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#2358 根室の小中学校の先生必読:授業の基本 July 18, 2013 [64. 教育問題]

 昨年は市街化地域の3校のフリー参観授業を2回ずつみた。それを踏まえての発言だが、教育大学では授業のやり方について技術的な指導があまりなされていないのではないだろうかという疑問がわいた。技の伝授ともいうべきことがおろそかになってはいないだろうか?

 ブログ「情熱空間」が授業のやり方について具体的な注意事項をアップしてくれたので、小中学校の先生たちは一度自分の授業を点検してもらいたい。
 「ああ、それくらいのことはあたりまえ」、「やってるよ」という先生とそうではない先生がいるだろう。参考にして自分の授業を改善してくれたらいい。

  すこし懸念も書いておく。これは主として算数・数学の授業の在り方に関する技の説明である。チームティーチングと補習の仕方が俎上にあげられている。他の科目ではどうかということがある。他の科目については話しが広がるのでここでは論じない。
 チームティーチングや補習は普段の授業にも共通する部分がある。机間巡視をやって生徒がどのようにやっているのか、あるいはどう考えているのかをノートから読み取っていく。説明したことをきちんとノートに書けない生徒もいるし、我流のやり方を押し通している場合もある、誤解している場合もある、だからまずノートの観察がある。
 当たり前のことなのだが、わかっていない場合は生徒の実力に応じて説明の内容やヒントの内容が変わる。そうしたことを全部紙の上で説明することはほとんどできないことなのだ。だから「目安」と思っていただきたい。
 わたしはビリヤードが趣味でスリークッション世界チャンピオンの小林先生のお店で数年常連会のメンバーだったことがあるが、図面を書いて何度か質問したことがある。当時小林先生はNHKテレビで初心者向けのビリヤード講座の番組をもっておられた。そのテキストに解説が載っているのだが、わたしの質問は初心者向けではなく、プロに近いレベルの技の質問だった。教えていただいてから、こういうレベルの技を解説した本を出していただけるとありがたいのですがという私の提案に対して小林先生はそれは無理ですと即答された。微妙なところがあるので、直接教えることしかできないという。半端な人が読むと誤解が生じ、書いた通りにやったがうまくいかぬとクレームがでるので、そんなバカバカしい質問やクレームには付き合っていられない、無理だという説明だった。あるところから先は師匠と弟子の関係で学ぶしかないのだろうと思う。そのころ小林先生には修行中のお弟子さんが3人ほどいた。
 TOSSというグループが授業技術についてのトレーニングプログラム、段位を試験をもって授業技術の練磨に取り組んでいる。わたしはその実際を見たことがないのだが、おそらく書いただけでは説明できない高度な技の部分があるはずだ。
 いわば職人の技に属する部分だから、あらゆる職人に共通する技の伝授、師匠から弟子への技の伝授という部分があるのだろうと推測する。師匠に見せてもらってそこから盗む。技の伝授には徒弟制度が一番いいということになる。ちょっと厳しいからこういう修行を修了できる忍耐強い人は十人に一人だろう。授業の技を磨くという方法のほかに、圧倒的な知識と教養で臨むという方法もある。先生や授業のあり方については理想とする類型がいくつかあるほうがいいのだろう。何かを唯一絶対視する必要はない。
 そういうことも頭の隅におきながら、合格先生の説明をお読みいただきたい、要点を簡潔に記しているからきっと役に立つ。感謝。

http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/6671467.html
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放置プレイとモグラ叩き(授業の技術論)

合格先生がとても良い記事を書いてくれました。そう、まさにその通りなんですね。イメージは「モグラ叩き」ですね!一つの穴から出てくるモグラを待ち続け、他のモグラに目が向いていない。それじゃ、高得点を挙げることは不可能ってな理屈です。

1人の生徒につきっきり。他の生徒が騒ぎ出すのは当然ですね。丸つけに子どもを並ばせる。これも同様。こう言っちゃ何ですが、そのレベルだったなら、20人の生徒に対して3人のチューターを投入しても同じことですよ。4人が1人の生徒につきっきりで、残りの16人は放置プレイになってしまいますからね。

個別指導の学習塾には学習指導において「暗黙のルール」があるんです。1人の生徒の側につく時間は1回に1分以内なんですよ。長くても3分以内。側にベッタリついちゃダメなんですよ。個々の生徒に細かく指示を出して、細かく指導をして行くものなんですよ。60分の授業で3人を学習指導するのであれば、1人について20回程度、側につくということですね。

意外に思うかも知れませんが、「教え込み」というのは厳禁なんですよ。やり方を伝えて、あとは自分で問題を解かせる。手が止まったなら、その都度、助け舟を出す。その繰り返しなんですね。だから、側にベッタリついての「教え込み」などは厳禁なんです。生徒の手を止めさせたならアウトなんです。何せ、限られた時間内での勝負ですからね。

北教組がその導入を叫び続けるTT(チーム・ティーチング)ですが。あのー、すみません。その遥か以前の問題であるわけですね。「付きっきりタイプ」と「座り込みタイプ」は、我流の学習指導の賜物なのでしょうね。すっかり身についてしまったそのスタイルを変えるとなれば、これは本当に難しいものでしょう。というわけで、《授業のミニマムスタンダード》こと「授業のイロハ」をこそ、初任者研修で徹底的に仕込む重要性を再び思うわけであります。放置プレイとモグラ叩き。まず、そこを是正しなくてはね。

●個別指導と集団指導
http://www002.upp.so-net.ne.jp/singakukouza/jijimonndai.html#Anchor-10340

《引用開始》
1人の生徒にベッタリの先生

 生徒が分かるまで付きっきりで勉強を教える~聞いた感じでは、しっかり勉強を教えてくれているようなイメージですが、実は、これ「個別指導」での話。「集団指導」となると、これはアウトなんです。どうしてか、というと、1人に生徒に付きっきりだと、他の生徒が放ったままになってしまうから。

 で、なぜ、こういう内容を今述べるのか、というと、もう間もなく、夏休みの補習が市内の小中学校で行われるから。もし、その補習の見学に行くことが出来るならば、以下の点に注意して見てもらえると、学校の先生の授業がいいのか、悪いのかがハッキリ分かります。

 そこでまず一点目は、サブタイトルにあるように「1人の生徒にベッタリ」の状態になって、他の子に背を向け、いつまでもその1人に付きっきりになっている先生。おそらく、通常の授業でもそういう事をやっているのでしょう。となると、このあとどうなるか。当然、先生の目の行き届かないところにいる生徒は、勉強に飽きてきていたずらをし始めます。そして、それが広がっていきます。ここから学級崩壊に向かって一直線、ですね。クラス全体が私語で騒がしくなっていても「うちのクラスは元気のいい子が多いんです」くらいに誤魔化してしまったり。全く、勉強するような雰囲気になっていない訳です。自分は、何校か補習授業の見学に行っていますが、この状態になっている学校、当然、ありました。

 次に、教室の前の方に座って「出来た順に生徒にプリントを持ってこさせている先生」。これもアウトです。結局、目の前にプリントを持ってきた生徒にかかりっきりで、やっていることは、上記の「1人に生徒にベッタリ」の状態と変わりません。プリントを持ってきた生徒に教えるのに時間がかかり、先生の前に待っている子が4人を超えると、勉強に飽きてプリントをやらずに騒ぎ出したり、待っている子が飽きて騒ぎ出したり、という生徒が出てきます。

 で、なぜ、こういう事になるか、というと、まず1点目は、生徒の学力を把握していないから。用意している物が1学期の復習しかなく、前学年までの内容がしっかり身についていない子がそのプリントをやった場合、結局、ほとんどの問題が出来ない、場合によっては、最初から最後まで全部分からないとなります。そういう子に教えるのに時間がかかってしまうんですね。それで、1人につきっきりになってしまうんです。せっかくの補習なんですから、この子はこのあたりが出来ていない、という事が分かっていれば、それに合わせたプリントを用意しておけばいいということ。
 中には、事前に「前学年までの復習テスト」をやらせて、その中で出来ていなかった問題を集約して補習内容を吟味している先生もいましたが、補習として子供達が勉強しに来るわけですから、そのくらいの事は当然やっておくべきでしょう。

 もう一点は、教える準備が出来ていないから。これ、専門用語では「机間巡視」と言って、生徒が勉強している最中、机の周りを回って、生徒の問題の解き方などをしっかり見て回ることなんですけれども、実は、釧路では、この机間巡視をやらない教員が多いんだそうです。となると、生徒がどこでどういう間違いをしているか、を、生徒がプリントを持ってきた段階で探さなければなりません。当然、それが無駄な時間になるわけです。こういう事は、あらかじめ生徒の問題の解き方を見て回って「ここを見逃している」「ここで誤った計算をしている」ということを把握しておけば、説明はサッと終わらせられます。でも、そういう事をしないで、教室の前にドンと座って、それっきり動きません、という教師であれば、生徒全員に目が行き届きません。当然、出来ていないところにフォローを入れられずに、そのまま次の学年に子供達が進級していってしまいます。こうやって、学力の低い子供達を作り上げているんですね。
 ですから、このあたりの教師になると、宿題を出す・出さない、以前の問題です。指導力不足なんですね。
 そして、このように、机間巡視せず教室の前の方に座ったまま動かない、「座り込みタイプ」の教師の多いこと。自分の見学した範囲では、半分近い、ひょっとすると、過半数かも知れません。これでは学力はつきません。

 ということで、「付きっきりタイプ」「座り込みタイプ」の教師は要注意です。「付きっきりタイプ」に至っては、大学生の家庭教師アルバイト感覚をそのまま、学校の指導に持ち込んでいるんでしょう。こんなレベルの教師をチームティーチングと言って何人つぎ込んだところで、費用の無駄というもの。
 ですから、一部で「チームティーチングの人数を増やせ」と主張している方々がいますが、とんでもない。「チームティーチングの人数を増やせという主張=授業が下手な教師が多い」という事を暴露してしまっていると考えていいでしょう。
《引用終了》


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【机間巡視 Hirosuke先生の場合】7月21日追記
 真似をするにはそれなりの力量が要求される。すぐにはできない技だ。こういうことを普通にやれる先生はメッタにいない。レベルの高い職人技といってよい。合格先生とHirosukeさんの机間巡視は名人芸
 10人未満での小中高生混在型の個別指導では、さまざまな教材を使っているからHirosuke流机間巡視はむすかしいだろうな。でも、面白そう。多少の無理をすることがスキルを向上させる効果があるのも事実である。ここでも生徒のレベルに応じたやり方を選択しなければいけない。それの選択肢の一つが「居残りマンツーマン指導」なのだろう。いくつか選択肢を用意しておくこと、ベテランになるほど袋の中に隠しもっている選択肢が増えているのが理想だ。
 ebisuは、1週間学校からまっすぐ塾に来るか毎週月曜日はブカツを休んでまっすぐに塾へ来るように生徒に伝える。べったりの個人指導をするためだ。このときに困るのがブカツ、生徒は学習よりもブカツのほうが大事、まずいことに学校の先生もそういう方針だ。ブカツを休むとレギュラーを外すと恫喝するケースが多い。成績の悪い生徒はブカツから外して放課後補習に参加するくらいの措置がなぜできないのか理解に苦しむ。勝つことばかりにこだわって、生徒の学習面への配慮がなくなっている、本末転倒だ。
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>机間巡視
   ↓
一目で生徒のミスを見抜く眼力が必要ですね。
僕はミスを発見したら、黙って赤線を引いて立ち去ります
次の巡回で、そこが修正できているかチェック
修正できてなければ、「この例題のココ読んで。」と再び赤線。
これも、教材の熟知なしには不可能


これでも修正できない生徒は、「最後の手段=居残りマンツーマン指導」

要は、「教える」前に「気づかせる」。
その為の技を幾つも持っている事


by Hirosuke (2013-07-21 06:50)

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ZAPPER

夏休み・冬休みに小学校の補習授業を見学させていただきましたが、「おっ、この先生はかなりできるな!」とピンときたのはお一方のみでした。あとでPTA会長に聞いてみたら、人気・実力共にナンバーワンの先生とのことでした。

アンテナ、立っていないんですよね。うーん。
by ZAPPER (2013-07-20 13:14) 

ebisu

ZAPPERさんへ

長期休暇中の補習を見学してかなりできるなと思わせる先生が一人いましたか、たのもしいですね。
そういう先生が増えてほしいと思います。

わたしがフリー授業参観で見た限りでは、一生懸命な先生は少なからずいらっしゃいますが、学習指導要領の範囲のみ教えていればよしとする、勉強不足の先生も多い。

一日たったの2~3時間、学習指導要領通りに授業をすればいいという風な、「賃金労働者」そのものの授業をしている先生はそういう授業になっている自覚があるのかな?おそらく感覚が麻痺しているのでしょう。

学力テストでの点数は科目を担当している先生の成績表のようなものですが、学力テストの結果を見て授業のやり方を変える先生が、あるいは放課後補習をしてカバーする先生が10人のうち何人いるのでしょう。

数値(学力テストの点数)による管理を嫌うと、数値を全部無視するようになり、学力テストを実施しても意味がなくなります。

いや、偏差値の出ない現在の学力テスト自体が無意味です。全道の平均点と偏差値と標準偏差、管内の平均点と偏差値と標準偏差、学校ごとの平均点と偏差値と標準偏差を計算していない学力テストは意味がありません。
目標値の設定すらできない。企業なら予算が作れないということです。決算数字が公表されていませんから。

テストのやり方を変えたら、好い加減な授業はできなくなります。数値にはっきり出てしまいます。
学力テストを変えるのが北海道の子どもたちの学力を向上させるための近道かもしれませんね。
by ebisu (2013-07-20 23:54) 

ZAPPER

お隣の釧路町に、こうした先生がいました。元々は体育教師で、社会科など教えたことがない。でも、教員が足りないので教えることになった…。

で、この先生、若いのになかなかのやり手でした。恐らく、徹底的に予習をしたのでしょう。現行の指導要領の網羅は当然、旧過程のものまで卒なく教えていました。(プリントで確認)塾でも、なかなかそうは行きません。

試験問題も、基本を外さずに、出題数もレベルもおみごと。思うに、まさしく寝ずに研究なさったのでしょうね!それがプリントや試験からヒシヒシと伝わってきました。生徒に聞いてみると、やはり実直で誠実なお人柄とか。

こうした先生は宝です。何の教科にだって通用します。そういった先生をこそ大切にし、また輩出し続けていただきたいものです。ええ、見る人は見ていますので…。
by ZAPPER (2013-07-21 01:23) 

Hirosuke

>机間巡視
   ↓
一目で生徒のミスを見抜く眼力が必要ですね。
僕はミスを発見したら、黙って赤線を引いて立ち去ります。
次の巡回で、そこが修正できているかチェック。
修正できてなければ、「この例題のココ読んで。」と再び赤線。
これも、教材の熟知なしには不可能。

これでも修正できない生徒は、「最後の手段=居残りマンツーマン指導」。

要は、「教える」前に「気づかせる」。
その為の技を幾つも持っている事。

by Hirosuke (2013-07-21 06:50) 

ebisu

ZAPPERさんへ

体育の先生が社会科を教えていたのですか。よほど勉強熱心、凝り性の人ですね。ZAPPERさんのいうように、同じスタイルでどの科目でもこなせるでしょうね。

>こうした先生は宝です。何の教科にだって通用します。そういった先生をこそ大切にし、また輩出し続けていただきたいものです。ええ、見る人は見ていますので…。

見る目のある人が、ご本人の気がつかないところで見ていて、その実力を正当に評価しています。
手を抜いてはいけません、そんな先生は見破られています。つける薬がないと判断したら、だれも何も言ってくれません。
by ebisu (2013-07-21 12:40) 

ebisu

Hirosukeさんへ

Hirosuke流机間巡視は名人芸です。
本欄へアップしました。

by ebisu (2013-07-21 12:43) 

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