So-net無料ブログ作成

#2449 假定法とは何か(3): P.E.UからSwanの説明 Oct. 14, 2013 [80.英語談義 (コメント欄から)]

 そもそも假定法なんて命名が悪い、誤解を与える名前なのである。假定という日本語から想像するのは、「もし~なら...だ」の前半部分の假定節である。subjunctiveは假定とは何の関係もないことは最初の用語解説のところで詳述した。要するに、名前と実態が齟齬をきたしている、ではsubjunctive(亜型接続法)とは何なのかという仕儀になった。

 subjunctive(亜型接続法)がなんであるのかについては、if-Clauseも含めて相互の関係の整理はすでに(2)でついた。その立場から、海外の英語専門家の見解をみてみたい。

 数点手元にある本を見たが、Michael Swan "Practical English Usage"(Third Edition)に載っているsubjunctiveの解説がいいので、これをとりあげる。
 この本は日本ではずいぶん売れた本だし、内容も実務的で便利がいい。わたしは80年代初めの頃に、この本の初版を買って読んだ。3版になって全面的に見直されてすこし分厚くなった。索引まで含めて658ページある。英語には興味のない大学生でももっていたほうがいい。だけど、高校生でこれを夢中になって読んでる奴がいたとしたら、メンコクナイからニムオロ塾では教えたくはないね。(笑) 

 高校英文法参考書から50年間も売れ続けている江川泰一郎『英文法解説』と綿貫陽・マークピーターセン共著『表現のための実践ロイヤル英文法』、大西泰斗・ポール=マクベイ共著『一億人の英文法』の假定法の解説をとりあげる。

==========================

567 subjunctive

1  What is the subjunctive?
some languages have special verb forms called 'subjunctive', which are used especially to talk about 'unreal' situations: things which are possible, desirable
 or imaginary. Older English had subjunctives, but in modern English they have mostly been replaced by uses of should, would, and other modal verbs, by spcial uses of past tense (see 426), and by ordinary verb forms. English only has a few subjunctive forms left: third-person singlar present verbs without -(e)s, (e.g. she see, he have and special forms of be (e.g. I be, he were). Exept for I/he/she/it were after if, they are not very common.

2  that she see
Ordinary verbs only have one subjunctive form: a third person singlar present with no-e(s) (e.g. she see). It is sometimes used in that-clauses in a formal style, especially in American English, after words which express the idea that something is important or disirable ( e.g. suggest, recommend, ask, insist, vital, essential, important , advice). The same forms are used in both present and past sentences.

  It is essential that every child have the same educational opportunities.
  It was important that James contact Arthur as soon as possible.
  Our advice is that the company invest in new eqipment.
  The judge recommended that Simmons remain in prison for life.

Do is not used in negative subjunctives. Note the word order.

  We left it desirable that he not leave school before eighteen.

With verbs that are not third-person singlar, the forms are the same as ordinary present-tense verbs (but they may refer to the past).

  I recommended that you move to another office.

3  be
Be has special subjunctive forms: I be etc.

  It is importance that Helen be present when we sign the papers.
  The director asked that he be allowed to advertise for more staff.

I were and he/she/it were, used for example after if (see 258.4) and wish (see 630) in a formal style, are also subjunctives.

  If I were you I should stop smoking.
  I wish it wre Saturday. 

4  fixed phrases
Subjunctive are also used in certain fixed phrases. Examples:

  God save the Queen!   Long live the King!
  God bless you.            Heaven forbid.
  He's a sort of adopteduncle, as it were. (=... in a way)
  Be that as it may...(=Whether that is true or not...)
  If we have to pay £2,000, then so be it. (= We can't do anything to change it.)

5  Other structure
Most subjunctive structure are formal and unusual in English. In that-clauses, British people usually prefer should + infintive (see 521), or ordinary present and past tenses.

  It is essential that every child should have the same educational opportunitied. (OR... that every cild has...)
  It was important that James should cntact Arthur as soon aspossible. ( OR...that James contacted...)
                                                              

==========================


【日本語訳】

567  亜型接続法
1 亜型接続法とは何か?
 いくつかの言語にいわゆる'接続法'という特別な動詞形があり、とくに非現実的な状況について話すために使われている。非現実な状況とは、やればできるかもしれないこと、望んでいることあるいは頭に思い描いていることである。古い英語には接続法があったが、現代英語ではshouldやwould(そしてその他の心的状態を表すそのほかの助動詞)など、過去時制を使うこと、あるいは通常の動詞形によってほとんど置き換えられてしまっている(426を見よ)。英語にはわずかの亜型接続法が残るのみである:三人称単数現在形の動詞、-(e)sなし、(例えば、she see, he have and special forms of be (例えば、 I be, he were)。ただし、ifに続くI/he/she/itを除く、これらはあまり一般的ではない。 

2 that she see
  動詞にはひとつだけ接続法の形がある:三人称単数形でe(s)のない形(たとえば she see)である。改まった文体ではthat節の中で使われること(とくに米語でその傾向)がある。何かが重要であるとか、何かがそうあってほしい、人に何かを勧めたい、訊ねたい、言いたい、死活的に重要である、本質的である、重要である、忠告したいという、頭の中で想像していることを表現する言葉に続くthat節で使われる。同じ形が現在のことを表す文と過去のことを表す文の両方で使われている。
 以下例文4題

  It is essential that every child have the same educational opportunities.
  It was important that James contact Arthur as soon as possible.
  Our advice is that the company invest in new eqipment.
  The judge recommended that Simmons remain in prison for life.

doは否定文の亜型接続法では使われない。語順(notの位置)に注意。

  We left it desirable that he not leave school before eighteen.

三人称単数現在形ではない動詞なのだが、形は通常の現在形となんら変わるところがない(しかし、この基本形は過去に言及している可能性もある)。

  I recommended that you move to another office.
  (キミは他の会社へ転職すべき(だった)と勧めた)

 なにを言っているのかわたしの解説メモを書いておく。you以下の文が二通りに書けるということだ。
 you should move to another office
  you should have moved to another office

3 be
beは特別な接続法の形である。I be その他。
 例文を二つ挙げる。

 It is importance that Helen be present when we sign the papers.
  The director asked that he be allowed to advertise for more staff.

'I were and he/she/it were' は、例を挙げるとif-Clauseの後で用いられる (see 258.4)。同様にして文語体ではwishが接続法である (see 630)。

4  fixed phrases
同様にして亜型接続法は固定した句の中で使われている。 

  God save the Queen!   Long live the King!
  God bless you.            Heaven forbid.
  He's a sort of adopteduncle, as it were. (=... in a way)
 Be that as it may...(=Whether that is true or not...)
 (それが本当であろうとなかろうと...)
  If we have to pay £2,000, then so be it. (= We can't do anything to change it.)(わたしたちが2000ポンド支払わなければならないとしたら、それはそれでいい)


*5番目の文章がよくわからぬ。itはなに?'in a way'は「ある意味では、見方によれば」
 (彼はまるで養父のよう、強いて言うならそうだ)

5  Other structure
ほとんどの亜型接続法は堅苦しく、英語では稀にしかみない。that節では、英国人はshould + infintive を好む(521を参照)か、普通に現在時制か過去時制を使う。

  It is essential that every child should have the same educational opportunitied. (OR... that every cild has...)
  It was important that James should contact Arthur as soon aspossible. ( OR...that James contacted...)

==========================


 ここまでが、P.E.U.のsubjunctiveに関する説明である。
 まとめると次のようになる。

1.subjunctiveのもともとの形は三人称の主語で動詞の基本形を使う形式。
2.三人称単数で動詞の基本形を使ったsubjunctiveの文を4つ例示。
3.beはsubjunctiveでも特別な形である。それと比較のためにwereを例示。
4.定型句で使われている具体例を例示。
5.「should + infintive を好む(521を参照)か、普通に現在時制か過去時制を使う」

 なぜ法の助動詞shouldが好まれるのかは、shouldが「当然そうあるべきである(しかし現実はそうではない)」という含意のある助動詞だからである。たまたま典型的な反実仮想の助動詞がshouldであったという事情による。

 Swanのsubjunctiveの説明は、前回ebisuがsubjunctiveの概念とその基本型が動詞の原型を用いることにあるとの結論と同じである。
 話者の心的状態を表現する法の助動詞のshouldが反実仮想の助動詞であることから、それを使った表現へ変化していったとい流れも同じだ。

 高校英文法参考書のベストセラーのひとつに江川泰一郎『英文法解説』がある。初版が出てからもう40年になる。わたしがいま見ているのは昭和53年改訂版第49版である。新しい版の方も假定法の扱いは同じだ。次のような構成になっている。

 166 假定法現在
 167 假定法過去
 168 假定法過去完了
 169 shouldとwere toの假定
 170 假定法中心の重要構文
 171 if-Clauseに相当する語句
 172 if-Clause 相当の語句もない場合

 江川氏は假定法現在の説明の一番最初に「root form」、動詞の原型をもってきているから、それが假定法のもともとの姿であると言っていると受け取っていいのだろう。受験参考書では受験勉強に最適の假定法分類をして解説を加えることが眼目なのだから、こういう配列がいいと考えているのだろう。
 単純なものから複雑なものへ、そしてイレギュラーな項目の説明へ及んでいるから、説明の流れとしては配慮の行き届いたものだといえるだろう。長年にわたって売れ続けている本にはそれなりのすぐれた点があるものだ。

 『表現のための実践ロイヤル英文法』には203~209頁まで假定法となっているが、項目の単なる羅列である。『一億人の英文法』では假定法はあちこちで分散的な説明がなされている。たとえば557㌻は第5部第16章「時表現」のなかで「」C假定法」でたった10行の解説。「過去形のもつ距離感、そこから現実からの乖離(非現実感)が生まれる表現となっている」といったように。

 見て驚いたが、受験参考書は受験参考書にすぎない。用途に合わせて最適化して造られているから、概念規定云々なんて余計なことのようである。
 ところがわが国の国文法学者はそうではない、ずっときっちりしている。反実仮想の助動詞がsubjunctiveだと言い切る。
 次回は54年も前の国文法学者の見解をみることになる。これがsubjunctive解説の白眉だろう。英語だけ見ていたのではsubjunctiveはわからないが、日本語の古典文法には反実仮想の助動詞がある。これはsubjunctiveそのものだ。

 異質と思える分野の勉強をしっかりやろう。世の中の問題のほとんどがクロスオーバーしたところに存在している。
 三つ以上の異質な分野の専門知識と実務運用能力をもっていれば、社員が千人いる会社でもトップクラスの人材であり続けるだろう。問題は多いが、それを解決できるクロスオーバ型人材は極端に不足している。不景気になればなるほど、状況を打開しうるそうした人材へのニーズが高くなるものだ。


---------------------------------------------------

*#2423 'IAEA members give grief over leaks' Sep. 28, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-09-29

 #2435 "#2423の一文解説" Oct.4, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-10-04-1

 #2443 仮定法ってなんだろう?(1):コメント投稿欄での議論 Oct. 10, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-10-09-1

 #2444 仮定法ってなんだろう?(2):コメント投稿欄での議論 Oct. 10, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-10-10-1

 #2445 仮定法ってなんだろう?(3):コメント投稿欄での議論 Oct. 10, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-10-10-2

 #2446 仮定法とは何か(1) : Boys be ambitious. Oct. 11, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-10-11

 #2447 仮定法とは何か(2): 概念規定と基本型 Oct.13, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-10-12




にほんブログ村 地域生活(街) 北海道ブログ 根室情報へ
にほんブログ村 






 


nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0