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#2330 NEMUROざりがに探偵団最後の活動 Jun. 13, 2013 [87.根室の話題]

 今夜9時半の気温は13.0度、ようやく10度を超える日がでてきた、3回目かな、もちろん今日が最高気温。午前中に根室半島が太陽で温められると太平洋側の潮境で生じた霧が陸へ向かって流れてくる。

 さて今夜は北海道新聞6月12日根室地域版より標記の記事を転載する。
 私は昨年はじめて参加させてもらったのだが、時間よりだいぶ早く行ってひょうたん池をぐるっと回り事前偵察をした。私がついたときには駐車場にはタモ網を積んだ車が1台駐車していた。代表の高橋さんだった、時間よりずいぶん前から来て準備していた。後で話しを聞いたら朝早くから他の場所でザリガニの生息の有無の確認作業をしてから明治公園へ来ていたとのこと。そうしたバイタリティに支えられてこういうNPOの活動がある。
 メンバーの一人が胴長をはいてひょうたん池に入り、タモでザリガニをとった。子どもたちは池の淵の辺りでおそるおそるタモを操りザリガニが入っていないか探る。池の底をさらうと泥の中にザリガニがいる。泥を土の上にあけてその中からザリガニを見つけ出す。慣れてくると、「いた!」とあっちこちで声が上がり始める。大騒ぎだ。
 ザリガニ獲りの名人(中学生男子)がいて、タモも使わず水の中に手を突っ込み素手で何匹もつかまえていた。小学生達が尊敬のまなざしで見つめる。A中学校の生徒だ。この子には特別にひょうたん池のザリガニ駆除の免許をあげたい、しかしいろいろ法律や規則があるからそうはいかないのだろう。
 参加した子どもたちは笑顔で一杯だった。はじめのうちは気味悪がってザリガニを素手で捕まえられない子供もいたのに、だんだん慣れていった。
 団塊世代が小学生の頃はあっちこっちに遊ぶところがあり、カエルもおたまじゃくしもゲンゴロウもカラス貝もトンギョもエビもいろんな小魚が棲んでいて、つかまえて遊んだものだ。ざりがに探偵団のみなさんと一緒に2時間ほど遊んで、昭和30年代に比べると根室には子どもたちの遊び場が少なくなったことに気がついた。

 今年も参加したかったのだが、あいにくと「釧路の教育を考える会」の年次総会とぶつかってしまった。

北海道新聞6月12日根室地域版より
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 根室・ウチダザリガニ駆除団体
 「探偵団」活動最後に
  16日 後継なく4年で幕

【根室】特定外来生物ウチダザリガニを駆除する「NEMYROざりがに探偵団」(高橋克己)代表は、16日に明治公園で今年はじめて活動する。同団体は2年前に環境省から認定を受け明治公園や市内の沼などで駆除活動に取り組んだが、来年3月で認定期間が終了。高橋代表は「最後の活動なので、多くの人に参加してほしい」と呼びかけている。(笠原悠里)

 ざりがに探偵団は2010年7月に当時根室に勤務していた高橋代表が中心になり、7人で結成。明治公園や南部沼、牧の内ダムなどに漁業で使う「かご」を仕掛け、ウチダザリガニを捕獲・駆除してきた。
 だが11年3月に高橋代表をはじめとした主力メンバーが転勤などで抜け、事実上活動を停止。昨年は現在、オホーツクかんねい遠軽町在住の高橋代表が根室に出向き、1度だけ活動した。だが、後継団体が現れず、今年も16日以外の活動の予定はないという。
 高橋代表は「市などが率先してくれればいいが、代表が根室不在では活動を続けることがむずかしい。成果はすぐには表れないができれば誰かが続けてほしい」と話している。
 16日の活動は午後1時~同3時。明治公園に集合し、同公園内のひょうたん池でタモ網を使ってウチダザリガニを駆除する。
 定員は20人で、参加費は保険料として100円。申し込みは、市春国岱原生や超公園ネイチャーセンター 電話0153-25-3047へ。

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*#1985 水辺の遊び、ウチダザリガニ獲り : NEMUROざりがに探偵団  June 24, 2012 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-06-24

 #1979 NEMUROざりがに探偵団代表からのコメント  June 19, 2012 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-06-19

 #1977 外来ザリガニ駆除 :根室の自然を守る転勤族の戦い  June 17, 2012 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-06-17

#1977より抜粋
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 市立病院下の"古川の池"も花咲小学校グラウンドにあった"底なし沼"も埋め立てられてなくなり、その代りに警察下の根室公園と明治公園に池がつくられた。海岸は岸壁でおおわれ子供たちが遊ぶ渚がなくなった。
 根室市のまちづくり計画には豊かな自然を守りながらこどもたちの遊び場を確保するとか、ふるさとの自然を守り伝えるという考えがなかったように見える。こどもたちの数がこの50年間で四分の一に減り、あと十年もすればさらに半減するだろうが、こどもの遊び場がなくなってもいいとは誰も思わないだろう。それどころか根室本来の自然をそのまま次の世代へ渡したいと願う人が多いのではないか
 底なし沼や古川の池でトンギョをとって友だちと遊んだり、石の突堤の水深の浅いところで流氷の乗ってちょっと危険な遊びをしたり、花咲小学校下の渚で友だちと「日本手ぬぐい」で水を掬うと、イカの幼生や小魚がうごめいていたり、花咲小学校の裏山でスキーやソリすべりをしたり…、そういう一つ一つの体験も「ふるさと」であったことに今頃気がつく。
 ふるさとの自然をできるだけ残し、子供たちの遊び場を確保するという考えが少しでもあったら、根室の町はずいぶん違っていただろうと残念である。わたしたちにできることは、これ以上ふるさとの自然を壊さずに次の世代へ渡すこと
(【2013年6月13日追記】市は明治公園の再開発を検討しているが、これ以上自然を壊してはならぬ。)

 春国岱がラムサール条約で脚光を浴び、にわかに野鳥観光と騒ぐが、その一方で大鷲やオジロ鷲、フクロウの棲むフレシマ地区での風車建設が持ち上がるなどチグハグな観光市政が見え隠れする。どうしてこんなにぶれるのだろう?しっかりしたビジョンや考え方が腹の底にないからではないか?

 明治公園の池のすぐ近くに啓雲中学校があるが、理科の野外授業をやったっていい。なぜ外来種のウチダザリガニがふるさとの自然にとって脅威なのか実物教育ができる。柏陵中学校の近くの運動公園にも川があるから、そこを調査するのも子供たちの知的好奇心と問題関心を育むためのすばらしい野外授業になるだろう。

 しっかりした考えでふるさとの自然を守り、次の世代へバトンタッチしていくということをそろそろ考えないと、ザリガニ問題ひとつとっても取り返しのつかないことになりつつある。

 省みると、なぜ根室人自身がふるさとの自然を守る旗をふれなかったのかという問題が浮かび上がる。
 根室にはいろんな団体があり、地元経済界関係ばかりでなくイベント関連の団体も多いのに、ふるさとの自然を守ることには関心が薄いように見える。これと学力問題への関心の薄さを重ねてみてほしい。

 集合Aがふるさとの自然を守ることへの関心の薄さ、集合Bが学力問題への関心の薄さである。集合Aと集合Bを重ねるとAとBの交わりの部分に教養の幅とか読書力の低さとか貧弱な知的好奇心の問題などが見えてこないだろうか?

 その一方で、固有名詞を一つ一つ挙げることはしないが、市政に関連のあることに関心の強い団体が多いように思える。
 根室の弱点は損得勘定抜きでふるさとのために何かをしようという人が少ないということにあるのではないだろうか?
 このことは教育問題で釧路の連中とお付き合いをしていて如実に感じることだ。「釧路の教育を考える会」のメンバーは、損得勘定抜きの人が多い。釧路のこどもたちの学力の低さに危機感をもってさまざまな分野の人たちが集まっている。私塾、学校の先生、大学の先生、複数の地元経済団体、市役所の幹部、市教委、市議と実に多彩だ。
 こういうことは自分の個人的立場や損得勘定を乗り越えないと集まって話もできないが、釧路ではそれが可能で現実の動きとなっている。
 集まるだけでどうにかなるものでもない、もうひとつハードルがある、それは問題を分析し短期間で提言をまとめるために仕事ができるメンバー(学力上位層)が核にいることである。釧路にそうした人々が少なからずいた。十分の一くらい根室にだっているだろう、しかし十分の一ではちょっときびしいかな。その分はのんびり時間をかければいいのだろう。(笑)

 特定外来生物の脅威をふるさとの自然に関連付けて考える人が少ないことは想像にかたくない。先週の日曜日(5/10)に第40回古本市があり、いままでで一番本が集まった(2万5600冊)ようだが、漫画の本が増えている(前回の倍の1万冊)のが気になる。これが根室市民の読書レベルの低下のシグナルでないことを祈りたい。

 知的好奇心はさまざまな分野の本を読み、ふるさとの自然を観察することで育つものだ。本にもいろいろある、漫画の本は誰でも読めるし、良質のものも多いのだが、それにとどまっていてはいけない。
 斉藤孝『読書力』の定義では児童書や漫画の本は歯が生えていない赤ん坊レベル、推理小説やSF小説が「乳歯レベル」の読書となっている。永久歯で歯や顎を鍛えるには硬いものを噛まなくてはならない、それが大人の読書だ。そういうレベルの読書を積み重ねてはじめて読書力が身につき、鍛えられる。知的好奇心が幅の広い教養に支えられれば、目先にとらわれずに考えることができる。

 中高生、そして大人たち、読書力を磨いて歯ごたえのある本をたくさん読み、ふるさとの自然や経済をよく見てなにがどうなっているのかを考えよう。その上でどうしたらいいのか忌憚のない議論をしてふるさとの町を住みよいものにしたい。それぞれの職業、各々の立場でできることは多い。

 歯ごたえのある知的レベルの高い本をたくさん読み、知的好奇心を育て、正直に誠実に仕事をする大人になろう。
 
 小欲知足
 「売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よし」
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YO乃介

NEMUROざりがに探偵団の高橋です。
ebisuさん、私たちの活動を紹介してくださり、ありがとうございます。

損得勘定抜きですが(笑)さすがに資金がなければ根室にも行けませんので、今年度はコカ・コーラさんがスポンサーの助成金を獲得し活動しています。
ウチダザリガニの防除は、今や全道各地で市民団体などが行っています。ただし、外来種駆除はとても厄介な問題で、目に見える成果があがっていないのが実情です。
私の夢は、全道各地の市民団体が連携することで、捕獲技術の向上や、何より活動を継続する「やる気」を引き出すことです。力足らずですが、私も仲間と共に頑張りたいと思います。
明治公園の池にいるウチダザリガニは、管理者が少し「やる気」を出してくれたら、解決できるのではないかと考えています。重機で池の中をさらったら相当数のウチダザリガニが捕獲できます。全部の捕獲は難しいでしょうから、あとは市民の行動があれば年月はかかっても、いなくすることは可能でしょう。
それが実現できれば、根室市は全国の注目の的になることでしょう。

当日は前述のコカ・コーラさんもわざわざ札幌から駆けつけてくれることになっています。お茶やコーヒーのサービスもあるかも知れません(笑)

今回が探偵団として最後の活動となりますが、有望な誰かが現れることを期待して、根室に駆けつけたいと思います。
by YO乃介 (2013-06-14 12:37) 

ebisu

コカコーラさんが応援してくれたのですが、ありがたいですね。
明日久しぶりに呑んで見ます。(笑)

>私の夢は、全道各地の市民団体が連携することで、捕獲技術の向上や、何より活動を継続する「やる気」を引き出すことです。力足らずですが、私も仲間と共に頑張りたいと思います。

各地の市民団体が連携できる日がいつかくるのでしょう、期待しています。

>重機で池の中をさらったら相当数のウチダザリガニが捕獲できます

根室にはW建設という大きな土木建設会社があります。協力してくれたらうれしいですね。
FMねむろでとりあげたらいい。
道新根室支局も全道版で紹介してくれるかもね。
こういうのを「オール根室」と呼びたい。

>今回が探偵団として最後の活動となりますが、有望な誰かが現れることを期待して、根室に駆けつけたいと思います。

志を継ぐものがぜひ現れてほしい。
by ebisu (2013-06-14 22:34) 

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