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#2405 中学数学の先生たち、授業進度管理は大丈夫ですか?  Sep. 12, 2013 [64. 教育問題]

 今日9/12は中3対象の学力テスト総合Aの実施日である。

 北海道教育文化協会学力テスト(通称「ブンキョウ学力テスト)発行の試験範囲表の数学をみたら、東京書籍の教科書では78ページまでとなっていた。2次方程式の計算までということ。
 79ページからは「2次方程式の利用」となっていて、いわゆる文章題の領域である。そのあと、2次関数や相似な図形、そして三平方の定理と関数や図形がらみの分野が並ぶ。2次方程式までは「式の展開」「因数分解」「無理数の計算」などの基礎計算分野だから79ページ以降に比べると格段にやさしい。

 さて、いまは9月中旬、5ヶ月が過ぎた。中学3年生は1月中に全範囲を終わらなければ道内の私立高校受験に間に合わぬ。道立高校入試だって3月5日前後だから、1月末までに全範囲を終えて、2月は総復習に充てるのがあたりまえの配慮だろう。
 そういう前提だと、10ヶ月で教科書を終わるスケジュールで授業をしなければならないのだが、ブンキョウ学力テストに照準を合わせて授業をやると半年で教科書の三分の一ということになる。
 難易度を無視して単純に比例計算してみても、半年で三分の一では残りの消化には1年かかるということだ。根室の中学校の数学の先生たち、自分の授業の進捗管理ぐらいしっかり数字で押さえてもらいたい学力テストの点数すら目標管理に使わず、日頃から数値管理を無視している弊害がこんなところに出てしまっている。数値管理を無視する体質はこういう大きな弊害も伴っていることをしっかり見つめてほしい。
(民間会社なら数学担当の先生たち全員を入れ替えなければならない事態が起きています。先生たちは状況の深刻さを理解すべきです。)

 これでは1月末までに教科書全範囲を終えられるはずがない。「すっとばし」や「積み残し」が横行することになる。それが、生徒の学力低下の一因になっていることは1月に弊ブログで取り上げた。
 1年生も2年生もむずかしいところをすっとばすから、翌年四月の学力テストで後半部分から出題された問題の正解率がぐんと低くなっている。これは後半部分の手抜きの典型的な証拠だよ。

 昨年は市街化地域の中学校のフリー参観授業を何度も見学して各学校の授業進度を確認し、1月に指導している生徒複数にそのときにやっていた教科書のページ数を確認して、ブログに掲載した。
 A中学校の授業が著しく遅かったので、弊ブログでその旨取り上げた。母校の教頭先生は進捗管理をしっかりやると約束してくれたから信じているよ。3年生を担当している先生は昨年の先生ではない、今年の3年生は大丈夫だろうか。きっと他の学年も進捗管理がなされているはず。

 ところが今度はB中学校で、同じことがまた今年も繰り返されようとしている。他の学校は大丈夫かな?
 学習能力がないのか、仕事ができないのか、仕事する気がないのか、こんな状態を当たり前と思う感覚が理解できない。東京の民間企業でずっと働いてきたebisuにはこんな仕事の仕方はまったく理解できない。
 私が根室市の教育長なら、各中学校の校長と教頭を呼びつけるか、抜き打ちで学校へ乗り込み校長を同伴して教室を回って学年ごとに進捗状況確認をしてから、進捗管理の仕事をスケジュールを切って具体的に指示する。根室の教育長、もう9月中旬だから具体的な指示を出したらいかが?報酬と仕事に対する責任はセットだ。

 B中学校ではちょうど「2次方程式の利用」85ページを終わったところだった。文協学力テスト総合Aよりも7ページ進んでいるだけだ。こんなスケジュールでやったら、「すっとばし」をやらないかぎり、1月末には40~50ページほども教科書を残すことになる。どの学校も同じように遅れていたら、根室高校新入生の学力が全国の他の高校新入生に比べて著しく低下することになる。
 根室の低学力は小学校や中学校で授業の進捗管理体制がないことによってつくられているという側面があるようだ。全部を学校の先生たちの責任にするつもりはないよ、先生たちは自分達の仕事に誇りと責任をもてと言っているだけだ。プロという自覚をもって気持ちのよい仕事をしてもらいたい。

 教科書のページ数は総復習問題を除いて約227ページある。単純計算だと5ヶ月が経過したのだから半分終わっていないと間に合わないが、実態は三分の一強(37.4%)しか消化できていない。難易度まで考慮したら四分の一ほどしか消化していないだろう。

 このままでは間に合わないから、明日からでも週に2回は7時間授業にして数学の補習をやるべきだ。3年生は部活をやっていないから時間はとれる。問題は先生たちだ
 B中学校がこのところ放課後補習をしているのは生徒から聞いて知っているよ、でもそんなものでは足りない。授業の進捗管理自体に大きな問題があるから、そこも何とかしないとダメ。そしてそちらのほうが問題が大きいし、優先順位が先。
 仕事の報酬と責任はセットだ、1月中に全範囲を終えるのは先生たちの仕事上の義務である。2年続けてそれができないなら適性がないのだから職を辞すべきだ、それくらいの覚悟で仕事してもらいたい

 民間会社で、約束した期限中に仕事が終えられなければ、責任問題が生じる。お客様との間ならそれは取引がなくなるとか損害賠償責任が生じるということ。社内的にはボーナスカットや2年続けてできない場合は仕事の適性を疑われ、上司による退職勧告になる。もちろん上司は仕事の管理スキルや部下を育てる能力を強く疑われるから、そんなことが続いたら、ラインの管理職から外される。そんな社員を雇い続けたらお客様の信用をなくして会社がつぶれるからだ。

 数学の先生たち、いまやっていなければならないページ数は115~120ページあたりだよ、すでに30㌻も遅れている。残された三分の二弱(62.6%)はいままでやった基礎計算分野より格段にむずかしく、時間のかかることは先生たち自身が十分に承知しているはず。
 ブンキョウ学力テストの試験範囲スケージュールで授業をしては絶対にいけない、間に合わなくなるからね、自分の仕事にプロとして誇りと責任をもとう

 各学校の校長先生と教頭先生、毎月一度校内をまわって授業をのぞいてページ数を確認すればいいだけだ、各学年2クラスしかないから10分もあればできるよ。校長室や職員室に閉じこもっていたら授業の進捗管理なんてできない、あなたたちにも大きな責任があるんだ、授業の進捗管理責任がね。仕事は報酬と責任がセットだということを片時も忘れてはいけない。

 北海道教育委員会さんへ一つお願いしたいことがある。北海道教育文化協会へ試験範囲設定変更について要望書を交付してほしい。1月末で全範囲を終えて2月一ヶ月間は総復習に充てるような「試験スケジュールと標準範囲」を例示してもらいたい。そういうあたりまえのペースで授業できない全道のたくさんの先生たちが試験範囲を前倒しすることにぐずぐず言うようなんだ。だから、北海道教育委員会から要望書でも出さない限り、北海道教育文化協会はテスト範囲を前倒しできない。ブンキョウの職員は全道の先生たちのOBが多いそうだから言いにくいのでしょう、同じ村の住人だから。
 外部からのショックで方向を変えるのでは情けないと思うなら、現場の先生たち、自分たちで改革をやってみたら?それが一番いい。



*#2216 所得税申告と期限遵守の重要性:学校の授業進捗管理を考える Feb. 18, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-02-18

 #2215 授業参観さまざま 釧路と根室 Feb. 17, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-02-17-1

 #2093 教員の質向上はどうやる?⇒ "Educating educators" Sep. 25, 2012 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-09-25-1


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【授業進捗管理に関する釧路市議会の動き】ブログ「情熱空間」より
http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/6796623.html
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2013年09月11日

ジャンヌ・ダルク降臨!(明日の釧路市議会)

明日の釧路市議会(9月定例会)に、釧路市議会&教育界のジャンヌ・ダルクこと金安潤子さん(市政ク)が立たれます。
発言通告は次の通りです。

1 学力向上に関する課題と今後の取り組み
 (1)平成25年度釧路市標準学力検査結果
 (2)授業の進捗状況調査
 (3)学校力向上に関する総合実践事業
 (4)教員の資質向上
2 市立高校としての北陽高校における特色のある取り組み

これは楽しみ、目が離せませんね。
最年少議員の山口光信さん(自民ク)も、「学力向上への取り組み」について質問をされるようです。

1 学力向上への取り組み
 (1)フィードバック学習
 (2)児童館の活用など
2 バックアップ拠点構想と企業誘致
3 私道路の整備

潤子さん、やまぐっちゃん、応援しています!
さて、ジャンヌ・ダルク潤子さんの質疑は、前回同様、全国へも波紋を広げることになりそうです。
議会の模様は、こちらで視聴が可能です。

●釧路市議会 議会インターネット中継(ライブ)
https://www.city.kushiro.lg.jp/shigikai/goannai/0004.html

そろそろ、校長会の会長あたりを参考人招致して、基礎学力保障条例施行後の取り組みの改善状況、教員の意識の変革状況といったものを明らかにしてはいかがでしょうかね。

潤子さん、議連のみなさん、いかがですか?

●「積み残しとすっ飛ばし」の調査結果公表はいつ?
http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/6731771.html
●注目!金安潤子議員の一般質問(釧路市議会2013.03.07)
http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/6345601.html
●反故にされたままの三点(注目の2月定例会)
http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/6339053.html
●前・北海道教育長のご意見(釧路市教委へ)
http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/6303024.html

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【授業進捗管理バトル:金安議員対釧路教育長】
http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/6799566.html
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2013年09月13日

ジャンヌ・ダルクの切り込み③(釧路市議会にて)

授業の遅れはない!ないったらない!ないのだから調査の必要すらない!そう、「逆切れ」しては煙に巻こうとしていた授業進捗状況。潤子議員は、再び(何度目でしょうか?)そこに切り込んでくれました。出てきましたね、やっとこさ出てきました。しかし、新聞記事(2013.09.13釧路新聞)には、補足説明が必要です。

学校教育部長は、進度の遅れが小学校1校、中学校1校であったことを認めていますが、しかしそれは、市教委が調査をしたものではなく、道教委の調査によってそれが明るみになり、単にそれを追認する形で指導をしたに過ぎなかったことが議会の場で明らかにされました。こういうことです。1年半以上に渡って議会の場で追及されてきたことに関して、何らの手を打たなかったばかりか、約束した調査をも反故にした…。まさしく議会軽視。議連(基礎学力問題研究議員連盟)のみなさまも、さぞかしご立腹のことと思います。

ある小学校の授業参観に行ったところ、1時間の算数の授業で解いた問題はたったの3問。いわゆる問題解決学習が行われ、子どもに「ノートは何冊目?」とたずねたところ、ほとんどの子が(1学期終了時点で)2冊目の4分の1くらいだった。知り合いの他の小学校の先生に聞いたところ、まともに授業が行われているなら、6冊目あたりが妥当だろうとのことだった。実際、その授業は、板書もしておらず、文字を書くことが極端に少ないものであった。そうしたことも、潤子さんは指摘なさっていました。

授業の進捗状況調査について
(金安議員)
教科書を終えられずに残した。遅れにやり残しについて再三質問した。未履修はないとのことだったが、現在未だには把握していないのか?シラバスの導入を検討するとしていたが、どのようにして進捗状況を計っているのか?
(学校教育部長)
1学期に道教委の調査があった。小学校1校、中学校1校で遅れが見られたので指導した。
(金安議員)
今の段階では(釧路市教委としての調査は)やっていないのか?
(学校教育部長)
参画しているところ。
(金安議員)
市教委が出向いて行って、調査を具体的にしたということはではないのか?
(学校教育部長)
各学校長に確認。調査用紙を配り確認した。
(金安議員)
自分達が調査をしようとはまるで思えない。一方的に(形だけの)調査をしているとしか思えない。出かけていって授業やノートを見ることは?
(学校教育部長)
指導主事・参事等が足を運び、確認、助言・指導をしている。
(金安議員)
抜き打ちで行っているのか?
(学校教育部長)
指導主事は、年間複数回の訪問。指導を充実させたい。

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【13日夜追記】
 テストの前日に教科書を開いて二人の生徒にいまやっているところを確認したのだが、返事があやふやに感じた。「2次方程式の利用」はまだやっていないと言っていた。彼らの頭の中ではやっていなかったのだろう。苦笑せざるを得ない。
 今日テスト結果の報告とテストでできなかった問題の復習に来た生徒が学校で使っているプリント・ファイルを見せてもらったら、「2次方程式の利用」の文章題のプリントが何枚もファイルされていた。「今日から2次関数に入った」という。
 これは私の確認ミスだ。言い分だけでなく、物的証拠でも確認すべきだった。反省。

 B中学校はプリント主体の授業をしているので、成績下位20%層の生徒達は授業でやっているところが教科書のどの辺りかも見当がついていない。
 本はほとんど読まないから日本語語彙力は小学4年生以下、ときどき話しがわからない。ここには書けないような言葉も耳で聞いて覚えとんでもない誤用をやらかし、仲間内で大笑いだ。「先生、こいつこんなこと言ったんだよ」とお互いに日本語の笑える誤用をあげつらっている。お互いに言い返せるところが楽しい。そんなに語彙レベルが変らないから言い合える。自分達の日本語語彙に問題があることに気がつき、そういうことを肴にして笑い合えるレベルにはなってきたが、小学校の語彙力強化問題集はちっともやらない。残してやるもの億劫だ。来週辺り1時間くらい残してやらせようかな、あんまり手をかけても自立心が育たぬ。期間限定ならいいかな。
 社会人になるまでにすこしは本を読んで常識的な日本語語彙が身につくのだろうか?高校受験生だから、二人を除いて夏休みが終わってから最近2週間くらいで学習態度ががらりと変った。もう大丈夫だろう。クビにしないで2年半待っていた甲斐があった。残る二人が問題だ、変れないのかもしれない、しかし、変ると信じて坦々と歩く。

 授業は78ページまでと書いてあったが、「2次関数の利用」85ページまで終わっていたので、数字は書き換えて、関連するところも手を入れた。数字は少し変ったが、論旨は変らない。
 弊ブログは、とりあえずアップして一両日は手を入れるのでその旨了解いただきたい。数字を修正する場合はこのようにメモをいれておく。

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コメント 3

。ZAPPER

援護射撃で、二本記事をアップしておきました!(^o^)
by 。ZAPPER (2013-09-13 16:45) 

ebisu

タイミングがよくてありがたい。

釧路と根室は同じ病を抱えた兄弟のようなものです。

根室は現場でがんばってくれている先生たちが少なくありません。でも、まだまだ少数派です。
市議たちも学力問題にはほとんど関心なしです。
数日前に発足した市議8人の会派の活動目標に学力問題はありません。

根室には現場でがんばっている先生たちが少なからずいますから、どこかでバランスが変り、改革へどっとなだれ込むのかもしれません。
誰が変えてくれるのでもない、結局のところ現場の先生たち自身が生徒の学力を変えるのでしょう。
学校の先生たちのがんばりに期待しています。
by ebisu (2013-09-13 23:24) 

ebisu

ZAPPERさんへ

今日追加してくれた分は明日転載します。
ありがとうございます。
by ebisu (2013-09-13 23:26) 

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