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#2298 アベノミクスの罪:日経平均15,096.03円 May 16, 2013 [91.経済]

 昨夜の気温は2度、今朝は雨が降っている。根室は相変わらず寒い日が続いている。

 株価が一本調子に上がっている。昨日の日経平均は1万5千円を超えた。連休前の4月26日は13,884.13円だったから短期間でずいぶん上がった。さらに遡ってみると3月末には12,397.91円だった。面白いから並べてみよう。

        2013年      2011年
 1月末 10,886.72円  (10,237.92)
 2月末 11,559.36円  (10,624.09)
 3月末 12,397.91円  ( 9,755.10)
 4月末 13,860.86円  ( 9,849.74)
 5/15  15,096.30円  ( 9,648.77)

 昨年も一昨年も、10,000円前後、2009年からずっと安定していた。
 企業のナカミが変わったわけではないのに、何でこんなに急に上がるんだろう?

 ①米国が量的金融緩和+ゼロ金利
 ②円安で外人買いが急増
 ③株価が上がることで企業業績がよくなっている(B/S上の有価証券が膨らんで、評価益が増えている)

 表面的にはこれら三つの理由が挙げられる。

 円安の影響は株価にとどまらない、諸物価確実に押し上げるが、それでは為替相場はどのくらい円安になっているのだろう。

 2011年5月16日  81.04円/$、
 2012年5月16日  80.52円/$ 
 2013年5月15日 102.46円/$

 昨年に比べて27.2%も円安になっている。ガソリンも輸入食糧も値上げ利し始めている。長期金利も上がり始めた。アベノミクスは強烈な副作用を起こすリスクをもっている。切羽詰ってくると人間はそれを打開したくて、危ない橋を渡り始める。そしてにっちもさっちも行かなくなり転がり落ちるのである。そういう窮地に陥らないように普段から財政規律をきちんとしておくべきだった。すでに手遅れだからアベノミクスのような悪手が出てくる。
(小泉構造改革では2011年プライマリーバランス(基礎的財政収支の均衡)の回復を主張していたが、絵空事。政権党が民主党だろうが自公だろうが財政は加速度をまして悪化している。もはやプライマリーバランスの回復など一切言わなくなった。否、あまりに非現実で言えないのである。いま財政破綻へ向かってまっしぐらに進んでいる帆船日本丸、その真っ白な帆には朱色で三本の矢が描かれている。)

 現象面だけ追っていても仕方がない。外国人持ち株比率が上昇したのには理由がある。株式への時価評価制度導入がきっかけとなった。
 株式への時価会計制度を政府が決定したのは1998年、実施は2001年3月期からである。その前後の数年間に外国人投資家の持ち株比率が10ポイントほど上昇している。2010年は26.3%である。

 
↑ 持ち株数比率推移(5証券取引所合計、%)
*http://www.garbagenews.net/archives/1955986.html
(グラフの右端が切れているが、このURLをクリックすれば元資料へジャンプします)

 銀行が40兆円を超える株式の保有をしていたが、時価会計制度が導入されることで巨額の含み損を抱えることなり、持合の解消へ動いて、銀行保有株式が減少し、それに随伴して外国人保有比率が上昇している。結果から見ると、国内金融機関の持っていた株式を外国人へ移したということ。軽々基準を変更するだけで、経済にこれだけ大きな影響が出ることは承知しておいたほうがいい。経済学者は5百年にわたって日本の企業を管理している技術=簿記の勉強もすべきだ。

 外国人の株式保有は短期投資目的であり、頻繁に売買されるので株価の変動幅が大きくなる。いま株価が上昇しているのは、米国や日本の量的金融緩和策とゼロ金利によるもので、実態の改善を伴ったものではない。だから、バブルのようなもので、上げるだけあげたら急激に下がるのが道理。
 時価総額が上がったからとて、(長期保有の観点からは)意味はない。こういう実態を伴わない株価上昇に気をとられて企業の経営改善が先送りされると、将来大きなツケを支払うことになる。
 株価の変動など気にせずに、地道な経営改善を積み重ねることこそまっとうなやりかただろう。

 アベノミクスの3本の矢のうちの、巨額の財政出動と金融の量的緩和(270兆円)はまことに罪が深いものと言わざるをえない。前々政権時代から一貫して引き継がれているゼロ金利も道を踏み外している。

 住友家の家訓13か条の3に浮利を追うべからずというのがある。
一時の機に投じ、目前の利に(はし)り、危険の行為あるべからず。

 浮利を追わずというのは普遍的な商道徳である。アベノミクスの三本の矢のうち2本は典型的な浮利を追う行為。日本人はこういうことはやらないものだった。高橋是清が大蔵大臣のときに似たようなことをやって、景気を回復させたが、国債の大量増発は海軍の軍備拡張へ道を開き、その後の15年戦争で国家を破綻へ導いた。リフレ政策は大きなツケが回ってくることを先人が示してくれている。質素・節約がまっとうな道なのである。
 安倍総理大臣と黒田日銀総裁、この二人は日本人としての情緒も倫理観も喪失してしまっているようにみえる。国債増発に歯止めがなくなったところは1932年の高橋是清蔵相の政策にそっくりである。
  高橋是清の大量の国債増発による景気刺激策はもてはやされることが多いが、財政赤字はこのあと当たり前のことになって海軍の軍備増強に歯止めが利かなくなった。結局13年後には敗戦、赤字財政でばら撒き続けた国債は反故になった。アベノミクスは同じ轍を踏むことになるだろう。

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*#2329 アベノミクス:ナカミがないのに財政健全化を約束 Jun. 12, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-06-13

*#2321 株価暴落はどこまで続くのか?:とりあえずの目安は11,250円 Jun. 4, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-06-04-1

*#2305 株高の原因: Nikkei ends over 15,000 for first time since 2007
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-05-22


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コメント 3

もやしさんま

今日国道44号線で根室と厚床間でいわゆる高規格道路の工事が一気に進んでいるのにビックリしました。民主党政権はコンクリートではなく人に公共事業(投資)でしたね。これはそのリバウンドですね。高規格道路は最後までできるとは思えない。お金をかけていらないものをつくるのも、今まではその作りかけが目立たなかったけれど、ウワッこれは内地から自然目当ての観光客には幻滅ですね。
途中で投げ出すときにはどうするんでしょうね。

by もやしさんま (2013-05-19 21:53) 

ebisu

釧路と根室をつなぐ道路が2本になるのですか?
ほんとにやっているんだ。

新規国債の発行をゼロにすべきですね。
自公政権になったとたんに全国の新設道路工事が一気に進む、そして残るのは借金の山。

根室は27年後には人口1.8万人の町です、釧路までの国道が2本必要なはずがありません。
by ebisu (2013-05-19 22:03) 

もやしさんま

15日に国会で予算が成立した途端の出来事です。国道沿いの牧場に突然現れた土塁がびっくりです。
畿内の古墳みたいでした。全国で一斉にやっていたりして。


by もやしさんま (2013-05-19 23:46) 

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