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#2269 衝撃!根室市の人口推計値 :とまらぬ人口減少 Apr. 21, 2013 [19. 人口減少に関わる問題]

 3月27日に国立社会保障・人口問題研究所が都道府県別・市町村別の人口推計データを公表した。ジャパンタイムズも社説でとりあげている。ふるさと根室市のデータを検索してみた。

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1223 根室市
男女計2010年2015年2020年2025年2030年2035年2040年
総数29201272032539023494215711969717892
0~4歳1040894749653602559497
5~9歳1219968848711620572530
10~14歳13061165936821688600553
15~19歳128611171044838735616538
20~24歳123411811062993796698586
25~29歳13451296123611151043843741
30~34歳160312681247119210741006813
35~39歳187715151216119811451031967
40~44歳1833181314741185116711151005
45~49歳1924174117421418114011241074
50~54歳1976187817041707139111191103
55~59歳2406189018101644164713421080
60~64歳2417223917821709155515561269
65~69歳2120222520831660159514521454
70~74歳2031191320311905152214661337
75~79歳1602171716491762165513271283
80~84歳1112124513751334143613531090
85~89歳5697268439549381025968
90歳以上2984125596958228931004
G. 0~14歳3565302725332185191017311580
G. 15~64歳1790315938143171299911693104509176
G. 65歳以上7733823885408310796875167136
G. 75歳以上3581410044264745485145984345

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 2010年を100%とすると、2040年は61.3%となる。五年ごとの根室の人口推計値は次のようになっている。

 2010年 29,201
 2015年 27,203
 2020年 25,390
 2025年 23,494
 2030年 21,571
 2035年 19,697
 2040年 17,892

 データを見ると2010⇒2020年は3811人の減少となっているが、最近5年ほどは毎年400~470人ほど減少している。年間381人の減少というのは藤原市政の時代の数値であって、その後長谷川市政になって人口減少が加速し毎年400人を超えている(2012年度のみ124人減)から、2020年には25000人くらいだろう。

 緑色でハイライトした「G. 0-14」歳の階層には小中学生が含まれている。2010年を100%とすると2040年は44.3%である。2020年の総人口は2010年比61.3%だから、中学生以下の人口減少幅が大きい。
 現在各学年230~270人いる小中学生が市内全部をあわせても1学年たったの105人となる。幼稚園や保育所は半分で間に合うから、計算上は市内の幼稚園や保育所でやっていけなくなるところが半数でる。保育士や幼稚園教諭の免許を取得しようと思っている人は、この人口推計表をじっくり眺めて考えたほうがいいだろう。
 私塾も生徒数が半減する。インターネット時代だから、ネットを使えば私塾の授業ソフトが日本全国で格安に利用できるようになる、したがって大して心配はいらぬ。利用料金は現在の数分の一に下がる。すでに格安の利用料金を設定しているところが出始めている。これから十年は価格破壊が進む。なにしろソフトはいくら消費しても減らないから、量が捌けるなら価格を十分の一にでも下げられる。
 問題はネットを利用しても理解ができない成績下位層への対策だ。この層が増えているから困った問題として残るだろう。学校が放課後補習をやり、家庭学習のシツケを小学校低学年で徹底するしか対策はないだろう。

 団塊世代は1学年1000人ぐらいだったから、おおよそ10分の1のサイズになるということ。2020年には1学年平均値は169人である。集団競技のブカツを維持したければ数年以内に学校は小学校2校、中学校2校に統合するしかない。

              0-14     総人口    14歳以下比率
 2010年 3,565    29,201    12.2%
  2015年 3,027    27,203    11.1%
 2020年 2,533    25,390    10.0%
 2025年 2,185    23,494     9.3%
  2030年 1,910    21,571     8.9%
 2035年 1,731    19,697     8.8%
 2040年 1,580    17,892     8.8%

  0-14歳が総人口の10%を割るのが2020年である。こういうことを前提にしながらふるさとの将来ビジョンを描かなければならない。

                総人口 対前年減少数  比率      年平均減少率
1968年  49,892人
1978年  44,073人    -5,819    -11.7%    -1.1%
1988年  39,010人    -5,063    -11.5%       -1.1%
1998年  34,534人    -4,474    -13.0%       -1.3%
2008年  30,469人    -4,065    -11.8%       -1.1%
2010年  29,596人   
2012年  29,015人  -1,454               -1.2%


 今月東京丸の内キッテビルに出店した回転寿司の「はなまる」を除くと、若者に夢を語り夢を実現できる経営力をもった地元企業経営者が何人いるのだろう?
 閉鎖的な経営を打破し、若者たちをひきつけられる魅力をもった企業が増えなければ、根室市の人口減少は止められない。
 日本全体が30年間で2千万人人口が減少するのだから、根室の人口減少を完全にとめることはできない相談だが、減少幅を緩和することはぐらいはできるだろう。

  急速な高齢化と人口減少が同時に起きるから、産業やサービスそして道路や水道などのインフラ、老朽化していくたくさんの空家の取り壊し問題など、何が起きるのかを予見しさまざまな政策を検討して実施しなけらばならない。時間は残されていないのである。

 根室市は予算をつけてピント外れの「移住促進事業」なんてやっている場合ではない。若者の人口流出を緩和するためには地元企業をオープン経営に変えるべきで、そのためにいうべきことを言い、地元の各経済団体にオープン経営や企業上場の勉強会を提案したらいかが。根室の子ども達の学力が北海道14支庁管内で最低レベルだが、地元企業の経営力も同様のレベルではないのか?学ぶのがきらいなのは子ども達よりも地元企業の経営者達ではないのか?現状も未来も変えられる、そのためには謙虚に学ぶことしかない。

 私心を去り、世のため他人のために働こうという志のある経営者は強い。頭を下げ素直に学ぶことができないのが根室の企業経営者のひ弱なところ、学ばざる者はほろびるのみ。
 「はなまる」の経営者の偉いところは京セラの稲盛和夫の塾に学びに行ったこと。偉い、偉い、えらい。根室の企業家では異色、どの経済団体にも属していないと聞く。

(わたしは産業用エレクトロニクス輸入専門商社に勤務していたとき(1979~84年)に、創業10年頃の京セラで数年間稲盛和夫の薫陶を受けたことのある営業課長のEさんに出会った。営業をやりながら経営改革の企画のできる非凡な人だった。営業だけをとっても他の人たち数人が束になってもかなわぬ実績をたたき出していた。できないとかやれないとかそういう言い訳をしたことのない人だった。経営企画とシステム管理をしていた私には最高の仕事の相棒だった。ある会社が日本法人を作る意向があるので二人でやらないかと誘われたことがあった。独立すればその商社は売上の30%強を失うことになり経営危機に陥ることが見えていたのと、私が抜けた後に経営面と統合システム開発の切り回しのできる人材がみあたらなかったのであきらめてもらった。もうしわけなかった。Eさんは理想とする経営をやってみたかったのだろう。同族企業だったが、予算経常利益の三分の一をボーナスに、三分の一を配当に、残りを内部留保にというオープン経営に切り替えた。社長が提案を呑んでくれた。会社は急激に売上と利益を増やしていった。
 わたしはEさんを通して稲盛和夫を見ていた。私心を去って世のため他人のために働くという志をもつ経営者は強い。)

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【根室市の人口データ】

  根室市人口変動数  %CH
1989年H138,335
1990年H237,856-479-1.250
1991年H337,250-606-1.601
1992年H436,799-451-1.211
1993年H536,447-352-0.957
1994年H636,041-406-1.114
1995年H735,560-481-1.335
1996年H835,217-343-0.965
1997年H934,835-382-1.085
1998年H1034,534-301-0.864
1999年H1134,183-351-1.016
2000年H1233,859-324-0.948
2001年H1333,488-371-1.096
2002年H1433,028-460-1.374
2003年H1532,668-360-1.090
2004年H1632,266-402-1.231
2005年H1731,771-495-1.534
2006年H1831,381-390-1.228
2007年H1930,881-500-1.593
2008年H2030,469-412-1.334
2009年H2130,081-388-1.273
2010年H2229,596-485-1.612
2011年H2329,139-457-1.544
2012年H2428,750-389-1.335

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 「「日本の地域別将来推計人口(平成25(2013)年3月推計)」の公表」
http://www.ipss.go.jp/pp-shicyoson/j/shicyoson13/1kouhyo/yoshi.pdf

  北海道の「0-14歳値」推計 65.7万人⇒35.3万人 (2010年比53.7%へ)
http://www.ipss.go.jp/pp-shicyoson/j/shicyoson13/2gaiyo_hyo/kekkahyo2_1.xls

"Japan's depopulation time bomb"
http://www.japantimes.co.jp/opinion/2013/04/17/editorials/japans-depopulation-time-bomb/

*#1555 根室の人口減少とビジョン:縮小を前提にビジョンを作ろう
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-06-15

 #1901 根室市の人口2.9万人割る
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-04-11

  #2270 人口減少の衝撃: 2040年の日本の人口は1億727万人:"Japan's depopulation time bomb"
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-04-22

  #2247 根室市予算案をチェックする(6): 補助9億円「高すぎる」
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-03-19



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心配症

人口減少に伴って、市立病院の医師も少しずつ減って行くようです。
しかし現在の病院のHPでは、医師数減を印象付けないように、実際には殆ど診療していない年休消化体制の循環器K医師と、5月一杯で辞めることに成っている小児科のK副院長の名前も残っています。

医師が変われば診療スタイルも変わります。特に小児科に関しては、今までのK副院長があまりにも根室地域の子供の為に頑張って来ていました。平日の夜にも外来を開け、週末の土日や祝日にも外来を開けていました。勿論その小児科診療体制を陰で支えていたのは北大小児科からの出張医です。

多分、6月からの新しい医師と何処からの出張医がこれまでの診療スタイルを引き継ぐのは難しいでしょう。何故ならK副院長は週末には根室を空ける他の医師と違い根室に住んでいたので、24時間スタンバイが可能だったわけです。
最近の或る北大小児科からの出張医の話です。
「あの夜間外来や休日外来に関してはK副院長のやり過ぎだよ。彼の子供を思う気持ちは分かるけどね。その有り難さを根室のお母さんたちはあまり分かっていない。小児科はあれが当たり前だと思っている」。
by 心配症 (2013-04-22 09:51) 

ebisu

おはようございます。
もう道路が乾いていますが昨夜はひどい雪でしたね。

診療してもらっているときの印象だけで判断しているのでしょうね。見えないところを想像するのはむずかしいもの。

>K副院長は週末には根室を空ける他の医師と違い根室に住んでいたので、24時間スタンバイが可能だったわけです。

ここまで想像が及んでいたお母さん達が何人いたでしょう。
弊ブログで日常の診療を支えているそうした仕組みや医師の努力を知ってもらえたら幸いです。

>「あの夜間外来や休日外来に関してはK副院長のやり過ぎだよ。彼の子供を思う気持ちは分かるけどね。その有り難さを根室のお母さんたちはあまり分かっていない。小児科はあれが当たり前だと思っている」

根室の地域医療を支えるために、医師と患者のコミュニケーションが必要、相互理解が必要。
患者や患者のお母さん達が診療体制の仕組みを理解することも地域医療を支えるために重要なこと。
丹波柏原病院の小児科を守る会のような組織が早く根室にできることを願わずにはいられません。

>しかし現在の病院のHPでは、医師数減を印象付けないように、実際には殆ど診療していない年休消化体制の循環器K医師と、5月一杯で辞めることに成っている小児科のK副院長の名前も残っています。


以前、病院の管理職に訊いてみたことがあります。病院のホームページの情報には発信日や更新日がない。医師が辞める場合に事前に患者へホームページ上で知らせるべきだと。
できない理由をいくつか並べていました。あきれて聞き流しましたが、民間企業なら典型的なダメ社員です。わからないのでしょうね、自分の感覚麻痺が。人は悪そうではありませんでしたよ、酒を一緒に飲むだけなら楽しい人のよう身お見受けしました。

外来診療を受けている患者は自分の担当の医師が変わることを噂で聞くだけで、診療に行ってある日突然担当医が根室を去ったことを知る。
この管理職さん、病気になったことがないわけではないでしょうに。仕事の本筋を履き違えていましたが、まったく医療うに関係のない部署から異動してきて2年もいなかった。仕事も理解できないうちにたらいまわしのように管理職が簡単に替わる。
この人事ひとつとっても市政が地域医療を重視しているようには見えません。

ところで、市立根室病院のホームページはいったいなんのために誰のためにあるのでしょう?


by ebisu (2013-04-22 12:05) 

サリー

塾長、おひさしぶりです!

驚きました。数字を見るとほんとうに、根室市の人口が着々と減っていきそうですね。
そういう私も、最近、諸事情で人口を減らしたひとりなので心が痛みます。

地方の人口が都市部に流失する理由は明確です。
人口の減少緩和は可能なことだと思いますが、そういった努力をしている姿勢が、まちから見えてこないのは残念ですね。
アイディアは豊富なのに、実行できないのはどうしてでしょう?
私の見解では、根室のサービス業全般は、学力と同レベルの低さです。
接客態度、口の利き方、クレーム処理の仕方、すべてにおいて底辺です。
そういった地域性が、影響してるのかもしれません。
公務系の予算のピント外れな使い方はもちろん、「私心を去り、世のため他人のために働こうという志」を持って仕事をしている人より、自分さえよければいいという人が多いように思います。
日本全体に言えることですが、仕事についてもやりたいことができない、上司に逆らうと出世にひびくから、・・・とか、自分の立場を守ろうとするばかりか、中には、職権を利用して私利私欲に走る勘違い人間もいて、それをやっかみながらも、長いものに巻かれて、事なかれ主義でいることが安全策みたいな人たちが多すぎます。
経営能力がある人は、計算と人情の使い分けができて、人使いも上手なはずです。

いい経営者を育てるためには何が必要なのでしょう?
by サリー (2013-04-23 02:14) 

ebisu

サリーさん、おはようございます!

あまり久しぶりの気がしないのはあなたが飲んだり食べたりしている写真を見ているからでしょう。だんだん極東女と薩摩オゴジョのハイブリッド化しつつありますね。(笑)

接客サービスの質が最底辺であることを根室人は案外分かっていないのだろうと思います。勉強不足で基本を知らないだけのように感じます。他の地域を見るだけで分かりそうなものです。その種のハウツー本を読んだって基本は理解できます。どちらもやっていないと言うのが真実でしょう。いくつになっても学ぶ心が大切です。学ぶ心をもつ者はたゆまず努力し続け、進化します。

たとえば「ニューかおり」のようにしっかりしている店もありますが、「極少数派」ですね。夜の飲食店では「サリー」というお店の接客がきらりと光っていました。(笑)
クロのズボンに白のブラウス、背筋をすっとのばして、一本ごとにティスティングを怠らない。グラス磨きもせっせとしていましたね。根室のお店にはめずらしいプロの仕事でした。
一緒に飲んだことがないので極東のソムリエの酔っ払った姿を一度も見ませんでした。
お店ではけっして飲みませんでしたね。プロ意識が漂っていました。カウンター越しに仕事振りを見ているだけでうれしかった。仕事に徹するプロがいましたから。

最近、一軒ワインバーができたようです。そのうちに行ってみようと思っています。

世のため他人のために働く意志をもった子どもたちが次々に高校を卒業していきます。根室に残る者、就職や進学で外に出る者さまざまですが、根を下ろしたところで世のため他人のためそして自分のためにしっかり働いて社会を支えてくれるでしょう。生徒達を育てるというところでわたしはもうしばらくふるさとの根室を支えてみたい。きっといい町になります。素直で意志が強くなって次々と高校を卒業していきます。いろんな試練が彼ら・彼女達を鍛えてくれるでしょう。

あなたが渾名をつけたクリリンは東京支局で記事を書きまくっているかな?根室が似合う記者でしたね。

あ、根室の人口推移を表にして次回の弊ブログで紹介します。
根室の人口減少が始まったのはいつでしょう?
たしかサリーさんは生まれていましたね。小さな勝気な女の子だったのではないでしょうか?(笑)
あのころの花咲港はヤンシュウでごった返していました。いい時代でした。

あなたのブログの更新は以前ほど頻繁ではないようですが、いまぐらいで充分です、楽しんでいますのでとぎれさせないようにお願いします。


by ebisu (2013-04-23 09:06) 

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