleが正しい?
peppleは単数ではなく複数ですから、無冠詞でも具体的な「人々」がイメージできるので必ずしも間違いとはいえないように思いますが、いかがでしょう。

しかし、ジーニアス4版でpeopleを引くと次の説明があります。
「④[theまたは修飾語を伴って;複数扱い](ある集団・階級に属する)人々」
定冠詞をつけるのが正しい。

犬の場合は、dogsとすると、犬がイメージできます、さまざまな犬が集まっています。そしてたとえば猫に対して、犬という類を具体的なイメージで伝える。では、the dogsは?話者と聞き手の間で、その場で共通了解事項としてある特定の犬種を指すのかもしれませんね。

繰り返しますが、disabled peppleについてもう少し補足説明をお願いできませんでしょうか?
by ebisu (2013-10-19 10:05) 
================================
#115

>disabled peopleなんて言葉
    ↓
これはpeople付けずにtheを付けて、
the disabled と表記するのが通常ですよね。

【美女】を the beautiful woman なんてせずに、
【the beauty】 と表記するのと同じです。

「美女と野獣」="The Beauty and The Beast"

by Hirosuke (2013-10-19 10:43) 
================================
#116

the poor
the rich
the disabled

用例を並べてみたら気がつくんですね。
なるほど、同じ「カタチ」です。
後志のおじさんはそういう意味での指摘だったのですか。
新聞では 'the disabled' となっていますね。'disabled people' という表記は見た記憶がありません。アハハ。

ところで、面白い問題をつくってくれましたね、ありがとうございます、やってみました。
中高生の皆さんも一緒にどうぞ。
あとでHirosukeさんが正解と理由の解説をしてくれるでしょう。


(1) piano
(2) the piano
(3) the piano
(4) a piano
(5) the piano
(6) piano


by ebisu (2013-10-19 11:02)
================================
#117

the disabledとすべきところですし、そもそも50年ほど前の言葉です。身体障害のある人をさすつもりで使っているのですが、その後、handicapperの時期があって今はthe challengedに名称が「変化」しています。おおかた和英辞典でみて、用例の確認もせずに使ったのでしょう。総合Bですからebisuさんも現物を確認してみてください。他にも、時制など5箇所ほど英語としておかしいところがあります。答えが正解の他にも成立するものがあったり、ひどいものです。―――――SSがでないだけでも意味がない上、おかしな英語まがいのものを読まされる北海道の中学生がかわいそうです。北海道の権威のある学力テストの英文には、毎回必ず誤りがあるのです。珍しくまともだったのが、栃木県入試の盗作でしたけど。

by 後志のおじさん (2013-10-19 13:55) 
================================
#118

>珍しくまともだったのが、
>栃木県入試の盗作でしたけど。

だからと言って
【栃木県=優秀】という証には、
なりませんけどね。

(栃木県民です。)

by Hirosuke (2013-10-19 22:40) 
================================
#119

◆ピアノ・クイズの正解◆
---------------------
(1) piano
(2) the piano
(3) the piano
(4) a piano
(5) the piano
(6) piano
-----------------------

はい、
というわけで、
ebisuさん全問正解です!

問題を確認してみましょう。

◆プロのピアノ演奏家達の会話◆(再掲)
-----------------------------------------
A:私ね、XXホールでコンサートしたの。⇒(1)
B:え、あのホールで弾いたんですか?⇒(2)
A:あら、ご存知なの?
B:知ってるも何も、
  みんな「あそこのピアノは・・・」⇒(3)
  って噂してますよ。
A:あら、知らなかったわ。
  確かにピアノと言えないくらい酷かったわ。⇒(4)
  二度と弾きたくないわね。⇒(5)
  知ってたら、コンサートしなかったのに。⇒(6)
--------------------------------------------

◆手抜き解説◆

She played piano at the concert.
         ↓
----------------------------
夕食を食べる⇒have dinner
ワインを飲む⇒have wine
----------------------------
aもtheも付いていませんが、
特に不思議に思いませんよね?

これと同じなんです。

日本語でも「お茶する」の様な口語表現がありますが、
まさしく「夕食する」「ワインする」と言っているんですね。

同様にして、
---------------------------------
play piano⇒ピアノする⇒演奏する
---------------------------------
なんですよ。

「じゃぁ、play 【the】 piano は?」

これを中学校の教科書で、
あたかも絶対的な定番表現かの如くに、
「必ず【the】を入れなきゃ×!」
だなんて教えてるから混乱しちゃうんですよ。

【the】 のキモチはですね、
------------------------------------
【お互いにビシッと指させる特別なモノ】
------------------------------------
なんです。

ずいぶん前に、
中学生向けですが、
こんな記事を書きました。

◆「ガッチャマンの歌」でわかる the の正体◆
 [英語講師として]
http://tada-de-english.blog.so-net.ne.jp/2006-12-03

これを play 【the】 piano に応用すると、
この場合の piano は、
【お互いにビシッと指させる特別なモノ】ですから、
「学校の音楽室の【あの例の】ピアノ」
というイミなんですね。

要するに、
play 【the】 pianoってのは、
【話し相手も自分と全く同じイメージを持っている】
と期待するキモチの時に使う【特別】表現なんです。

小・中学校の教科書だと、
学校内や友達同士というシチュエーションですから、
相手に同じイメージを期待するキモチは至極当然。

だから、
play 【the】 piano。 

それに対してplay pianoの場合は、
【the】の特別感や期待感がありませんから、
「ピアノなら別に何でも構わない」
というキモチで言っているわけで、
誰にでも使える一般表現なんです。

「じゃぁ、play 【a】 piano は?」

え、
まだ解説、
必要ですか?

それでは明朝に。

             ・・・つづく・・・

by Hirosuke (2013-10-19 23:41)

================================
#120

 play the pianoのtheの意味を知る前は、勝手に「ピアノの正規の演奏方法」という意味で特定していたのかな、と思っていました。
 これ、スポーツとの比較なんですけれども、スポーツで、例えば野球の場合、ボールを打ったり投げたり取ったり、また、ベースを走ったり、といろいろな行為が行われるので、そういった行為全体を包括したイメージでとらえなさい、ということでスポーツには冠詞がつかないのかな。それに対して、楽器は特定の演奏方法、例えば、ピアノは鍵盤を押して音を出す、フルートは吹いて音を出す、という特定の演奏方法で演奏するためにtheがついたのだと。
 だから、ジミヘンのように、歯でギターを弾いたり、ジョン・ケイジのようにハンマーでピアノ線を直接たたいて音を出したり、という本来の演奏法と違う弾き方をすると、theがつかないのかな、と思っていました。
 ちなみに、ebisuさんの出してくれた用例
>Keiichi Suzuki played piano at the concert.
>(鈴木慶一はそのコンサートでピアノを弾いた)
 実は、この例文、自分がかなり以前に見たことがあって、なんでここで「はちみつぱい」(後「ムーンライダーズ」というグループを結成する)の鈴木慶一さんが出てくるのかな? もっと一般的に知られている人を出せばいいのに、と思ったことがありました。
 そして、たぶん、彼なら、ビートルズの真似をして、肘でピアノを弾くということもやるだろうな、とも思っていました。だから、ここでtheを抜いたんだろう、と勝手に解釈していたのを覚えています。

 全然、違っていましたね。
by 合格先生 (2013-10-20 03:58)
================================
#121

◆【a】のカタチ・イミ・キモチ◆

これを真にイメージするためには、
謎と混沌に満ち満ちた、
なんともボンヤリと曖昧で把握し難い、
複雑怪奇かつ諸説紛々(ふんぷん)たる、
【a】の生い立ち・成り立ちから、
まずは話さねばならないでしょう。

代表的な3説を列挙します。
------------------------------
①【a】⇒【an】⇒【one】説

②【one】⇒【an】⇒【a】説

③接頭辞【a-】説
-------------------------------

長くなるので、
一旦ここまで。

by Hirosuke (2013-10-20 08:01) 
================================
#122

ひゃ!やった。
>はい、
>というわけで、
>ebisuさん全問正解です!

まぐれ当たりのような気もしますが...うれしいですね。達成感あります。
この問題、即興ですか?それとも準備があった?

こんな問題作れる先生に高校生のときにお目にかかっていたら、わたしの人生変わっていたでしょうね。宣しえの影響で英語にのめりこんだのだろうと思います。
お会いしなくてよかった(笑)

おそらくaの説明が一番難しいでしょう。aのイメージがしっかりしていないと迷ってしまいます。案外この用法は見落とし勝ち。中高生と大学生と中高の英語の先生たちのためにさらなる解説をお願いします。

たいへんありがたい問題でした。 m(_ _)m
by ebisu (2013-10-20 08:42)
================================
#123

合格先生は不思議な人ですね。

>なんでここで「はちみつぱい」(後「ムーンライダーズ」というグループを結成する)の鈴木慶一さんが出てくるのかな? もっと一般的に知られている人を出せばいいのに、と思ったことがありました。

よくこのピアニストを知っていましたね。わたしはまったく知りませんでした。

無冠詞のケースをどのようにイメージするか、思考過程を開示してくれてありがとうございます。結局、合格先生の推論はplay pianoではうまく行かなかったようですが、統一イメージを「考える」ということが大事なこと。

中高生も大学生もこいうところを学んでほしいと思います。

>全然、違っていましたね。

ほんと、世の中知らないことだらけ、だからいろいろ考え推論できます。たまにあたるから楽しい。百発百中だとつまらない。うんと格下の人と将棋さすようなもですから、3割くらいの勝率のゾーンが一番楽しい。(笑)
叩けよさらば開かれん
何が出てくるかは保証できませんが...
by ebisu (2013-10-20 08:51) 
================================
#124-1

◆【接頭辞】って??な中高生の為に◆
-----------------------------------------
英単語のアタマとシッポ① [英語講師として]
http://tada-de-english.blog.so-net.ne.jp/2008-12-07
------------------------------------------
英単語のアタマとシッポ② [英語講師として]
http://tada-de-english.blog.so-net.ne.jp/2008-12-07-1
------------------------------------------
by Hirosuke (2013-10-20 15:21)

================================
#124-2

>こんな問題作れる先生に
>高校生のときにお目にかかっていたら、
>わたしの人生変わっていたでしょうね。

えぇ、僕自身そう思ってます。(号泣)

だから僕は、
【文法用語】が【憎】い!(怒)

by Hirosuke (2013-10-20 15:31)

================================
#125

合格先生へ――――
a baseballと言わないわけ。ご自分のコメントで、おっしってますよ。決まったカタチにならないからです。――――
aがつくと、誰でも共通して思い浮かべられる一つのものとして「カタチ」ができる。(だから、aは単数なのです。)カタチがとれないものにはaはつきません。でもtheとは違って思い浮かべる具合物のイメージが異なるのがaです。――――
I like dog.文法的に間違いではないし、ネイティブに言っても通じます。あまり英語わかってないんだね、という前提で聞けば、「私、犬好きなの。」ですが、きちんとした発音の人が真顔でいうとかなりグロテスクな言葉になります。中高生の皆さん、わかりますか?
by 後志のおじさん (2013-10-20 21:01)
================================
#126

ははは、後志のおじさん、そんなことを言うのは中国人ですね。日本人にそんな○習慣はありません。
○習慣としてはないのでしょうね、ところがわたしは小学生のときに根室港の岸壁につながれた船の上で釣りをさせてもらったことがあります。

「おじさんたち、船の上から釣りしていい?」
「いいよ、つんな」
「ありがとう」

「おーい、坊主、○○○○食べないか」
犬の毛皮?のようなものが船の上の別の場所にありました。
「もしかして...」
「そうだよ、...」
「...、ゲッ」

by ebisu (2013-10-20 22:30) 
================================
#127

後志のおじさんへ

 解説ありがとうございます。スポーツの場合は、これでいいんですよね。それなのに、楽器になると、違うんです。自分は、play the pianoでピアノを演奏する、となった場合、やはり「音」が共通認識できるのか、もしくは、弾いている姿が共通認識できるのか、のどちらか、で、もしも「音を出すもの」として捉えた場合、無冠詞扱いなるはず、という見解から演奏するスタイルが共通認識である、という方を選択したのです。
 ちなみに、
I can play the piano.
と、学校で友達に言った場合、これは「自分の家にあるピアノなら弾ける」というような、楽器を特定して言っている訳ではないので、もしも、どのpianoでも弾けるという意味で言う場合、
I can play a piano.
と言わなければならないわけですから、そうなると「わざわざここでtheと言っていることが問題になる」ということだったんです。
 結局、無冠詞の方が一般的になってきているということなので、今後、問題が解消されることになりそうですけれども。

 上の
I like dog.
は、ちょっと面白いですね。
 自分からもヒントを。
「動物名が無冠詞だと、基本は物質名詞扱いです」。
by 合格先生 (2013-10-20 22:46) 
================================
#128

◆シンプル解説 for 中高生◆
---------------------------------
【a】 dog⇒【カタチある一匹の】犬

【x】 dog⇒【カタチなき(一匹の)】犬
⇒肉片とかパーツとか味とか(オェッ)

【a】 piano⇒【カタチある一台の】ピアノ

【x】 piano⇒【カタチなき(一台の)】ピアノ
⇒部品とかパートとか音色とか(ポロロン)
--------------------------------------
by Hirosuke (2013-10-21 00:37)
================================
#129


◆ネイティブ同士のイキチガイ会話◆
---------------------------------
A: Well, I can play a piano.
B: Oh, which one?
A: What do you mean?
B: You say, "play 【a】 piano."
A: Oh, I've made a mistake.
  I should have said "play piano"
   or "play pianos."
B: Oh, great! I can't play any.
---------------------------------

さてさて、
この二人の会話に、
どんなイキチガイがあったんでしょうか?

by Hirosuke (2013-10-21 00:58) 
================================
#130

 新説
 「以前はthe pianoでpiano musicを差した」
 自分の知恵では、これが限界。
by 合格先生 (2013-10-21 05:16)

================================
#131

【a】 Picaso⇒【とある1つの】ピカソの作品

Picaso【s】⇒ピカソの作品群

【the】 Picaso
⇒【ほら、あの例の】ピカソ作品
とか
⇒【これぞ誰もが知ってる】ピカソ作品
⇒ピカソの【代表作】
とか

  ↓
よって、
>the pianoでpiano music
というワケなんですね♪

だから実は、
各種のスポーツに【the】を付けちゃう事も、
こんなシチュエーションの時になら成立します。
-------------------------------------------
サッカーの試合で、
超ビューティフル・ゴールが決まった瞬間、
見ず知らずの観客と思わず抱き合っての会話

「うぉおおおおー、これぞサッカーの醍醐味だぜ!」
「いぇええええぃ、まさしく!」

Wow, this is 【the】 soccer!
Yeah, this is it!
----------------------------------------------
つまり、もはや【芸術作品】と化したのですね。

by Hirosuke (2013-10-21 11:20) 
================================
#132

面白い会話ですね。

◆ネイティブ同士のイキチガイ会話◆

Hirosukeさんの創作会話は楽しい。
お陰様で目に見えるようによくわかります。
aについても複数の意味があるので、文脈によってはネイティブ同士でも「どっちやねん?」ということになるのでしょう。
by ebisu (2013-10-21 11:59) 
================================
#133

合格先生へ

『aとtheの底力』に次のような説明があります。

-------------------------------------
「楽器を演奏する」とは、「楽器を使って音楽を作り出す」ことであり、このときには、「楽器=音楽」です。play the piano, play the guitar といった表現は、play music (音楽を演奏する)のmusicの代わりに楽器をおいた表現です。
楽器に込められた「音楽」というエッセンスを、theを付けることによって、話している相手にわかるように抽出する、と考えることができるのではないでしょうか。(楽器につけるtheについては、「いつも同じ自分の楽器を演奏する」のtheをつける、という説明をすることもあります)   186頁
-------------------------------------

> 「以前はthe pianoでpiano musicを差した」

「以前は」という前置きを外すと、合格先生の解説は『aとtheの底力』の津守光太氏と同じ。

中高生や大学生にも関心の高い分野で、すっきり説明して本がないので、冠詞だけでまとめて本欄へアップしたほうがよさそうですね。

それにしても、こんなことは知らなくても、センター試験の英語は80点以上とれます。
大学院入試だって、こんなところまで問うような問題を出すところは、目的を考えてもありませんね。

中高生の皆さん、安心してください。

ものごとをどうやって分析し、考え、イメージしていくのかについて、手順や手がかりを得られるだけで十分です。そういう「力」が将来、仕事で生きてきます。
by ebisu (2013-10-21 12:16)
================================
#134

ebisuさんへ

 ありがとうございます。結局、新説でも何でもありませんでしたね。おまけに「以前は」とつける必要もありませんね。
 the piano=piano music
は、幼児がピアノで遊んでいる状況との比較で考えてみました。幼児がただ鍵盤をたたいて遊んでいるのは、音を出しているだけ。それを「ピアノを弾ける」とは言わないので、ピアノを弾く、と言った場合、きちんと「音楽として弾ける」と言った状況を差すのであろう、という事から考えてみました。
 もし、このthe pianoを道具として差す、ということになった場合、withを使うはずですから、それだと、この場合、不適切~当てはまらないわけで、結局、上記の結論になりました。

 hirosukeさんの芸術方面からの解説が一番納得性が高いと思います。また、ピアノの場合、どんな基本的なものでも「練習曲」という「曲」の扱いになりますから、piano musicという表現がしっくりくると思います。
 したがって「以前は、音楽を演奏するという意味でplay the pianoと言っていたが、最近では、ピアノの音そのものを差す表現に移行し、play pianoと言うようになってきた」というのが、解説として正しいのかも知れませんね。
by 合格先生 (2013-10-21 15:40)
================================
#135

>hirosukeさんの芸術方面からの解説が
>一番納得性が高いと思います。
    ↓
いやぁ、お褒めに預かり光栄です。

それにしても、
思えば遠く【へ】来たもんだ。
        ↑
        に?

     
by Hirosuke (2013-10-21 22:22) 
================================
#136

助詞「に」と「へ」について、面白い解説をみつけました。室町時代は「へ」が都言葉で「に」は九州方言だったという説です。

----------------------------------------
室町時代には、方向を示す助詞に、方言による違いがあった。これについて、ロドリゲスの大文典に次の記述がある。
「京へ、筑紫に、関東(又は坂東)さ。諺。その意味は、都では助辞『へ』を、下(九州)では『に』を、関東では『さ』を使ふといふのである。直ぐ次に示すやうに、諸地方にいろいろな助辞があるけれども、常に都におけると同じく『へ』を用ゐるのがよい。それが正しくかつ上品だからである。」
(1) 「わが背子を大和へやるとさ夜更けて暁露に我が立ちぬれし」(万105)
(2)省略
(3)省略
(4)省略
----------------------------------------
 『岩波古語辞典』1490頁より 

 「わたし東京いきます」
 「あんたどこ行く」
  「おら、東京イクだ」 、
  坂東方言はさらに北へ移動し東北方言になっていますね。
 いまではこうした訛はどんどん薄れていってます、テレビの影響でしょうね。方言をしっかり話せる世代もあと30年、なんだか日本語の豊かさや温かみが消えていくようでさみしい思いがします。

by ebisu (2013-10-21 22:44) 
================================

 #2443 仮定法ってなんだろう?(1):コメント投稿欄での議論 Oct. 10, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-10-09-1

 #2444 仮定法ってなんだろう?(2):コメント投稿欄での議論 Oct. 10, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-10-10-1

 #2445 仮定法ってなんだろう?(3):コメント投稿欄での議論 Oct. 10, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-10-10-2

 #2446 仮定法とは何か(1) : Boys be ambitious. Oct. 11, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-10-11

 #2447 仮定法とは何か(2): 概念規定と基本型 Oct.13, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-10-12

 #2449 假定法とは何か(3): Swanの説明 Oct. 14, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-10-13-1

 #2452 仮定法とは何か(4):国文法学者の見解 Oct. 16, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-10-16

 #2453 仮定法とは何か(5) : 国文学者の見解ー2  Oct. 17, 2013
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-10-16-1

 #2457 仮定法ってなんだろう(4):"Boy's, be ambitious."をめぐって Oct.22, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-10-21-1

 #2461 'it' ってなに?& shall とwil の根っこの話し Oct. 22, 2013
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-10-24

 #2463 shall(神) と will(人間) をめぐる議論 Oct 24. 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-10-23-1



にほんブログ村 地域生活(街) 北海道ブログ 根室情報へ
にほんブログ村

aとtheの底力 -- 冠詞で見えるネイティブスピーカーの世界

aとtheの底力 -- 冠詞で見えるネイティブスピーカーの世界

  • 作者: 津守 光太
  • 出版社/メーカー: プレイス
  • 発売日: 2008/12
  • メディア: 単行本

Three Little Words: A, An, and the (A Foreign Student's Guide to English Articles)

Three Little Words: A, An, and the (A Foreign Student's Guide to English Articles)

  • 作者: Elizabeth Claire
  • 出版社/メーカー: Delta Systems Co Inc
  • 発売日: 1991/08
  • メディア: ペーパーバック

nice!(1)  コメント(2)  トラックバック(0) 

nice! 1

コメント 2

後志のおじさん

なんだか誉められ過ぎて、背中が痒いです。――――忙しくて短くなった晩酌の時間に、Gone With the Windを読み始めまして、なかなか面白い表現に出会っています。辞書にちょうどよい訳語がなかったり、気持ちの迸りが先にでていて「日本の学校で学ぶ英語」ってなんだ?が満載で楽しいです。もう少ししたら、文例をあげてコメントできると思いますので、皆様ご鞭撻よろしくお願いいたします。――――意見を言って頂けると勉強になります。意見を言って頂けないと、「つまらないことを言ったかな?」と反省するきっかけになります。文章にすることで自分の頭を客観的に見つめ直す機会を頂いて感謝しています。
by 後志のおじさん (2013-10-31 00:17) 

ebisu

冠詞については高校参考書程度の説明ではわかるわけがありませんが、わたしの目にした限りではいままでに出版された冠詞だけの解説本は2冊しかありません。
1991年に出たものは 出版元がMcGraw-Hillで英書ですから、普通の高校生には無理。もう一冊は邦書ですが、2008年12月20日初版発行ですから、ほぼ2009年です。
それまでなかったということ。

無冠詞を含めて冠詞が大きな意味をもつ者であるにも関わらず、その意味や使い方がわからないのは、日本語に冠詞に相当するものがないからです。

後志のおじさんの問題提起はたいへん役に立ちました。Hirosukeさんが詳しかっただけでなく、独自の視点からわかりやすく解説してくれました、即興問題もとてもセンスのよいものでした。

合格先生が「地頭」でさまざまな視点から分析、さらに細かい問題提起をして議論を活性化してくれた。
それぞれが同時の視点でいままで英文を理解してきた経験のエッセンスを惜しみなく公開してくれました。

Gone With the Wind の文例と問題提起、楽しみにしています。
別途に投稿用ダミーを用意しておきます。

あ、いい忘れたことがあります。英書のほうの表表紙の裏側に、普通名詞と固有名詞に分けてaとtheと無冠詞が場合わけされたフローチャートが載っています。70年代の終わり頃から、仕事でプログラミング用フローチャートやデータフローをたくさん描いてきたebisuには便利な表です。理系志望の生徒にはうれしい表かもしれませんので、付け加えておきます。
by ebisu (2013-10-31 08:53) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0