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#2412 貧血症状アリ Sep.17, 2013 [38. cancer]

 先週採血した検査結果を聞きに主治医のところへ診察を受けに午前中に行ってきた。
 一月ほど前から、身体が少しふわふわし、「息苦しい感じ=酸素不足の自覚症状」があった。ああ、ついにはじまったかなという感じがしていた。
 赤血球数が380万と基準値を割っていた。MCVが上がっている。
 スキルス胃癌と巨大胃癌の併発で、胃の全摘、胆嚢切除、リンパ節と大腸への浸潤部の切除という、6時間の手術で命を救ってくれたのは若き消化器外科医のG先生。
 地元の消化器内科の専門医のO先生が術後のebisuをこの7年間診ていてくれているので心強い。体内に蓄積されていたビタミンB12が消費されて枯渇すると、悪性貧血になるのでビタミンB12を静脈注射で補給しなければならなくなるとずっと前から言われていたが、そのときが来た。
(ネットで見たら「胃の亜全摘で内因子が欠乏した場合」ビタミンB12と葉酸の吸収が悪くなると書いてあった。「亜全摘」は「全摘」とどう違うのだろう?一部切除ということのようだ。亜寒帯と寒帯の用例と同じと考えていいようだ。)

 「悪性貧血がはじまったようですからいよいよはじめます」
 「よろしくおねがいします」

 淡いピンク色の注射器一本分のビタミン剤を入れてもらった。これで息苦しい感じはなくなるのだろう、ありがたい。
 一月後にどれくらい赤血球級数が上がっているか血液検査で確認して、静注のタイミングを決めることになる。3~4ヶ月に1度になる見込み。

 自分の病気のことをブログで書いているのは、同じ病気の人の参考になればと思うからである。スキルス胃癌でも助かることはあるし、術後に生じるトラブルも、どういう種類のトラブルがどういうタイミングで来るのか参考になるものなら、参考にしてもらいたい。4人部屋の病室であるいは他の病室へお邪魔して、2週間前に手術した人、3週間前に手術した人など、何人かに経験を話してもらってずいぶん助けていただいた。術後の治療を安心して受けられたのである。だから、わたしも他の人へ分けてあげたい。

 大好きなさんまの旬の時期が始まった。海が時化て船が入らないときは別として、新鮮なさんまが小売店に並ぶとその都度買って食べている。さんまの回遊経路の海域全体がひどく放射能汚染されている。
  社団法人全国さんま漁業協会の調査では7~20Bq/kgもの高濃度の汚染が見つかっている。ヨードとセシウムの合計値で、内臓と筋肉に分けて計測した値を合計して「全体」としてデータを公表している。#2411に詳しいことを書いているのでお読みいただきたい。
 残念ながらどの海域で獲れても、どの港へ陸揚げされても、似たようなものである。
 7~20Bq/kgもの高濃度汚染魚が混ざっているから、妊婦や若い人たちは食べる量を減らしたほうがいい。さんまは昆布や干し椎茸を入れて醤油煮して骨まで柔らかくすると美味しいがこれから何年間もこの料理はやめたほうがいい。さんまの骨に沈着しているストロンチウムを体内に取り込むことになる。さんまに含まれる放射性物質の総量はヨードとセシウムの値を1.5倍しなければいけない。そうすると10~30Bq/kgにもなるから、これはもう食品とは呼べない。国の暫定基準の100Bq/kgは低レベル放射性廃棄物の管理基準値であって、本来は食品基準ではない。だから、その10分の1以上は食品として食べるに適さないと判断したい。子どもは放射能への感受性が大人よりもずっと高いから、大人よりも深刻な影響を受けると考えるべきだ。身体が成長すると細胞分裂が起きるが二重螺旋が解けるときに遺伝子が切断されて変異を受けやすいのだという。
 還暦を過ぎたし、癌にもかかったebisuはそれほど放射能汚染を気にしなくてもいいだろう。今年は大好きな福島の大きな桃もいくつか食べた。だが、ふるさとのさんまがこんなに放射能汚染されてしまっているのはじつに残念でならない、自分は食べても、若い人たちには勧められない。今年のさんまは噛み締めるとなんだかほの苦い複雑な味がする。

 人はいつかは死ぬ、できれば死ぬそのときまで元気でいたいし、死ぬときが来たら苦しまずに静かに逝きたい、それはみんなの願いだろう。ebisuは当分そういう心配がないと主治医が太鼓判を押してくれたから、ニムオロ塾でまだしばらくふるさとの子ども達を育てるつもりだ。人生を三つに区切り、50歳になったら社会貢献の時期と考えていた。ふるさとに戻ってきて11年目、手術をしてから7年が経った、まだもうすこしやれそうだ、30年後の根室を支える人材を何人か育てられたら本望である。「経済学ノート」というカテゴリーに書き溜めている、職人仕事を中心にすえた小欲知足の新しい経済学のデザインくらいはできそうだ。日本からはじまる経済学が西洋古典派経済学を土台からひっくり返す。スミスもマルクスもケインズも、そしてその後継者達もだ。生きていればこそだ、ありがたい。

 「7年前目の再発というケースがあるから、まだわからないよ」そういって主治医は油断を戒めてくれたが、天の恵みかその7年も先月クリア。

「このデータなら、当分大丈夫ですよ」

 O先生に診てもらって今夜は安心してぐっすり眠れそうだ。
 ほんとうにありがとうございます。

(若き消化器外科の名医G先生は首都圏で5年間内視鏡技術を磨いて、もうすぐ帯広で開業する。北海道にとっては朗報だ。)


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コメント 6

第三の男

>赤血球数が38万と基準値を割っていた。MCV、MCH、
>MCHCも当然のことながら下がっている。

胃切除後のビタミンB12欠乏による悪性貧血は、大球性正色素性貧血なので、MCVは上昇、MCHCは正常値です。

赤血球数が38万
380万の間違いでは?


by 第三の男 (2013-09-18 08:46) 

ebisu

第三の男さんへ
私の間違いですね。
赤血球は単位を読み間違えたようです。

MCVが異常だとドクターが仰ったのでしょう。
データが三つ並んでいたので、その辺りを指差しながら説明いただいたのでMCVやMCH、MCHCのことを知らないわたしが全部下がっているのだと勘違いしました。赤血球数は低下するが、MCHは上昇するのですね。

>胃切除後のビタミンB12欠乏による悪性貧血は、大球性正色素性貧血なので、MCVは上昇、MCHCは正常値です。

読者の皆さん間違えてすみません、訂正します。

この次は間違えないように、ネットで検索して 大球性正色素性貧血の項目を読んでみます。

ご指摘ありがとうございます。
by ebisu (2013-09-18 09:07) 

ebisu

反省。
痛い指摘だった。

最大手の臨床検査センターで16年間仕事をしていた。八王子ラボには5年ほどいた。あそこは国内最大の「特殊検査ラボ」、一般検査はほとんどやっていない。
日立の血液一般自動分析器が2台だけ、肩身が狭そうにおいたあった。自動血球計算機はあっただろうか、たぶんなかった。
これらは一般検査ラボの検査機器だ。
ブランチラボの立ち上げで、機器担当をしていた2年間でそれぞれ10台くらいは、購入交渉をしたと思う。同種の危機を製造している数社のカタログを調べ比較検討するくらいのことはしたが、一般検査機器についてはそれだけのこと。

ラボ見学の担当をした2年間ほども検査各課をお客様や仕入先の海外の製薬メーカからの見学に同行して説明はしていたが、それも検査項目でいうと、一般検査ではなく特殊検査の分野ばかり。ラボで実施している3000項目の標準作業手順書のファイルは仕事をしている席から十数歩の距離ではあったが、気になる項目や知っている検査項目について100前後に眼を通しただけ。類似項目がたくさんあるから、類推できるものも多い。

一般検査だから特殊検査よりも簡単なんて漠然となめていた、とんでもない話だ。一般検査にも奥行きがある。ブログに書いてみて何にも知らないことを知る。ソクラテスの弁明を思い出した。

「彼は何も知らないのに、何かを知っていると信じており、これに反して私は、何も知りはしないが、知っているとも思っていないからである。されば私は、少なくとも自ら知らぬことを知っているとは思わぬ限りにおいて、あの男よりも智慧の上で少しばかり優っているらしく思われる。」
 『ソクラテスの弁明』岩波文庫 24ページ

ぎゃふん、2400年も前の人なのに、ソクラテスに頭をぶん殴られた気がする。知ったかぶりだった。
一般検査の知識のなさ、そして知らないことはきちんと調べる大切さを「第三の男」さんに教えてもらった、だから反省。

最近さんまの放射能汚染についていくつも弊ブログで取り上げている。さんまの放射能汚染については、情報ソースを明らかにしながら、ブログでとりあげよ、そこを逸脱してはいけない。まだ、いくつも書くべきことがある。
知らぬことは調べる、調べてもわからないことはわからないと書く。真実だけを述べるように努力しよう。

恥ずかしい思いはしたが、「第三の男」さんへもう一度感謝。

......m(_ _)m
by ebisu (2013-09-18 10:32) 

こっち

うまいさんまを子供たちに目いっぱい食べさせてあげられないのも、なんだか寂しい限りです。
2年半も過ぎると放射線の影響をふと忘れかけてましたが、まだまだ続くのですね。注意しなければと再認識しました。
by こっち (2013-09-25 16:25) 

ebisu

こっち先生、お久しぶりです。

美味しい旬のサンマをこどもにたくさん食べさせたいですね。
水産庁のデータを見ると検出限界が「<4.8Bq/kg」となっていますから、検出限界値以下でも3Bq/kgの可能性があります。
赤ん坊や幼児の放射能感受性が大人の10倍あったら30Bq/kgと考えなきゃいけないのですから、アウトですね。もう一ケタ下まで検出限界を下げて検査精度を上げてもらえると、安心できるのですが、検体の数が多いから個々のサンプルの測定時間を延ばせないのでしょう。

水産庁のデータでは2011年8月20Bq/kgというのが最大値です。

検出限界値が大きすぎるので、放射能に感受性の強い赤ん坊や幼児にはあまり食べさせたくありませんね。ときどきですね。
旬のサンマはうまいからな。もちろん私は、このところ毎日のようにいただいています。今朝は焼きサンマ、昨日はサンマの刺身・・・、+果物=自然食主体の食事で元気をもらっています。玄米ご飯も80回噛むととっても美味しい。

ところで、ビタミン12を静注してもらってから呼吸が楽になりました。酸素が身体にきちんと回っている感じです。当分、元気にやれそうです。幸せだなあ。
by ebisu (2013-09-25 23:03) 

こっち

すこし調べたら、タラが本当に危なく、シャケにも入ってると・・・回遊するから当然なんでしょうが、ちょっと子供には食べさせられないなあ。
さてebisuさん、貧血症状なく楽しい毎日がおくれることを願ってます!
by こっち (2013-09-30 23:51) 

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