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#2458 英語コメント投稿用ダミー Oct.22, 2013 [80.英語談義 (コメント欄から)]

 #2446「仮定法とは何か(1) : Boys be ambitious. Oct. 11, 2013」へのコメント投稿が100を超えたので、場所をこちらに移します。

 よろしくご協力ください。

 Hirosukeさん、
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合格先生

ebisuさんへ
 了解しました。

 コメントの続き。
 英文では、末尾強調もあるので、
「長い文章になると、言いたいことは最後の方に持ってくる」というのも付け加えておくといいのではないでしょうか。

 「2重目的語の倒置や無理やり受動態に直したりする」というのも、これがあるためで、決して「受験用の書き換え英語ではない」ということ。
by 合格先生 (2013-10-22 15:35) 

ebisu

「末尾強調」というのはたとえば'not.....at all' のような類ですか?
他には「末尾強調」という事例が思い浮かばないのですが...

>「2重目的語の倒置や無理やり受動態に直したりする」というのも、これがあるためで、決して「受験用の書き換え英語ではない」ということ。

たとえば、

①She made Bill a new suit.
②She made a new suit for Bill.

①は「スーツ」に力点があり、②は「ビルに」が力点があるので、末尾強調といえますね、そういう理解でいいのでしょうか?

わたしがわからないのは次の点です。
>「長い文章になると、言いたいことは最後の方に持ってくる」というのも付け加えておくといいのではないでしょうか。

どうでもいい情報を後ろに回すケースは新聞英語ではよくある話しです。「誰々が言った」とか、「~によれば」というような情報が付加されていることがよくあります。話の中身のほうに力点があるので、その情報の出所を補足説明的に後ろに付け足す。本来なら、'Bill said that ~'とすべきところを、'....., Bill said'

新聞紙面から具体例を拾ってみます。
10/18のジャパンタイムズ1面から、

"All employees who were on furough due to the absence of appropriations may now return to work", Burwell said.
(政府資金の不足による一時自宅待機中であった全職員が職場に復帰するだろうとバーウェルは語っている)

本来の語順で書くと、
Burwell said "All employees who were on furough due to the absence of appropriations may now return to work".

わたしはこれを、強調したい目的語を前に移動させ、情報元を負荷情報的な扱いをしたと考えるのですが...

具体例が思い浮かばないので、長い文の「末尾強調」の例をいくつか出していただけると、わたしも理解できると思うので、よろしくお願いします。
by ebisu (2013-10-22 23:14) 

ebisu

Hirosukeさんのブログから例文を拝借してきました。

*http://tada-de-english.blog.so-net.ne.jp/2012-05-09#more

Militarily, the United States has wielded authority over the world as leader of the West through NATO and Asian security agreements, and since the collapse of the Soviet Union in 1991 it has been the world's only superpower.
(米国は、軍事的には西側のリーダーとしてNATOやアジアの安全保障体制を通じて世界に睨みを利かせ、91年のソ連崩壊後は唯一のスーパーパワーになりました。)

これも文頭のMilitarilyとsince節の倒置で強調したいものが前方に移動している例です。


by ebisu (2013-10-22 23:41) 

合格先生

 例文、ありがとうございます。この例文に沿っていきますね。

まず、以下の二つの文について
①She made Bill a new suit.
②She made a new suit for Bill.

 この場合、1は、スーツが後ろに来ていますからビルよりふーつの方が強調したいことで、例えば「割と一般的なマフラーなどではなく、スーツを作ったのよ」という場合は、こちら。
 それに対し、2はビルが強調される形になりますから、例えば、「彼女にプロポーズをしている人がMikeとBillと2人いて、彼女は、ビルの方にスーツを作ってあげた」という場合はこちらの方の言い方をします。
 こういう風に、一番言いたいことを最後の方に持ってくるのが英語流、と考えてください。

 バーウェルの例文では、最後の方に Burwell saidが来ていますから、これわざわざ後ろに持ってきたという場合、「~~~と、あのバーウェルさんが言ったんだよ」というニュアンスになると思ってください。

 また、hirosukeさんのページの例文では、since節を強調したいのではなく、
it has been the world's only superpower.
(アメリカが唯一のスーパーパワーになった)という事を強調したいために、since節を前に出したと捉えてください。

 その他、末尾強調の例としては、ちょっと適切ではないかも知れませんが、リンカーンの「人民の、人民による、人民のための政治(政府)」というのは、ず~と、演説が続き、その一番最後の締めくくりの言葉として言われた部分です。
 このように、一番言いたいことは、皆の印象に残るように、一番最後に言われる、というのが原則です。

 ちなみに、
Whisper softly.
「ささやいて、そっとね」
と言われると、日本語でも「そっと」の方が強調されていると感じるのと同じだと思っていいと思います。
by 合格先生 (2013-10-23 05:42) 

合格先生

ミスがありました。
上から7行目「ふーつ」は「スーツ」です。
by 合格先生 (2013-10-23 05:44) 

合格先生

済みません、もう一つミスがありました。
バーウェルの話の2行目
「これ」→「これを」

それから、「末尾強調」という言葉は自分の造語です。ひょっとしたら、違う文法用語があるかも知れません。そのためebisuさんに誤解を与えてしまったかも。
by 合格先生 (2013-10-23 05:54) 

ebisu

合格先生、おはようございます。

わたしが「末尾強調」として同意できるのは、二重目的語の場所の移動のケースだけです。わざわざ入れ替え、間接目的語に前置詞をつける、
「ビルに作ってあげた スーツを」
「スーツを作ってあげた ビルにね」

リンカーンのケースは、いくつものセンテンスが並んだ場合、最後に締めくくりのパンチの利いた章句をもってくるのは、よくわかります。それは演説テクニックの問題ではないでしょうか。
問題にしていたのは、ひとつのセンテンスの中での言葉の強調の問題で、たくさんのセンテンスが並んでいるケースはまた別次元の話しではないでしょうか。

英文の基本的な流れは、後ろの言葉は直前の言葉の補足説明というのが基本です。そういう見方からは、後ろに回った'Bill said'はやはり補足説明扱いで強調ではなく「弱調」。大事なナカミを先に言って、情報の出どこはバーウェルだよということ。やはり付加的説明のニュアンスが強いようにわたしには感じられます。

>Whisper softly.

このsoftlyが強調なら、様態の副詞は文末が定位置ですから、通常のワードオーダーすべてが強調ということになってしまいます。

通常のワードオーダーに変化を与えるのが、強調の基本的な表現です。見ただけでその「異常性」が目についてしまいます。

第4文型の例は異論ありません。

異なる視点からの異見をぶつけてみせることは高校生や大学生には参考になるでしょう。いろんなことにお作法があり、議論を楽しむことにもファジーなお作法があります。きっと参考にしてくれるでしょう。

「末尾強調」なかなかセンスのいいネーミング、そして「大胆不敵な」問題提起です。ですが、ちょっときついかもしれません。(笑)

by ebisu (2013-10-23 07:34) 

後志のおじさん

英文の基本構造は、Adv+主語+動詞(+名詞)+Advと書きましたが、合格先生の指摘は、文末のAdvを言っているように思えます。――――文頭のAdvは文全体にかかり、文末は補足的な働きをします。apparantlyが、文頭にある時「~らしいんだけど+文」。文末なら「文。どうやら。」こんな例もあります。Will you hand me that piece of paper?とHand me that piece of paper,will you?後の文は、親しい間でなければ使えないのですが、言っておいてあたりを柔らかくするために付け足した言い方、と言えるでしょう。
by 後志のおじさん (2013-10-23 08:06) 

後志のおじさん

ebisuさんがNo100でコメントされた通り文中最初の名詞の前にある語句は、動詞につながるのです。―――分詞構文というもの然り。Peering no black face だけでは、「ことは」なのか、「して」かは決まりません。この後に she ときて分詞構文と決まります。―――同様にTo walk the streetも、後ろに名詞が来るか、動詞が来るかで、副詞用法か名詞用法かが決まります。――――私は、Whenや、if、thoughも同じように読んでいます。
by 後志のおじさん (2013-10-23 16:32) 

ebisu

後志のおじさん、とっても忙しい時期に休憩時間を削っての解説ありがとうございます。

わたしたちは、いわゆる5文型の構文論をはるかに超えて、あらゆるタイプの文章を高い山から眺めて論じていますので、抽象度が高い話しになっています。こんな話しをすらすら理解できる中学生がいたら、気味が悪いです。(笑)

>ebisuさんがNo100でコメントされた通り文中最初の名詞の前にある語句は、動詞につながるのです。

advervials(副詞相当語句)は副詞類ですから、次のシェーマの中では動詞を修飾すると理解していいのでしょうね。
Adv+主語+動詞(+名詞)+Adv

たぶん、そういう意味ですね。
When も if も though も分詞構文も、文頭にもってくるとみな同じ機能を受け持つ。

>Peering no black face
のあとにsheがきたら分詞構文、逆にsheの分の後に付加されたら、通常の修辞上の配慮で、あたりまえの語順。
したがって、文頭に来たときはワードオーダに異常を感じさせるので「強調」の含意アリ。
文頭のAdvは主語をとりまく状況を説明している、情景が説明された後で、主語が登場しその状況の中で何かをする。

そうした感覚で文章を眺めているのですか。

とこれくらい噛み砕けば、高校生にも理解できるのではないかと...

英文の読み方に関するかなり具体的な示唆を含んでおり、楽しい議論ですが、少々難易度が高い。よく勉強している大学生向きの議論ですね。
by ebisu (2013-10-24 00:07) 

合格先生

 「末尾強調」のことですが、これ、実はネイティブの文法書(ネイティブの人から見ると国文法に当たる)に書かれいている内容で、そこでは「end focus」と言われているそうです。日本語に直接訳すと「文末焦点」となりますね。だから、自分の訳があんまりよくないかも知れません。

 例えば、
He runs fast.
と言った場合、「彼は足が速いんだ」ということで、一番相手に伝えたいことは「速い」という事。ですから、英語の基本形で文章を言った場合、もちろん、付け足しの意味になることもありますが、基本は一番最後に来る部分が一番相手に伝えたいことなんだ、という解釈なんです。
 there isの構文も、これに準じていて、例えば、道を歩いていて、猫を見かけた場合
There is a cat.~~「猫だ!」となるわけで、この場合、猫をメインに考えているため、猫を後ろに持ってくるように倒置されています。
 ところが、その猫が逃げてどこかに行ってしまい、それを探して、「あ、あそこにいた」となった場合、これは
The cat is there.~~「あそこだ!」
と、今度は「あそこ」に当たるthereが最後に来る、という事なんです。

 自分たちの頃は、主語・述語が日本語より前に来ていたり、Yes Noを先に言うために「英語っていうのは、大事なことを一番最初に言うんだ」と習ってきましたが、どうやら、その解釈はちょっと怪しいようなんです。

 また、文章の中で倒置が起き「前に出たものが強調される」という解釈だと「倒置すると自動的に強調される」のであれば、いわゆる「強調構文」は必要ないことになってしまいます。

 そこで、ebisuさんが提示してくれた例文になりますが、

>Militarily, the United States has wielded authority over the world as leader of the West through NATO and Asian security agreements, and since the collapse of the Soviet Union in 1991 it has been the world's only superpower.
(米国は、軍事的には西側のリーダーとしてNATOやアジアの安全保障体制を通じて世界に睨みを利かせ、91年のソ連崩壊後は唯一のスーパーパワーになりました。)

 この文章を見て「日本語の訳を要約しなさい」と言われたら、「米国は、唯一のスーパーパワーになっている」という事になるでしょう。
 ですから、この場合のsince以下の文章は、強調するために前に出したという解釈ではなく、最後のit has been~を強調するのに「it has been~の方を後ろに持ってきた」、それで文章をまとめた、という解釈の方が適切ではないか、ということなんです。
 もしも、since以下が強調されるのであれば、強調構文の形をとるのであろう、という解釈でした。

 また、
She made Bill a new suit.
についても、もしも「私が作ったのよ」というところを強調する場合、これを受動態にしてby meを後ろに持ってくるか、It's meを最初に持ってきてそこに後の内容を付け足すか、そういう表現になるだろうと思います。

 もちろん、後志のおじさんがおっしゃっている「つけたし」の要素もありますし、なんでもかんでも、後ろが強調ということではないのですが、市販されている文法書で「前に出して強調」を説いているものもあって、その文法書に書かれている例文を訳してみても、どうも、前に出しているところを強調しているようには思えない節があり、自分はずっと「変だなあ」と思っていました。
 おそらく、この「end focus」が当たりではないかと思っています。

後志のおじさんへ
 腰の調子はどうですか? 外が寒くなっていますから、あまり冷やされないように。
 話に聞くところではバンテリンのサポーターは、割といいみたいです。
by 合格先生 (2013-10-24 05:04) 

合格先生

 あれ? 今読んでみると、最後の「後志のおじさんへ」のコメントの日本語が変ですね。「あまり冷やされませんように」? う~ん、これもなんか変ですね。
 「腰を冷やさないようにしてください」が適切ですね。
by 合格先生 (2013-10-24 05:11) 

Hirosuke

>いわゆる「強調構文」は必要ないことになってしまいます。
     ↓
これは【It】が強調されているのです。

余りにも漠然とした【It】が先頭に来ることで、
返って「【It】って何だよ!?」というキモチが働き、
「前か?後ろか?」と脳が全力でサーチし始める。

サーチして「後ろか!」と発見した瞬間に、
結果としてend focusが起きる。

あくまでも副次的産物なんです。

中3で習う「【It】... for... to...」も、
実は全く同じキモチから出来ているカタチです。

つまり、
その正体は、
「強調構文」だった!

というわけで、
ここでも【It】は、
非常に特殊なイミを担っています。

なにしろ、
いわゆる代名詞の中で、
前も後ろもサーチする必要があるのは、
【it】だけなんですから。

by Hirosuke (2013-10-24 09:02) 

後志のおじさん

お気遣いありがとうございます。コルセットを締めてダウンのツナギを着てやっております。文末強調ですが、文章によるのではないでしょうか?意外性を狙うとか、驚きを誘う文なら一種のpunch lineとして効きますから。ただ、あまり一般的ではないのでは?と思います。――――合衆国が世界をリードする。のも、あくまで文頭のMilitarilyの条件下ですし。(経済的にでもなく、政治的にでもなく。)また、gave him a sweaterも、For him, I gave a sweater.とするともっと「彼に」が強く出ます。

by 後志のおじさん (2013-10-24 10:24) 

ebisu

おはようございます。

end forcus だったんですね。

例文について違う解釈を提示します。
end focus ではなく、「原因⇒結果」の論理的順番に二つの文章を並べただけという理解です。
元の文章はこうなっていました。
Militarily, the United States has wielded authority over the world as leader of the West through NATO and Asian security agreements, and since the collapse of the Soviet Union in 1991 it has been the world's only superpower.

これを two simple sentences に分解してみます。
①The United States has wielded authority over the world as leader of the West through NATO and Asian security agreements militarily.
②The United States has been the world's only superpower since the collapse of the Soviet Union in 1991.

simple sentences が deep structure(深層構造)をらわしています。
これら二つの文をandで接着して、重文をつくります。
そこで書き手は次のような操作をしました。
■①の結果が②だから、andでつないだ(原因⇒結果)
■主語が同じだから、後の文の主語がitになった
■militarilyを強調したいから、文頭にもっていった
■since以下を強調したいので位置を変えた

もともとは後志のおじさんの次の問題提起が出発点でした。

>英文の基本構造は、Adv+主語+動詞(+名詞)+Adv

通常のワード・オーダを変更すると、定位置を変えた句(語)が強調となります。問題はいたって簡単、たったそれだけのことでした。

視野の外にあった特殊な構文である、いわゆる強調構文については、Hirosukeさんがすでに解説してくれました。

It's me.....
((それは)わたしだ.....)

文頭のitが強調されていると。

楽しいですね、ゆったりと時間が流れていきます。
假定法に関連して派生的な問題も含めて、やりとりされたコメントは200に近づいています。
わたしは十年来の友人と心置きなく語り合っている気分にひたっています。(笑)

皆様の真摯なコメントに感謝申し上げます。
.........m(_ _)m
by ebisu (2013-10-24 10:48) 

ebisu

 end forcusをネットで検索したら、面白い解説がヒットしました。合格先生の説を裏付けるものです。

http://www.ravco.jp/cat/view.php?cat_id=5654

その中から関連のあるものを引っ張り出して見ます。

----------------------------------------
 話し手は、聞き手が理解しやすいように文中の情報を配列する際、どのような配慮をすべきでしょうか?聞き手を混乱させないようにという気遣いがある話し手ならば、相手が知っている情報をまず語り、それをベースに新しい情報を追加していき、情報というレンガをすこしづつ積んでいく手法を取るでしょう。したがって、文中の語順にも「旧⇒新という情報の構造」を反映していくことが理想的です。ここでは、そういった原則によって語順がどう配列されるかを検証しましょう。

■End-focus(文末焦点)の原則:新情報、最重要な情報はできるだけ文末に置きます。主要な論点を最後まで言わずにおくことで聞き手・読み手の期待感を高めるためです。

例1:
“What did you buy for your wife ?”
1)“I bought a beautiful silver ring for her.”→不適格
2)“I bought for her a beautiful silver ring.”→適格
「君は奥さんに何を買ってあげたの」
「きれいな銀の指輪を買ってあげたよ」

 疑問文の内容から、答えとして最重要な情報は a beautiful silver ring「きれいな銀の指輪」であるため、その最重要な情報を文末に置いた英文2)が、ここでは適格です。文末焦点の原則に合わせるために意図的に語順を配列した典型的な英文です。

.....
例3:because 節は文末、as / since 節は文頭
because 節には通常、文中で最重要な情報・新情報が来ます。したがって、ほとんどの場合文末に置かれています。
Do you want to know why I quit the job ? - I did it because I was fed up.
「なぜ仕事をやめたか知りたいのかい?私がそうしたのは、うんざりしたからさ」
それに対して、as / since 節には既に聞き手に了解済みの理由が入ります(「(既にご存知のように)~なので」といったニュアンスです)。つまり旧情報が来ていますので文末には置かず、通常文頭へ置きます。
As / Since there was no computer a century ago, people had to calculate for themselves.
「(ご存知のように)百年前はコンピューターがなかったので、自分で計算をせねばならなかった」
----------------------------------------

(URLをクリックして全文を読んでください。中学生にも参考になる部分がいくつかあります。もちろん高校生にもね。4文型の書き換え問題の奥にある本質がみえてきます。)

「例3」は通常のワード・オーダからの逸脱ですが、強調ではなく、既知情報だから文頭におかれるというのがこの人の説明です。ひるがえっていうと、新情報は文末に来る。

この人の視点は、「最重要な情報は文末におかれる」というものです。「強調」という観点ではなく「情報の重要性」という視点からの、ワード・オーダの整理のようです。

>文中の語順にも「旧⇒新という情報の構造」を反映していくことが理想的です。ここでは、そういった原則によって語順がどう配列されるかを検証しましょう。

文末におかれた句(語)の位置が「最重要」マーカとうこと。

視点が異なると、それぞれの視点ごとに文の見方が変るということ。
理論の出発点を替えると、結論も変る、そういう広い視野からものごとを眺めることが大事なのだと思います。

せっかくだから、少し大きな話しを追加しておきます。
マルクス『資本論』は抽象的人間労働を体系の出発点に措定していますが、これは工場労働が想定しており、もとをただすと生産手段や自前の道具ををもたぬ奴隷労働です。
出発点を自前の道具をもって働く職人労働に替えてしまうと、まったく異なる経済学が生まれるということ。わたしはこの問題を「経済学ノート」というカテゴリーで扱っています。日本に世界をリードしうるまったく新しい経済学を生み出そうというライフワークです。

英語も大きな目で見ると経済学の根本的な問題と通底しているのです。
by ebisu (2013-10-24 11:41) 

Hirosuke

【最重要】と【強調】はイコールではないのです。

この方は【新情報】=【最重要】という立場であり、
【旧情報】⇒【新情報】という流れも、
それ自体は全く正論です。

ただし、
その【新情報】を登場させる際に、
まず述べておくべき【条件】等があるならば、
それを予め【文頭】で指摘しておく必要がある。

そこに【強調】表現が生じるわけです。

これはもう、
一文単位での英文法の話ではなく、
テクニカル・ライティングや論理学の領域です。

by Hirosuke (2013-10-24 12:25) 

後志のおじさん

おかげさまで、なんとか雪の付く前に、作業が終わる目処がついてきました。3日には、北海道学力コンクールがあるから夜行っていいかって問い合わせも来ました。(まだなんとも言えないですけど。)
―――――休憩中に、温かいものを飲みながら、ガラケーでやりとりを読むのは本当に楽しいです。――「強調」しておきたい文の前提条件と「重要な・或いは信憑性を裏付ける」情報←次元の異なる話だと思います。「強調」文法用語では、「文修飾」なんて辞書にはでていますが、「オレがいいたいのはねぇ~」が日本語なら、英語では、前に置いたことに相当するのではないかと。―――――Hirosukeさんのおかげで、文頭のItがすっきり整理できました。確かに言われてみれば、何を指すかわからないItがあると、「強調」だろうと「仮置」だろと、これはなんじゃ?と頭が動き始めますね。でも後に来るtodoやらthat文をさすItの全てが強調、とまでは言えないような気がするのですが、理解のヒントを頂けるとありがたいです。to以下が長いと、動詞にたどり着くまでがまだるっこしいので、短縮するためにItを置いていると思っていたものですから。
by 後志のおじさん (2013-10-24 23:12) 

ebisu

夜遅くコメントありがとうございます。

お疲れ様でした、作業に目途がついてよかったですね。

>休憩中に、温かいものを飲みながら、ガラケーでやりとりを読むのは本当に楽しいです。

よかった。
ここは集いとお喋りの場です。
by ebisu (2013-10-25 01:18) 

合格先生

 あの、ちょっと素朴すぎる疑問で申し訳ないのですが、例えば、
For him,I made a sweater.
となった場合「彼に」の部分が強調されると考える方がいいのでしょうか。

 というのは、自分は、こういう文章が出てきたときには、ちょっと女子高生風に言うと
「彼にね、私、セーター作ってあげたの」
くらいの感覚かな、と思っていました。要するに「セーターを自分で作ったんだ」ということをちょっと自慢する感覚が入っているような場合のセリフではないかと思っていたんです。
 そして、これを聞いた相手は、
「自分で作ったの? すごい」
という反応かな、と。

 要するに、自分が伝えたい部分や話題の中心になる部分を後の方に持ってくるようにしているのではないかと考えていました。
 そして、たぶん、こういう会話をする場合、話し相手も「彼と付き合っている」という事を知っていて話に乗ってきているということが想像され、これがebisuさんの検索で見つかった「既知の情報を前に出す」という説明と合致するのではないかと思いました。

 これが、
It was for him that~~~
となると、話の内容が「私は彼のためにこんなにしているのに、どうして私の気持ちに気づいてくれないの~~」という話に展開するのではないかと。こういう形になって「彼のために」が、話の中心に出てくるのかな、と思っているのですが。
 この辺、どうなんでしょうね?
by 合格先生 (2013-10-25 05:15) 

ebisu

おはようございます、さきほど目が覚めたので、起きました。

合格先生のコメントを読みました。なるほど、そういうことだったのですか、具体的に説明してもらえると疑問の根っこに横たわっている問題みえてきます。

>For him,I made a sweater.
>となった場合「彼に」の部分が強調されると考える方がいいのでしょうか。

> というのは、自分は、こういう文章が出てきたときには、ちょっと女子高生風に言うと
>「彼にね、私、セーター作ってあげたの」
>くらいの感覚かな、と思っていました。

たぶん日本語にして考えてしまうからなんです。
日本語にしたら、語順を変えても強調の感覚が出てきません。

日本語は語順を変えても平気な言語ですが、英語はそうではないという当たり前のことが了解されているかどうかの問題に帰着するのではないでしょうか。

英語は基本語順からの逸脱はそれ自体がマーカになります。そういう範疇でとらえると、疑問文も「基本語順変更による強調」の例です。

1.基本語順変更による句(語)の強調
2.いわゆる強調構文による句(語)の強調

かようにわたしは理解しています。

当初の話題は、後志のおじさんから提起された英文の基本語順に関わる問題でした。
合格先生が仰っているのはそれとは異なる問題、Hirosukeさんが言っているようにライティング・テクニックの問題のように聞こえます。it の魔力を駆使した強調表現、とでも申しましょうか。

このような説明ではいけませんか?
by ebisu (2013-10-25 07:42) 

Hirosuke

【強調】なんて呼ぶから誤解されるのかもしれません。

口語や会話の場合は、
【話者のキモチの先走り】
とでも呼ぶ方が近いと思います。

>For him,I made a sweater.
>「彼にね、私、セーター作ってあげたの」

まさしくの例ですね。

英語も日本語も、
思わず話者のキモチが先走ってしまった、
そんなカタチをしています。

その結果、
話者の先走ったキモチは【聞き手】にも感知され、
最終的に【新情報】に【エンド・フォーカス】される。

ココで重要なのは、
【エンド・フォーカス】しているのは、
話者ではなく【聞き手】(または【読者】)
だということ。

この話者にとっては、
「For him」が最大の関心。

この【聞き手】(または【読者】)にとっては、
「で、それが、どうしたの?」が最大の関心。

だから【エンド・フォーカス】は副次的な産物なんです。

以上は、
口語や会話の場合です。

プロや知識人の文章(会話を含む小説でも)では、
両方の機能を意図的に駆使して、
双方のキモチをカタチを練り込んで行き、
言葉の持つ効果を最大限に引き出す事により、
確実に筆者の意図を読者に伝達させます。

大学入試で扱われる長文も同様です。

英文和訳の問題で、
修飾関係が厳密なまでに重要視されるのは、
筆者の意図を汲み切れているかを測る為です。

一般ネィティブの文章は、
よほど錬られたものでない限り、
【話者のキモチの先走り】だらけですけど。(笑)

by Hirosuke (2013-10-25 09:20) 

Hirosuke

後志のおじさん、Itの例文を集めてみますね。

by Hirosuke (2013-10-25 09:27) 

合格先生

 今日、生徒が風邪で休みになってしまい、時間があいてしまいました。
 皆さんも風邪には気を付けてください。釧路ではインフルエンザも流行ってきているようです。

 なるほど、「強調の誤謬」と言っておいた方がいいかもしれませんね。

 実は、自分の発想は、たぶん、みなさんとは逆で、エンド・フォーカスが意識下にあるから、それを弱めてしまったり、妨げてしまったりするものは、意識的、もしくは無意識的に語順を変えたり、倒置したりして対応するのだろう、という事なんです。その方が解釈として自然なのかな、と思っているんです。
 そして、そういう言い回しがネイティブにとって自然なのかな、と思っているんです。

 Itの解釈については、hirosukeさんに同意です。
 自分たちが学生の頃は、主語が長くなると文のバランスが悪いからitに置き換えて、本来の主語を後ろに持ってくる、という説明を受けていましたが、どうやら、これは、説明として不適切ではないか、と思っています。
 It~for~to~などで扱われる場合、本来、エンド・フォーカスで最後にくるものを最初に持ってきて、「それって、何?」と聞き手を引き付けるために行われるもの、と思っています。
by 合格先生 (2013-10-25 18:08) 

後志のおじさん

Hirosukeさん、お手数おかけします。m(_ _)m――――あと、思いあたるのは、Iとかyouとかheは音が弱いので、Advと紛れないように、というのも考えられないでしょうか?文頭のTo doは、主語があればAdvですが、聞き落とすと主語になってしまう。In order toでAdvだよ、とはっきりさせるように、It→toで主語だよ、とする。という感覚です。―――――合格先生へ。後を意識していたとき、つまり、日本語では文末に焦点がくるので、文末を待ち構える耳で聴いていたとき、私は聞き取れなかったです。聞くときに意識を前に前に倒すように努力した結果生の英語が聞き取れるようになった実感があります。それをきっかけに、読み方が変わって目から鱗の世界が現れた。あくまで個人的体験が元なので、普遍的だと主張はできません。が、母語の習得も、初めに音、次に文字ですからあながち誤りではないだろうと思っています。――――NHKラジオ講座3つ聞き続けています。一冊420円×3で、コストパフォーマンスは高いです。テキスト用ラックをトラクタ運転席に取り付けて、直進作業中に復習しています。楽しいですよ。(私有地内ですから違法行為ではありません。近所には、ビールを飲みながら機械を操る猛者もいます。道路に出ないから違法ではないのです。)
by 後志のおじさん (2013-10-25 22:52) 

ebisu

話者と聞き手に分けて、エンドフォーカスは聞き手の側の問題とう解説は具体的で説得力がありますね。

合格先生は、はじめにエンドフォーカスありきで、そこから語の移動の役割についてひとつの独自な解釈を試みようとしている。

視点が違えば、文の構造そのものの見え方も違ってくるということですが、そういう相対的なものごとの見かたについて、高校生や大学生は学んでほしいですね。
どこまでやれるか限界を極めてみる、つまりはチャレンジ。

意見が違うというのはありがたいことで、こうして楽しい議論が続けられます。(笑)

しばらく考えてみます。
by ebisu (2013-10-26 00:29) 

合格先生

 後志のおじさん、ありがとうございます。

 実は、お恥ずかしい話で、自分がこのエンドフォーカスを知ったのは、1年ぐらい前なんです。それまで全然知らなかったんです。
 おまけにこのエンドフォーカスに、日本語の、いわゆる「文法用語がついていなかったんです。そこで直訳の「文末焦点」とした場合、何か、こう、生徒に話したときにイメージが湧かなさそうだな、ということで、言いたいことを強調するのに「強調構文」というのがあるから、この言葉を引っ張って、自分で勝手に「末尾強調」という言葉にしてみたんです。でも、やっぱり、従来の文法用語から引っ張ってくると、無理があるみたいですね。

 せっかく、新しい発見があったので、さらに、いろいろな文法書を読んで、もう少し詳しく調べてみようと思ったら、これが見当たらないんです。調べようにも調べられない、というのが正直なところなんです。
 それで「しょうがない、自分でやるか」ということになったんです。

 そこで、まず、一番、シンプルな形にしてどうなのか、という事を検討してみました。すると、
Here goes a fire-engine!
(子どもが)消防車が走っている!~「消防車だ!」が一番言いたいところ。
また、前述の
He runs fast.
も、「早い」が言いたいところ、
It's made of wood.
も、「素材を話題にしているときにいう事」で、そのほかThis is~,I am~など、結局、普通の語順で言った場合でも、倒置や受動態にしたときでも、言いたいことは文末に来ているぞ、と思ったんです。そして、第4文型の語順変化もそれに則っていると考えたんです。

 また、文章で考えた場合、自分たち日本人の場合は、自然に、一番言いたいことを基準にして、それを伝えるために、必要な補足説明をするだろう、と考えたんです。だから、英語でもそれは同じだろうと。
 そうなると、補足説明を倒置して強調したために、言いたいことが結果後ろに来てしまったということは、考えられないだろう、むしろ、言いたいことを言う場所を設定してから、それに必要な補足説明をするだろう、と考えたんです。

 そう考えて、例えば、大学入試の長文読解の解説などを読むと、今まで疑問に思っていたことが、納得がいくようになったんです。
 というのは、解説書では、倒置が起こると、ほとんどの場合、前に出たところが強調される、という解説なのですが、文章全体の意味合いから考えた場合「ここを強調してどうするの?」と思えるようなことが多かったんです。それよりも、倒置が起こった場合、前に出た方の句・節よりも、その後ろに来る部分に主眼がある、と思って読んだ方がピンと来るんです。
 たぶん、市販されている解説書で、こういうことを書いているものはほとんどない、と思いますから、ここでの議論が一石を投じることになるかも知れません。

 うがった見方をすると、今まで解説をしてきた人たちは、エンドフォーカスを出すと、自分たちが今まで解説してきたことが間違い、ということになってしまいますから、それで「敢えて触れないようにしているのかな」とも思ってしまえるくらい、出てこないという状況です。

 自分も、完全に自身があって、主張していることではないのですが、こういう視点で見ていくと面白いことになるような予感がします。
by 合格先生 (2013-10-26 05:56) 

合格先生

済みません。
There goes a fire-engine.
とするところをHereにしてしまいました。これだと、子供が危ないですね。
by 合格先生 (2013-10-26 06:06) 

ebisu

参考になるかどうかわかりませんが、cleft sentence(分裂文)について書いておきます。
文法上は'it型'の分裂文と呼ばれているものがあります。

「<書き言葉の>英語では、イントネーションによって対比強調を示すことができないから、この分裂文は強意のために特に有用である。」
         『現代英語文法 コミュニケーション編』ジェフリーリーチ・池上嘉彦訳 紀伊国屋書店 337頁

文例を挙げないといけませんね。
-------------------------------
(A) Would you like to borrow this book?
(あなたは、この本が読みたいですか?)
①(B) No, it's the other book that I want to read.
(いいえ、私が読みたいのは、もう一方の本です。)

(主題=目的語;I want to read other book.(わたしはもう一方の本が読みたい。)参照)

(For centuries London had been growing as a commercial port of world importance.) ②But it was in the north of England that industrial power brought new prosperity to the country.

(主題=副詞類)
((何世紀にもわたって、ロンドンは世界的に重要な商業港として発展してきた。)しかし、工業力が国に反映をもたらしたのは、英国北部においてであった。)

①および②に含まれている否定を明示すれば、主題の対照的意味がわかるだろう:

It's the other book, not that book, that I want to read.
(私が読みたいのは、あの本ではなく、別の本だ)
But it was in the north of England, not in London, that .....
(しかし...のことは、英国北部においてであって、ロンドンにおいてではない。)
<書き言葉の>英語では、イントネーションによって対比強調を示すことができないから、この分裂文は強意のために特に有用である。

分裂文(Wh型)
435
名詞的関係節は、it型分裂文と同じように、一つの対比のために目立たせるのに用いられる。その場合、動詞beの主語のことも補語のこともある。

通常の型
We need more time.

分裂文
It's more time that we need. (it-型)
(私たちが必要とするものは、もっと多くの時間だ。)
What we need is more time. (wh-型)
(私たちが必要とするものは、もっと多くの時間だ)
More time is what we need. (wh-型)
(もっと多くの時間が、私たちが必要とするものだ。)

wh-型の分裂文は、it型のようい、通例対比の意味を含んでいる。たとえば:

We don't need more money---what we need is more time.

-----------------------------------


通常の文と分裂文を比較してみてわかるとおり、前方に移動した句が強調されています。それを解く鍵は隠されている対比の文だとこの著者は主張しているようです。
オーソドックスな理解でしょう。

文末焦点という視点で一刀両断すると、後に残された句あるいは節の強調ということになりますが、さて、どうでしょう。

視点としては面白い、しかし、わたしは「唯物史観」を思い出してしまいます。原始共産制から発展段階説で人類史をまとめて定式化し産業革命とその後という風に区分けして、日本の歴史に無理やり当てはめることが1960年代後半まで流行っていました。あれは無理でした。
増田四郎先生流の地域主義、あるいは文献を丹念に積み上げてそこから共通事項やいくつかの縦糸を見つけ出していく地道な作業、そういう学風がわたしの好みです。

でも、漢字学者の白川静先生のように、既存の学説どころか、中国の古典『説文解字』までひっくり返してしまった大学者もいますので、チャレンジ精神はとても大切だと思っています。

合格先生の解説を楽しく読んでいます。
by ebisu (2013-10-26 13:07) 

合格先生

ebisuさんへ
 分裂文の解説、ありがとうございます。
 もちろん、日本語も英語も言葉ですから、全部が全部割り切れるというものではないと思いますし、エンドフォーカスについては、唯物史観ほど、極端ではないかな、と思っています(笑)。

 で、たぶん、ここでは倒置の話になってくると思うので、一番見慣れていてわかりやすいと思われるIt~for~toを例にとってお話ししてみたいと思います。
 まず、元の文
To study English is easy for me.
 「英語の勉強なんて、俺にとっちゃ簡単よ」
これを直して
It is easy for me to study English.
これを日本語の語順で考えると、倒置が起きて
「俺にとっちゃ簡単よ、英語の勉強なんて」
となるんです。
 ここで、itの意味について考えると、前にHirosukeさんがおっしゃっていた「itって何?」が当てはまるんです。
 最初の「俺にとっちゃ簡単よ」で「え?何が?」と聞き手の興味を引き、そのあとで「英語の勉強なんて」と入ってくる、こういう手法なんです。
 ですから、この場合、it以下に話題の中心がくる。要するに元の文でエンドフォーカスされていたものが、itの倒置によって前に出てくる~これがいわゆる「倒置による強調」なんです。
 で、おそらく、従来は「英文であれば、語順が変わるとすべて日本語の倒置と同様の状況になる」と考えられていたのではないか、でも、本当に日本語の倒置に当たる文章表現は、文頭にitを持ってくる形なのだ、ということなんですね。そして、ここで、何らかの誤解が生じていたのではないか、と考えているんです。

 ですから、ebisuさんの例にある
No, it's the other book that I want to read.
「いや、ほかの本ですよ、私が読みたいのは」となって、「じゃあ、こちらの本は?」と別の本を提示してくる、という流れになるだろう、と。要するに、言いたいことを先出しで言っている形ですね。
 また、
But it was in the north of England that industrial power brought new prosperity to the country.
「でも、イギリス北部においてなんですよ、工業力がこの国に新たな繁栄をもたらしたのは」
 この話は、たぶん、産業革命~いわゆうる工業力の発展と歴史的に捉えられているところで、実は、ロンドンは、その本来の工業力ではなく、商業地として発展したわけで、実際の工業力、という意味で考えるとイギリス北部なんだ、という主張と考えられますね。

 このように、倒置によって、本来の言いたい部分が前に出てくる場合、itによって前だしされるという事なんです。

 それでは、前に出てきた、以下の文章はどうか、というと、
since the collapse of the Soviet Union in 1991 it has been the world's only superpower.
は、前だしのitがないですから、これは単純に、主張として一番言いたいit以下を後ろに持ってくる形だろう、と。英語の感覚では倒置だと思いますが、この文章の場合、英語が日本語の方に語順を寄せてきた、と考えた方がいいと思っています。もしも、これが倒置によって強調されるなら
最初のsinceの前にit has beenがつき、あとのit has以下が、例えばhaving been the world~となるのではないか、ということなんです。

 どうでしょうか?
by 合格先生 (2013-10-26 22:38) 

後志のおじさん

合格先生へ―――申し訳ありませんが、He runs fast.ですが、文末のAdvは付加的に効くのでメインは、He runsの部分です。「現在形」の文ですから「事実を淡々と」述べている文です。(Hirosukeさんおっしゃる通り、「現在」に限定されているわけではない。)
fastを文全体に効かせたいなら、Fast he runs.fastを「強調」したいならFast runs he.です。――――Here goes……も、意識は「go」の動作にあります。走って行く、動いて行く、進行していく、が言いたいポイントで、……の部分ではないのです。Here goes!だけでも通じますから。――――――Adv+S+Vというのは、あくまでも、語順の話で「強調」とは関係がないのです。前提条件→文の中心→補足条件、とでもいえますか。英語では、言葉の場所で、役割(主語述語修飾語)が決まり、言いたいことはあくまで文の中心部(SV)で、文の部品で、特に言っておきたいものがあるとき「強調」という形がとられるのだと、
by 後志のおじさん (2013-10-26 22:52) 

ebisu

話題ごとに区切って検討してみます。
合格先生が文法書にはエンドフォーカスの説明がないと述べていますが、わたしも手持ちの文法書や用法書を調べましたが、やはりありません。

調べた本をあげておきます。
『文法理論の諸相』ノームチョムスキー著、安井稔訳
'The Grammar Bible' Michal Strumpf
'Collins Cobuild English Grammar'
'Collins Cobuild English Usage'
'Practical English Usage' Michael Swan
『現代英語文法 コミュニケーション編』ジェフリーリーチ・池上嘉彦訳

他に作文技術の問題かもしれないので、次の本も見ました。
'Creating Compositions'

どの本にも end forcus の説明はありませんでした。

それゆえ、文法的な話題ではないのでしょう。そして、米国人が通常行う作文トレーニング教本上に載るような話題でもなさそうです。

いままでの議論をわたくしなりに総括すると、演説テクニックの問題かもしれません。
by ebisu (2013-10-26 23:36) 

Hirosuke

◆シンプル解説 for 中・高生◆

>文末のAdvは付加的に効くので
   ↓
そうなんです。

いわゆる【後置修飾】ですから。

「文末のAdv」に限らず、
いつでも必ず英語ってのは、
絶対どこでも【後置修飾】なんですよ。

あー多分、
ここで僕が使った【後置修飾】も、
一般の文法用語と概念が違います。

普通ならば、
「主語が動詞を修飾する。」
って言うのですが僕の場合は、
-----------------------------------------
【後ろの動詞が、前の「~は」を説明してる。】
とか、
【「~は」って聞こえたら、「何すんの?」と思え!】
とか、
【「~する」って聞こえたら、「何を?」と思え!】
------------------------------------------
とか教えてます。

あぁそれなのに、
そんな事を今まで一言も、
何にも説明してこなかったクセして、
【関係××詞】や【▲▲分詞】が出てきた途端、
俄然と張り切って【後置修飾】を連呼する文法書。

マジ意味不明なんスけど。
(苦手な生徒の代弁)

こうやって英語のカタチ・イミ・キモチを、
最初の最初から教わって理解していれば、
いわゆる【関係××詞】や【▲▲分詞】なんか、
わざわざ【後置修飾】なんて使わなくたって、
「なーんだ、今までと全く同じ仕組みじゃん。」って、
あっさり理解できるのになぁーーー。

ブツブツ・・・・・・。。。。

by Hirosuke (2013-10-27 00:02) 

ebisu

日本語の語順の問題

「晩御飯は食べました」
「食べました晩御飯は」

どちらもとくに意味の違いはないでしょう。位置を変えても主語は主語、述語は述語で何の変化もありません。位置が変ってもとくに話し手が伝えたい内容やイメージ、重点が変らないというのが日本語の特徴ではないでしょうか。

「昨日桜が咲いた」
「昨日咲いた桜が」
「桜が咲いた昨日」
「桜が昨日咲いた」
「咲いた昨日桜が」
「咲いた桜が昨日」

どれも同じような気がします。
by ebisu (2013-10-27 00:04) 

ebisu

ありました。文末焦点 end focus と文末重点 end weight の載っている文法書が。

『現代英語文法 大学編』ランドルフ・クァーク著 池上嘉彦訳

「第14章 焦点、主題、強調」649~684頁

この本によると焦点は文末に限りません。
たとえば、分裂文で動詞の次に来るものに「焦点」があたります。
話し言葉ではどこに強勢をおくかも焦点に関係があります。

暇を見つけてかいつまんで解説したほうがよさそうですね。
by ebisu (2013-10-27 00:21) 

合格先生

後志のおじさんへ
 自分が変な内容を出してしまったばかりに、話を混乱させてしまって申し訳ありません。
 文章の構造上の問題として、後に来る副詞が、主語・述語の部分に対して付加的に意味を付け加えるということは、おっしゃる通りだと思います。そして、「強調」となると、それは倒置などの問題となってくるところも、理解しているつもりです。

 そこで、1つ確認したいことがあるのですが、
He runs fast.
となった場合、これは現在形ですから、「足が速い」という彼の能力について述べている、と自分は思っていて、おそらく、そこが話題の中心になるのではないか、例えば、この話を聞いた人が
「それじゃあ、運動会が楽しみね」
という話にしていくのではないか、と。そして、これがいわゆる「エンドフォーカス」として捉えられていると考えているのですが、この点はどうでしょうか。

ebisuさんへ
 いろいろ調べてくださって、ありがとうございます。やはり、参考書には、あまり書かれていませんよね。それで、もし、このエンドフォーカスを考えなければならない、となったとき、特に第4文型のライティングに支障をきたすように思うのですが、どうなんでしょうね。

 それから、日本語の語順ですが、これは国語の詩の単元などで、表現技法として「倒置法」を習いますから、日本語の強調という点になると、大事になってくると思います。
 ですから、英語の強調と日本語の強調という点では、ある程度リンクさせて考える必要があるのではないか、と自分は思っているのですが、この点はどうでしょうか。
by 合格先生 (2013-10-27 06:20) 

ebisu

合格先生へ
おはようございます。
論点がわからないので、「第4文型のライティングに支障をきたす」という点を、もうすこし具体的に述べていただけるとありがたい。

2番目の問題、日本語の語順ですが、わたしは二つから構成される文と、三つの要素から構成される文を機械的に並べ替えました。
そこには日本語の意味の違いはないでしょう。

ではなぜ「倒置法」が問題となるのかですが、合格先生が書いているように、詩文に限ると、なんらかの意図をもって書き手が書いているからだろうと考えます。
書き手がイメージしている意図が、語の倒置に載せられている、だから意図が読み取れる。

機械的な並べ替えには何の意図もないから、語や句の倒置が起きても、意味に変わりはない。

これらのことから日本語の倒置と英語の基本ワードオーダからの逸脱は直接リンクして考えるべきではないと判断します。

文末焦点はそれはそれで面白い視点だと感じています。既知情報と新情報を並べる順序としては話者の意図を伝えるひとつの方法であるとは思っています。
どこまで拡張できるのか、楽しみにしているのです。
理論は限界まで押し広げたところで、正しい適用領域が見えてくるものです。
そこを見てみたいし、だからこそネットを媒介にしたこういう議論が楽しい。
by ebisu (2013-10-27 09:36) 

Hirosuke

◆文末焦点◆に言及ある本
----------------------------------
850語で考える英語
―ベーシック・イングリッシュ

名古屋市立大学教授 後藤寛 著(1997年)
----------------------------------
Amazonより

1930年にC.K.Ogden(C.K.オグデン)というイギリスのケンブリッジ大学の言語・心理学者が提唱した「ベーシック・イングリッシュ」(Basic English)の理論に立脚した英語の考え方をフルに紹介します。
----------------------------------

本書に関しては、
----------------------------------
こんな僕の英語教育考(9) [英文テクニカルライターとして]
http://tada-de-english.blog.so-net.ne.jp/2006-07-21
----------------------------------
という記事で紹介しました。

この本の最終項
「文を越えたレベルで考えるベーシック英語」
の中に、
◆文末焦点、強調、倒置◆は、
「知覚認知上の働きと関わっている」
「特に厳密に書かれた文学作品や論文調の文に特徴的であるのですが、・・・」
といった記述があります。

先日も書きましたが、
これはテクニカル・ライティングや論理学の領域であり、
英語の理解・運用の最終到達地点です。

大人だって、
実はネイティブだって、
ほとんど普通は知らないんですから、
中・高生は無理せずにスルーしましょうね。

by Hirosuke (2013-10-27 14:12) 

後志のおじさん

合格先生へ――――He runs fast.だけを文字でみるからだと思います。どんな流れの中での発話なのか?どこに、強勢がおかれたか?でかわります。平板に言われたなら、Then,Jane?とかHow about swimming?も次の言葉として浮かんできます。fastの強勢があったら………(いろいろ言われる奴だけど)走るのは速いんだ。もあり。少しネガティブな色合いまでつきかねません。―――――Hirosukeさんへ。そうです。おっしゃる通り(パチパチ)。中1英語から「後置修飾」にあたるものはあるのに、関係代名詞でいきなり「後置修飾語」ですものね。私は2語以上のユニットで名詞を修飾する場合は後ろ、とやっています。a student at the same school同じ学校の生徒を、日本語の配列で、a at the same school studentとするとフレーズが成り立ちません。「不定詞のケーヨーシヨーホー」も「関係代名詞」も「分詞」もみな同じなんだけど。先に単語の訳語で意味をとって、漢文みたいに「戻って」読む癖が抜けてないんだなぁ!――――Hirosukeさん流は、英文を頭からよんで、文末まできたら内容が理解できているようにするためには、必須の方法です。内容がイメージになっていればいい。訳文は必要がある時に作ればいいのです。
by 後志のおじさん (2013-10-27 15:23) 

Hirosuke

>無理やり受動態に直したりする」というのも、
>これがあるためで、決して
>「受験用の書き換え英語ではない」ということ。
   ↓
そこまでのレベルまで、
ほとんどの作問者は達していません。

出来上がった受動態の文は、
その問題の答としては正解でしょうが、
通常のシチュエーションを考えれば、
英語としては異様に回りくどい悪文です。

「日本語にはない非常に英語的な表現」
とか学校で教えられてしまうせいで、
日本人の書く技術文は、
受動態のオンパレードなんです。

本当のテクニカル・ライティングでは、
禁止ではありませんが、
受動態の使用は強く戒められています。

受動態とは、
使用できるシチュエーションが非常に限られる、
日本語のイミからは全く想像不可能な、
話者の特殊なキモチを表すカタチだからです。

よって、
受動態の書き換え問題は、
ここに【即時撤廃】を主張します。

そのキモチとカタチの関係は、
分詞構文とも似通っています。

あんな書き換えの知識は、
英米文学専攻の大学【院】生だけが、
知っていれば良いというレベルなのであり、
ましてや「問題を解かせる」なんて野蛮行為は、
英米で作家デビューを志す人だけに限って頂きたい。

そんな風に考える常日頃。。。

by Hirosuke (2013-10-27 18:49) 

合格先生

 なるほど、だんだん輪郭がつかめてきました。

 実は、自分は、そもそも文法というのは、特に語順に関しては
「話者の意図」があって、そこで
「文章の形が決まり」
「そこに解析・統合を行って」
「文法体系ができる」
という手順だと認識しているんですよ。
 ですから、語順が変わるということは、何らかの話者の意図がある、という認識なんです。

 そこで、英語と日本語をリンクさせられるものはリンクさせて意図を認識しようという方法なんです。
 例えば
I bought it yesterday.
Yesterday,I bought it.

 上の文はyesterdayが動詞を就職しますから日本語に直すと
「それ、昨日買ったんだよ」
と言う語順になります。
 それに対して、下の文は、後の文全体を修飾するので
「昨日、それを買ったんだよ」
という語順になります。
 そして、上の文は、動詞を修飾するので、「買ったのは昨日~まだ、新品なんだ」というニュアンスで使うときに、この言い方をします。
 それに対し、下の文は単に「昨日はこういうことをしたんだよ」というニュアンスのときの言い方です。
 だから、例えば、喫茶店で買ったばかりの服にコーヒーをこぼして汚してしまった場合、
「昨日、これ買ったのよ」
とはあまり言いません(中には言う人もいるかも知れませんが、基本的にこの語順ではありません)。大抵は
「これ、昨日買ったのよ」
の語順で言うんです。
 さらに、例えば、その服を誰かに汚された場合などは、自分の意図を強調して伝えるために、倒置が行われ
「昨日買ったのよ、これ」
という言い方になります。
 で、実際に、この話をすると「そんなことないんじゃない?」という反応をする人も多いのですが、実は、ちゃんと無意識に選択しています。ですから、日本語は語順が非常に大切なんです。

 そして、この状況が英語でも起きているんだろう、という考えたんです。
 ただ、お話を聞いていると、英語では、それほど、ニュアンスによる語順の選択がないんですね。強勢などで処理していくんですね。そこの食い違いが混乱の元だったのではないか、と思います。
 であれば、エンドフォーカスなどの処理もほとんど必要がなくて、前にebisuさんの探してくれた

>“What did you buy for your wife ?”
1)“I bought a beautiful silver ring for her.”→不適格
2)“I bought for her a beautiful silver ring.”→適格
「君は奥さんに何を買ってあげたの」
「きれいな銀の指輪を買ってあげたよ」

 疑問文の内容から、答えとして最重要な情報は a beautiful silver ring「きれいな銀の指輪」であるため、その最重要な情報を文末に置いた英文2)が、ここでは適格です。文末焦点の原則に合わせるために意図的に語順を配列した典型的な英文です。

ということも、実は、どこを強く言うかということで処理できてしまうということで、あまり気にする必要はないんですね。
 わかりました。
by 合格先生 (2013-10-28 05:51) 

ebisu

助詞があるので日本語はどういう語順で言っても通じる言語ですが、英語はそうではないという、言語の性質は言うまでもなく広く認められていることです。

その点にまで異論を唱えるとそれを否定する論を提示しないといけなくなります。

もちろん、話者がなんらかの意図をもって発話すると言う点では英語も日本語も同じです。ただ日本語にはなんの意図ももたずに、自由に語順を変えていいという融通無碍さがありますが、英語は語順を替えるときにはかならず話者のなんらかの意図や、通常の配列を変えて伝えたいイメージがあると考えていいのでしょう。
もちろん、日本語の配列の変化が特定のイメージを伝えるために使われる場合があることは当然のことです。

もう一点だけわかったことを書いておきます。
受動態について、合格先生の以前の指摘はあたっているようです。しかし、文の基本構造に関わる問題ではありません。ライティングテクニックの問題で、中高生のレベルを超える、文の表現論の問題です。機械的な受動態への書き換えが無意味なことも同時にこの例文でわかります。話者のキモチと伝えたい特定のイミが受動態という特殊なカタチに現れています。

-------------------------------------
...このことから、「動作主」と「被動者」という通常のヨウ素配列を逆にする方法として受動態が重要であることがわかるし、またそれによって、節の構造を文末の焦点と文末の重点にあわせることもできる。

A: Who makes these chairs?
B: They're made by Ercol.
<A:この椅子はどこの製品ですか。 B:アーコルの製品です。>

能動態から受動態への切り換えによって、定動詞節が主語になるというような、文末の重点の原理にそむくような事態を避けることができる:

That he was prepared to go to such lengths astounded me.
I was astounded that he was prepared to do to
such lengths.
<彼がそのようなことまでやる覚悟だとは、私は驚いた>
  『現代英語文法 大学編』656ページ
-------------------------------------

「第14章 焦点、主題、強調」で扱われていますが、この章は分厚い本の最終章です。表現技法、高度なテクニックの一部として扱われていますので、中高生はレベルの話題ではありませんが、知っておいてもいいでしょう。
「文末焦点」とは別の専門用語「文末重点」が出てきましたが、これ以上の説明はいまはやめておきます。

議論は平行線のままでいい、各自が自分の問題意識で考え、さらに自説を発展させるなり、修正するなり、別の視点から考え直してみるなり、さらに調べて自説に有利な論を展開するなりすればいいのです。
合格先生の「文末焦点」の問題提起、後志のおじさんの意見、Hirosukeさんの見解、どれもebisuには勉強になりました。
数日間にわたって、たいへん興味深く、楽しい議論です。

このテーマで再び議論する日があるかもしれません。
書き足りない分があれば、どうぞ投稿してください。
まとめて本欄へアップします。
漢字変換ミスなどはebisuが随時直してアップします、見逃す可能性もありますから、その都度当該箇所を指定していただければありがたい。

by ebisu (2013-10-28 10:55) 

後志のおじさん

Hirosukeさん、書いちゃいましたか(笑)。そうなんですよね。問題集の英語って、ヘンな英文だらけなんですよね。編集者も薄々感じていても、諸先輩への配慮とか、自社だけ変わったことをやって売れなくなったら困る、とか、で前例踏襲のを出し続けるのです。教科書にも、あり得ない英文は入り込んでいます。迷惑なのは、それを使って勉強しなければならない生徒たち。直接教える先生の力量が鍵です。
by 後志のおじさん (2013-10-28 12:27) 

合格先生

 今回の件については、自分が混乱の原因ですから、一応、自分の考えたところをまとめておきます。ひょっとすると、あとで、何かの参考になるかも知れませんので。

 まず、自分が一番最初に考えたのは、日本語の場合なんです。前のコメントで書きましたが、例えば
 だから、例えば、

>喫茶店で買ったばかりの服にコーヒーをこぼして汚してしまった場合、
「昨日、これ買ったのよ」
とはあまり言いません(中には言う人もいるかも知れませんが、基本的にこの語順ではありません)。大抵は
「これ、昨日買ったのよ」
の語順で言うんです。
 さらに、例えば、その服を誰かに汚された場合などは、自分の意図を強調して伝えるために、倒置が行われ
「昨日買ったのよ、これ」
という言い方になります。
以上

 ちなみに、これに付け加えるならば、倒置の文で
「これ買ったのよ、昨日」と言うと、この人、何言ってるの? という話になってしまうと思います。
 このように、日本語は、無意識に語順を選択して話していることから

仮説1
 英語も、話の意図によって、無意識に語順を選んでいるのではないか。

 次に考えたのは「意図の場所」です。自分が例示すると意図的に解釈できるようにしたと思われないために、ここでは後志のおじさんが書いてくださった例でお話ししますが、

>Then,Jane?とかHow about swimming?も次の言葉として浮かんできます。
(以上)

 このような例で、自分の解釈は「あとにつながる話を想定したときに、通常の語順で考えると、その話題の中心は語尾の内容を受けたものになる」という事だったんです。
He runs fast.の続きとして
この場合、
Then,Jane?
How about swimming?
のどちらでも、おそらくは「速いか、遅いか」という事を答えるだろう。それは、前の「fast」が話題の中心になっているからだろう、という解釈だったんです。
 ちょうど、この時期にエンドフォーカスを見つけ、正直、ちょっと有頂天になっていたような状況でした。

ということで、

仮説2
英語の場合、通常の語順であれば、話題の中心は、基本的に後ろに来ることが多い。

 そして、その次に倒置の問題です。
 前の方に、日本語の倒置について触れていますが、日本語の場合、感情が強く入ったときに、強調として倒置が行われ、その場合、前に出た言葉や句が話題の中心になるんです。
 そこで、日本語の倒置と同様に、前に出して強調する場合、英語ではどういう扱いか、という事を考えて訳出してみると、どうやら、日本語と同様の「倒置による強調」は、こんな結論になったんです。

仮説3
 「倒置による強調」は、短めの文で、itを文頭に置くと、文章が長くなってしまうような場合は、単純に語順を入れ替える。
 少し長めの文のときには、itを文頭に置いて、いわゆる「強調構文」やit~for~to~のような状況にする。

 そして、これと関連して、もう一点
仮説4
 文法学者で、長めの文章で、単純に語順を入れ替えただけの文章でも「前に出すと強調される」という解説をしている人は、前に出すと必ず強調される「日本語の倒置」と混同しているのはないか。

 以上です。エンドフォーカスに関しては、もう一度仮説に戻して、検証してみようと思います。
 英文を見ていて、何かのときに「あれ?」と思った時に参考にしてもらえればうれしいです。
by 合格先生 (2013-10-29 06:07) 

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