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#2370 平成25年金刀比羅神社例大祭(3):雨上がり  Aug. 11, 2013 [88.金刀比羅神社のお祭り]

 昨は一日中小雨が降り続き、6時からの先太鼓の競演が中止になったが、今日は運よく雨が上がり道路は午前中に乾き始めた。黒いアスファルトが灰色に変わっていく。

 12時に御旅所前までロードバイクで出かけた。昼なのだが・・・「夜店」表側の歩道側を避けて裏側の緑町道路中央部を下っていくと脚の長い見たことのある人が歩いてくる。背丈と顔かたちが姪っ子に似ているので、そうかなと思ったが、すれ違うときに元塾生の高校生だと気がついた。小中高生おしなべてお祭り好きが多く、三日間は町全体が盛り上がる。

 陽射しを受けて金色に輝くお神輿は花火の合図とともに12時半に御旅所を後にした。第三祭典区がそれに続き、そして西部祭典区、第一祭典区、今年のしんがりは東部祭典区。
 第三祭典区に生徒のSがいた。笑顔で小太鼓を叩いていたが、あれは4年間ほどOが叩いていた太鼓だ。野球に明け暮れた中学生の時には小柄だったのに、高校生になってからバスケット部に入ると20センチも背が伸びて180センチを越す「大きな少年」になっていた。調理学校を卒業して札幌で働いているはず。

 御旅所前で高校の同級生のヒロシが見物していたので声をかけた、歌舞伎役者のような顔立ちで野球部だったから女の子によくもてた。いまは少しメタボになったが、人柄のいい奴だ。
 同じ場所で先輩にもあった。中学時代の親友のお兄さんで、根高の柔剣道場でebisuが受身の稽古をしている横で気合のこもった打ち込みをしていた。花咲小学校長や柏陵中学校長、光洋中学校長を歴任して退職した。地元に残った数少ない高学力層人材の一人である。地元出身でこれだけの経歴の人材なら退職後は(他の町なら)教育長のポストが待っている。「なぜ?」、ご本人へそんな質問は失礼だからしたことがない。35年たってふるさとの町に戻って来たが、根室の町が衰退し続けているのはそれなりの理由がある。根室の子どもたちの学力低下はこうした教育行政のトップ人事のまずさにも原因がある。
 先輩との話しは根室の子どもたちの学力問題へ及ぶ。具体的な数値を現職から聞いたのだろう、この数年間加速している根室の子どもたちの学力低下を心配していた。20年前と比較したらびっくりするほど中学生の学力が低下している。「一つの学校だけで300点満点の学力テストで250点超が4~5人いた」という。市街化地域3校の学力テスト総合Cの結果を階層別一覧表を弊ブログで紹介したことがあるので、そちらを見てもらえば学力の低下は一目瞭然。現在は市街化地域の3校全部で250点を越える生徒は0~3人だろう。五科目500点満点の学力テストで見ると400点超の高学力層が十年前のおおよそ十分の一になり、低学力層が肥大化しているのである。
 同じ学区域のC中学校とA小学校が連携して動き出しているが、これが校長が転任しても継続されるような体制になってくれたら、変わるかも知れぬ、私たちは現職に期待している。

 各学校の校長先生たちがお祭り見物をしてくれたらうれしい。自分の学校の生徒達が金刀比羅神社のお祭りにどういう役回りで参加しているのかよく見てもらいたい。
 地域の伝統を守るために学校外でそれぞれトレーニングを積み、役割分担しているのである。地域の文化や伝統とのかかわりは学校教育でも重視あるいは注視すべきだ。地域社会とのコミュニケーションの一手段としてフリー授業参観が行われているが、学校の校長先生たちが地域社会へ関心をもたなければフリー授業参観もその効果が半減するだろう。学校外のことがわからなければ、地域の企業や住民が学校に何を求めているのかが理解できるだろうか?根室のお祭りを見て回るのは地域社会のニーズをつかむいいきっかけになる。お祭りの三日間は地域社会に根ざした学校教育がどうあるべきかを考える契機になりうる*。すこし敷衍してみたが、大筋は先輩のご意見だ。見ているところが違うとあなたも感じただろう。
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*文部科学省が中学校の学習指導要領の「道徳」の「第3章」で次のように書いている。
「(5) 郷土の伝統と文化を大切にし,郷土を愛する心をもつ。」
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/youryou/syo/dou.htm
 各中学校の校長先生たち、金刀比羅神社のお祭りを見てほしい。子供たちが地域の行事にどのようにかかわり、地域の文化と伝統の担い手になっているのかを祭りの準備段階から自分の目でみてほしい。
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 社会教育ばかりを主張し、学力低下に目を向けなかった前々教育長、8年間もの長期にわたって根室の教育をダメにして退職後はさっさと根室から消えた。歴代の根室市長は教育行政を担う人材を見る目がない。

 いったん、家へ戻り着替えてから車で緑町に再来。歩いてお神輿の追っかけをやって、神社までついていった。神社へ500mくらい手前で、毎年お神輿の先導をしている同期のKが歩道~見物しているebisuを見つけて、「今年はいないからどうしたのかと心配していた」、友達というのはありがたい、親身になって心配してくれている。全部終わった後で、「これで今年も一年が終わった、責任を果たした気がする」と言い残して手を振りながら神社裏から帰っていった。

 話しは変わるが、お神輿を神社境内に上げるときの手順が昔と違うように思う。高校生のときに神輿を担いだことがあるが、神社の鳥居の前の道路で枠木を外したように記憶しているのだが、記憶違いだろうか、今日は本殿前で枠木を外していたし、2年前のクラブナビさんのブログでも、本殿前の境内で枠木組をする様子が書いてあった。

 御魂を神輿から下ろすときには白い布の幕を棹につけて囲んでおごそかなうなり声を2度響かせて移した。幕を前のほうに移動させて閉じ、本殿へと神主が導いた。伊勢神宮の遷宮式のときにも大きな白幕でたくさんの神主が囲って祭神の御魂を移していた。

 緑町へ戻ったら、第三祭典区が御旅所前で先太鼓を出して打ち始めた。獅子と少年の踊りを披露した。西部祭典区が緑町三丁目方向から下ってくると、交差点を空けた。それぞれ責任者が挨拶してから頭を下げて通る、こうした儀礼をしっかり守ることが大切だ。

 第三祭典区に中学校の先生が一人参加していた。数年前に低学力の生徒達を集めて1年余補習してくれた先生だ。
 根室に赴任して3年経ったらお祭りへ参加してもらいたい。各祭典区も学校の先生たちが参加しやすいような役回りを提供してはくれないだろうか。コミュニケーションの機会を双方がつくりだすことで地域も学校教育もいい方向へ変わるのではないだろうか。
 話しは飛ぶが、ひまわり弁護士会の初代のSさんは2年目のときに神輿を担いだ。とってもうれしそうに話していたのを思い出す。
 昨年は北海道新聞根室支局のクリリンことKさんが神輿を担いだ。サリーさんが「クリリンが・・・」と言いながら、走ってお神輿を追い越して写真を撮っていた。いいカメラを買ったばかりだったから練習を兼ねていたのだろう。あのときの一連のお祭り写真はサリーさんのブログに掲載されていた。敏腕記者だったクリリンは東京へ転任になった。歯舞前浜の取材シリーズ記事が秀逸だった。どういう偶然か卒業して家業のコンプ漁師になりたての元塾生二人を紹介してくれた。ずっと隣同士でコンブ漁氏としての腕も競い合う、若い熱気が伝わってくる記事だった。35度の暑さに耐えながら、涼しかった根室の夏とお神輿を思い出しているだろう。
 三時過ぎには気温が下がり、見渡すと半袖姿はほとんどいない(、夜九時にさらに下がり15度。今夜も根室は日本一涼しい)。

 第三祭典区和太鼓の13台の演奏がはじまった。昨日の各祭典区の「競演」でやる予定だった演目である。これをやらずに終われますかといわんばかりの気合のこもった演奏に交差点を取り囲んだ主婦数人から黄色い声が飛び交った。こういうやり取りがあるからライブ演奏は楽しい。
 どの祭典区も肩からベルトで提げた大太鼓を使うが、第三祭典区は4台そろえていた。男女それぞれ二人ずつである。両手を使って両方の皮を叩きながら、左手だけは左を叩いた反動を利用して右側の皮も叩くという曲芸のような技がある。ちょっとかっこいいからどの祭典区でもやって見せる。しかし目の前2mくらいのところで4台そろって息のあった「乱れ撃ち」はド迫力があった。
 和太鼓は力を抜いてきれいに打つと音の迫力ががくんと失われるからあまりゴマカシがきかないようだ。女性の一人は女とは思えないほど迫力の音を出していた。いや、けっしてニューハーフではなかった。(笑)

 5時半頃第三祭典区が引き上げると、祭りの終わった交差点は熱気を残しながらもの寂しくなった。
 5時半なのに「夜店」はそのまま営業を続けており、歩く人も多かった。例年はもっと早く店仕舞いをしていたはずだが、今年は少し様子が違った。祭りの賑わいの余韻を楽しむ人が増えたようだ。
 看護学校へ進学予定の高校三年生二人が友人達と楽しそうに歩いていた。進路を変えたHともすれ違った。中3の男子生徒が高校見学をしたときに素敵なお姉さんがいたと騒いでいたから人気上昇中だ。(笑)
 1月に結婚したばかりの元塾生がご亭主と歩いていた。笑顔で「あら、先生お久しぶりです」と大きな声で挨拶、好きな数学だけはしっかり勉強して驚くほど点数を上げたメンコイ生徒だったが、ますます美人になった。

 たのしいお祭りが終わった、トレーニングを積み、見物の私たちを楽しませてくれた皆さんに感謝。お祭りに参加している人たちも大いに楽しんだのだろう、皆さんの笑顔がすてきでした。


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#1627 金比羅さんのお祭りと人口減少 :根室の伝統文化の伝承 Aug.12, 2011 
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