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#2377 次の原発事故のために(4):小児甲状腺癌18人に  Aug. 21, 2013 [政治に求めるもの]

 福島県民健康管理調査で小児甲状腺癌と診断された子供が18人になった。百万人に1~2人の罹患率だから、66倍の発症率である。これでも福島第一原発事故とは関係ナシと断定する教授がいるのだから呆れてしまう。
 チェルノブイリでは6000人が発症しているから、福島県ではこれからどれほどの小児甲状腺癌患者が発生するのだろう。チェルノブイリは放射能汚染された牛乳を飲んだことで小児甲状腺癌患者が多発したことが分かっている。

 消化器系から取り込まれた放射性物質は短期間で体外へ排泄されるが、肺から取り込まれた放射性物質は体外へは出て行かず、生きている限り内部被曝し続けることになる。呼吸器から体内へ入った放射性物質は遺伝子を障害し続ける。だから発症するのは小児甲状腺癌だけではない。次の世代の奇形をはじめ、ダウン症・白血病・…とあらゆる遺伝子障害にかかわる病気のリスクが高くなる。
 80km圏内はまるで巨大な人体実験場のようだ、生殖期間の終わっている50代以降の年寄りは住み続けることを選択し内部被曝をしてもかまわないだろうが、こどもたちは避難させるべきだ。これから生まれて内部被曝する子どももいる。
  最近の動物試験の結果では、放射能被曝によって次の世代以降に遺伝的な影響の出ることがわかってきた。人間でも似たようなことが起きる。そんな非人間的な試験はできないが、福島第一原発80km圏内に子どもたちを留め置くことによって、政府は壮大な人体実験をやっている。それが意図したことであろうとなかろうと、事実はそうだ。


 MSN産経ニュース、日経新聞、毎日新聞と記事をネットで検索してみたが毎日の記事がしっかりしている。

http://mainichi.jp/select/news/20130821k0000m040091000c.html
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甲状腺がん:診断で6人増え18人に 福島県民健康調査

毎日新聞 2013年08月20日 21時59分

東京電力福島第1原発事故の影響を調べている福島県の県民健康管理調査で、甲状腺がんと確定診断された子どもが18人になったことが20日、有識者による検討委員会で報告された。6月の公表時より6人増えた。

 検査は、震災時18歳以下の約36万人が対象で、7月末までに21万6809人が受診した。がんと確定した18人以外に、25人にがんの疑いがあるという。うち4割は、事故直後から4カ月後までの被ばく量を行動記録などで推定する基本調査を終え、2ミリシーベルト未満だったという。

 検査を委託されている県立医大の鈴木真一教授は「診断された子どもたちのがんの進行は遅い」などとして原発事故との関連に否定的な見解を示したが、検討委は「ただちに原発事故と関係があるかどうかは分からない」として、結果を多角的に検証・評価する専門部会を設置することを決めた。【蓬田正志】

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http://www.47news.jp/CN/201308/CN2013082001001704.html
http://www.nikkei.com/article/DGXNSSXKC0272_Q3A820C1000000/?dg=1
http://sankei.jp.msn.com/life/news/130820/bdy13082015230003-n1.htm

 MSN産経ニュースや日経新聞の記事には鈴木真一教授の意見と太字の部分がない。肝心なところを削ってしまったら、記事の価値が損なわれる。

【罹患率の問題】
#2325で小児甲状腺癌の罹患率に言及しているので再掲する。
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(11) 10~14歳の甲状腺癌の日本国内の罹患率は百万人に1~2人である。

 平成22年度の国勢調査データを検索して集計してみたら0~14歳の階層は1646万人(総人口1億2805万人)であるから、小児甲状腺癌は日本全国で16~32人という推計が成り立つ。福島県の0~14歳の人口は276,069人であるから、小児癌の自然発生数は0.27人ということになる。40倍もの甲状腺癌症例が出ているのにそれでもなお福島第一原発事故とは関係がないと主張するのはなぜ?甲状腺癌の疑いアリの症例を含めると100倍である。
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【放出放射線量の問題】
 鈴木真一教授は原発事故とは関係なしと断定しているが、その判断の根拠は福島第一原発事故で放出された放射能量がチェルノブイリの60分の1という東電の公表数値に基いている。チェルノブイリの半分という説もあるし、3基の原発が爆発を起こし、MOX燃料を使っていた3号機はメルトスルーを起こしているので、放出放射線量はチェルノブイリを超えているという説もある。素言う可能性が大きいからこそ、検討委員会は専門部会を設置して多角的な検証・評価をすることを要求している。

 記事中の次の文もチェルノブイリの60分の1という前提での数値だろう。同規模だと仮定したら「2ミリシーベルト未満」という表現を「120ミリシーベルト未満」と書き換えなければならない。結論がまるで違ってくるよ。こういう論は前提条件を洗うのが鉄則だ。一番最初の前提条件が現実とぜんぜん違ったものなら、そのあとにどれだけ精緻な論理を積み上げても結論はクズとなる。放射性物質のチリを肺に吸い込む事から生ずる呼吸器からの内部被曝も計算には入っていない。

 「うち4割は、事故直後から4カ月後までの被ばく量を行動記録などで推定する基本調査を終え、2ミリシーベルト未満だったという。

【核種ごとの放射性物質にかかわる問題】
 これは空間被曝線量だけの話で、放射性ヨウ素のみの推定値、内部被曝線量は計算外。放射能の影響を考えるときには核種ごとの累積被曝線量が問題だ。核種によって集まる臓器が異なり、それによって生ずる病気も違ってくるからだ。ヨウ素は甲状腺に集まり、セシウムは筋肉に集まり、ストロンチウムは骨に集まる。放出された核種は主な物だけで33種類、全部あわせると百種類を超えるだろう。ガンマ線を出すヨウ素やセシウムだけが問題になっているがアルファ線やベータ線のほうがずっと影響が大きい。空気が乾燥して埃が舞うと、呼吸器から内部被曝してしまう。空間放射線量だけ見ていても意味がない。80km圏内の住民がどれほど肺に被曝しているのか調査すら行われていない。死亡した人の肺を摘出し、それを材料として微量放射線を計測するしかないのだろう。靭帯に甚大な影響のある呼吸器系の内部被曝についても調査は著しく困難である。

【次のステップでやるべきこと】
 放射能が遺伝子を傷害することは分かっている、次のステップはどの核種がどの癌抑制遺伝子を傷害するのかということ。それとこれまでに放出された核種ごとの放射性物質の量と多数の地点(例えば一辺100m単位の正方形)ごとの放射能の測定だ。しかし、これらの結果が分かる前に確実に手遅れになる。

【いま最優先でやるべきこと】
 これからの放射線医学研究にとってはじつに貴重な医学臨床データが蓄積されつつあるのだろう。民主党から自公政権に変っても一貫して政府が率先してやっている、じつに恐ろしいことだ。
 最優先でやらなければならないことは80km圏内からの子どもたちの避難である。

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 "福島原発 放出された核種"をキーに検索してみた。以下のデータは2011年6月までのもので、それ以降のデータはどうなっているのだろう?
http://savechild.net/archives/3891.html
http://www.cpdnp.jp/pdf/120613Takasaki_report_Jun9.pdf
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【チェルノブイリとの違い】
 チェルノブイリではこんなに速く小児甲状腺癌はでなかったのに、福島第一原発事故ではずっと速く小児甲状腺癌が出ていることから、被曝量が比較にならぬほど多かったという推論が成り立つ。
 チェルノブイリでは当時のソ連政府は周辺住民を千台以上のバスでただちに退避させる措置をとったが、日本政府は子どもたちを放射能汚染地域にいまだにとどまらせている。これでは累積被曝量がチェルノブイリの事例を上回るのはあたりまえだ。地元の食材も学校給食に使っている。
  放射性ヨウ素の半減期間は8.1日だが、半減期が30年もあるセシウムやストロンチウムで今日も住民達は累積内部被曝量を増やしている。

【国会議員、都道府県県会議員、首長、市町村開議員にいま求められていること】
 80km圏から子どもたちを退避させるべきだ。
 退避や追跡調査、全核種の放出データ記録及び保存、これらをきちんとさせることは国会議員、県会議員、市町村会議員、首長など政治家の役割。民主党政権は仕事のできない者たちの集まりで、これらの仕事をまったくできなかったのだが、自公政権もやっていることは同じだ。少しは仕事ができるはずなのに志があまりにも低い。世のため他人のために働け、大人は次の世代に対して責任をもたなければならない。それぞれの立場で、渾身の力をもってしてやりうることをやろう。

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 ブログLMN研究所
http://tada-de-english.blog.so-net.ne.jp/2011-07-31-4 
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*#1254 経済成長論の終焉 Oct.24, 2010 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-10-24-1

 #1463 「福島第1原発3号炉はもう無い
:東京電力社員退去要請の意味」
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 #1607 児玉龍彦国会で告発(2):(書き起こし) July 31, 2011 
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 #1655 あらら、何を隠そうとしているの?:原子炉建屋にコンクリートの覆い Sep.21, 2011 
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 #2237 過剰富裕化論提唱者の福島原発事故処理構想:遺稿 Mar. 4, 2013 
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 #2323 次の原発事故のために(1):甲状腺癌と情報操作?:U.N. experts see no increase risk of cancer … Jun. 6, 2013
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-06-06

 #2324 次の原発事故のために(2) :福島県で12人が甲状腺癌 Jun. 7, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-06-07

 #2325 次の原発事故のために(3):Tyroid cancer hits 12 kids in Fukushima: Jun. 8, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-06-08



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Hirosuke

>「東電の対応能力を超えている」

これは事実です。
東電には「専門家」が存在しません。
ほぼ全て外注です。

外注業者が設計を請け負い、
別の業者が施工を請け負い、
さらに別の業者が保守点検を請け負う。

下段に行くほど、
専門知識の必要レベルも下がります。

それでは、
東電は何をしているのか。

各現場の監理です。

具体的に言うと、
管理棟の中で作業番号札の出入りチェック。

それだけです。

現場には滅多に顔を出しません。

東電社員は電気なんか作ってません。

いつ必要になるやも知れぬ、
緊急性のない書類作成が日常業務です。

これが日本の電力業界の縮図です。

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【元・TEPCO下請け会社の平社員】はミタ!
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by Hirosuke (2013-08-23 13:46) 

ebisu

呆れた事業実態ですね。

これでは公共性のある事業に寄生しているだけの存在。
こんな企業で仕事をしていたら恥ずかしくなりますね。
いらないのですから。

独占事業はほうっておくと腐るようですね。
規模が大きいと群がる人間の数も増える。
なんというお粗末な仕組みができあがってしまったのでしょう。

潰すにしても大仕事になります。
東京電力を生産した後で、電力供給をどういう事業形態でやるのか、具体的なアイデアを議論すべきですね。
by ebisu (2013-08-24 00:09) 

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