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#2415 '1,130 tons of tainted rainwater dumped at nuke plant' Sep. 20, 2013 [75.時事英語公開講座]

  9月18日付のジャパンタイムズ1面の記事である。記事は短くてその点では読むのが楽だ。(4)と(6)は読みなれていない人には手ごわいかもしれない。(8)は受験英語という観点からみたらいい例文だろう。

 記事の周辺の状況をかいつまんで説明すると、安倍首相がブエノスアイレスでオリンピック招致演説をしたときに"The situation is under control"と言明したことへ各方面から事実と違うと批判が巻き起こった。毎日400tもの汚染地下水が海へ流出を続けて当面はなす術がないことを東京電力すら認めている。
 そうした中で大型台風18号が愛知県に上陸し本州を縦断して岩手県から太平洋へ抜けていった。全国各地に大雨を降らし、洪水があちこちで起きた。フクシマも例外ではなかった。漏洩が相次いでいる1060もの貯蔵タンクの周りにはタンクから水が洩れても海へ排出されないように30㌢(?)ほどの高さのコンクリートバリアで囲んであるが、その排水便を解放して放射能を含んだ雨水を海へ放出したのである。

 台風18号で大雨がふり、貯蔵タンクを囲んでいる高さ数十センチの漏洩防護壁の上限に近い雨水が写真に写っている。以下は写真のキャプションである。URLをクリックして写真をご覧戴きたい。

Rain, rain, go away: A worker pumps out radioactive water accumulating inside the barriers around a leaky coolant storage tank at the Fukushima No. 1 nuclear plant Sunday, the day before Typhoon Man-yi swept through Honshu, including the Tohoku region. | TEPCO/KYODO

http://www.japantimes.co.jp/news/2013/09/17/national/1130-tons-of-tainted-rainwater-dumped-at-nuke-plant/
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1,130 tons of tainted rainwater dumped at nuke plant

Kyodo

(1) Tokyo Electric Power Co. said it dumped about 1,130 tons of tainted rainwater Monday into the Pacific Ocean after it accumulated at the Fukushima No. 1 nuclear plant due to a typhoon.

(2) The radioactivity of the rainwater, which had built up within circular barriers installed around makeshift storage tanks holding water tainted during emergency cooling operations, was considered low enough to be able to be released into the sea, the utility said Tuesday.

(3) Tepco said an estimated 8.8 million becquerels of radioactive substances emitting beta rays, such as strontium-90, were released.

(4) The barriers were built to prevent water, possibly containing radioactive substances, that is leaking from the tanks from spreading further outside. Then rainfall from Typhoon Man-yi, which hit Honshu on Monday, generated fears that the water inside the barriers could overflow.

(5) To deal with the situation, Tepco released the accumulated rainwater by opening some of the valves attached to the barriers.

(6) The water that was discharged contained a maximum 24 becquerels per liter of radioactive substances emitting beta rays, lower than the allowable level of 30 becquerels.

(7) As for rainwater with a radiation level confirmed to be close to the allowable limit or even higher, Tepco said it decided to store it in tanks instead of discharging it.

(8) A huge number of tanks are being used at the plant to store toxic water, which is increasing daily as a result of continuing water injections into the three reactors where meltdowns occurred.

(9) Prime Minister Shinzo Abe is scheduled to visit the plant on Thursday to check the progress of measures to tackle the contaminated water.



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【解説】

(1) Tokyo Electric Power Co. said it dumped about 1,130 tons of tainted rainwater Monday into the Pacific Ocean after it accumulated at the Fukushima No. 1 nuclear plant due to a typhoon.

 大型台風18号がフクシマ第一原発敷地内へどさっと雨をもたらし、太平洋へおおよそ1130tの汚染雨水が太平洋へ流れ込んだ。

 dumpedと書いてあるから、ダンプカーが荷台から砂利をどさっと落とす様子をイメージしよう。

(2) The radioactivity of the rainwater, which had built up within circular barriers installed around makeshift storage tanks holding water tainted during emergency cooling operations, was considered low enough to be able to be released into the sea, the utility said Tuesday.

「緊急冷却措置を実施している間に汚染水を貯めこむための一時(makeshift)保管用タンクの周りを取り囲むようにに設置された防護壁の内側にたまった放射能を含んだ雨水は、海へ放出しても構わないだけ十分に低濃度と考えられる。」

 実に都合のよい言訳だ。自分で状況を判断、データも解釈、そして実行、これでは原子力規制委員会はあった無きがごとし。法律で定められた監視責任があるのだから職務上フクシマへ常駐しないといけないだろう。台風が近づいていることはわかっていたのだから、測定の準備をして放出前に東京電力の提出したデータを確認すべきだ。原子力規制委員長殿、職責を果たさず報酬だけはいただくのか、仕事に対する呆れた無責任さ。

(3) Tepco said an estimated 8.8 million becquerels of radioactive substances emitting beta rays, such as strontium-90, were released.

 推定880万Bqの放射性物質、ストロンチウム90のようなベータ線を放出する放射性物質が放出された。

(4) The barriers were built to prevent water/,( possibly containing radioactive substances,) that is leaking from the tanks/ from spreading further outside. Then rainfall from Typhoon Man-yi, which hit Honshu on Monday, generated fears that the water inside the barriers could overflow.

 日本語にするのがたいへんだね。本文にスラッシュと()を挿入してぶつ切りにしちゃおう。
①The barriers were built to prevent water from spreading further outside
②possibly containing radioactive substances
③[the water] that is leaking from the tanks

 「そのバリアー(貯蔵タンクを囲んでいる低い水漏れ拡散防止用のバリアーである)は水がそれ以上外へfurther outside 拡散spreading しないように」という意味だ。
 ②はwaterの説明で、「放射性物質を含んでいる可能性がある水」、なにかというと、雨水とタンクから洩れる可能性のある水のこと。
 thatは関係代名詞で、[]の先行詞の補足説明となっている。
 「タンクからの漏洩水」

 あとはこれらをイメージして自分の語彙でわかりやすい日本語にすればいい。大学入試のときは全体を統一の取れたきれいな日本語にする必要はナシだ。ぶつ切りにしたまま、内容がイメージできているだけで十分だ。とにかく速度を重視して読む。
 いざというときには構文解析して読めなければいけないから、トレーニングは必要だが、ふだんはそういう必要なない。どういう読み方をするかというと、
 a1: バリアーは水を防ぐために造られた
 a2: どんな水かというと放射能を含んでいる可能性のある水だ
 a3: すなわち、タンクから洩れる水だ
 a4: (バリアーの)さらに外側へ(=海へ)広がるのを防ぐ
 こういうように、頭から次々読んでいく、文の切れるところは前の文の最後の単語(あるいは名詞句)の補足説明であることが多いから、a2はa1の最後の名詞句であるwaterの補足説明だとわかると読みが楽になる。a3の'that is'がちょっと問題だね、たいがいの人はここで面食らったのではないだろうか。「関係代名詞+be動詞」は省略されるのが修辞上のルールだから関係代名詞ではない、そのあたりで「すなわち」の意味だと気がつけばいい。さらに具体的な補足説明を付け加えたということ。誤解なくわかってほしい事項についてはこうして補足説明を後ろに付け加えるというのが英文の修辞上の原則なんだ。どんな分野でも基本原則は大切に決まっているし、それを自在に使いこなせればとりあえず一人前だ。
 この文でむずかしかったのは「prevent A from B」のfrom Bがうんと離れていること、そしてfromを伴う前置詞句が間の挿入句に一つあることが目くらましになっているあたりだろう。

(5) To deal with the situation, Tepco released the accumulated rainwater by opening some of the valves attached to the barriers.

「こうした状況を打開するために東京電力はバリアについているバルブを開けてたまった雨水を排水した」
 rainwaterとなっているが、タンクは錆だらけ、あちこちで漏れが起きているから、一つ一つチェックしないとどれくらいの濃度かはわからないはず。それもしないで時間切れとばかりに排水。第三者機関(原子力規制委員)は誰もチェックしていない、現場に常駐していないからこんなことになる、東京電力にすべてお任せだ。政府がやるんじゃなかったのかい?

(6) The water (that was discharged) contained a maximum 24 becquerels per liter of radioactive substances emitting beta rays, lower than the allowable level of 30 becquerels.

「バリアの内側にたまった(was discharged)雨水はベータ線を放出する放射性物質に関しては最大値で24Bq/Lであり、30Bq/Lという許容限度よりも低い」

 これはちょっといただけないな。アンダーラインの'that was'は「関係代名詞+be動詞」だからデリエーションが原則だ。そのほうが文がすっきりして見えるだろう。だけど書き手は'discharged contained'と 動詞が二つ連続するので、わかりやすくするためにわざわざ「関係代名詞+be動詞」を残して見せたのだろう。面白いね、臨機応変、バランス感覚が大事だ。

  'was discharged'は受動態の文だから「ためられた」と訳すべきではないですかという、質問がF君から飛んできそうだ。では、そう書いてみて3回声に出して読んでごらん。

(7) As for rainwater with a radiation level confirmed to be close to the allowable limit or even higher, Tepco said it decided to store it in tanks instead of discharging it.

「許容限度に近いかあるいはそれを超えていると確認されている放射能レベルの雨水に関しては、排出ぜずにタンクにためると決定済み、そのように東京電力は説明している」

 as for(~に関して言えば)以下が長い。
a1: a radiation level (which was) confirmed to be close to the allowance limit or even higher

  evenは比較級を強める副詞だということは単語の並びで判断がつくだろう。そして、'rainwater with a radiation level'となっているから、「そういう放射能レベルをもった雨水」。withはhaveで説に書き換え可能なケースが多い。たとえば、次のように書き換え可能だ。
  rainwater has a radiation level
 
 事情は逆で、節を句に圧縮して書き換えるためにwithが使われる。
 最初のitはTEPCOで二番目のitはrainwaterだということは文脈から容易に判断がつくだろう。こういう代名詞は意味を追って読んでいるときは「それ」と訳してはいけない、全部もとの名詞が何かをサーチしながらそれに置き換えて読み進むべし。

(8) A huge number of tanks are being used at the plant to store toxic water, which is increasing daily as a result of continuing water injections into the three reactors where meltdowns occurred.

「膨大な数のタンクが毒水(放射能汚染水)をためるために福島第一原発で使われており、毒水はメルトダウンした三つの原子炉へ水の注入を続ける結果として毎日増加している。」

 太字で示した現在進行形の受動態は最近の教科書準拠の英語文法書には説明が載っているが、5年前にはなかったような気がする。新聞英語ではよく出てくるから、用法に慣れておくべきだ。訳は問題ないだろう、問題は「膨大なタンクが使われており」という日本語に出くわした時に、現在進行形の受動態まで考慮に入れて作文できるか否かということだろう。
 よく読むということはよく書くということに通じる。時事問題を扱う英字新聞記事を読むことで、作文スキルも上げられる、ようは勉強の仕方だ。

(9) Prime Minister Shinzo Abe is scheduled to visit the plant on Thursday to check the progress of measures to tackle the contaminated water.

「汚染水問題に取り組む施策の推進状況をチェックするために、安倍晋三首相は木曜日(9/19)に福島第一原発を訪れる予定だ。」

 視察した様子はすでにニュース報道で流されている。フクシマで用意されていた真っ白い防護服には「安部首相」と書かれた大きなシールが貼り付けられていた。正しくは「安倍首相」である。ご本人はしばらくしてから気づき、自分の手でシールを引き剥がしていた。仕事のルーズさにあきれたか腹を立てたか、防護服の中の表情をとらえることはできなかった。


(高校入試で英語満点をとったシャッコイKo君(笑)を想定して解説してみた。高校の三年間はあっという間に終わるものだ、まだ1年生、高校は文武両道だよ、部活にばかり精を出していないで英語と数学の勉強もやれ。さあ、フラッシュアップの材料だ、受け取れ!)

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#2406 嘘か実か:「状況は管理されている東京は大丈夫」と安倍首相 (JTより) Sep.13, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-09-13
#2413 次の原発事故のために(10):重要な問題は汚染水漏れではない Sep. 18, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-09-19


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